もちろん東京のほうが安い(ほぼ半額)そして水質もずっとよい。根室の水源地はは周りを牧場に囲まれた溜水だから、水質が悪いし、ミネラルもほとんどない。山に降った雨や雪が地下へしみこんで湧き出たものでないから、ミネラルがないのはしかたがない。根室市民は慢性的なミネラル不足の人が少なくないのでは。ミネラル不足は味覚異常や精神不安を引き起こすことがある。落石地区までは摩周から農業用水が来ている。あの水は摩周湖のふもとから湧き出た水だろうから、きっとミネラルをたっぷり含んでいる。
 隣町の別海町は地下水、中標津町は山から流れてきた川の水、ともにミネラルは十分ある。このように周りにいい水がある。上水道はもっと広域で考えていいのではないか。別海町から水を分けてもらうもよし、摩周の水と混ぜてもよし。コストはどれくらいかかるのだろう?
 根室の上下水道の赤字はわずか年間6000万円だという。市立病院の赤字額が年間8億円から16~17億円に膨らんでしまっているが、これを1億円圧縮できたら、市民はミネラルたっぷりの良質の水を飲むことができるのではないだろうか?
 根室市のホームページで、「水道料金は高いが、水も美味しいよ」と全国の人たちに伝えることができる。

 20m^3使用した場合の料金を計算して検証してみたい。

 <根室市>
 5m^3まで   900円
 6~8m^3まで 1210円
 8~20m^3まで 2520円(12m^3×210円)
 下水料      3760円(2000円+11m^3×160円)
           合計 8390円
 
 <東京都>
 【水道料金】
基本料金 1,170円 + 従量料金1,390円 ×1.08=2,764円

【従量料金内訳】
1〜5m³ = 0円
6〜10m³ =22円×5m³= 110円

11〜20m³ =128円×10m³= 1,280円
従量料金=1,390円
【下水道料金】
0~8m³  560円
9~20m³ 110円×12m³= 1,320円
560円+1,320円=1,880円×1.08=2,030円
合計 2,764円+2,030円=4,794円
https://www.tainavi-switch.com/contents/187/

 根室が8390円、東京都が4794円である。ほぼ2倍であることは、人口が密集していない根室のほうが1世帯当たりの配管設備費が東京都の数倍になるだろうことから、だれでも容易に推察がつくだろう。
 根室市では上下水道料金値上げを検討中であり、その幅は20%だそうだ。値上げ後の料金比較は次のようになる。
 根室市 10068円/月 
 東京都   4794円/月
  こういう情報は根室への移住を検討している人には重要である。何も情報がなければ、東京都似たようなものだと勘違いしてしまう。勘違いしてがっかりしないように、マイナス情報こそ大事なのである。いくつか挙げてみよう。

●店舗家賃が高い:坪単価9000円 横浜市内の鉄筋コンクリートの建物とほぼ同じ
●アパート家賃が高い:人口18万人の釧路よりも、根室のほうが高い
●駐車場賃借料が高い
●冬はブラックアイスバーンになることがある
●雪は道内のほかの地域よりも少ないが、雪かき作業はしなければならない。
●夏は涼しく、冬は中標津に比べると10度ほども暖かいが、風が強いので体感温度は低い
●冬は暖房用灯油代が15000~25000くらいかかる(灯油は価格変動幅が大きい)
●ガスはプロパンで、東京ガスに比べると料金は2倍くらい
 
<期待値を上げすぎてはいけない、正直が一番>
 SRL学術開発本部で仕事をしていた1990年ころのこと。開発部課長のF波さんがアルバイトの面接をして、人を雇ったが、早い人は1日で、あとの2人も1週間しないうちに辞めた。業を煮やした担当取締役のI神さんから、「ebisu、おまえが面接してみろ」と指示があったので、さっそく面接をした。応募してきた人は美大を出て絵が好きだとわかった。当時はワードというソフトはなくて、ワープロ全盛期だった。開発部ではそれぞれ勝手に自分の好きなワープロ専用機を使っていた。3種類あったのだ。仕事の依頼はそれぞれの部員からあるから、そのどれもが使えなくてはいけない。そういう話をF波さんがしていないものだから、3度採用してもすぐにやめてしまう。仕事の内容を具体的に説明したら、案の定とてもできませんという答えが返ってきた。
 そこで提案した。ワープロを習いに行ったら、3種類覚えるのに十数万円かかるけど、わからない場合はわたしがやり方を教えるから心配いらない、お給料もらえて、3種類のワープロ専用機が使えるようになったら、次は有利な転職ができると思うよと伝えた。その女の子が2週間目に入ってもやめないので、I神取締役が「ebisu、なにやったんだ?」と訊いたので、顛末を話した。ようはマネジメントなのである。海外製薬メーカのラボ見学だけはebisuの担当になったので、ついでだから英文のラボ見学パンフレットを制作した。結石ロボットや、分注システム、RI検査精度管理システム、細胞性免疫部の最新検査機器とシステム、当時世界初の紙フィルター方式の液体シンチレーションカウンターなど、面白いところを写真に撮って、それをイラストに落とすのに、そのアルバイトにお願いした。イラストには署名を入れさせた。喜んで仕事してました。

 さてまとめです。マイナス情報を隠してはいけない、オープンにしておかないと、結果として期待値をあげることになる。実際には期待していたよりも実際の仕事がずっときついから辞めることになるのである。正直が一番よい、そしてマネジメントの観点からは、マイナスをプラスにできたら満点である

<余談:味覚異常>
 正月に尿管結石で苦しんだ後に、味覚異常が起きたのでカプセル剤でミネラルを補って治した。栄養医学研究所の製品である。味覚異常が起きると、食欲がなくなる。味がないと水が飲みづらくなるということもわかった。胃のないわたしは食欲や水分摂取量が落ちると、とたんに体重が減りだす。ほうっておいたら衰弱死がまっている。
 根室人は濃い味が好きだがミネラルをほとんど含まない水道水のせいで味覚がいくぶんか鈍感になっているかもしれない。

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