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#3973 家活プリント:三角比問題 Apr. 26, 2019 [52. 数学]

 昨日(4/25)、高2の生徒が「家活プリント」をもってきた。三角比に関するセンター試験レベルの問題である。面白い問題だったのでかいつまんで紹介する。

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 △ABCがある、AB=1、BC=√2、∠B=135°、直線BC上にAD=√3となるように点Dをとり、直線BD上を点Pをが動くとき、△APCの外接円の半径をRの最大値と最小値を求めよ。
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 問題文がうろ覚えだったので、答えのほうから逆算して辺の長さをたしかめたからだいじょうぶだろう。

 数値を作図が示されていないところがこの問題のみそだ。ただしく作図が描ければなんとかなる。点PがBD上を動くのを動画イメージで再現できたら楽だ。
 注意しなくてはならないことがある、点Dの取り方だがBC上の左側にある場合と、右側にある場合の2通りが考えられる。∠ADBが鋭角という指示があるから、この問題の場合は直線BCの延長線上の左側だけを考慮すればよい。余裕のある生徒は、∠ADBが鋭角という指定のない場合にはどうなるか考えてもらいたい。Bの左側にDが来る場合と右側にくる場合の二通りに場合分けして考える必要がでたくる。両方を考慮しても答えは同じになるのだが、指示のある方が問題はより簡単になる。∠ADCが鈍角、つまりBの右側という指定があれば最小値はそのままだが、最大値はP=Cになるときである。

 センター試験形式の問題は解き方の手順が問題に組み込まれているのが通常だから、順に解いていけば最終問題の答えへたどり着ける。
 設問1. 線分ACの長さを求めよ
 設問2. sin∠ABCを求めよ
 設問3. sin∠BCAを求めよ

 設問1は△ABCの辺が二つと角度が与えられているから、余弦定理で√5であることがわかる。計算は簡単だから省略する。
 設問2は計算するまでもない。1/√2
 設問3は余弦定理で三つの辺からcos∠BCAを求めてから、「sin^2Θ+cos^2Θ=1」へ代入して求める。
 さて、最後の問題だが「∠ADCが鋭角となるように点Dをとる」となっているからB点の左側のみを考えればよい。
 点Pが線分DB上を左から右へ向かって移動すると考えると、始点は「P=D」、終点は「P=B」である。それぞれの場合の外接円の半径を計算する始点のときの方が終点のときよりも大きい。
 Rが一番小さくなるのは、△APCの1辺が直径になるときである。それは点Pが頂点Aから直線BCへの垂線との交点の位置にくるときだから、直径は√5、半径Rは√5/2となる。Rの最大値はP=Dのとき√30/2.

 2月進研模試で数学が学年3番の生徒は最後の問題を除いて正解だった。途中から三人来て、四人で解き方を議論していたのでほうっておいた。学年3番目の生徒は図が問題文の指示通りに描けなかったので暗礁に乗り上げた。高校数学は問題文の指示通りにグラフや図が描けたら容易に正解できる問題が多い。4位の生徒が最小値の方を図を描いて解いてしまった。うれしそうだった。
 いままでの根室高校なら3年生になってから使う問題集に載っている問題である。それを2年の時にこなしたら、3年次ではセンターレベルを超える問題を消化できる。根室高校が変わりつつあるようだ、好い取り組みだね。

 複素関数は高校数学の範囲を超えているが、これは複素平面から複素平面への対応だから、四次元となりグラフイメージを描くことができない。複素数は無限級数で指数関数と三角関数が結びつく不思議な世界である。どちらも無限級数で表せる。
 オイラーの公式とオイラーの等式もそういう美しい複素数の世界を表現している。等式の左側は指数関数だが、等式の右辺は三角関数である。実数の世界ではこうはいかぬ。

  e^iΘ=cosΘ+isinΘ
  e^iπ=-1
 オイラーの等式はオイラーの公式のΘにπを代入すると得られる。cosπ=-1、sinπ=0である。



*#3972 ガンマクラスの家活プリント Apr. 24, 2019
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-04-24-2



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#3972 ガンマクラスの家活プリント Apr. 24, 2019 [52. 数学]

 昨日、4時半ころから高2の生徒が一人きた。この時間にこの生徒が来るのはめずらしい。
 数学は学力別にクラス編成がなされているが、この生徒は特設コースの生徒で最上位のガンマクラス、2月の進研模試では数学の得点が学年5-10位のあたりに位置している。
 特設コースの数学はガンマⅠとガンマⅡにわかれている。特設コース以外のクラスは、ベータとアルファの二つが設定されているので全部で四段階の学力別編成ということのようだ。なお、数Bは選択制になっている。最上位のガンマⅠクラスの生徒には自主勉強用の「家活プリント」が提供されている。もっていってもいかなくてもよい。生徒の自主性を尊重するというのが学校の方針。
 やりかたが今週から変わり、解答と解説プリントが渡されなくなった。生徒たちは解説を見て問題を理解するような勉強の仕方をしていたようだから、「どうやっていいか全然わからない」とぶつぶつ言いながら、「塾で教えてもらわないとできない」、取り付く島がない、そういうことだった。プリントをもらってしばらく考えたようだ。グラフの概形を描いてみるように伝えたが、描けないのは問題文が読み切れていないのと、問題に示された条件と二次関数の基礎的知識とのリンクがとれないからだ。

 「家活プリント」の難易度はセンター試験レベルである。3年生が『センター攻略 数学Ⅰ+A、Ⅱ+B』という問題集を使用しているが、それの新年度改訂版か数年前のものから採録された問題だろう。昨年のものとは問題が違っていた。
 あとで問題を紹介するが、この問題を高2四月の時点でノーヒントで正解できるのは数学の偏差値70以上の生徒だけだろう。偏差値80をを超えている生徒が一人、残りのガンマⅠの生徒たちは全員70以下である。5番目くらいで偏差値50前後だ。教えている生徒たちの進研模試データを閲覧しているはずだから、学力分布は高校で教えている先生のほうがよくご存じ。

 なぜ、解答と解説を渡さなくなったのか生徒に訊いてみたら、丸写しをする生徒がいたので、先生が配布をやめたのだという。
 わたしが数学担当の先生なら、たとえ一部の生徒が丸写ししても解答と解説プリントは生徒に渡したい。自主的な家活プリントだからそんなことをする生徒はごく一部だし、そういうアホなことをすれば進研模試の偏差値も学校の定期テストの点数も上がらない。まったく無駄なことで、結果を見れば一目瞭然。高校生は大人なんだから、自分で気がつくまでほうっておけばいい、というのがわたしの判断。近道反応をする生徒はつねに数人いるもので、小中学生のころから困難に出会うと近道反応を繰り返してきたから性格の一部になってしまっており、高校生になってからではほとんど治らないからほうっておけばいい。付け焼刃では通用しないことを痛い思いをして学べばいいのである。その生徒にとってはそれが成長へのステップとなる。
 2番以下の生徒たちは解説を見ながら、手の届かない問題を理解しようと頑張っているのだから、そういう生徒たちを優先したい。ガンマクラスの生徒の大半が解答を見るか友人数人でどうやったら解けるのか議論をし始める。それでもわからないときに、塾へもって来る。ヒントを出してやらせてみる。同じ宿題がわからない生徒が複数同じ時間の塾にいたら、ヒントを出して議論させてやればいいのである。だれかが思いがけない解き方を見つけることもあるから、楽しい。

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<問題14>
m、nを自然数とする。C:y=x^2-2mx-nとするとき
(1)Cの頂点がy=-x^2+3x-5 上にあるとき
  m=ア、n=イである。
 このときグラフCはx軸からの長さ ウ√エ の線分を切り取る。
(2)グラフCがx軸から長さ4の線分を切り取るとき、m=オ、n=カ である。

<問題15>
放物線とx軸の共有点の位置
 aを定数とし、xの2次関数 y=x^2 -2(a-2)x+2a^2-7a のグラフをGとする。
 下のカ、キ、ケ、サ、ソ、タには、次の①から③のうちから、当てはまるものを1つずつ選べ。ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。
 ◎> ①< ②>= ③<=
(1)Gの頂点の座標は(a-ア、a^2-イa-ウ)である。
 また、Gがx軸と共有点をもつのは(エオ)カ a キクのときである。
(2)Gがx軸と共有点をもち、さらにそのすべての共有点のx座標が0より大きくなるようなaの値の範囲を求めよう。Gとy軸の好転のy座標をYとすると、条件は(エオ)カ a キク かつ a-アケコ かつ Yサシ
 よって、求めるaの値の範囲はス/セ・ソ a タチである。

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 時間差で学年3番の生徒が来たので、問題文から条件抽出してみせてグラフの概形を描いて見せる必要があった。条件抽出のしかた、つまり問題文の読解とグラフを描くときの要点を学んでもらいたい。そんなにたくさんのパターンがあるわけではない、所詮は受験問題だから、正解があり、解法は極めて限定されており、何を使うかは問題文に示された条件から絞り込めるからだ。計算はそれぞれ自力でやってもらった。

 問題14は解の公式を用いて解いてもいいし、2年生の「解と係数の関係」の章を予習済みなら、
 (β-α)^2=(α+β)^2-4αβ=4^2
この式を利用してもいい。進研模試学年3位以下はまだこの章を予習していない。
 問題15は問題文のどの部分が解放のヒントかアンダーラインを引かせて、グラフの概形を描かせたら手掛かりが全部見えてしまう。二次関数の基本理解にかかわる良問である。手がかりが見えないという生徒は、二次関数の基本理解が不十分だということ。1年生の時の二次関数の授業で、そういうトレーニングはしていないから無理ない。センターレベルの問題は学校で採用している教科書準拠問題集には載っていない。根室高校では3年生でそういう難易度の問題集を使うことになっている。つまり、高2に高3の生徒たちが使う問題集を「家活プリント」として渡している。それでいいのだが、正解も解説もないのでは生徒はお手上げ。

 センター問題としては標準的な2次関数だろう。基礎をしっかり学習していれば正解できる。だが、四月の時点でその基礎をしっかりマスターできているのは、観察する限り2月の進研模試偏差値が70以上の生徒である

 根室に高校生対象の塾は二つだけ、塾へ通っている生徒は二つの塾を合わせて15人程度だから、ガンマクラスの残り20人ほどは手の付けようがなくて困っているのだろう。
 学校の授業でやっている問題よりもずっと難易度の高い「家活プリント」なのだから、塾へ通えない生徒たちのために、解答と解説プリントを配布してやってはくれないだろうか?

 「家活プリント」の解き方がわからなくて塾へ来る生徒へのヒントは最小限にしている、皆さん数学だけは学年10番以内だからそれでいい。
 好きな数学ばっかりやらないで、苦手の英語の勉強のほうもしてもらいたい。この一月ぐらいで集中的に英語の勉強をしてめどをつけておかないと、大学受験でランクを下げることになる。数学の偏差値が60を超えたって、英語の偏差値が40程度なら、偏差値50の大学すら合格困難です。わかっているはず。自分に負けるな。(笑)

 (問題は3つあった。三番目の問題は簡単だったようでだれからも質問がでなかった(笑))
(学年ナンバーワンの生徒は「家活プリント」は難易度が低すぎると判断してか利用していない。もっと難易度の高い大学入試問題をせっせと解いている。数日前に慶応大学の入試問題が解けたと喜んでいた。)


<余談:問題文から条件析出の実際のやりかた>
 問題15のほうをとりあげる。問題文のヒントになる個所にアンダーラインを引く習慣をつけよう。そのためには、問題文のどこがヒントか見分けるスキルが必要となる。必要なスキルはつねに磨く方法が存在する
1.y=x^2 -2(a-2)x+2a^2-7a ⇒ 放物線の軸はx=a-2
2.Gがx軸と共有点をもつのは(エオ)カ a キクのときである ⇒ 頂点のy座標がマイナス
3.Gがx軸と共有点をもち、さらにそのすべての共有点のx座標が0より大きくなるようなaの値の範囲 ⇒ a-2>=0
4.Gとy軸の好転のy座標をYとすると ⇒ Y>0

  問題文から二次関数にかかわる基本性質を4つ読み取るだけである。だからこの問題は基本問題で、二次関数の基本が理解できているか否かを問う良問と言えよう。
 センターレベルの二次関数の問題を20題ほどピックアップして、問題文の読解とグラフ概形を描くトレーニングをすれば、センターレベルの二次関数はほぼ正解できる。
 数学の偏差値が80を超えている学年トップの生徒は昨年夏休み前にそういうレベルを超えていた。2月の進研模試全国偏差値60以下の生徒諸君はやってみたらいい。適切なトレーニングをたんたんとこなせば、だれでも標準レベル問題に正解できるところまでよじ登って来れる。そこから先は多少のセンスがものをいう領域だろう。


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#3898 複素数計算とコンピュータ: [Visual Studio 17] Jan. 14, 2019 [52. 数学]

 好奇心はそのままにしていても際限なく広がっていくものです。コンピュータで複素数の計算をどのようにやるのか想像してみます。たとえば、(2+i) と (3+2i)という複素数のセットで足し算と引き算はそれぞれ実部同士、虚部同士の加減算でこと足りますが、乗除算はそうはいきません。実部と虚部の乗算や除算がでてきます。冪(べき)乗計算になると指数や対数そして三角関数のおでましです。複素数専用の四則演算と冪乗計算のプログラミングが必要なことが明白です。

 必要があって複素数の計算を前回#3907でやってみました。複素数のべき乗計算を指数と対数と三角関数に展開して手計算でやるのも、関数計算機でやるのもしんどいので、HP-35sの複素数計算機能を利用しました。これだとRPN(逆ポーランド方式)で複素数をそのまま式に代入するだけで計算できました。とっても便利です。
 複素平面から複素平面への対応を調べ、複素数のべき乗関数グラフを描くためには次のような計算を繰り返す必要があります。
①z平面のxを固定し虚軸のyi1を0.5単位で±100の範囲で計算してみる。
②z平面の虚軸yiを固定してxを0.5単位で±100の範囲で計算してみる。
③zの長さを固定してxとyiのセットをつくりだして、zの絶対値が0~100の範囲で0.5刻みで計算してみる。

 こうすれば、それぞれに応じたw平面が0.5の点で表現できそうです。工夫次第でz平面で0.5の網目のグラフを描くデータが揃います。複素数の冪乗関数のグラフを描くのはじつにやっかいな作業を要します。

 プログラミング言語の「C++」に複素数計算機能があることは前回書きましたが、再掲します。

   class complex { double re, im;};

 実部と虚部があるので、ダブル型の関数として定義されています。加算と減算はすなおにそのままできそうですが、乗除や冪乗計算はそのままできません。

 C++の演算子一覧をみても、冪乗演算子はないから、Z^aはZをa回かけるしかありません。if文でカウンタをaになるまでループさせればいいだけですが、加算や減算も実数の場合とは違うから、プログラムが必要です。
 これらは基本計算に属しますから、C++のライブラリにあるのではないかと考え、検索してみたらありました。「第3章 C++標準ライブラリを用いた 複素数計算の基本」という学術論文を見つけました。
*http://na-inet.jp/fft/chap03.pdf

 18頁に「図 3.1: IEEE754-1985規格の2進浮動小数点数の形式」の解説図を見ると、浮動小数点表示で単精度で32bit、倍精度で64bit、拡張倍精度で80bitで計算できます。

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 すこし脱線します。
 1978年から84年1月末まで産業用エレクトロニクスの輸入専門商社で働き、84年2月からは臨床検査最大手のSRLへ転職して仕事してました。78年に産業用エレクトロニクス専門輸入商社では財務構造と収益体質を変革するために社長が提案した5つのプロジェクトの仕事を抱え、問題解決のために納期管理や外貨決済管理、仕入業務管理、円定価システム、為替予約管理などいくつかのシステム開発をせざるをえなかったので、三菱電機のオフコン、NEC製小型汎用機を使いました。SRLでは富士通製汎用大型機(84年から92年ころまで当時国内最大規模のコンピュータ)のユーザでした。プログラミングも必要があって3言語独習しています。プログラミングできないとスマートな外部仕様書やプログラミング仕様書が書けません。内部設計はソフトハウスのSEがやってくれるので、システム仕様書を書いたり実務設計をすることが仕事でした。1978年から一貫して84年まで、経営管理にかかわる統合システムのパッケージ全体をデザインしていたことになります。仕事柄SRL八王子ラボの検査システムも現物を自分の目でみていましたから、1990年代初頭のころのミニコンの使われ方もよく知ってます。
 そういうわけで、コンピュータに関する専門書を7年間ほど片っ端から読み漁ってましたので、このあたりも周辺知識がすこしだけあります。でも数値計算プログラミングだけは例外でした。経営分析のモデルつくりに必要な範囲で1978年と79年にからHP-67とHP-97をつかってやってただけ、C++を使った数値計算プログラミングの経験はありません。当時のオフコンや小型汎用機では加減乗除の四則演算機能しかありません。√やべき乗すらできません、基本的な統計計算すら扱えませんでした、関数機能がライブラリーとして提供されていませんでしたから。オフコンや小型汎用機ユーザにはそういう用途で利用する人がいなかったのでしょう。
 84年2月にSRLへ転職して3月には全社予算編成と固定資産管理そして経営統合システム開発プロジェクトを任されていました。予算減価償却費の実績値との誤差が1億円以上出ていましたので、東証2部上場要件に予算精度の向上という項目があり、減価償却費の誤差を2千万円以下にできないかと経理担当取締役の岩本さんから相談を受けました。元々の固定資産管理がどうなっているのかから調べ、全部の固定資産を実地棚卸して台帳の整理からしなければいけません。そのために固定資産の実地棚卸をしていたら、使われていないDECのミニコンが2台ありました。検査受付業務システムにDECのミニコン2台を購入したのですが、開発に失敗して練馬のラボに放置してありました。当時の購入金額で1台5000万円してました。どうせ使っていないのだから、経営分析用のモデル構築と計算用に使わせてほしいと上司の経理担当役員岩本さんへ申し出ましたが、ノーでした。「ebisuよ、それは無理だぜ」、山口県出身の人で(愛媛県の松山商業卒業後富士銀行へ、筆を使わせたら名人)、ウマが合いました。わたしは経理部所属で、入社2か月後には予算編成と統括管理と同時に暗礁に乗り上げていた統合システム開発プロジェクトのメンバの一人に任命されました。(当時のSRLの予算規模は300億円でした。入社2か月の社員に全社予算編成と統括管理を任せる、じつに面白い会社です。)
 岩本さんは富士銀からの出向者で、システム部門へ押しが利かなかったのでしょう。UNIX系のマシンですからC言語が使った数値プログラミングができるマシンでした。結局、高価なミニコンはだれも使わないまま廃棄しました。システム部門が使えないのでDECのミニコンを経理部員が使うなんて話は、いま考えたら「常識外れ」の要求です。でもわたしが岩本さんなら「わかった、やってみろ」と伝え、創業社長の藤田さんに根回ししたでしょうね。そういう常識外の要求が何かを生み出すことがあります。常識の範囲に囚われていたらクォンタム・リープ(飛躍)はありません。経営分析モデルはHP67とHP97で5年前(78~79年)に作ってありましたから、とりあえずか載せ替えるだけで使えました。92年ころに子会社6社の経営管理に経営分析モデルを使いました。一度っきりでした、関係会社管理部へ異動して翌年には福島県郡山市の臨床検査会社への資本出資交渉をまとめて役員出向してました。子会社の経営管理には79年に開発した経営分析モデルをEXCELに載せ換えただけでそのまま使えました。5群27項目の経営指標と総合偏差値評価のできる、時代の尖端を走る経営分析モデルでした。子会社6社が総合偏差値で評価できるだけでなく、生産性の改善、財務安定性の改善、収益性の改善、成長性の改善、活動性の改善、これらを五分野の27指標群に分けて数値目標を設定できます。予算達成したらどれくらいの5つのディメンションでどういう経営改革になるのか、それに加えて総合偏差値でも評価のできるものでした。おそらくいまでもないでしょうね、5群27項目の経営分析指標とそれをベースにした総合偏差値で会社の経営状態を測定できるようなモデルは日本にはいまでもないでしょう。40年以上時代に先んじて経営分析・経営改善の仕事をしていました。それくらいでなくっちゃ仕事は面白さが出てきません。
 1984年にDECミニコンの使用を上司の岩本取締役に申し出たのはSRLに上場準備要員として入社して半年ぐらいの時期でした。統合システムのサブシステム間のインターフェイス仕様も、担当した会計及び買掛金支払いシステムや固定資産管理システムの設計が終わってプログラミング開発に入っていました。暇だったのです。システムはノープロブレムで8か月で本稼働してます。「わたし失敗しない人なので」どこかで聞いたセリフです。(笑)
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 話を元へ戻します、23頁に複素数の冪乗の関数名と機能が載っています。

 「complex exp(complex a) exp(a) = e^a 」

 推測通りでした、C++の標準ライブラリーをつかえば、複素数のべき乗計算ができます。
 無償提供されている[Visual Studio 17]をつかえば、テキストエディタを使ってプログラムを書き、コンパイルできることがわかりました。
  対応しているプログラミング言語は次の8つ。
*Visual Studio 17: ウィキペデイアへ
https://ja.wikipedia.org/wiki/Microsoft_Visual_Studio


 興味のある高校生や大学生にはこれだけで十分な情報です、やって遊んでみたらいかがですか?




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#3897 w=z^(2+i) :複素関数の世界へ Jan. 12. 2019 [52. 数学]

  忘年会で釧路へ行ったときに、イオンの熊沢書店を覗くと数学書のコーナーには専門書が10冊ほどあり、そのなかに面白そうな本が2冊ありました。一つは『高校生からわかる複素関数』で9月に出版されたばかりの「出来立てのほやほや」の本、そしてもう一つ興味を引く本『πとeの話』という無限級数に関する本です。興味のある分野の本が2冊並んでいたので、まよわず購入、二つ揃えて並べてくれた店員さんに感謝です。
 πやeを無限級数に展開すると三角関数と関係がでてきますが、オイラーの公式はそれらの関係を端的に表現したものです。複素関数にはπとeが必須の道具として登場し、実関数の世界とは別世界の複素解析の世界へとわたしたちを誘(いざな)ってくれます。
 オイラーの公式は「e^iΘ=cosΘ+isinΘ」ですが、Θをπに置きなおすとcosπ=1 & sinπ=0ですから、「e^iπ=1」、1を左辺へ移行すると「e^iπ-1=0」、eとπと1と0という基本的な要素のみ、夾雑物ゼロのシンプルな式が出てきます。まざりっけなしですからとっても美しいでしょ、無限級数へ展開すればこれらの関係に気がつく可能性が大きくなりますが、気がついたオイラーは数字の感覚がとってもよかった人なんでしょうね。代表的な無限級数の間にある関係を数字をいじくり合わしているうちに見つけてしまった。複素数の世界では指数関数が三角関数に置き換えられることに気がついた。たぶん、数字遊びをしていただけなのでしょう。数学の世界では誰も目にしたことのない宝物を発見した気分だったはず。

 本棚に積んで肥しにするにはもったいないので、正月3日から、暇を見つけては『高校生からわかる複素関数』の例題を一つずつ解いている(笑)のですが、歳のせいかときどきカメさんよりも速度が遅くなります。
 95頁に「w=z^(2+i)の振る舞い」という解説があり、「(1)zの実部だけを変化(虚部固定)させたときのw=z^(2+i)の振る舞い」が独立変数のz平面とそれに対応する関数値を表すw平面に分割してグラフが描かれています。複素数は4次元の世界ですからこう(分割)するしかないのです。

SSCN2514.JPG


 載せられている条件が①~⑤まであります。
①-2≦x≦2、y=-1
-2≦x≦2、y=-0.5
-2≦x≦2、y=0
-2≦x≦2、y=0.5
-2≦x≦2、y=1

  たとえば、(-2+i)^2なら高校2年生でも計算できますね。指数部分が整数なら計算は容易、指数部が分数になったら(つまり無理数)たぶん計算があやしくなります。しかし、指数部が複素数になったらまるで話は別で、高校の範囲を完全にはみ出てしまい、次のような計算をすることになります。

    w=z^a=e^a(lnr+iΘ0
 この問題の場合は、
  w=z^(2+i)=....=e^(2lnr-Θ0)×{cos(lnr+2Θ0)+isin(lnr+2Θ0)

 zにターゲットの複素数を変数として代入すれば、関数値が計算できます。実関数とは違って線ではなく、複素平面全体を代入することになるので、グラフの概形を描くだけでも計算量が膨れ上がります。
 そのうえネイピア数や自然対数や三角関数がでてきて、計算そのものがやっかいです。複素数の冪(ベキ)関数で繰り返しこの種の計算をしてだいぶトレーニングを積みました。計算は考えなくてもできるところまで習熟するのが肝。いつも生徒に言っていることですが、大事なことだからもちろん自分でもこのようにやってるんです。(笑)

 グラフの挙動を確認するために、①をxを0.5ずつ増やした時に計算値がどうなるかやってみました。指数関数や三角関数に展開するのは面倒ですから、手持ちの科学技術計算用の計算機HP-35sには複素数の計算機能があるので利用します。たった11,800円で買えます。日本語と英文マニュアルのついているものを買ってください。EXCELにも複素関数機能があるといいのですが…

1. (-2-i)^(2+i)=-11.7+71.8i
2. (-1.5-i)^(2+i)=-8.1+41.0i
3. (-1.0-i)^(2+i)=-7.2+19.8i
4. (-0.5-i)^(2+i)=-6.6+7.0i
5. (0-i)^(2+i)=-4.8+-0.6i
6. (0.5-i)^(2+i)=-1.9+-3.3i
7. (1.0-i)^(2+i)=1.5-4.1i
8. (1.5-i)^(2+i)=4.9-3.2i
9. (2.0-i)^(2+i)=7.9-1.0i


  Z平面の実軸の値が増えるとW平面の実軸も増えていますが、虚軸のほうの値は揺れていますね。Z平面からW平面への対応ですから、面全体が変数となってそれに対応する複雑な形状の面を紡ぎだしているのでしょう。4次元ですからちっともわかりません。①だけでこれだけ計算しなくっちゃなりませんから、①~⑤までやると五倍ですからね。(2)では、実部を固定して虚部を0.5刻みで計算するとやはり45個の計算が必要です。(3)ではZの大きさを固定し、偏角をπ/6ごとに計算すると24個の計算が必要になります。合計114個、ずいぶんたくさんになります。どうやって図を描いたのでしょう?(複素数の計算機能をもったプログラム言語(たとえばC++)でプログラミングするしかなさそうにみえます。*)
 これを指数関数と三角関数に展開してやるのではうんざりです。複素数を扱える計算機は、複素数のべき乗関数問題をやるときには便利がいい。
 W平面上にプロットしてみたが、滑らかな曲線になっていますから、計算違いはなさそうですが、写真の図に載っている線とはまるで違ってしまいました。
 さて、どこで間違えたのでしょう?

 計算機の使い方をまちがえたのだろうかと、93頁に載っている問題で操作を確認してみました。
   (1+√3 i)^(2+i)
  この計算をHP-35sの複素関数機能を利用してやると、-1.317+0.4860.4867iです。

 この式を主値をn=0としすると、つぎの計算式で求められます。
 4e^-2π/3×{cos(ln2+2π/3)+isin(ln2+2π/3)

 これも計算機でやってみましたが、同じ値がでました、どうやら操作は適正なようです。
 (表示は3桁のサイエンスモードにしてあるから、0.4867は「4.867E-1」)

 いまは原因がわからない、少し先へ進んでからまた戻ってやってみます、だんだん慣れて理解が進んできます。お酒の醸造をしているようなものです。ときどき惑いすったもんだするのも楽しみの一つ。

 ほかのグラフも転載しておきます。

 これはzの虚部だけを変化(実部固定)させたときのw=z^(2+i)の振る舞い。
SSCN2515.JPG

 こちらはZの大きさを固定し、偏角を変化させたw-z^(2+i)の振る舞い。
SSCN2516.JPG

 こうして遊んでいるので、ブログの更新頻度が落ちています。複素数という少し広い視野から数学をながめたくなりました。


<余談:C++と複素関数>
 複素数は実部と虚部があるので、ダブル型の関数です。ネット検索してみたら、次の命令セットで記述できます。
class complex {
    double re, im;
};

グラフ展開するにはまた別のブログラムが必要です。

 このオラクルのサイトにC++の複素演算ライブラリーの使用マニュアルが載ってます。
 

https://docs.oracle.com/cd/E19205-01/820-1213/bkaly/

 
ふたつのOSに載るコンパイラーが無償提供されています。ひとつはSolarisというUNIX系のOSでもう一つはオープンソースのLINUXです。サンマイクロシステムズが開発して提供(2007年)していましたが、同社がOracle社に買収されて、現在はそこから無償提供されています。C++のコンパイラーもついているようですから、ありがたいですね。97年ころにBorland社のC++コンパイラーが5万円ほどしていましたから、無償提供はありがたい。LINUXをインストールしたマシンを用意すれば使えます。Windows版があるとだれでも使えるのですが、ないかな?
 探したらありました。「Visual Studio 2017 Community」というWindows10用のコンパイラーが無償提供されています。いい時代になりましたね。

*https://www.softantenna.com/wp/tips/visual-studio-2017-install/

 マイクロソフト社の[visual studio] 無償ダウンロード用公式サイトです。もちろんテキストエディタもついています。
*https://visualstudio.microsoft.com/ja/

** C++の演算子一覧表
https://ja.wikipedia.org/wiki/CとC%2B%2Bの演算子







高校生からわかる複素解析

高校生からわかる複素解析

  • 作者: 涌井 良幸
  • 出版社/メーカー: ベレ出版
  • 発売日: 2018/09/12
  • メディア: 単行本
道具としての複素関数

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#3750 根高前期中間テストの結果 Jun. 6, 2018 [52. 数学]

<更新情報>
6/7 夜10時40分 投稿欄に寄せられた標準偏差データを参考に後半部を書き直した。

 先週、根室高校で前期中間テストが行われた。高体連とかぶっているので、月曜日に試験を受けた生徒も少なくなかっただろう。昨日(火曜日)一部のテストが返却された。

 高1の生徒は6人だが、高校入学後初の定期テストだから、結果がどのようにでるか楽しみだった。数学の満点が3-5人出ると予想していたがどうやら単独の様子、既習問題からの出題だから、丁寧にやっておけば上位の学力の生徒5人程度は満点が獲れるはず。この学年は中3の時に60点満点の学力テストで数学が50点を超えるのは市内で一人だけだった、だからこんな「悲惨な」結果になるのだろう。40点以上で見ても市街化地域の3中学校で5人ほど。学力上位層が枯渇化現象を起こしているのだから当然の結果である。
  一人は満点だったが、満点を期待したもう一人の生徒は案外点数が獲れなかった、部活で忙しくて勉強時間が足りないのだろう。予習中心で学習しているから、既習問題を丁寧に復習しておけば満点取れる能力の生徒である。次のテストでは奮起してもらいたい。
 ところで数学満点の生徒は英語2科目は99点と100点だった、高校英語授業が楽しいという。使役のmake、have、letを並べて英語の先生が解説してくれたと喜んでいた。塾でこれら使役に使われる動詞の使い分け英作文をやっていたからだろう、彼のニーズに合っていた。関係代名詞の説明も塾とよく似た説明だったという。英作文するときにシンプルセンテンスで書いて、そのあとで関係節で書き換えたり、句に書き換えさせたりしている。英作文では基本動詞をつかって書き換えさせたりもしている。中学時代の後半はほとんど授業を聴かずに高校の教科書を翻訳していた。日本語にならないところを塾でよく質問していた。「日本語として読んで自然な訳文となるまで熟考せよ」と指導している。英語の理解力と日本語の表現力の両方が揃わないとできない「芸」である。センター試験ではそういうレベルは要求されないが、何かの折には、訳文を見ただけで、この生徒の英語力の確かさが試験をする側に伝わるだろう。もちろん、難関国立大学の2次試験や大学院入試ではこういう「芸」が役に立つ。
 良質の日本語音読テクストをつかって音読トレーニングを四年間したことが、この生徒の英語の学力を支えている英文も段落読みをちゃんとしているから、ただ英語の勉強をしてきた生徒とは長文問題で差がつくのである。使われる英文の難易度が上がれば上がるほど差がつくだろう。難易度は高くはないが、初めて受ける全国模試(7月の進研模試)の偏差値が楽しみだ。
 日本語音読トレーニングは12冊を読み終わり、いま『福翁自伝』を読んでいる。福沢諭吉の自伝だが明治期に書かれたもの、かれにとっては「古典文学」の範疇に入るらしい。さすがにこの時代のものだと読めない語彙が頻繁に出てくるから、苦労している。そのうちにこのレベルのテクストも慣れ、すらすら読めるようになるだろう。
 勉強は基礎の部分は手を抜いてはいけない日本語語彙力、読解力は学力の土台をなしている。4年間続けている日本語音読の効果もあってか、現代国語もどうやら学年トップの様子。数英国が学年トップ、国立大学受験向きだ。でも、本を読まない生徒で、その強情さにebisu先生は困っている。論説文ばかりでなく小説や文学作品も読まないと人の心の機微がわからないだろう。(笑)

 高1の生徒にはアルファ1の生徒が二人いる。数学は一番上がガンマ、次がベータ1、ベータ2、アルファ1、アルファ―2の5クラスにわかれている。アルファ1のうちの一人の学習意欲がこの一月ぐらいではっきり変わった。計算速度も書く速度も平均値よりは上、学習意欲もアップしたからこれで成績が上がらなければ教え方がよほど悪いということになる。こういうタイプはちゃんと学習すれば成績が飛躍的に上げられる。その生徒から10時前にメールが入った、クラス分けが発表された、「ベータ2にアップしました、ありがとうございます」とうれしい便り。
 この生徒の快進撃は始まったばかり、いまのままやり続けたらテストがある都度、クラスアップできる。

 「努力 ⇒ 実績 ⇒ 自信 ⇒【楽しい×うれしい】⇒ 努力

 まずは努力する、最初の一歩の出だしはとっても力がいる。そして努力の結果がテストの点数になって現れる。たとえば、いままで50点前後の生徒が80-90点獲れるようになったら強い自信がわいてくる。自信がわくとむずかしい問題でもなんとかなるような気がするし、やってみれば実際に何とかなる問題が増えてくる。テストも自信をもって受けるからミスが少なくなる。学力がアップすることでいままで半分しか理解できなかった学校の授業がほぼ理解できるようになる。内容が理解できるようになれば授業が楽しいものに変わり、その授業を100%理解したくて予習するようになる。予習を続けたら点数がさらにアップする、…
 こういう循環の心地よさをたくさんの生徒に味わってもらいたいと思って始めたバーチャル私塾「ニムオロ塾」現実の塾にベースを置いている。

 高2の生徒は一人だけだが、数学は90点を超えた、中学生の時から文武両道の生徒である。ベータ1クラス(上から二番目)でトップだった。ベータ1で数学トップは初めてかもしれない、いままで一人だけ抜けない男子生徒がいた。ベータクラスとガンマクラスとでは試験問題が違うので学年の順位はわからない。進研模試の学年順位で見るしかない。この生徒は入学当初も2年時になるときも特進コースのクラスに入れるので先生に希望を訊かれたが、2回とも断っている、もったいない。最上位のガンマクラスでも10番目くらいの成績が獲れるのにもったいない気がする。部活との両立に不安があるのかもしれぬ。

 高2の生徒ができなかった問題が一つだけあった。青チャートレベルの問題である。
 (2x^2-1/(3x)+1)^5の定数項を求めよという問題だった。これは学校で使っている問題集には載っていないレベルの問題。青チャートには類似問題だがもっと簡単なものが採録されている、符号が全部+である。ベータ1で『青チャート』をやっている生徒はいないだろう。できなかった1題を塾でしっかり理解したから、形を変えて出題されても対応できる。塾に備え付けの『青チャート』の問題をやっていた。この生徒にはちょうどいい。「シリウス数Ⅱ」の見本用(旧版)があるので、この生徒にあげた。青チャートレベルだが、問題量がずっと多い、5倍くらいはあるかな。気になるところだけやってみたらいい。
 ガンマクラスのI君はたぶん青チャートレベルの問題集をやっている、あいつは文武両道で計算が速いしセンスがいい。中学時代は入塾当初学年十数番で「1番なんて絶対無理」と言っていたが、「獲れるよ、いまの君の学力なら頑張ればトップ獲れるからチャレンジしてみな」なんどもそう伝えた。一度学年トップをとったら自信がついたようで、学力が上がってしまった。努力が実績となって実ると自信がつく、自信がつくと落ち着いてテストにも臨めるから点数はさらに上がる。このようにして学力が一段上がってしまう。昨年最初の進研模試で70点台をたたき出したと噂に聞いた。もっと頑張れ、進研模試9割得点できたら偏差値80超だ、獲れると思えば獲れるものだよ。獲れないと思っている奴には永久に手が届かない。
 釧路湖陵理数科なら進研模試で70-80点は中の上のようだが全国レベルでは偏差値70超、立派なもの。その釧路湖陵理数科ですら、全国レベルでは「進学校」の定義から外れる。明確な定義はないが、首都圏で「進学校」といわれている高校は毎年東大合格者を5名以上輩出している。東京都立だと総合偏差値67以上の高校かな。
*都立高校偏差値2018年度版
http://www.geocities.jp/toritsukoukou2/

 中学校で学年10番前後なら勉強のやり方と努力次第でだれでも高校でトップを狙える。定期テストなんて90%が既習問題からの出題だから百点獲るのに特別な才能は必要なしだ。


 3年生は二人だが、進路でコースが分かれており、問題が違う。どういう結果になったか、木曜日にはわかるだろう。高校最後の1年間、悔いを残さない結果をたたき出してもらいたい。


<余談:定期テストの難易度低下を憂う>
 どうも定期テストの難易度が低そうだ。特に英語にその傾向が顕著にでているようだ。根室西高校が募集停止して2年目、定期テストの難易度を下げざるを得ないのではないか。数学のほうは習熟度別クラス編成になっており、試験問題もアルファ、ベータ、ガンマクラスそれぞれ別々になっているが他の科目は問題が同じだ。同じ普通科へ学力レベルの低い生徒たちが大量に入学してくると、授業や定期テスト問題は難易度を下げざるをえなくなる。成績下位層の生徒たち50人ほどが赤点になるからだ。先生たちは自分の担当教科で赤点をつけて留年や退学させて恨まれてくないから、試験問題の難易度を下げて対応する、人の心理とはそういうもの。試験のない井戸を下げたら、生徒たちの平均的な学力が下がるのは道理だ。
 物の道理を知らぬ高校統合検討委員会が見過ごした問題である。統合2年目、物の道理をわきまえぬ大人たちがやった杜撰な仕事は、こういう風に先生と生徒たちにツケを回すことになっている。


*#3751 進研模試偏差値の目安 Jun. 7, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-06-06


 #1823 激烈な競争から這い上がれ:団塊世代の友人からの手紙 Jan. 31, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-01-31

#2006 Eさんの新刊書『漫言翁 福沢諭吉 時事新報コラムに見る明治』 July 10, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-10

 #2044 『漫言翁 福沢諭吉 時事新報コラムに見る明治』 (2)  Aug. 8, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-08

 #2254 『漫言翁 福沢諭吉・・・』 (3) Apr. 2, 2013 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-02

*#1025 『明治廿 五年九月の ほととぎす 子規見参』 遠藤利國著 May 10, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-10

  #1030 『nationalism とpatriotism』 May 17, 2010
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-17


  #1362  『「漢委奴国王」金印誕生時空論』を読む:パイオニア 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30-2

  #1366 『「漢委奴国王」金印誕生時空論』を読む (2) : 学問の楽しさ Feb. 2, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

  #1368 『「漢委奴国王」金印誕生時空論』を読む (3) : 学問の楽しさ Feb. 3, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-03-1


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#3737 看護系専門学校用数学問題集 May 9, 2018 [52. 数学]

<最終更新日時:5/10朝8時23分>

 注文してあった問題集が入荷したと本屋から連絡があった。10時の気温は3.7度と低かったので、薄手の手袋をしてロードバイクで本屋まで行ったら、手が冷たくてかじかんだ。昨日と違って風がほとんどない。昨日の同じ時間は北風7.4m/sだった。これからの季節は根室が全国一涼しい、それを通り越して今日のように寒い日もある。もちろん暖房を入れている。曇り空で日が当たらなければ寒い。
  それで、届いた(看護系進学者のために根室高校が今年度採用した)問題集は次の通り。

 B:アクセス 看護医療学校受験 オープンセサミシリーズ問題集② 数学Ⅰ・A』東京アカデミー

 ずいぶん厚くなった。根室高校で前に使っていたのは
 A:『看護・医療系・受験 新編 数学ⅠAの重点整理』正高社

 Aは問題が 87頁 、解答32頁、問題数412
 Bは問題が140頁、解答98頁、問題数410

 本の大きさはA5版で同じである。そして問題数も同じくらいなのに、BはAの1.6倍のページ数だ。問題の難易度も上がっている。以前の問題集であるAのほうはできのよい生徒が2回やって看護模試で79-80点ラインどまりだが、今回の問題集なら2回やれば80点を超えられそうだ。以前の問題集の難易度では不十分だと感じていたので、歓迎したい。
 看護専門学校で真ん中以下のところは以前の問題集で十分だが、競争倍率の大きいところはあれだけではちょっと心もとなかった。かといって、センター試験レベルの難易度の問題集ではちょっときつい。センター試験レベルの問題集がスラすら解けるなら全道看護模試で10番以内の実力があるから、国語と英語ができれば大学看護学部の受験を薦めたい。国公立大の看護系は科目が多いので、にわかに進路変更は無理だ。狙うなら、中3くらいから受験戦略を描いて、目標へ向けてきっちり「修行」を積むべきだ。根室の子どもたちはそういう世界を知らないから、中学生のころから知っている大人が伝える必要がある
 幸いなことに、つい最近、道産子のいい経験談がネットにあることを投稿欄で知らせてくれた人がいるので参考にしてもらいたい。釧路から東大文Ⅲに合格し、現在ニュヨーク州立大学に留学中の阿部幸大さんをとり上げた弊ブログ記事#3734と富良野から旭川西高校へ往復4時間かけて通学して、首都大学東京(旧都立大)看護学科へ進学を果たし、歌手と看護師の二股生活を続ける瀬川あやかさんをとりあげた#3735を参考にしてもらいたい。
 誰かが困難な道を切り拓いてくれたら、そのあとに続くのはずっと容易になるから、何人も続くものがあらわれる。だから期待したい。
 信じられないかもしれないから一例を挙げておこう。根室で小学生で珠算5段が出たのは1967年ころだったかな、独りが突破したら上位の数人がそれに続いた。あれはすごかった、一気に根室の珠算のレベルが全道トップレベルに躍り出た。指導したのは高橋珠算塾の高橋尚美先生だ、数年前に亡くなった。ebisuの恩師の一人である。
 もう一つ追加したい。できのよい中学生N村君がいた。もう高校入試のために勉強することがなくなったので、将来を考えて中3の11月頃から簿記を教えた。翌年11月、高校1年生の時に日本商工会議所簿記検定試験2級に合格している。日商簿記2級は商業簿記と工業簿記の二科目あり、全国商業高等学校主催の簿記実務検定試験1級に相当する。この生徒は根室高校普通科に2番の成績で合格している。根室高校で日商簿記2級に合格したのは彼が初めてであり、1年生で日商簿記2級に合格した生徒は商業科を含めてもそれまで一人もいなかった。公認会計士という職業が選択できるようにと思って指導した。
 中学時代の同級生のK村君は事務情報科に進学したが、入試当日の夜から簿記を教えた。先行しているN村君へメラメラと闘志を燃やしているのを感じたからだ。事務情報科で簿記はいわば「本業」である。本気(マジ)でやらないと合格は無理だから、2級合格まで部活をやらずに塾へ来るなら教えてやると言ったら、「教えてください」と即答だった。彼がN村君に続いた。3か月遅れて2月に日商簿記2級に合格している。K村君は6科目1級取得で根室高校を卒業して札幌の大学へ推薦で進学した。中学時代は大学進学を考えていない生徒だった。大人が後押ししてやったら目覚める生徒がいる。教育環境のハンディは根室に住む大人が子どもたちの意識を変えることで乗り越えられる場合もある。

 話を元に戻そう。この問題集付属の解説集は3倍の量になっているから、独習に適している。できれば、夏休み中に1回目を終えて、9月いっぱいで2回目をやるといい。もちろん、1回目にできかなった問題には印をつけておこう。2回目はその問題だけやればいいから、量は1/10ほどになっているだろう。3回目は1/20の量で済む。
 どんなに遅くても、9月中には1回目を終了しよう。

 四月に自分で電話をして入塾した高校3年生がこの問題集にチャレンジしている、成績のよい生徒だが、結構忘れている。いいのだよ、忘れたって。忘れる量よりもたくさんやればいい。(笑)
 解説は生徒のレベルに合わせてやっているから大丈夫だ。質問があっても、自力で解ける程度のところまでしかヒントを出さない。自分で解く楽しさを存分に味わってもらいたい。
 質問のし方に慣れてきたようで、楽しみながらやっている様子、集中力もあるから3か月後が楽しみだ。
 嫌いな英語は長文は教科書の予習中心で、あとは簡単な英作文を毎回1-3題用意してやらせている。英作文中心に10分くらいの授業はどの生徒も「食いつき」がよい。目からうろこの英作文演習、状況と日本文の理解からみっちりやっている。嫌いなはずなのに、いや嫌いだからこそかな、学校で使っている英語問題集も予習している。
「先生、こんなに英語の予習したの初めてです」
 素直すぎて、生徒の笑顔がまぶしい。(笑)
 

#3734 教育の地域格差の盲点:釧路市出身の阿部幸大さん May 2, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02

 #3735 瀬川あやかさんの人生:看護師&歌手そして道産子 May 5, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-05-05


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#3718 e^(iΘ) = cosΘ + isinΘ:春休みの読書 Apr. 9, 2018 [52. 数学]

 9時の気温は6度、7m/sの風が吹いているから外は寒い。
 根室高校は今日が入学式である、O君が新入生を代表して挨拶文を読む。学力テストではいいときは300点満点で280点を超えていたが、入試の合計得点は3年次の5回のどの学力テストよりも低かったのに、それでもトップ。学力トップ層が枯渇化現象を起こしているのがよくわかる、幾分か悔しい思いをしながらの挨拶と決意表明だろう。

 3月17日から春休みを2週間とった、歯の治療のほかはとくに用事もなく暇なので本棚にあった複素関数の本を開いてみたら、その中に出てくるオイラーの公式がまぶしい。数Ⅲで複素平面がでてくるが、計算はできても意味がわからなかった。
 複素関数はまったくの別世界、そしてそれは 複雑な構造をもちながら単純でとてつもなく美しい。

 e^(iΘ) = cosΘ + isinΘ

 両辺を2乗すると三角関数の2倍角の公式が簡単に導出できる。習わなくても、高2の生徒は覚えておいた方がいい公式である。

 この式を見て、グラフがイメージできるだろうか?わたしにはできなかった。代を継いで40年来愛用しているHPの社製・科学技術用プログラム計算機HP-35sには複素数の機能がついているので、方程式を入れると数値計算は容易にできるから、グラフを手作業でプロットすればいいだけ。
(グラフ描画はプログラミングすればいいのだが、もっているC++コンパイラーは20年以上前のもので16ビットマシン用、64ビットマシン用OSであるwindows10では動かない。コンピュータの性能が指数関数的に向上していくから、コンパイラーへ投資してもじきに使えなくなる。)

*「複素三角関数~単位円の束縛を超えて」
http://taketo1024.hateblo.jp/entry/complex-trigonometric

 オイラー(1707~1783年)はどうしてこんな式を考え付いたのだろう?
 間をつなぐものは、指数関数と三角関数の級数展開式である。オイラーは計算に堪能なだけでなく、飽くことなく計算に没頭する人であったらしい。
 eはネイピア数で、iは虚数単位である。この式は複素平面上で、指数関数が三角関数に還元されることを意味している。三角関数側から見ると、複素平面上では三角関数は指数関数の一次結合としてあらわすことができるということ。
 数Ⅱで指数関数と三角関数がでてくるが、これらを統一的に論ずる場は高校数学の範囲では提供されない。実数の範囲内で考える限り、別物である。それが複素数の世界では密接な関連がでてくる。
 π(pi)と i(虚数単位)と e(自然対数の底)、これら三つが一つの式の中で使われていることも新鮮な驚きである。
 
 1955年に提出された谷山・志村予想というのがあるが、これは楕円関数のモジュラーリティに関する議論であった。ウィキペディアによれば、「モジュラー群という大きな群についての対称性をもつ上半平面上の複素解析的函数である」と書いてある。ワイルズのフェルマーの定理の証明は谷山・志村予想を証明するというステップを踏んで可能になった。

∀n [ n≧3⇒∀x∀y∀z ¬(x^n+y^n+z^n]
nが3以上の自然数ならば、方程式 x^n+y^n=z^n を成り立たせる自然数x,y,z は存在しない


 どうやら、複素関数は別世界への扉のようだ、その奥にある世界をのぞいてみたくなる。
 春は感覚が新鮮になり意欲が高まる時期、教えることは学ぶこと。

#3538 ∀n [ n≧3⇒∀x∀y∀z ¬(x^n+y^n+z^n] May 7, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-05-07


*#3507 数学のセンス(1):数字に表れる美への感動がセンスを育てる Feb. 16, 2017 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15-1

 #3509 数学のセンス(2):「同型性」と「拡張」⇒どのように考えるのか Feb. 19, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-02-19

 #3511 数学のセンス(3):授業時間数減少、数量、平面図形 Feb. 24, 2017 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23

 #3512 数学のセンス(4):空間図形 イメージ操作 Feb. 26, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26

 #3514 数学のセンス(5):空間図形と論理的思考 Mar. 2, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-03-02


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なっとくする複素関数 (なっとくシリーズ)

なっとくする複素関数 (なっとくシリーズ)

  • 作者: 小野寺 嘉孝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/04/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

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#3683 指数方程式の問題:HP-35sと描画ソフトGRAPESの利用 Jan. 24, 2018 [52. 数学]


 指数方程式の問題を解いた後で、指数関数に置き換えたらどういうグラフになるのか、プログラマブル科学技術用計算機HP-35sと描画ソフトGRAPES(フリーソフト)を利用してみたい。要点を押さえた的確なグラフイメージを描くトレーニングである、複雑な指数関数グラフは参考書にもあまり載っていないので、フリーソフトを使ってやってみようというわけ。

-----------------------------------------------------
aを定数とする。xの方程式 4^(x+1)-2^(x+4)+5a+6=0 が異なる2つの正の解もつようなaの値の範囲を求めよ。『青チャート数』例題183

2^x=tとおくと、方程式は4t^2-16t+5a+6=0.....


の右辺をf(t)とし、の判別式をDとすると

x>0のときt>1だから、求める条件は、2次方程式t>1の範囲に異なる実数解をもつことである。

 D/4=(-8)^2-4(5a-6)=-20a+400
 f(1)=5a-6>0

 この連立方程式を解いて   6/5<a<2

---------------------------------------------------------------------

 

HP-35sを使って、等式 4^(x+1)-2^(x+4)+5a+6=0 を入力するとxとaが計算できる。"solve x"と入力すれば、aの値の入力が促され、入力された値に対応するxの値が計算される。aを計算したければ"solve a"と入力すればよい。答えの表示モードは固定小数点表示、science、engineeringの3タイプのいずれかを選び、桁数を指定してやればよい。

 x0のとき、a=6/5...
 X=1のとき、a=2...
"a=6/5"に代入すると、
  4^(x+1)-2^(x+4)+5×6/5+6=0

 この左辺をxの関数と考えると
     y= 4^(x+1)-2^(x+4)+12
...


 この式をコピペしてGRAPESへ入力すると、「capisco!<伊>(なるほど!)」と思う。x"-10" "-100" と入れていくと最初の項と2番目の項はゼロに近づいていく。したがって、グラフの左側は、定数項12への漸近線となることは明らか。
 では"x=-1"を代入するとどうなるか、面倒だから計算結果を表にして並べる。

 x -1   0   +1    +3      +5
 y    5   0    -4     140     3596

  このグラフは(00)を通り、x=1のとき最小値-4である。定数項を12よりも小さくすると、グラフの左側のx切片はマイナス側へ移動し、最小値は小さくなる。定数項が16(5a+6=16,すなわちa=2)のときにこのグラフはx軸に接する。16を超えるとx軸の上のほうに離れていく。
 したがって、問題文の
"
異なる2つの正の解もつようなaの値の範囲"という条件を満たすために、定数項は12より大きく16よりも小さい範囲でなければならない。

 ついでだから、aについて解いた式も入力してグラフを眺めたらいい。

 a-0.2(4^(x+1)-2^(x+4)+6)

 "x=1"で変化率がプラスからマイナスへ変わる。"x=1"のとき、aは最大値"2"をとる。

 
GRAPES
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~tomodak/grapes/
http://www.kn-makkun.com/MakkunWp/grapes.html

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#3611 作図問題の良問 Sep. 13. 2017 [52. 数学]

 今日は中3年生の学力テスト総合Aの試験日である。昨日、B中学校の生徒が「平成25年度第4回学力テスト」の数学の問題をもってきて、作図問題の質問があった。問題には図が描いてあるが、都合により問題に示された図を描いてもらいたい。

 菱形ABCDがある、頂点Aから反時計回りにABCDと順に番号をつける。菱形の対角線の長さは縦4㎝、横8cmとする。辺CD上にCから3㎝のところに点Pがある。菱形の対角線は直交(直角に交わる)する。

 さて、ここからが問題である。

 頂点Aを辺BC上に折り重ねるとき、Aと重なる点をA'とせよ。折り線がP点を通るときの折り線を作図によって示せ。

 こういうような問題だった。

 紙を折るのだから、点Aと点A'はPを通る対象軸ℓに対して線対象となることがイメージできるか否かがカギである。わたしはこういう要所をつかまえることを「問題のヘソを押さえる」ということがある。
 問題には「ヘソ」がある。
 線対称は中1年生で学ぶが、中3の学力テストの作図問題で複合問題として出題されると、これら二つの分野がなかなか結び付けられない。教科書では、「第5章 平面図形」で、先に「対称移動」が出てきて、そのあとに「第2節 基本の作図」が出てくるので、作図問題に対称移動が結び付けにくいのかもしれぬ。
 作図の基本技術はたったの三つだけだから、何度か練習して完全にマスターしておこう。

① 角の二等分線
② 線分ABの垂直二等分線
③ 点Pから直線ℓへの垂線

 基本はこれら三つだけ、このほかには「線分ABの三等分線作図」があるだけ。学力テスト問題はたったこれだけの基本作図技術で正解できるように作られている。だから、どういう手順でそれらを使うのかという観点から問題文を読み解くこと。
 作図問題は他分野との複合問題になると途端に難易度が上がる、この問題はそういう例だ。

 中学生はここから先を読まずに、自力で解くことをススメます。

 脳にわからない状態を作り出し、しばらく保持することで頭がよくなります。すぐに解答を見るようでは頭はよくなりません。単に記憶の良い頭を作ってしまうだけ。ふだんの勉強のやり方が大事ですよ。
 羽生名人は江戸時代の将棋の難問集2冊、合計200題を、自力で全部解いたそうです。解答を見て勉強していたら、棋界史上初の七冠王は生まれなかったでしょう。



 正解手順を書いておく。

①コンパスの針を点Pにおいて、PAを半径とする半弧を描くと、辺BCとの交点がA'となる。
②半径を変える必要がないのでそのままにして、点Aから点Bのほうへ弧を描き、次に点A'に針を置いて弧を描き、二つの弧の交点をQとする。
③交点Qと点Pを通る直線を引く、これが求める折り線である。

 線対称の軸をℓとして軸上に点Pをとり、軸の左側に点Aをとれば、それと線対称になるA'の作図は誰でもできる。問題文を読み換えるとたったこれだけのこと。問題文の読み換え技術は高校数学では重要だから、意識してやってみたらいい、次第に慣れてくる。
 この問題の良問たる所以(ゆえん)は点Pを辺AD上ではなく、辺CD上にとったことにある。辺AD上にとれば、長方形でよく出題される頂点を折り重ねる問題と同じなので、おおよそ2割の生徒が時間内に正解手順に気がつくだろう。これも自分で作図してやってみるべし。

 さて、今日の学力テスト総合Aではどのような作図問題が出題されたのか、興味津々(しんしん)。


<びっくり仰天の解法>
① 答案用紙を縦折りし、次いで横折する。すると紙の中央に縦と横の折り線ができる。それを利用して四つの角を折り曲げて菱形をつくる。ここまで1分。
② 頂点にABCDを記入していき、点Pも記入する。こうして、折り線が点Pを重なるように点Aを辺BCに重ねてみる。
③AP、A'Pを結ぶ線分をそれぞれ記入する。
④ついた折り線に線を引いて眺める。

 辺の関係や折り線を眺め、作図の仕方に気がつけばOKだ。時間内に解くためだったら何でも利用してやろうという心構えが大事。


<余談:羽生善治と柳瀬尚樹対談>
 柳瀬尚樹氏は夙(つと)に名高い翻訳家である。氏が将棋が好きで羽生名人と親交のあることはよく知られている。柳瀬氏は根室高校の5年先輩のようだ。
 東京のK藤さんが数か月前にこの本『対局する言葉』を面白い本だからと送ってくれた。とっくに読み終わって、数回弊ブログで取り上げるつもりで延び延びにしている。センスということについて、将棋の名人と翻訳の名人の打てば響く記述がいくつもあるので、どうぞお読みください。フルパワーでの脳の駆使と心の問題も興味深い。十代のころにわたしもそうした経験がある。新たなカテゴリー「対局する言葉」を設定して、お二人の対局にコメントを付してみたい。若い皆さんの役に立つものとなることを願って。
 弊ブログで取り上げるのは、まだしばらくあとになります。K藤さん、ありがとう。

対局する言葉―羽生+ジョイス (河出文庫)

対局する言葉―羽生+ジョイス (河出文庫)

  • 作者: 羽生 善治
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1996/12
  • メディア: 文庫



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#3600 「2次関数複合問題」:便利なツールで興味を広げよう Aug. 29, 2017 [52. 数学]

<更新情報>
8月31日11時10分 最小値に誤りがあり訂正。「香川ベンチスタート?」さんから投稿にがあり気がつく。

  高1の女生徒が7月の進研模試で全国偏差値55(根室高校普通科では偏差値55で学年160人中10番以内に入ってしまう)だったので、学校の問題集では不足だろうとご褒美に「シリウス数A」をあげた。「シリウス数Ⅰ」に2次関数のまとめに使える良問が2ページにわたって掲載されていたので、そのコピーもわたした。改訂新版90-93ページである。
  93ページに複合問題が載っていて、解けないので質問があった。奥が深い問題のようなので転載する。

(4) x,yを変数とするとき、x^2-2xy+2y^2-8y+3 の最小値を求めよ

 この問題は (●x+○y)^2+(y-◇)^2+△ の形に変形すれば、実数の範囲では、 (●x+○y)=0かつ (y-◇)=0 のとき、最小値△であることがわかるのだが、2次関数のおさらいをした直後にこの問題はきつかったようだ。

  f(x,y)=(x-y)^2 + (y-4)^2 +3 -13

  このように変形できるから、 x=y=4 のとき、最小値3 -13をとることがわかる。実数の範囲では2乗の最小値はゼロであることを思いだしたらよい。一度解けばパターンを覚えてしまうから、2度目からは機械的に解ける。

  だが、それだけで終わらせたらもったいない問題だ。
  高1の生徒には無理だが、この2変数関数が2次曲線であることは数Ⅲをやっていたら容易に想像がつく。次に、どのタイプか見当がつけられるだろうか?放物線か楕円か双曲線であるはず。あれこれ計算してみるとわかるが楕円、それも斜めにひしゃげた楕円となるので、どうやら数Ⅲの範囲も超えている。

  興味のある高校生は計算を厭わずにグラフを作図してみたらいい。
  xに0、±1、±2、… と入れてみたら様子が少しわかる。xに数値を入れると与えられた式はyの2次方程式になる。1番目と2番目の数値を代入すると、yは実数解があることが判別式でわかる。-2を代入するとyは虚数解になって作図できない。これらの計算から、xの定義域の左端は-2<x<-1の間にあることがわかる。
 xに10を代入すると yは虚数解となり作図できない。x=9なら yの判別式 D>0 で実数解ありだ。数学に強くなろうと思ったら計算を厭わぬこと。

 HP-35s Scientific Caluculator が使えたら、方程式を入力してxに任意の値を代入してその時のyの解を求めることができる。簡単だからプログラミングしてもいい、習うより慣れよ。Scientific Caluculator を使うと計算時間の節約になる。左端は-1と-2を2分割し、さらに2分割と数回2分割を続けると、どこに境目があるかわかる。バイナリーサーチ (2分木探索)法の応用である。

  高校生用にはもっと便利で簡単なツールがある。フリーソフトの GRAPES だ。このソフトはパソコン上で動くから、「 f(x,y)=(x-y)^2 + (y-4)^2 + 3」 を入力するとソフトが自動描画してくれる。操作は簡単だからやってみたらいい。
  楕円の長軸の両端の座標が (-1, 1) , (9. 7) となっていることが確かめられる。描画を見て見当をつけ計算によってそれを確かめたらいい。
  楕円の中心座標は (4, 4)にある。


 ずいぶん便利になった。こんなことを38年前にコンピュータでやらせようとしたら、機器制御用の科学技術計算専用パソコンとプロッターを使って、自分でプログラミングしなければいけなかった。二つの機器をそろえるだけで当時は400万円かかった。汎用コンピュータを使ったら数千万円。それが十万円のパソコンで、それもフリーソフトで可能になっている。ソフトの開発者、友田勝久さんと堀部和経さんのお二人に感謝。
  53年前にわたしが高校1年生の時にこういうツールがあったら、迷わず数学の勉強にのめり込んでしまっただろう。

  数学の全国偏差値を80以上にしたかったら、GRAPES のような便利なツールを使って興味の範囲を広げるのも一つの方法かもしれない。
 興味がわいたお父さんやお母さんも GRAPES で数学してみたらいかが?きっと楽しいですよ。フリーソフトですから、ダウンロードして自分で使ってみてから子供に薦めたらいい。


* GRAPES
http://www.kn-makkun.com/MakkunWp/grapes.html

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