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#3059 文武両道:光と陰 June 12, 2015 [63. チャレンジ(教育)]

 部活に熱心な生徒が他の都市の商業高校へ進学し、先ほど(11日夜)メールが来た。6教科の中間テストで学年トップ(学年生徒数200人)だったとうれしい報告である。中学時代も文武両道を貫き、学年5番以内をキープし続けた生徒である。
 この高校は偏差値50で根室高校普通科(偏差値45)よりもレベルが高い。商業高校ありながら数学の教科書は根室高校普通科と同じものを使用している。商業高校は商業科目が多い分、国語・英語・数学の時間数が普通科に比べて半分程度になるから、これら3教科の教科書は難易度を下げたものになる。たとえば、根室高校商業科と事務情報科では数Aはやらない。数1の教科書も普通科のそれに比べて、難易度が著しく低い。数学や英語が得意な生徒には実に退屈な授業となる。簿記は特殊数学だから、簿記のできる生徒は数学もできる。50年間根室高校商業科は低レベルな数学の教科書を使い続けているが、そろそろ改めたらよい。普通科の数学教科書と同じものを使い、時間数も増やすべきだ。希望する生徒には7時間授業でもいい。統廃合後に総合学科を考えているようだが、商業科で使う教科書のレベルもみなおすべきだ。

 同じ部活で根室高校普通科へ進学した生徒たちがいる。中学時代に文武両道を貫いた生徒は、高校になっても大丈夫だ。4段階(低いほうから、α、β2、β1、γ)に分けられた数学のクラスでトップランクの「γ(ガンマー)」にいる。この生徒は教科書準拠問題集『3トライアル』収載の問題レベルなら、95%は解説を読んで理解できる。
 中学時代に文武両道のバランスを崩した生徒は高校になっても今回の結果を見る限り変われなかったというほかない。勉強よりも部活重視の「癖」が治らない。肝心なところで手抜きが出る。テスト前の2週間塾に来なかった。わたしには現実逃避したように見えた。因数分解と無理数の計算、2重根号の問題、絶対値の方程式や不等式が範囲だったのだが、中学時代に中間程度の成績の生徒が独力でやるのは無理。学校で先生に質問するか、塾で丁寧な解説をしてもらうかしないと消化できない。塾に来れない理由がいろいろ重なったのだろう、結果は厳しいことになった、痛い目を見たのである。なにがなんでも、「悪癖」を克服し、予習中心の健全な学習週間を急いで育んでもらいたい、そのために必要な支援は惜しまないつもりだ。
 過去の事例では、しっかりしている生徒は、部活を7時20分に終了してから、車の中でパンを食べてまっすぐに塾へ来て9時までしっかり勉強している。授業中に一度も居眠りをしたことがなかった。自分の厳しいのである、そういう生徒は希望したとおりの進路を歩む
 同じ部活の極端な三人の生徒をとりあげたが、そこそこ奮闘している生徒もいることを付け加えておく。半年前から学力がかなり伸長した生徒だ。
 他の部活だが3週間ほどしっかり努力した生徒が一人いる。それでも部活(こちらは文系)が忙しくて、問題の消化量が足りなかったから、ケアレスミスが多かった。分かっていたのに符号間違いなど、数箇所で点をとりこぼしてしまった。「わかっている」ことと「できる」ことは違う。計算問題を考えてやるようでは、文章題でケアレスミスが頻発するのを防げない。普段の学習をきっちりやり、問題消化量を増やすという課題が見えた。この生徒は次回の前期期末テストで結果を出すだろう。 

 小学校高学年の3年間と中学3年間でついた悪い癖は高校生になっても簡単に治るものではない。それはいわば「生活習慣病」に似て、容易には治らないのである。よほど本人が自覚をもって治すつもりにならないと、いままでどおりに流されてしまう。怠けたくなる自分と雄雄しく戦って欲しい。
 一般的な話をすると、根室高校普通科の場合、授業についていけるのは中学生3人に1人の割合ぐらいだろう。今年3月に根室市内の中学校を卒業した生徒総数を170人とすると56人ほどだ。普通科92人のうち36人は中学時代のやり方を踏襲したら授業についていけない。

 高校普通科の標準的な数学教科書は、7割の生徒は予習をしていかないと授業が理解できない。ところが、約40人の生徒が独力で予習ができない。学力が低くて問題集の解説をみても理解できないのである。

 きつい言い方をすると、高校3年間の努力でほぼ人生の進路が決まってしまう。たった、3年間努力するだけで、多くの人がその後の50年の人生を実り多いものに変えることができる。チャンスは平等に訪れるが、それをつかめるものは少ない。

 ともかく最初の定期テストが終わった。高校1年生はもうすぐ全国模試を始めて受験することになる。根室市内の中学校で学年3番くらいの生徒が、進研模試で偏差値50(平均値)に届かないことに驚くことになる。全国標準レベルの問題を解くことがいかにたいへんかを思い知ることになる。

 高校の勉強をなめてはいけない。よほど特殊なものでない限り、たいていの分野の専門書は高校教科書レベルの知識があれば読める。逆に言えば、高校教科書レベルのことが理解できなければ、将来仕事で必要になる専門書を読めないということ。

 根室高校普通科で学年92人中50番よりも後ろだった生徒は、謙虚に自分の生活習慣から見直したほうがいい。復習中心だった学習は、いまから予習中心に切り替えよう。都会の子どもたちは中学受験をする者が多いから、小学4年生から予習中心の学習に切り替えてしまっている。予習中心で学習した生徒の学習効果は大きい。すでに半分以上分かっていること、そしてどこがわかっていないかを知っている状態で授業に臨むから、授業内容の理解度合いが予習しない生徒に比べて何倍にもなるのである。

 全国模試(進研模試)で根室高校普通科の生徒の数学と英語の平均点は20点台であるが、釧路湖陵の生徒は60点台だという。
 1年生のときから全力で走らないと、差はさらに大きくなる。

 根室高校の生徒たちは試験が終わって、学校祭の準備に1ヶ月間大騒ぎで勉強どころでなくなる。しかし、模試が近づいている。大学へ進学しないなら、勉強なんてほうりだして学校祭準備に浮かれていたらいい。しかし、大学進学を考えているならここでも「文武両道」だ。学校祭の準備に時間をとられることを、不勉強の言い訳にはしないこと。どんなときでも言い訳はしないと覚悟を決めることだ。
 就職も学業優秀な者が条件のよい就職ができるから、高卒で就職する者も学年トップクラスをキープすべきだ

 しっかり勉強して、高校卒業後の50年間を幸せに過ごしてもらいたい


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#3000 教室移転のための自宅書斎整理整頓 Mar. 15, 2015 [63. チャレンジ(教育)]

<片付けとプチ改装中>
 2階に16畳ほどの書斎があるが、無垢板の床に50cm角の絨毯、50枚を敷いた。

 最近3週間ほど2階の片づけをしているので、書類や本など段ボール箱で10ほども棄てた。オヤジやお袋のアルバムや自分のアルバムもいずれ処分する。古いものを処分してだんだんと身軽になれば、心も軽やかになるだろうか。
 団塊世代は、そろそろ身辺整理をして、子どもが処分に困らないように手を打っておこうと考えている人たちが少なくないかもしれない、人の寿命はいつとも知れぬものと2006年にスキルス胃癌と巨大胃癌の併発で手術をしたときに痛感した。いくらでも生きながらえそうな気もするが、それは錯覚というもの。

 不要書類や本の処分と書斎の整理整頓は、5月の連休にニムオロ塾を自宅へ移すためにやっている。

<fact-1:根室の人口推移>
 
根室市の最新の広報によれば人口はついに2.8万人を割った。
 2000年の国勢調査データでは、根室の人口は33,150人、そのうち10-14歳は1874人で1学年当たり375人、10年後の2010年にはそれぞれ29201人、1603人、261人となっている。10年間で3割減少している。2015年は推計値では、27203人、1165人、233人である。15年間で約38%の減少。
 15年間で総人口は18%の減少なのに、10-14歳の人口は2倍を超える38%も減少している。若者に職がないから、高校を卒業すると根室の外へ進学してそのまま就職、帰って来ないからだ。
 地元企業の経営改善がなされなければ、戻ってくる若者は減り続ける。オープン経営に舵を切るべきだ。やりかたはカテゴリー「中小企業家育成コラム」に少し書いてある。株式公開と似たようなことをすればいい。退職金規程や経理規程を作り、予算制度を導入して社員にビジョンを語り、予定通りの業績が上がったら、利益の三分の一を社員に賞与として分配するぐらいのことをすべきだ。すでに労働人口が急激に縮小しだしているから、昔のままのやり方では人を雇えず、つぶれていく。とくに中国人やベトナム人を雇用している企業が危なくなる。旧態依然の経営で日本人の若い人を雇えなくなっているのは経営体力の弱体化を表していると考えるべきだ。
 道内や青森県からの出稼ぎの女工さんたちが市内の水産会社に集まらなくなって、根室最大の水産缶詰工場がつぶれたのは、もう40年も前のこと。経営改革をしないと規模を小さくしていくつも似たようなことが繰り返されることになる。

<fact-2: 根室市内の高校入試は実質消滅する>
 根室高校は現在定員200名であるが、3月4日の入試は
   「97+31+30=158名」
 定員の79%しか応募がない、こんなにひどい定員割れは初めて。来年は受験者が増えるものの、定員割れが解消するのかどうか定かではないし、その次の年には根室西高校がなくなり、根室高校1校(定員240名)体制となる。
 全員根室高校へ入学できるようになるから、高校入試は形式のみで、競争が消滅する。したがって、高校入試を対象とした学習塾は必要がなくなる。入試の得点はどうであれ、全員希望がかなうことになるから、根室の子どもたちの学力低下は避けようがない。

<25年後の未来へいま手を打とう>
 子どもたちの大半は根室を出て、他の地域の学力の高い子どもたちの下で働くようになる。地元企業はさらに学力の下がった子どもたちを使わざるを得なくなる。25年後の2040年には根室の人口が1.8万人を割る、基礎学力のしっかりした優良な働き手を失った地元企業の半数はつぶれているだろう。
 教育改革をしないと根室の町の25年後は著しい衰退がまっている。25年後の未来はいま根室で暮らす大人たちが、なにをどのようにやるかで変えられる。その際に最重要なキーが教育改革である。
 まだ、数年間やらなければならないことを残している。25年後の根室のために重要な人材を数人育てたい。それが団塊世代のわたしの役割だ。いろいろな分野の大人が、自分の領域で、正直に誠実に仕事をすれば、未来の根室は変えられる。

<fact-3:学力上位層が8年間で1/4以下に減ってしまった>
 根室では高校入試対象の学習塾は1年前にすでにその使命を終えている。
 文協学力テストで市街化地域の3校で五科目合計400点を越える生徒は1学年4~10名ほどしかいない、8年前の4分の1以下である。学力テストで五科目合計400点超が高校へ入学してから全国模試を受験して偏差値48を何とか超えられる層である。
 5~8人が高校へ入学後、焦って勉強して学力を挙げたとして、これから必要なのは偏差値48以上の大学へ進学する1学年10~15名の生徒たちのための塾と、約30%いる低学力の生徒を対象とした補習塾であるが、低学力の子どもたちも勉強しなくても根室高校へは入学できるから、通塾してしっかり勉強しようという少数の生徒だけが塾を利用することになるのだろう。
 C中学校で実施したアンケート調査によると、全校生徒157名のうち塾へ通っているのは20%、根室全域では中学生はおおおよそ1学年230人。市街化地域のほかの2校も同じ通塾率だとすると、690×20%=138人の市場規模ということになる。高校統廃合で根室高校全入体制になるから、中学生の通塾率は半減し、じきにビジネスとしては成り立たなくなる。

<過渡期の時代とその向こうにある大きな問題>
  ブロードバンド予備校をはじめとして、ネット塾は価格競争が激化している。人口3万人以下の地方都市は若者の働く場所が少なく、人口流出に伴い子どもの人口が急激に減少、学習塾市場はビジネスとして成り立たぬほど縮小つつある。そういう事業環境変化は、後継者をもたぬ個人経営の塾が緩慢に消滅に向かい、法人のネット塾へ切り替わる過渡期なのだろう。
 それはそれで問題が大きい。450年の日本の私塾の伝統の灯が地方から消滅していけば、時代の変革に必要な人材供給に大きな支障がでることになるのではないだろうか。もちろん、地域経済改革に必要な人材供給もすでに枯渇しかかってさまざまな分野で問題が生じているのだが、そのパイプがますます細くなることを意味する。全国各地で地域経済の息の根がとまるだろう。
 根室は水産資源が豊富だから、やり方によっては人口減少をメリットに変えられる。人口が半分になれば人口当たりの水産資源量は2倍になる。世界人口は2040年~2050年ころには100億人時代になるから、食料価格暴騰が予測される。対処を誤らなければ、現在でも食料自給率200%の北海道の未来は明るい。問題は先を読み、具体的な手が打てる人材を残せるかどうかである。教育に根室の未来と北海道の未来がかかっている。


*#2583 根室市内の中学生の通塾率はおおよそ20%? Feb. 6, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-05-1


<教室移転>
 ニムオロ塾は縮小を決めた、5月連休明けから自宅書斎16畳に教室を移す。体力に合わせてクラス定員は7名まで、補習用に幅1m長さ1.5m厚さ7cmの座卓を用意している。部屋は他にも16畳があるから、7時までは何人補習に来ても、学校帰りに「自習」しによっても大丈夫だ。
 高校生はいままでどおり少人数で見るつもりだ。毎週水曜日に数学を、土曜日隔週3時間の集中英語授業をやる。
 私語をしたり、指示に従わぬ者は他の生徒に迷惑だから、別室でやってもらうことになる。


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<余談>
 書斎だから壁面は作り付けの本棚が天井まである。他にスライド書棚3本が置いてある。1階には本棚4本、全部でおおよそ3000冊。
 半分は経済学、コンピュータシステム、言語学、会計学、歴史関係書籍などの専門書だが、文学全集(筑摩書房)、林望の謹訳源氏物語10巻、平家物語、古事記、日本最古の本である『ほつま伝え』(神代文字との原文対訳本)、芭蕉直筆原稿の写真製本である『奥の細道』、夏目漱石全集(初版復刻)、太宰治全集、『ユークリッド原論』、歴史小説、現代小説もすこしだがある。司馬遼太郎や山本周五郎、藤沢周平、浅田次郎が好みだ。女流作家では「大人のシーンの多い」林真理子の小説。数学関係も少しあった。『フェルマーの定理』、大数学者の岡潔の著作十冊ほど、『国家の品格』の著者藤原正彦の著作、小平邦夫の著作、小川洋子の数学関係のものなど。
 辞書は『広辞苑』『大辞林』『字統』『字訓』『基本動詞辞典』『基本形容詞辞典』『ドイツ語大辞典』、フランス語辞典、イタリア語辞典、そして10冊余のさまざまな用途の英英辞典や20冊ほど英語で書かれた語学専門書がある。登山やハイキング、地図の見方に関する本は山岳部の生徒向きだ。

 ビリヤードの本やセミプロレベルの技術を書き溜めた図面もある。何枚かはスリークッション世界チャンピオンの小林先生に質問して書きとめたものだ。町田プロ(アーティステック・ビリヤード世界銀メダルの正さんのお父さん)から教わった基本パターンが半分以上を占めている。図面自体の書き方はビリヤード常連開で駿台予備校の数学の先生の荒木さんから教わった。五種目チャンピオンのデリスのサマースクールになんどか参加するほどの本格的なビリヤード好きだった。腕前はそのままプロテスト合格できるほどの凄腕。スポーツ関係の部活をやっている人は、理論研究の大切さを、50枚ほどの図面を見ることで知ることができるだろう。

 本が好きな生徒にはいい環境だ。今まで読まなかった生徒は手にとってみたらいい、きっと興味の湧く本が何冊かあるはず。生徒にはじめて書斎を公開することになる。かつて塾生だった生徒も根室に帰省したら訪ねておいで、遠慮はいらない。


<余談-2>
 弊ブログ#3000をアップ、1本につき四百字詰め原稿用紙1~20枚、平均5~6枚とすると四百字詰め原稿用紙15000~18000枚書いたことになる。ブログを書き始めてから今日で2664日目(7年と3ヶ月)、ページビュー数は343万、「塵も積もれば山となる」は本当のようだ。(笑)
 スキルス胃癌の手術のあと、1年後のまだTS-1という抗がん剤治療中にリハビリを兼ねてブログを書き始めた。体調がすこぶる悪い中を、仕事から帰ってきて食事を済ませて真夜中の零時にパソコンに向かうわたしを心配して女房が何度もブログをやめるように忠告してくれた。やめようと思ったときに、前に務めていたSRLの元社長のKさんから、「読んでいるので続けたら」と励ましのメールをもらって、継続したからいまがある。Kさんにも感謝だ。Kさんは医師でもあって、地域医療問題ではずいぶんと有益なご意見をいただいた。一人でできることはたかが知れているのである。いろいろな人の協力があり、発信が続けられる。
 ライフワークであったマルクス『資本論』を超える経済学の展望も、シリーズにして28回に分けて2月にアップ済みである。ピケティの『21世紀の資本』は分配論にとどまるが、わたしのそれは生産の仕組みそのものを、経済学の公理・公準を入れ替えることで実現するものだ。職人中心の経済学である。グローバル資本主義に人類の幸福な未来はない、このままではコンピュータと機械が人類に取って代わるだろう。

 冗長な文を辛抱強くお読みいただいているみなさんにも深く感謝申し上げます。


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#2979 大学受験生追い込み中!Part-2 Feb. 16, 2015 [63. チャレンジ(教育)]

 暮れから数ⅠAの問題集「青チャート」ともう一冊センターレベルの数ⅠAの問題集をやりきった生徒が、2月になってから同じ「青チャート」の数Ⅱともう一冊センターレベルのものを今日やり終えた。昨日、三角関数と指数関数、対数関数の複合問題をやっていたが、今日は微分と積分の複合問題をやり終わった。受験予定の学校の過去問も片付けてしまった。いい馬力だ。質問が少なくなった。

 2月から学校に行かなくていいから、受験勉強100%、のめりこむように馬力を増している。このままあと2週間走り続けたら、偏差値がさらに上がるだろう。毎日10時間を越える勉強を持続することが大事だ。
 文系の大学進学の生徒だからこそ、数学での受験を薦めた。文系大学で数学が得意だと社会人となってから読める専門書の範囲が大きく違ってくる。

 わたしは「オトナの基礎学力」の定義を、「文系理系を問わず、独力で必要な専門書が理解できる読み・書き・計算能力」としたい。
 サラリーマンになるつもりの生徒たちには、社会人になったときに、どういう武器(技能)を身につけていればいいかという観点から、教育を考えて、指導している。



*#2976 大学受験生追い込み中! Feb. 15, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15


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#2976 大学受験生追い込み中! Feb. 15, 2015 [63. チャレンジ(教育)]

 暮れからセンターレベルの数Ⅰ・A問題集を1冊やり、そのあと「青チャート数ⅠA」の全問題をやって、2月になってから数Ⅱの青チャートをやっている受験生がいる。なかなかいい追い込みだ。この一月半ほどは、毎日10時間以上勉強しているのだろう。
 一日10時間を越える勉強を1ヶ月以上続ける、こういう経験が大学生や社会人になってから役に立つ。難関といわれている国家試験は、これくらいのペースで1年間やり続けたら、たいがい合格できるからだ。

 毎日4時間半ほどニムオロ塾で個別補習しているが、青チャートは手ごわいようだ。今日は三角関数の合成の複合問題と、指数と対数の分野の問題をやった。今日は質問のあった問題を20題は解説しただろう。だんだん解説を端折って、ヒントだけで理解できるようになってきた。手応えは感じている。

 学校で使っているのは1年のときは、「3トライヤル数ⅠA」、2年は「3トライヤル数ⅡB」だ。大学受験生にとってはこの問題集は難易度が低すぎる。1、2年のときに、青チャートレベルの問題に独力で取り組める生徒は学年10人いるだろうか?
 大学受験を考えている生徒は、Ⅰ・2年生のときに「3トライヤル」の問題の後で、青チャートレベルのものに取り組んでおくべきだ。

 2年生は学年末試験の数Bの範囲には階差数列、漸化式、群数列がはいっていない。来週テストだが、そこまでやれないのである。授業速度がこの十年間でずいぶん遅れた。以前は群数列までちゃんと出題されていた。
 1年生は1月20日ころから数Ⅱをやっていたが、最近は2月半ばでも数Ⅱはやっていない。生徒の学力が落ちているから、習熟度別にクラス編成(4段階)しても授業速度が落ちている。そして難易度の低い問題しかやれていない。普段の授業では、1・2年生のうちは難易度の高い複合問題を殆ど経験しないまま、3年生になる。

 10年間で根室高校生の学力がかなり落ちた。2年後には高校は1校体制になるのだが、学力低下が加速するだろう。
 学校の先生たちは、学力が低くても生徒を退学にしない。問題をやさしくしたり、同じ問題で追試をやって「救う」。自分の科目で落第させたり、退学させるのは「心が痛い」からだ。その結果、2年後から、学校の定期試験問題の難易度は一段と低いものになり、生徒の学力は著しく低下するだろう。
 勉強しない生徒は、落第⇒退学処分でいい、生徒を甘やかしていいことはほとんどない。
 生徒をダメな人間にしたければとことん甘やかせばいい。勉強しなくても同じ問題でなんどでも追試をやって進級させたらいい。保護者はどちらを望んでいるのだろう?いちどアンケートをとったらいい。

 こうしてみると小学校にはじまる学力低下の流れは、中学校でも高校でも、学校現場ではなかなかとめられないもののようだ。

 今月、文協学力テストが実施されたが、市街化地域のある中学校の五科目合計平均点が200点を切った。200点を切った例はいままで記憶にない。
 得点通知表を確認していないが、Ⅰ学年50人ほどのうち、数学零点が10人近くいるという。すごいことになっている。零点というのはやさしい基本計算問題すらできないということなのだから、大変な問題なのである。国語の語彙力も著しく貧弱な生徒(小学4年生かそれ以下の語彙力)が3割以上いる。小学校で分数や少数の四則演算を教え切れていない、本を読む習慣がない生徒が増えている。
 この学校の3年生は昨年の全国学力テストでほぼ全国平均をクリアできたようだ。3年生と1年生のこの学力ギャップはどうして生じたのか?
 原因の大半は小学校にあるが、中学校の数学の授業にも小さいがある問題がはっきりしている。自分たちで十分解決できる問題だから、先生たちがなんとかするだろう。はっきり言って、零点の生徒たちを平均点まで引き上げるには、10倍以上の手間がかかるが、かけなければ基礎学力に大きな穴が開いたまま、高校生になる。そして、高校は一つ、学力差の大きな生徒を高校の先生たちが同じ教科書で教えることになる。とっても無理だ。中高の数学と英語を教えているebisuでも、これほど学力差のある生徒を対象に同じ教科書(現在根室高校普通科で使われている英数の教科書)で教えることは不可能だ。だから、いまから具体策を検討しておかないと、クラッシュすることになる。被害は生徒と根室の未来に及ぶだろう。
 根室市内の小学校と中学校と高校の先生が一つの場で具体策を話し合う必要があるのではないか?
 先生たちは一人残らず教育の職人、プロであってもらいたい。

ー余談ー
 市教委は中学校で実施されている文協学力テストの結果をモニターしていないという。50人中零点が10人もいる状況をモニタしないで、どういう具体的な学校教育政策がつくれるのだろう?
 仕事は誠実に、正直に、渾身の力でやろう。

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#2933 日曜日のたのしい新年会 Jan. 20, 2015 [63. チャレンジ(教育)]

 打ち合わせがあって、18日日曜日に釧路まで行って来た。前日降った雪で厚床の手前までま道路はつるつるだった。厚床を過ぎたら乾いていた。厚岸の道の駅で15分休憩して釧路へ。4時到着の予定で走ったから、サングラスをかけていても逆光でまぶしかった。
 車のナビへ住所を入れても「登録がありません」、仕方がないので町名だけで目的地指定、付近についてから電話で確認することにした。
 釧路についてから目的地付近で車を止めて、電話しようとしたら、すぐ目の前左に建物と看板が見えた。偶然に目的地の20mほど手前だった。安全運転でゆっくり走ったので2時間15分ばかりかかった。
 打ち合わせでは今年の大まかな予定と、やるべき仕事を確認しただけ。打ち合わせはさっさと済ませて今日の本当の目的の新年会の会場の居酒屋さんへ。鍋料理が出ると「鍋奉行」がさっそくみんなに取り分けてくれる。呑みながら食べ、わいわいがやがや勝手なことを言い合い数分ごとにみんなで大笑い、楽しかった。冗談も交えながら好き勝手なことを言い合い、話は落ち着くところへ落ち着いてしまった。
 まるで申し合わせたように、誰かが出したアイデアが「トンデモない」ものでも、それに輪をかけてさらにもっと「トンデモない」アイデアが出る、そしてみんなでどっと大笑いして、次の「トンデモない」提案が出る。はじめの内は常識的なものだったが、だんだんエスカレートしていった。これ以上の案はないところまで出尽くしたところで、「そろそろ優先順位をつけてみましょうか」と誰かが言うと、十数個出た案を思い出しながらつけた優先順位はみんなが納得のいく常識的なところへ落ち着く。「トンデモない」案はビリのほうに三つしっかり収まった。多少酔いが回っていても冗談と現実的な判断はもちろんしっかり区分けがついている。
 さっきからメモを取っていた人が、「これでいいかな?」と確認、他の一人があとでアップしておくと発言。しらふの打ち合わせのときはどうなるかと思ったが、4時間近くの新年会で見事にまとまった、こいつは春から滑り出しがいい~♪

 紙を使わないKJ法、黒板を使わないブレーンストーミング、事前に講習や技法の確認なしに、教科書どおりの展開、かなりびっくりした。お酒の力もあって、記憶にある20代後半からのいままでのその手の打ち合わせでは、最高のものになった。現役の皆さんのパワーのたしかさに舌を巻いた数時間だった。

 最初にビールを小ビアグラスでいっぱいだけ口にしただけ、車で帰る予定だから、お酒が好きなebisuでも呑まない。一瞬の判断力と反応が鈍くなる。誰かが「浦霞の純米酒がいい」なんて言い出したら、女将が酒店へ電話で注文してくれて待つこと15分ほどで届いた、早い!おいしい、おいしいとみなさん喜んで幸せそうな顔、そういう顔を見ているうちにこちらもなんだか一緒にいただいたような気分。デカンターに入った酒の匂いをかがせてもらって一口なめてみたが、純米酒なのに吟醸酒のようなフルーティな香りがちょっとあった。
 浦霞は宮城県塩釜の酒、震災で大きな被害があったが、なんとかがんばっている。思い出したら呑んでやってほしい。香りだけでなく味もフルーティだと数人が言っていた。女性に喜ばれる味のようだ。フルーティな香りと味の出羽桜の吟醸酒を一緒に飲んだ人たちのことと一緒にふと思い出した。

 帰りは真っ暗、道路が厚床まで乾いているのは知っているが、ブラックアイスバーンの箇所があるかもしれないので、スピードはだせない、見込み運転は危険すぎる。車の気温表示はマイナス12度だった。厚床を過ぎても道路は来るときと違ってほとんど乾いていた。

 初めて釧路へ単独運転、道東の冬景色を眺めながらまた来月もゆっくり走ってみよう。


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#2920 全国学力テストの結果を公表した中学校 Dec. 25, 2014 [63. チャレンジ(教育)]

 小樽市の全国学力テスト結果は全道の市の中では恥ずかしいほど低いのだが、あえて市全体の全国学力テスト科目別・正答率データを公表した、公表しないと学力向上へのアクセルが踏めないからだろう。
(小樽市の小中学校の平均正答率結果を都道府県標準偏差で計算すると偏差値は小学校27.1、中学校では30.5である)

 その小樽市で青園中学校が全国学力テストの結果を公表し、保護者への説明会を開催し50人ほどが集まった、教諭から出る言葉は厳しいものばかりだったという。ところが保護者の関心の高さに学校側が驚いた。生活習慣と学力に相関関係のあることがわかっているから、健全な生活習慣や家庭学習習慣をはぐくむためには家庭の協力が学力向上に欠かせないのである。

 小樽市同様に根室市は全国学力テスト結果を正答率で公表した、道内でも正答率を公表した市は少ない。根室市教委がそこまで踏み込んだのだから、その心意気をよしとする中学校があれば学校の正答率公表をして保護者に説明会を開催してもらいたい、根室でも保護者の関心は予想外に高いはずだ。


「・・・青園中は、平均正答率が道内でも高く、全国平均を上回る科目もある。それでもあえて厳しい内容を保護者に伝えているのは、「生徒が力をつけるためには何が必要か、家庭にもわかってもらいたい。(和田悦明校長)との思いからだ。・・・」

「・・・「子供の実態がわかってよかった」。満足そうに岐路につく青園中の保護者の表情が印象的だった。」


 ブログ「情熱空間」より転載
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7710921.html
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2014年12月24日

中学校による全国学テ結果説明会(読売新聞記事)

さすがは、教育の読売新聞。今週月曜日(2014.12.22)の朝刊記事から。

小樽市のある中学校が、全国学テの結果説明会を開催したそうです。「学力情報を公開したなら、学校と保護者が対立関係に陥る」などとのたまっている世間知らずの教育学者氏に、この記事を百万遍繰り返してお読みいただきたいものであります。

厳しいことも言う。
でも、言ったからには協力を惜しまない。


学校側の真摯な思いを受け止め、そう決意する保護者の想いが伝わってきますね。道民新聞だけを読んでいると、こうした事例が報告されることはまずないので、保護者としても「がんばる学校」を応援できないものになってしまいがちです。

それはわかるが、道内の教育関係者はもう少し、保護者の立場に立って考える努力をしてもよいのではないか。

まったくもって同感であります。包み隠さず、事実を事実のまま伝え、協力を求めるべきは求める。たったそれだけのことを、なぜ恐れ、それほどまでに忌み嫌うのでしょうか。英断を下された校長に、拍手喝采であります。

CCI20141224_00000
























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*小樽市 平成26年度全国学力・学習状況調査
http://www.city.otaru.lg.jp/simin/kyoiku/gakko_kyoiku/sidousitu/gakuryoku_tyosa19.html



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#2900 学テ総合ABCで全国平均レベルはどれくらいの得点か  Dec. 10, 2014 [63. チャレンジ(教育)]

  北海道では文協学力テスト総合ABC計3回、全道の公立中学校で実施しているが、全国学力テストで全国平均は道内で実施している学力テストの点数ではどの辺りにあるのか気になるのは私塾関係者だけではないだろう。保護者も学校の先生たちも気になるだろう。
 結論から言うとそれはあまり高くない、手の届くところにある。
 根室市の市街化地域のC中学校3年生が全国学力テストでほぼ全国平均だというから、C中学校の学力テスト総合ABCの平均点が学校別の全国平均値と考えていい。

2014年C中3年生
国語社会数学理科英語合計memo
9月11日総合A32.920.820.426.330.3130.7131.2
10月8日総合B30.620.522.627.833.8135.3130.7
11月7日総合C33.622.619.527.333.7136.7136.7
合計97.163.962.581.497.8402.7
平均32.421.320.827.132.6134.2 



*Bの合計点が資料では130.7となっていて、表の単純平均値の135.3と4.6の誤差がある。これは丸めの誤差とは考えられない。小数第2位を四捨五入した数値だから、誤差の最大値は0.5である。

   総合学力テストABC平均134≒全国学力テスト平均点

 文協学力テスト総合ABCの平均点で134点付近が全国学力テストの平均値と「≒」だということ。個人データを積み上げてその正答率の平均値をとっても、学校ごとに平均点を算出してさらにその平均点(学校別正答率平均点)を計算してもデータ数が大きいから同じ値になるだろう。

 市内のB中学校の平均得点もアップしておく。以前はこの学校が市内で一番学力が高かった。昨年度の中3からガクンと学力が下がったが、盛り返している。7年前に起きた学級崩壊状態以降はっきり学力が低下してしまった。

2014年B中3年生
国語社会数学理科英語合計
9月11日総合A  33.719.119.625.128.7126.2
10月8日総合B  33.021.322.525.829.5132.1
11月7日総合C32.724.721.025.330.9134.6
合計99.465.163.176.289.1392.9
平均33.121.721.025.429.7131.0



 B中学校の昨年度の学テ総合ABC平均値は107.5であった。この12年間で最低を記録した昨年から23.5ポイント回復している。B中の先生数人が低学力の生徒に放課後補習や土曜補習をしてくれていたが、学校としての取組ではなかった。文武両道を校長が明言し、低学力層対象の放課後補習に学校全体で取り組むことで生徒たちの平均的な学力を顕著に上げることができる。

 B中学校の生徒が3%正答率をアップすれば全国平均だ。B中学校は54人、C中学校は47人でおおよそ市内の中学3年生の45%である。だから2年間でA中学校と郡部の底上げができたら、根室市内の中学生は全国平均を達成できる。


 B中の昨年のデータもついでにアップする。

2013年B中3年生2013年
国語社会数学理科英語合計
4月12日4月学テ25.51719.316.922100.7
9月12日総合A26.724.617.825.615.9110.6
10月9日総合B33.717.517.724.215.9109.0
11月14日総合C27.522.716.218.418.0102.8
模試27.318.817.522.021.2106.8
合計140.7100.688.5107.193.0529.9
平均35.225.222.126.823.3106.0


 同じ中学校でも年度によってこんなに平均点に差が出るし、2年間努力すれば平均点を全国平均レベルにもっていけるのだから、「序列化」なんて固定したものがあるはずがない。学校別に学力の序列化があるとしたら、それは学校が学力向上へ向けたマネジメントを放棄している場合と、先生たちが教育の職人であることをやめて「教育労働者」になり下がりプロ根性を棄てた場合に限定される。

<余談:家庭の躾>
 家庭の躾も重要だ。背筋を伸ばして坐ること、注意されたときにふてくされないこと、挨拶がきちんとできること、先生の制止に従うこと、目上の人への言葉づかい、嫌なことでも必要なことは我慢してやること・・・などなど。
 家庭内での言葉づかいも躾の一環でとっても大事な一つだ。家庭で乱暴な言葉で話していると、こどもはそのまんま外でも乱暴な言葉を使うようになる。言葉使いが乱暴だと、言葉は毎日使うものだから、使う人の精神形成に影響を及ぼしてしまう。乱暴な言葉づかいをする人は、毎日毎日すこしずつ粗暴な性格になっていくものだ。家庭内では品のよい言葉づかいを心がけよう。話す言葉に品が出てくると、人格にも品が出てくる。
 基本的な躾のいくつかは学校へ上がる前にしておかなくてはならない。自我が育ってしまう小学校高学年ではすでに手遅れ。小学校低学年が終わるまでにこれらを一つも躾けられないと、先生の制止を聞かずに授業中に立って歩いたり、声を出したりするようになっている。そういう児童・生徒が一つのクラスに3人いたら、ほとんどの先生の手に余り学級崩壊を起こす。
 昔の小学校の先生たちは殴って(ビンタで)制止していたから、家庭の躾の悪い児童・生徒がいても学校での躾が可能だった。いまはそんな先生はいないから、大人をなめきっている子どもの躾は学校では困難である。塾では何度制止しても言うことを利かないと、本気で叱ってゲンコツかビンタをはることになる。嫌だが言うことを聞かぬ中学生はそうするしかない。塾で躾をするなどということは東京で教えた3年間ではまったく経験がない。

 私見だが、小学校4年生までは先生の制止を聞かぬ児童はビンタを奨励したらいいと思う。この段階で痛い思いをしたら、わがまま一杯でガマンの経験のない子どもたちにやっていいこととやってはいけないことの区別をはっきり教えることができる。これと放課後補習を組み合わせたら低学力層の半数近くが救えるのではないだろうか

 漁師町は農業の町よりも概して言葉づかいが乱暴だが、それは学力にも少しは影響があるのではないか?

 品のある言葉づかいと挙措は意識してやれば誰にでもできる、毎年少しずつレベルを上げていったらいい。


 #2869 根室の中学生の学力の現況(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1

 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-2

 #2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18

 #2873 根室の中学生の学力の現状(5):C中学校1年 Nov. 19, 2014 
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 #2875 根室の中学生の学力の現状(6):B中対C中学校1年 Nov. 20, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-20

 #2881 根室の中学生の学力の現状(7):連携と協働  Nov. 25, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-25


*#2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13

  #2895 H26全国学力テストデータ分析(5):3×3マトリックス分析 Dec 3, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-12-03

 #2896 学校通信が学力向上の旗を振るC中学校 Dec. 5, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-12-04

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#2881 根室の中学生の学力の現状(7):連携と協働  Nov. 25, 2014 [63. チャレンジ(教育)]

 1970年11月25日は三島由紀夫が市ケ谷の自衛隊に突入、自衛隊員に決起を促し、こと敗れて切腹した日である。あの日大学の授業が終わって新宿駅に着き、山の手線に乗り池袋駅で下りたところで号外を受け取った。本屋周りが好きで神田の三省堂や新宿紀伊国屋でなんどか三島の著作を立ち読みさせてもらったが、当時は買う気にならなかった。小説は時間がもったいないのでなるべく読まないように自制していたからだろう。
 ずいぶん時間がたってから三島の魂の遍歴を尋ねてみたくて彼の著作をいくつか読んでみた。三島は輪廻思想に傾倒してインドを訪れている、それと切腹は関連があるのだろうか。三島は切腹することで輪廻の大輪を回したのだろうか?
 そうした三島の思想的傾向が『豊饒の海』によく出ている。最後にどんでん返しがあって、それまでのできごとが夢か現かわからぬような終わり方をしていたように記憶する。夢を見ていたのは女ではなく自分(主人公)のほう?読み手を突き放して物語を白紙に戻してしまう。時間を巻き戻して今度は女のほうを主人公にした別の物語が進行しそうな気配を残して筆を擱いている。最後の所でそれまで整然と進行していたように見えた時間と空間がぐにゃりとゆがみ、一本のひも状の世界がひねって前と後ろがつなぎ合わされてしまうのだが、主人公だった男は別次元の世界の入り口に立っている。日本語語彙の豊かな作家の一人だった。
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 さて、本題は根室の中学生の学力問題であるが、このシリーズ7回目、ひとまずまとめておきたい。まだ数編書くつもりだったが、なんとなく迷っている。理由も含めてやはり書くのだろう。

 根室の中学生の学力に関わる問題は二つに分けられる。ひとつは高学力層の枯渇現象が起きていること、もうひとつは低学力層の肥大化である。

<高学力層に生じている問題>
 五科目500点満点の学力テストで400点以上を高学力層と定義すると、市街化地域の3中学校で10年前は40~50人いたのだが、この3年間は4~15人に激減している。市内の中学生数は12年間で420人⇒240人へとおよそ4割減だが、高学力層は1/10~1/3へ激減した。高学力層と書いたが、文協学力テストは難易度が低いので、400点では根室高校普通科へ進学してから受ける全国模試の進研模試では偏差値45~48にすぎない。430点でようやく偏差値50だ。偏差値50の大学は真ん中のレベルだから、高学力層と呼ぶにはおこがましい。市街化地域の3校では学年によっては400点を越えるものがゼロのこともある。学年トップでも偏差値50に届かないケースが出始めたのがこの3年間の現象。
 道内の大学では小樽商大が偏差値55、室蘭工大48、北見工大47。中学校の学力テストで偏差値換算で48を超える層が枯渇しつつあり、大学進学への影響が懸念される。すでに根室高校では推薦入学が増えて、偏差値50を超える大学への一般入試合格はせいぜい10名程度。

<低学力層に生じている問題>
 低学力層を200点以下と定義して話しを進めたい。さらにこの層を二つに分け、150点以下を底辺層と命名する。
 底辺層は基礎学力において学習障害児と変わらない。小学校4年生程度の漢字の読み書きができないし、読む速度は半分から1/4、計算能力は標準的な速度の生徒の半分から1/10である。読む速度が遅いと、内容理解に大きく関わってくるし、計算速度が遅い場合は勉強量に看過できない差を生じることになる。塾に来ている生徒で計測したことがあるが一番速い者と一番遅い者で計算速度の差は30対1であった。

 「勉強量=速度×集中度×時間」

 
速度の大きな生徒は短時間で圧倒的に大きな学習量をこなしている。速度の大きな生徒が1時間家庭で勉強したとすると、速度の小さな生徒が5時間勉強したよりも勉強量が大きくなることはざらにあると考えた方がよい
 だから、低学力層への対策で最優先すべきは、「読み・書き・計算」の速度アップトレーニング。根室市教委が市内の全校生徒に配布した計算問題集『カルク』は時間を計測してトレーニングしてこそ効果がある。朝読書は読む速度アップにまったく役に立たぬ。教師がついて同じテキストで高速朗誦トレーニングを実施すべきだ。漢字と英単語の書き取りトレーニングとして、毎日30個程度を宿題に課すべき、毎日やらせることで無理矢理家庭学習習慣をつけさせる。やってこないものはその日はブカツ停止を命じる。生徒の躾は学校でもやらなければならない。

<データからわかったこと>
 (1)から(5)でB校とC校の昨年と今年の学力テストデータを取り上げ、得点階層別に比較分析を試みた。B中学校は過去7年間の学力テストデータの推移を見た。学力低下の転換点となったのは2007年度の3年生が中学1年生のときに起きた軽度の学級崩壊(授業で先生の声がときどき聞こえない)、そして2年でのクラス替えによる他のクラスでの「増殖」学級崩壊と学力低下の関連に言及した。
 ついで、C中学校の9年間の学力推移とこの2年間の急激な学力回復過程をみた3年生は全国平均点を達成したようだが、1年生の学力が過去12年間で一番低い事実を述べた小学校のときの学級崩壊がこの学年の学力低下の原因であるようだ。
 子どもの躾のできない親が増えていることは別途対策を打たないと、学級崩壊が毎年どこかの学校で起きることになる

<学力向上三つのポイント>
 さて、5回のデータ分析を通じて生徒たちの学力向上には三つのポイントがあることがわかった。

(1)小学校入学前後の家庭の躾
(2)放課後補習の実施
(3)地域社会との連携

 2項目はすでに詳論したから、三番目にあげた地域社会との連携について論点を整理しておく。
 高学力層を全国レベルで戦えるように鍛えるのは学校教育では無理がある。それはそれ専門の職人がやったほうがいい、この部分は私塾の役割だろう。
 私塾は学力下位層に対していままでも数ヶ月の無料個別補習体制をとってきたが、学校が放課後補習を継続的な体制として取り組んでくれるなら、この部分の役割は小さくなる、それが本来の姿だ。
 もう一つは、釧路の市立病院職員(公務員アウォード賞受賞)が主宰している「寺子屋」のように、ボランティアによる基礎学力育成プログラムがあるべきだ。とくに小学校でのつまずきが中高とずっと尾を引く例が多いので、それを小学校の内にパッチをあてて、落ちこぼすことなく中学校へ送りだす受け皿が必要だ。すべてを学校教育に任せるよりも、まったく別の時間と空間の用意があって、子どもたちが選択できる状況が望ましい。

 あまねく市内全部の小中高学生に基礎学力を保障するためにはセフティネットが何重にも用意されているのが望ましい。そのためには各学校・各学年・各教科ごとの学力の現状を客観的な資料で把握しておくべきだ。学力テストに関する学校別・学年別・科目別情報を関係者が共有して学力改善に当たり、その結果をやはり客観的な数値情報で確認していくべきだろう

<C中学校に学べ>
 文武両道の重要性とそのやり方を具体的そして繰り返し生徒に説明し、放課後補習を繰り返せば2年間で17%の学力向上ができることをC中学校が証明した。市内全部の中学校で同じことをやれば、2年間で根室市の子どもたちの学力は全国平均値を大幅に超えることができる。

 子どもたちの学力向上は保護者と学校と私塾、そして地域社会が連携しながら多用な受け皿を用意して、学習への興味を育てることによって果たされる。

 

*#2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

 #2672 急激な学力低下はなぜ起きているのか?:假説 May 10, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09ある

 #2806 高校数学面白い問題 :小中学校の先生たちへ Sep. 14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-13-2

 #2869 根室の中学生の学力の現況(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1

 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-2

 #2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18

 #2873 根室の中学生の学力の現状(5):C中学校1年 Nov. 19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18-1

 #2875 根室の中学生の学力の現状(6):B中対C中学校1年 Nov. 20, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-20

*#2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13



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#2876 プリント学習の弊害(ブログ「情熱空間」より転載」) Nov. 22, 2014 [63. チャレンジ(教育)]

 ブログ「情熱空間」がプリント学習についてわかりやすい解説をしてくれています。学校も塾もそれぞれに異なる理由があって便利がいいからプリントを多用しています。生徒がもっているプリントファイルは一つが二つ(二教科)になり、だんだん分厚くなります。
 先生は良かれと思ってプリントを一生懸命につくり、生徒へ手渡す。しかし、便利なツールを多用したり何年も使い続けると「副作用」や「後遺症」が出てきます。
 そういうつもりはなくても、小学校から高校卒業までの12年間もプリントを多用する授業を続けられたら、それに慣れ、習慣となり、性格形成にまで毎日毎日少しずつ影響が及ぶ。そうしたシステムが「指示待ち型人材」を量産していることに気がつこう。メカニズムがわかっていたら防ぐ手段も見つかる。メカニズムを「問題発見解決型人材」育成に適するように変えればいいのである。
 小学校の先生たち、中学校の先生たち、高校の先生たち、私塾のプロとそれぞれが部分最適で一生懸命にやった結果が「指示待ち人間」の量産では悲しいではないか。
 広い視野をもとう、いまやっているシステム全体を通り抜けたときに、子どもたちがどのような社会人に育つのか、想像力をもとう。

 ニムオロ塾では開塾以来、どういう社会人を育てるかということを考慮しながらやってきた。点数は上げなきゃならないが、そこで終わりではない。それはたんなる結果に過ぎず、目標は自立して勉強できる人間を育成すること、問題提起・問題解決型人材を小中高を通して育成すること。
 根室で育って高校を卒業してから東京で学び、東京で複数の会社の上場に関与し、企業人として人材観察をし続けた。
 小学校は中学校へ送り出し、中学校は高校へ送り出し、高校は生徒を就職させたり進学させて終わりだと思っている。じつはゴールはそこにはない。生徒たちはその後も社会人として生き続けるから、社会人として強く生きていける人材に鍛え上げるという観点から、小学校の教育も、中学校の教育も、高校の教育も、塾の教育も見直しがなされるべきなのだろう。

 ブログ「情熱空間」の論考をどうぞお読みください。

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7649965.html
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2014年11月21日

プリント学習の弊害

私が塾の仕事に携わるようになった頃、かれこれ25年近く前になりますけれど、その頃の学校の授業といえば当然ながら板書主体であって、これまた当然ながら、児童・生徒はノートにそれを書き留めていたものでした。学校の授業の原風景とは、当然ながらそうしたものと思うのですが…。

さて、四半世紀が経過した現在。どうしたことでしょう、学校ではもはや、ノートを用いた授業ではなくプリント学習が主体になってしまっています。ワークシートなどというと聞こえは良いものの、その正体は単なるプリント学習だったりします。この点、理解に苦しむのです。

ちなみに、塾や予備校の場合だと、やはりテキストとプリントが主流になります。理由はただ一つ、効率追求のためです。それ以上でもそれ以下でもありません。元々私は社会科の専任講師などをやってきましたが、学校の授業の半分のコマ数でも確保されているのであれば、塾の授業も板書ベースで行うべきだと思っています。

でも、それは夢のまた夢。現実には学校の授業の5分の1~4分の1程度のコマ数しか与えられていないので、板書ベースでは到底消化できません。だからテキストやプリントベースにならざるを得ない。また、塾や予備校の授業では演習こそが生命線です。なのでやはりテキストやプリントベースになるわけです。

では、なぜプリント授業がいけないのか、その理由です。第一に、「自分でまとめる」という作業ができなくなるからです。ノート作りの重要性は誰しもが言うわけですが、思い切りその足を引っ張っているからです。第二に、「書く作業」をさせない。積極的に書かせないように仕向けてしまっているということです。そして、そこから波及するところの《副作用》《後遺症》たるや、実に甚大なものがあるのです。

プリント学習による《副作用》と《後遺症》。書くスピードがやたらに遅い。書かせると、「疲れた」「手が痛い」などと不機嫌になる。書いて覚えるという作業がまるでできない。ノートにまとめることができない。子ども時代に限らず、その後にも《副作用》と《後遺症》は続くことになります。メモを取らない、取れない。日報や報告書をまともに書けない。結果、指示待ち人間へと直結する。どうでしょうか、思いあたる節はないでしょうか?

自身が塾や予備校に通った経験がある若い教師。教育大学へ通っても、そもそもの授業のやり方など何も教えてもらえないわけだから、彼らにしてみたなら「お手本となる授業」とは過去に自分が受けた授業のことであって、そこに塾や予備校の授業が含まれるわけだから、以上のような《副作用》《後遺症》を何も考えずにプリント学習に走ってしまう。そうした側面は否定できないであろうと感じています。

子どものランドセル・かばんをご覧になって下さい。底に、くしゃくしゃになったプリントが積み重なってはいないでしょうか?部屋に机に、そうしたプリントが散乱してはいないでしょうか?ノートにプリントを貼るように指示され、それを貼ってやたらに分厚く膨れ上がったノートがありはしませんでしょうか?でもそのこと自体、考えてみればおかしいとはお思いにはなりませんでしょうか?

実は、こうしたケースがとても多いことをご存知でしょうか?塾へ通い、念願の高校合格を果たすも、入学していざ勉強を始めようと思うも、何からどう手をつけていいのかがまるで分からない…。それはまさに、学校と塾のコラボによるプリント学習の弊害、《副作用》《後遺症》そのものです。なぜなら、口に虫をくわえて巣に戻ってくるのを待つ、ひな鳥の姿であるわけですから…。

別の見方から、こうしたことも言えるでしょう。手と脳は直結していると言われます。書かせない、書いて練習させる作業を積極的に阻害してしまっている。書いて覚えることが実感として理解できない。その動かさない手が脳に直結しているわけだから、必然的に学力も衰えてしまう。

だからプリント学習はダメなんです。授業はあくまで板書で進めることが基本であって、プリントとはその補完のための材料であるべきなんです。ところがしかし、今では何から何までがプリント学習で、それなのに現場からはそれを疑問視する声すら上がってこない。おかしい、実におかしいと思います。学力が高い地域は、実はノート指導が充実しているものです。ここから先は、その部分の検証も進めていただきたいと思いますね。

《追記》
ebisuさんのこの記事を拝読し、プリント学習の《副作用》と《後遺症》について綴ってみました。

●根室の中学生の学力の現状(6):B中対C中学校1年
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-20

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<コメント欄からアップ>・・・ZAPPERさんより投稿アリ
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ご紹介ありがとうございます。

なぜ学校の授業なのに、塾や予備校みたいにプリントに頼るのか。そこには《裏の欲求》が存在します。ズバリ、進度を稼げるから!板書で授業を進めたなら、規定の時数で教科書を終えられない。そういうことですね。

例えば社会科の戦後史(歴史)。教科書を用いて板書で正当に授業を行なったなら10コマ弱を食うことになりますが、プリントならば3〜4コマで要点だけに触れて終えられるわけですね。

黒板に書いたなら、そりゃ手も疲れるし、子どもらの書くスピードが遅い(書かせていないから遅いという悪循環)のでなおのこと時間的ロスが生じます。なのでプリントは重宝する。綴らせておいたりノートに貼らせたりすれば、保護者の受けもいい。何といっても「やった」というアリバイ作りになる!

書かせたなら、「手が痛い!」などと不機嫌になってはため息をつく子が多いし、プリントならばそうしたことはない。要点の整理だけに始終すれば、進度は大きく稼げるし、どうせプリントの内容など保護者は誰も見ちゃいない!

そこがホンネでしょう。プリントとは、その教科の本当のプロが作ってこそ、現場での学習指導を隅から隅まで知り尽くした者が作るから、それをピンポイントで用いるから、だから効果があるものです。まことに失礼ながら、こういうことです。

まずは板書オンリーで授業が授業が一人前にできること。それができない素人の作るプリントは意味を成しません。別の表現をすればこうでしょうか?値段をつけて販売できないものを多用している。そんなものを作る暇があったなら、ひたすらに教科書内容の勉強からですよ。

もっと言いましょう。上記に加え、教材をきちんと使用できること。教科書も教材も使い倒すことができること。それができるようになって、そのレベルに至って始めてプリント作りが許されるということでしょう。
by ZAPPER (2014-11-22 21:21) 

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#2875 根室の中学生の学力の現状(6):B中対C中学校1年 Nov. 20, 2014  [63. チャレンジ(教育)]

 五科目平均点が低かったC中学校1年生とB中学校1年生のデータを比較してみたい。
 科目別の点数は次のようになっている。

  [B中学校対C中学校比較表]2014年11月学テ
国語社会数学理科英語合計
B中62.945.434.850.052.8245.9
C中58.133.730.744.749.7216.9

 B中学校の「得点通知票」の合計は239.2となっているが、科目別内訳はこの表の通りなのでEXCELでの合計値のままにしてある。
  全科目でB校がC校を上回っている。

 中1得点階層別比較表<2014年11月7日学テ>
 B中小計C中小計
451-5000  0  
401-450334.1447.5
351-4003  4  
301-350161926.04815.1
251-30014  4  
201-250132737.081222.6
151-20010  14  
101-150102027.4102445.3
51-1003  4  
0-50034.1159.4
合計727298.65353100.0
五教科計239.2216.9  

 B校は三人に一人が200点以下の下位層に、C校は半数以上が下位層にいる。C校の成績下位層の肥大化がよく見える表である。この層は読み・書き・計算の基礎技能が著しく劣っており、そのまま放置すると中学卒業時点で小4程度の「読み・書き」能力、小6程度の計算能力があやしい学力となる。

<基礎学力の差が大きな所得格差を生む現実>
 C校の216.9は1科目平均43.4点で非常に低い、さまざまな問題をはらんでいそうだ。B校の245.9も1科目平均49.2点であまり褒められた点数ではない、それぞれ手を打っておかないと、3年生になったときに低学力層は取り返しのつかぬことになっているだろう。読み・書き・計算能力が小4程度のままで、この階層のほとんどが非正規雇用の単純労働しか職がない可能性が大きい。年収百万円未満もありうるし、引きこもりも、職に就けない可能性も大きく、せいぜい100~120万円程度の年収に甘んじなければならない。
 偏差値55以上の大学へ進学して、優良な企業に正社員として就職できると、月収20~23万円、ボーナスが年間百案円として340~376万円の年収になる。非正規雇用の年収はほとんど上がらないが正規雇用の年収は年々上がっていく。30歳になるころには350~400万円の年収格差が生じる。40歳までには累計で4000~6000万円ほどの差になるだろう。勉強した者としなかった者にこんなに差がつく現実を都会に住んでいる子どもたちは実際に自分の目で見、自分の耳で聞いて育つ。根室の子どもたちは高校を卒業して都会に出てからそういう現実をはじめてみることになる。

<科目別平均点比較から見えること>
 社会が11.7点差がある、他の科目は理科の5.3が差が大きいだけであとは5点以内。
 この科目別平均点から言えることは、B中学校の社会の先生のほうが点数が高くなるような授業をしているらしいということ。以前、B校には理科の先生で他の学校に比べて15~20点高い平均点を叩きだせる人がいた。ふだんの授業のやり方次第でそれくらいの差が出てしまう。なんてことはないのだ、その先生は小テストを繰り返して、記憶の定着を図っていた。同じ試みを実施している先生がいることを知っている。結果がいつ出るのか楽しみだ。
 科目別別平均点比較ではこれくらいのことしか言えないので、数学と英語と国語の三科目をそれぞれ階層別に分類したデータで分析してみる。

<数学>

  1年生11月<数学>
 B中小計C中小計
91-1000  0  
81-903  0  
71-80257.1223.8
61-706  5  
51-607  4  
41-5072028.651426.4
31-4011  9  
21-3016  6  
11-2010  12  
0-1084564.3103769.8
合計7070100.05353100.0
平均点34.830.7
五科目合計の方は72人だが、数学は70人となっている

 どちらの学校も成績上位層が少ない。テスト範囲は方程式の文章題までである。1題だけ疑問符のつく出題があった。3年生でも同種の出題があったがスマートではない立式を要求する問題だった。
 両校共に90点台がいないことが大きな問題だ。40点以下の下位層が両校とも60%を超えているから、30点以下の生徒はブカツ2カ月停止して、放課後補習に強制参加させるべきだ。文武両道、武よりも文を優先するのが学校教育の本来のありかただろう。B中は約半数の34人、C校は半数を超える28人が対象だ。この層は小数や分数の四則演算があやしい。これらのデータは小学校の先生の算数授業に大きな問題があることを示唆している


<英語>
 両校の構成比の差が小さいので対比表をカットする。実は10万字いう字数制限があり、EXCELで作った表を挿入するとメモリーが食われて字数制限オーバとなるのでやむを得ずカットする。

 B中学校では何種類かプリントをやらせているが、その中にMemorization Sentencesというプリントがあった。教科書の英文が訳文と共に載せられており、チェックボックスが5つあって、5回練習できるようになっている。間違えた文にチェックマークを入れて、何度も書くのだろう。
 どちらの中学校もプリントファイルを生徒にもたせている。プリント学習は先生の側は満足感がえられるが、生徒の側に立つと自主性や勉強の工夫をする余地を小さくし、依存的な習慣を助長しそうだ。

<数学と英語のプリント多用の弊害: 指示待ちタイプが生産されている>
 よく効く薬ほど副作用も強いものだが、プリントの多用も同じことが言える。授業中にプリントを多用すると生徒たちは板書をノートに書き写す量が減少する。書くトレーニングが不足してしまうだけでなく、自分で工夫するという機会を減らしてしまう、できたがったものがプリントとしてあるから、便利なそれを使うだけ。だから、社会科の勉強の仕方がわからないとか理科の勉強の仕方がわからないという生徒が増えている。プリント依存でサブノートをつくったことがないので工夫ができないのである。
 プリントを宿題で多用すると自分の興味の範囲ではなく、与えられた問題をただこなすだけのことになる。好奇心でやっているのではないから、プリントの外側に興味が広がらない。じつはプリントの外側に興味が広がり、自分で考えることが学力向上にとってとても重要なのである。どういうことかというと、さまざまな問題がプリントや教科書や問題集や参考書の外側に見えてくるものだからだ。そういう経験を毎日積み上げた生徒は社会人となってからも自分で問題を見つけ、その具体的な解決案を考え抜く類型の人間に育つ中高の6年間の勉強の仕方次第で、指示待ち人間になるか、問題発見・課題発見型の問題解決人間になるかが決まるのだが、先生たちはそういう事実に気がついているのだろうか?
 
小学校の先生は生徒を卒業させればいい、中学校の先生は生徒を高校へ送り出せばいい、高校の先生は生徒を就職させるか進学させればいいとそんな風に考えていないだろうか?実はどの段階も社会人を育成するためになされているのだ。だから、どういう社会人を育てるのかという視点があるべきだ。指示待ち人間ではなく問題発見・解決型の人間を育てよう。そういう観点から、授業や宿題の出し方を再検討すべきだ。

 高校生になっても根室高校普通科は毎週ユメタンの英単語の暗記テストをするために単語の暗記を宿題に課しているし数学も教科書準拠問題集をピックアップして毎週プリント宿題を課しているので、6年間プリント漬けになった生徒たちは自主性や工夫という経験が乏しいまま進学や就職をすることになる。こういう教育を中高6年間続けるのだから、毎週の習慣が生徒たちの性格にまでなり、指示待ち人間が増えるのは当然である
 指示待ち人間は、現在の教育システムの中で毎週、毎月、毎年生産されている。学校の先生、教育行政、私塾人など教育関係者は経済人と話し合って、一度根本から教育のあり方について考えてみる必要がある


<国語>
  1年生11月<国語>
 B中小計C中小計
91-1001  0  
81-907  5  
71-80202838.991426.4
61-7017  8  
51-608  15  
41-50123751.473056.6
31-404  6  
21-303  2  
11-200  1  
0-10079.70917.0
合計7272100.05353100.0
平均点62.958.1  

 国語に両校のそれぞれの特徴が出た。B校の方が成績上位層の%が多い。50点以下の層は箸にも棒にもかからぬほど日本語能力が劣っている。ゲーム、パソコン、スマホのラインやツイッターそしてブカツなどに毎日数時間、多い生徒は5時間を超えている、とにかくそれぞれにいろいろな理由があって本を読まない、読んでも内容が理解できない、いや読めない漢字だらけで文章を読むことのできないレベルの生徒(国語50点以下)がB校が19人26.3%、C校が16人30.1%もいる
 お母さんたちも読んでいるだろうから、はっきり書くよ、文協学力テストで国語50点以下の子どもは中学校の内に何とかしないと高校生になってから成績が伸びない
 理由も書いておく。授業で使われる日本語語彙の中に頭の中で瞬時に漢字変換出来ない単語が頻繁に出てくることになるので、話の脈絡が読めない、つまり授業がほとんど理解できない。読む速度も遅いし、漢字を見てもその漢字が本来持つ意味を小中学校の時期に漢和辞典や国語辞典を引いて調べるという作業をほとんどしていないから理解できない。重複するところがあるが、だいじなことだから思いつくままに問題点を羅列していく。

<国語50点以下の語彙力に大きな問題アリ>
 この層に中学受験用の漢字および語彙問題集『言葉力ドリル実践編』をやらせたら、40点未満の点数しか取れないだろう。
 問題なのは、語彙力が不足していて、授業で先生が使う語彙を頭の中で適切な漢字に変換できないことである。国語に限らず、数学も社会も理科も、英語も説明は日本語で行うから、話の脈絡がつかめない。そのことが学習上の大きな障害となっている
 ゲームやスマホやパソコンやブカツに熱中していて読書をしてこなかった生徒は全員が深刻な語彙力不足を起こしている

<語彙力不足の「症状」>
 文章を読んでも意味がつかめない。例えば数学の問題で、最初に前提条件が述べられ、その後で(1)、(2)という問題があったとすると、(1)を読んでいるときには、その上にある文をすっかり忘れているか、それが(1)の問題の条件を述べているということに気がつかない。
 話の脈絡が読めないと文章の脈絡も読めない。am are isがbe動詞と説明して、それを人称と組み合わせて説明しても、覚えることがなかなかできない。動詞にはbe動詞と一般動詞があると拡張を行うときにはもうbe動詞の定義を忘れている。記憶している内容と新しい知識の関連付けが非常に苦手でなかなかできない。頭の中に関連図をつくることが不得手なのだ。
 その結果、暗記が極端に下手、モノゴトを論理的に順序だてて記憶することもとっても苦手になる。話の脈絡が理解できないとか、書いてある文章から文脈を読めないという学習上とっても大切な能力が開発されず未発達のままになっている。日本語語彙や言葉の理解力が爆発的に発達する「旬の時期」をすでに逃しているから、取り戻すのはよほど辛抱して努力しなければならぬ。ところが、低学力層にはわがままで辛抱できない生徒が多いのである。救えるのは辛抱できてよくなろうとする意志のある者だけだ。

<小学校の大事な時期に伸びるはずの言語能力が未発達>
 小学校のある時期に言語能力の2回目の拡張期を迎えるのが普通なのだが、本を読まない生徒たちは言葉をイメージとともに取り込み、それを他の日本語と比較したり関連付ける作業が圧倒的に不足して、この時期に発達させるべき言語能力を未発達のまま、中学生になってしまっているようなのである

<語彙力拡張への有効な対策>
 50点以下の層の日本語音読能力についても言及しておきたい。ニムオロ塾では中学1年生には斉藤孝『読書力』(岩波新書)を利用しているが、50点未満の層だと2ページに10個以上読めない漢字が出てくる。一行の文の末尾を音読しながら次の行の頭の部分を先読みできない。ギクシャクギクシャクしながら読むから、すらすら読む生徒の2倍から4倍くらいも時間がかかってしまう。
 遅いものほど「てにをは」を読み違えるから、文意がまったく読めなくなる。ひらかなが20文字も続くと先読みができないからつかえる。これでは、どの教科も予習ができない。

<根室の子どもたちはなぜ予習ができないか?>
 東京では私立中学受験の生徒が四人に一人ぐらいの割合でいるが、わたしが東京で3年間教えた生徒たちは予習中心の勉強をしていた。根室で予習中心の勉強に切り替えが行われるのは高校生だ。だから、高校生に毎週プリントの宿題を出すようなことをやらざるをえない。まるで幼児に対するようなやりかたである。
 学齢期前に辛抱させて厳しくしつけ小学校低学年まで親が勉強を見たら、極端な話だが、自立心のある子どもなら、ほったらかしにするのが一番いいのかもしれない。
 団塊世代が高校生のころは宿題なんてあった記憶がない。だから勉強しない者もいたが、結果責任についての意識はあった。学習塾はないし、大学へ行こうと思ったら、自力で努力するしかなかったから、勉強は親に言われてやるとか、誰かに助けてもらってやるのではなく、単独で山に登るような気持ちでやるものだった。中高6年間で、問題発見・解決型の人間に自分を鍛え上げていたから社会人となってからが強かった。いまの子どもたちを見ていると、小学校から塾通い、高校受験も塾便り、そして高校で毎週プリント宿題を受け取り息を切らしながら何とか消化して翌週提出を繰り返す、こんなことが習慣になったらどんな人間になるかは火を見るよりも明らかだ。塾で学ぶ科目はなるべき減らせ!高学年になるに従って、自分でやる領域を広げていくべきだ。

<授業を聴いてもわからないレベルの貧弱な語彙力>
 さて、国語50点以下の層は、語彙力も日本語読解力も貧弱なので、先生の話しを脈絡を理解して聴くことも、話された漢字熟語を頭の中で適切に変換するのも困難をきたしていることを考えると、「読み・書き」に関わる基礎学力の充実なしには学力が上がらないということになる。

<「読み・書き・計算」速度アップトレーニングが重要>
 この層の生徒たちは、読む速度も、書く速度も、計算する速度も著しく遅い。それぞれのスピードアップを図らなくては学年が上がるに従って学力の差が開く一方となる。
 学習量の大筋は次の算式で決まる。

 勉強量=読み書き計算速度×集中度×時間
 
 読み・書き・計算速度が1/3で集中力が1/3だとすると、標準的な能力の生徒1時間分の勉強はそうでない生徒の9時間分に相当することになる。低学力層の子どもは1日10時間勉強しても効果が小さいという理由がわかる。
「うちで勉強してるか?」
「やっているよ先生、毎日2時間くらいやってるよ」
 でも、その子の読み・書き・計算速度と集中力を考慮すると標準的な生徒の15分間の勉強量だったりするわけ。だからふだんの授業で「読み・書き・計算」のスピードアップを口が酸っぱくなるほど指摘し続ける。
「スピードを意識しろ、もって速く書け、計算速度を上げろ」
 ときどき10分間単位で時間を測って問題をやらせる。
 勉強量の計算式を見れば、学力向上に速度の大きさが如何に大切かがわかるだろう。

<音読トレーニングと漢字書き取りの効果>
 国語50点以下の層は良質の日本語テクストを選んで音読トレーニングをしなければならない。生徒自身に任せていたら読めないからいつまでたっても改善できない。学習障害に近い症状を呈している国語の点数が50点以下の生徒たちには学校で放課後補習をするしかないのである。
 ニムオロ塾では開塾2年目から始めた。真剣に取り組む生徒は学力テスト国語の点数が30点台でも3ヶ月で70点台に載せられる。しかし、生徒が嫌がったら効果はない。音読くトレーニングを合わせて、出てきた漢字をノート2ページにびっしり書いてこさせる。それに耐えて本を音読し、漢字の書き取りをやり遂げたら、嫌なことでもやらなければならないことをきちんとやる人間に成長している。
 あまやかされ、わがまま放題に育てられた生徒が一番厄介だ。必要と理解しても嫌なことをやり遂げる我慢ができない。

 こどもをダメにしたかったら、ほしがるものはなんでも買い与え、ゲームもパソコンもスマホもやりたいだけやらせたらいい。箸にも棒にもかからぬ大人になることだけはたしかだ。

<ニムオロ塾で使用している音読テキスト>
■ 中1年生 『読書力』
■ 中2年生 『国家の品格』
■ 中3年生 『すらすら読める風姿花伝』

<余談>
 #2873の投稿欄へ立派なコメントを書いてくれた大学生がいるので紹介したい。田舎と都会の違いが明確に書けている。根室の子どもたちはこういう世界を知らない、ほとんどの子どもたちがふるさとを離れて都会で職を求め生活することになるのだから知っておこう。

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  都会と地方の格差について興味があり検索をしていたところこのブログにたどりつき、興味深く拝見させていただきました。
 学習塾でアルバイトをしているのですが、教えていて思った以上に生徒の基礎学力(小学校レベルの小数に分数や割合、比)が欠けていることを痛感いたします。また、私自身は大学進学率二割程度の小都市の中学出身でしたが大学進学で出会った中学受験をして有名進学校を経てきた同級生の話を聞くと様々な面での「普通」の基準に対する違いに愕然としました。特に判でおしたように大学の同級生の親の職業が一流企業のサラリーマン、医者、公務員であることが多いことにはやはり日本はもはや格差が固定されつつあるのかな、と感じずにはいられませんし地方に生まれた子が、階層を乗り越えるための唯一の手段である学力ですら断ち切られつつあるのではないかと憂慮しております。
 地方では教育に関心の高い高学歴層を受け入れる仕事がとても少ないうえ、子をきちんと育てられるモラルを持たない親も増えてくると思われるので(いわゆるキラキラネームもかなり増えた気がします)ほとんど勉強をせず結果学歴をつけられなかった子供が一人暮らし出来る年収を得られる職につけないため地元に残りそのまま結婚し親になり子供を育てる時に意図的に勉強させようとする発想すらわかず、当然子供はゲームやテレビスポーツばかりで勉強せず中学に上がって当然勉強につまずき、記事のようなテスト結果になるというそのスパイラルで10年、20年後は地方の学力はもっと酷い状況になると思います。
 このようにはっきりとしたデータで示されたものは大変参考になります。長文乱文失礼いたしました。
by 通りすがりの大学生 (2014-11-20 23:25)

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 都会で少し規模のおきな企業で働く機会があると、管理職にはしっかりした文書作成能力が要求される。歴史が古く大きい企業ほどそうした傾向が強い。つまり、業績を上げるだけでなく、そのために必要な文書作成能力でもふるいにかけられるのである。この大学生の文書能力なら、ビジネス現場でも合格点がつけられる。


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 <イメージ化能力に関する論考>
* #2593 イメージの力(1):ピアニスト&作曲家加古隆の原風景 Feb.14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-14

  #2595 イメージの力(2): 6タイプに分類 Feb.16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-16

*#2597 イメージの力(3):Aとnon-A型について  Feb. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-16-2

 #2734 イメージの力(4):言葉のイメージ化トレーニング July 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-16

 #2749 記数法とn進数についての質問あり July 27, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-27
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<学力低下に関する論考>
#2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

 #2672 急激な学力低下はなぜ起きているのか?:假説 May 10, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09ある

 #2806 高校数学面白い問題 :小中学校の先生たちへ Sep. 14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-13-2

 #2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13

 #2869 根室の中学生の学力の現状(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1

 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-2

 #2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18


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