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#3364 算数・数学検定をプレゼント!(釧路ロータリークラブ) July 14,2016 [63. チャレンジ(教育)]

 教育に強い関心を寄せる経済団体が隣の釧路市にあるので、紹介したい。根室にも教育へ強い関心をもつ経済団体があるだろう。地域の子どもたちの学力低下を見過ごすと、どん詰まりの未来が待ち受けることになる。根室は30年前に教育に無関心だったことが現在の閉塞感を生んだのだろう。いまがんばれば、30年後は何とかなる。その30年後を何とかするために釧路の経済界はいまがんばっている。

ブログ情熱空間より
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8517816.html
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2016年07月14日

算数・数学検定をプレゼント!(釧路ロータリークラブ)

この発想、この行動力、すごいの一言です。

本年度・釧路ロータリークラブ会長、鳥取神社宮司の木下正明さん。なんとなんと、釧路市の小中学生(附属小中学校含む)に「算数・数学検定をプレゼント!」というすごい事業を実施します。同クラブの80周年記念事業なのです。最初にこの企画をお聞きした際、この私をして「え、うそ!」と思ったほどですから(笑)。

当初は学校側の反対も予想されましたが、釧路市教委を経由してすんなりと全校での実施が決定したそうです。う~ん、すばらしい。PTA主催による算数検定が現在唯一、鳥取小学校で実施されていますが、コアな組合員がいる某小学校では一部教職員の強い反対にあって断念。「(検定に)落ちたらどうするんだ!」とか、「過度な競争を煽る!」「労働強化だ!」などと、いやはや。

さて、木下会長は鳥取小学校の元PTA会長でもいらっしゃいます。鳥取市の無形文化財の郷土芸能「因幡の傘踊り」は、釧路鳥取かさ踊り保存会によって伝承され、数多くの釧路市民に披露されて親しまれていること。鳥取神社が多大なる役割を担っていることはご存知の通りです。(鳥取地区の幼稚園や小学校では、かさ踊りが伝承されているのです)

CCI20160714_00000







































釧路ロータリークラブが、いや、管内の8つのロータリークラブ(釧路・釧路北・釧路西・釧路東・釧路南・釧路ベイ・音別・白糠)がこぞってバックアップするこの事業。それはまた地元経済界からのメッセージが包含されていることを、教育行政関係者、学校関係者のみなさんにご理解いただきたいと強く思います。

おかげさまで我が釧路の子ども達の基礎学力は上昇傾向にあります。がしかし、算数・数学ばかりは相も変わらず心もとない限り。いや、相変わらずのダメダメ。それが証拠に、国立釧路工業高専への地元進学組は年々減少する一方だし、医学部を筆頭とする上位理系学部への進学もまたまるで伸びない。「そうした状況を根底からひっくり返してやれ!」との地元経済界の願いが込められています。

さて、楽しみ楽しみ。これを機に算数・数学の基礎学力向上に弾みがつき、ひいては将来のこの地域の人材育成に貢献することを心より願っております。それにしても、実にびっくり!な企画であります。釧路ロータリークラブに改めて感謝を申し上げます。ありがとうございます。私のところ(釧路西ロータリークラブ)も、2年後に50周年を迎えます。こりゃ、負けちゃいられませんね!(^∀^)

というわけで、少し前の釧路新聞記事(2016.07.06)をどうぞ。

《追記》
エフエムくしろ、ストップ・ザ・学力低下。大越拓也市議とゲストの公益財団法人日本数学検定協会常務理事、高田忍さんが出演なさった回です。釧路での算数検定実施に至る秘話(笑)をどうぞ。

●ストップ・ザ・学力低下
第92回 平成27年11月17日放送分
算数検定について1
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/stopgakuryoku92.html

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<ebisuコメント>
 昨年11月に、鳥取神社が保管している資料を木下宮司に見せていただいた。父方の祖母が鳥取藩士の娘だったので、神社が保管している資料を見せてもらったのである。ご先祖の辛苦があっていまその末裔が北海道の大地に根を下ろしていられる。資料を見せていただいて、釧路へ入植当初の祖母の苦労がよくわかった。

 ロシア領海内でのサケマス流し網漁が禁猟となり、根室では「引き網漁」の試験操業が始まっている。袋状の網を船で引っ張り、サケ・マスの群れを追いかけて獲るのである。

  a サケ・マス流し網漁 ⇒ サンマ棒受け網漁
  b サケ・マス引き網漁 ⇒ サンマ棒受け網漁
 
 aからbへの転換だが、漁の仕方や、船の改造をしなければならない。こういうときに武器になるのは調べる力と観察する力と考える力だ。どれも十分な基礎学力が必要である
 水産業こそ優秀な大卒が必要な時代が来ている



*#3188 釧路鳥取神社でルーツを探す Nov. 25,2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-24-1



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#3349 成長中の生徒と横ばいの生徒: 対策  July 1, 2016 [63. チャレンジ(教育)]

  1年も半分が過ぎてしまった。昨日朝7時の気温は17.2度だった。この3日間、根室はぐんぐん気温上昇中。どれくらい涼しいのか関東や関西の人はもちろん、四国の人も九州にお住まいの人もデータを見ないとわからないだろうから、26日から30日までの推移を書いておく。(29日は記録忘れ(笑))
   最高気温 12.7度⇒18.7度⇒21.1度⇒?⇒20.0度
  最低気温  8.1度⇒ 9.1度⇒10.8度⇒?⇒14.3度

 日本で一番涼しい初夏です、夏真っ盛りでも朝晩は13-15度まで気温が下がります。
 郊外では大鷲やオジロワシが飛び、野鹿やキタキツネが散歩するところです。暇とお金のある方はどうぞ3ヶ月間避暑に来てください。地元で獲れる魚介類は放射能の心配の要らない安心・安全なものばかりです。新鮮な真螺(マツブ)やホッキ貝、温根沼の大きいアサリ、湾中の品のよい味わいの牡蠣(カキ)、獲れたてのウニ、開いてフライにしたらおいしいチカやオヒョウ、チカは一夜干しすると香ばしくなるから焼くのもいい、マツカワの刺身、8月になれば獲れたての秋刀魚、日本一味の濃い花咲ガニと薄味のタラバガニや毛蟹、好きな魚介類に舌鼓を打って有意義にそしてふんだんにお金をお使いください。
 軽井沢よりよほど涼しい、いや、さ、寒~い。
 10月になり、寒くなったら、暖かい東京へお帰りください。小さな贅沢に心が和み自然に笑顔がこぼれます。(笑)

 #3347「セルフコントロール(自己抑制)とテストの成績の関係」で中学2年の生徒4名を「できのよい生徒」「成長中の生徒」「横ばいの生徒」の3つのタイプに分けてコメントした。得点通知表が出たので、生徒たちがどのように成長したのか、成長過程を分析してご覧に入れたい。
 スマホの出現によって、この5年間で生徒たちを取り巻く生活環境が大きく影響を受けているので、生活習慣の改善優先順位付けの重要性が増している。そこからおさらいしておこう。


< 負のトライアングル >
 ①過度な部活、②ゲーム中毒、③スマホ中毒の三拍子揃っていたら、学力不振はもちろんのこと、読書時間が取れないので日本語語彙が小学生4年生レベルで止まったままになるケースが増える。
 読書をしてるといっても、アニメのノベライズ小説は語彙が少ないので、いくら読んでも語彙拡張の効果は期待できないのだが、そういうレベルの読書に高校生になってもとどまっている生徒が散見される。
 アニメのノベライズ小説にとどまっている男子生徒は精神の中身がまるで子ども、そういうタイプが増えている。読む本のレベルを上げられず、精神年齢が実年齢よりもずっと低いままだが、草食系男子とはジャンルが異なる。
 語彙の豊かな本は内容も濃いと仮定すると、そういう本をたくさん読むことは精神的な成長を促進する効果がある。だから、年齢相応に読書も年年歳歳レベルを上げていくべきだ。
 中学生にスマホが普及しだして5年経つが、日本語語彙の拡張へも学力へも負の影響が大きい
 ある程度の基本語彙力がないと、授業を理解することすらできなくなる。授業が理解できなければ、学力が上がるはずがない。読む本のレベルを年齢相応に上げながら、語彙力を充実させなければならない。児童書から大人の本への橋渡しがうまくいっていない。「橋渡し」を担える家庭は1割程度だろう。根室では本を読む習慣のない親のほうが圧倒的に多いのだから、学校でも「橋渡し」をやってもらいたいのだが、「朝読書」をやるだけ、あれは指導になっていない。音読させたら読めていないのがわかるし、何を読んでいるのか見れば読んでいる本のレベルに問題のあることやその生徒固有の読書課題がわかるはずだが・・・。どうして手間を惜しむのか理解できない。あれなら、論語の素読と解説を10分程度でやったほうがはるかに効果が大きいだろう。
 とにかく、何が何でも中学3年間で50~100冊くらいは年齢相応のものか、それ以上のものを読ませたい。ニムオロ塾ではやる気のある生徒だけ日本語の良質のテクストを選んで音読指導をやっている。以前は、全員が対象だったが、意欲のある生徒だけに変更した。最近5年くらいでわがままな生徒が増えたことが原因だ。中学生は半分大人だから嫌なことでも必要なことは我慢してやれるようでなければいけないが、我儘し放題で辛抱力の欠如した中学生が増えたということ。いつの時代も子どもの躾は難しいものだが、躾のできない親も増えているのではないか?大人に対する言葉遣いをちゃんと躾けている親の割合は10%あるだろうか?子どもの前で日常乱暴な言葉を使えば、子どもはしっかりコピーしているよ。まず大人がちゃんとしなければいけない。
 ふだん、テレビで野球観戦をしてビールを飲む暇はあっても、本を読む習慣のない大人でも次のことは頷(うなず)いてもらえるだろう。

 生活習慣の中に読書時間を確保すること(=読書週間を育むこと)は長期的な学力向上に欠かせない
 どういう本を読むべきかわからなければ、「新潮社の百冊」をキーにググればいい。
 わたしのお薦めは、斉藤隆「音読破シリーズ」6冊(小学館発行)である。『音読破1 坊ちゃん』『音読破2 走れメロス』『音読破3 銀河鉄道の夜』『音読破4 五重塔』『音読破5 山月記』『音読破6 羅生門』、選び抜いた名作が揃っているだけでなく、漢字の右側にルビがふってあり、難解な用語には左側に小さな字で意味が書かれている。その後で「新潮社の百冊」を読破すればよい。次のステップは新書版の本だ。専門書への入門のようなものが多いから、文庫本よりもレベルが少し上になる。高校生で新書版を50冊程度読んでいれば十分な語彙力が確保できるだろう。


< 成長中の二人は学年順位記録を更新した >
 中2の塾生4人中2人が学年順位が過去最高を記録してうれしかった。生徒のがんばりを見れるのはほんとうにうれしい。
 学年順位記録を更新できなかった生徒の片方は480点超で10回連続で学年トップだから、学年順位記録更新は不可能だが、点数は過去最高点を記録したから、しっかり成長している、それもうれしい。「難易度の低いテストでの学年順位はどうでもいいよ、重要なのは大学受験へ向けての戦略だから」と言ってあるのだが、譲る気はないようだ。(笑)
 「成長中の生徒」が二人とも学年順位が過去最高だったところに注目してもらいたい。一人は9ヶ月掛けてスマホ中毒状態を脱し、生活習慣を変えることに成功した。二人とも「勉強が楽しい」ものに変わったという。塾で予習方式で勉強して、学校の授業のほとんどが理解できるようになったからだろう。先生の説明がチンプンカンプンなのに6時間も椅子に座り続けているのは辛い、授業が理解できるようになれば授業は好奇心を満たしてくれる遊びと変わらない。
 「成長中の生徒」二人は「心境が進んだ」というべきだろう。一人は学年順位が過去の最高値よりも5番アップし、もう一人は6番アップした。この次は二人ともベストテン入りを狙っている。五科目で20点アップすれば余裕でベストテン入りだから、気を抜かずにがんばってもらいたい。
 昨年の中3が、11月ころから頑張りを見せ、大幅な学力アップを実現、6人のうち4人が根室から出て行ってしまった。良かったのか悪かったのか、生徒の希望通りではあるが、わたしの心は複雑である。だが、その頑張り屋に変身した昨年の中3に似たような気力をこの二人に感じている。
 ほんとうの「心臓破りの坂」はこれから来るから、そのときにめげずに乗り越えてもらいたい。


< 成績不振の生徒への対策 >
 さて、問題は横ばいの生徒である。前回(4月「お迎えテスト」)と学年順位が同じだった。律儀に同じでなくてもいいのに・・・(笑)
 最近、意欲がアップしているのに横ばいなのは本人としては不本意だろう。数学は連立方程式の応用をやっているが、まだ計算問題がスラスラ解けるようになっていない。2学期は「3章:1次関数」「4章:平行と合同」だから、連立方程式の計算問題はスラスラ解けるようにしておかなければいけない。
 部活と水泳の両方をやっているので、火~土曜日まで忙しい、日曜日は練習試合が設定されることが多く、週3日は部活と水泳が重なる。よほど体力があって気力が充実した生徒でないと、読書時間が取れるはずがない。わたしはやらせすぎと思うが、家庭の方針があるだろうから、補習の提案くらいがわたしのわたしの言える範囲。自分の息子ならで読書時間を確保するために、部活か水泳のどちらかを選ばせる、生活時間割を一週間分それぞれ24時間の帯グラフに描いてみたら、両立が無理であることは一目瞭然。このスケジュールで両立できるような体力と気力を兼ね備えた生徒は稀、百人に一人。長時間のきつい部活に耐えて学年一番を採った生徒は数年に一人くらいの割合で出てくるが例外中の例外だ。学年3番~5番くらいをキープする生徒なら、毎年2~3人いるだろう。そういう生徒は体力と意志の力が抜群に強い、何より我儘(わがまま)を言わないし、言葉遣いもちゃんとしている。ようするに躾ができている。

 話を戻そう、この生徒は最近、数学の復習を家でとやるようになったが、やり方がまずいのか同じパターンで躓(つまず)くことがちょくちょくある。性質は素直である。
 成績が下位の生徒は予習方式に切り替えると、学校の授業が嘘のように簡単に理解できて、学習意欲が劇的に改善できる。一番最初に入塾してくれた生徒のうちの一人は入塾時に数学48点、英語14点だった生徒が予習方式に切り替えると、半年後に数学がクラス1位、3ヶ月ほど遅れて英語が1位になった。数学は2回に一度くらいだったが、英語はほとんど1位に変わった。もちろんこの生徒の潜在能力が高かったということはあるが、予習方式での学習は効果が大きいのである。
 「予習効果」が働いて、授業が理解できるから、授業を一生懸命に聞くようになるし、塾で予習、学校で復習というサイクルが好循環を生み出し「プラスの相乗効果」が働いて学力が上がる、当たり前の話なのだ。勉強が楽しいと本気で感じてしまった生徒は、あとはほうっておいてよい。楽しいから家庭学習集時間も自然に増えていく。学力を上げるのに何も秘密はないのである。

 いいチャンスだから、お母さんへ電話して2~3ヶ月ほど水泳を休めないか奨(スス)めてみた。補習を週に2回やりたいので、時間の都合がつくように水泳を2~3ヶ月休むことを提案したのである。水泳関係者からの紹介だったので、ちょっと心苦しくはあったが、わずか数ヶ月のことだから我慢してもらいたい。
 快諾してくれたので、調整がつき次第、週2回程度の補習をすることにした。いま計算力をアップしておけば、数学は落ちこぼれずにすむ。本人にやる気が見えているいまがチャンスだ。本人にやる気が見えないときに、こういう提案をして承諾してくれても徒労に終わるから、本人の気持ちに見極めがつかないと、短期(3ヶ月)集中型の補習提案はしない。必要だからと何度もやってみたが、その気がない生徒には効果がない。迷惑顔で補習を受けてもらっても時間の無駄になるだけ。いろいろ言い訳をして次第に来なくなる。水を飲みたくない馬の手綱を引いて池に連れて行っても水は飲まぬということ。呑みたくなるまで待つしかないのである。やる気というのはじつに結果を大きく左右するものだ。


< 成績上位10%の生徒の理解の速度はおよそ10倍 >
 初めて480点を超えた「よくできる」生徒の得点通知表の階層別五科目分布表をみたら、2位とは50点弱離れていた。テスト問題の難易度が高ければもっと点差が開いただろう。数学は昨日から中3の問題集をやっている。
 「多項式の乗法」のところの「乗法公式」の説明を5分ですませた、この生徒にはこれで十分。あとはさまざまなタイプの問題をやらせて、たまに出てくる質問を捌くだけでよい。次の「因数分解」も説明は5分の予定。学校の授業ではそれぞれ50分掛けるところだが、成績上位10%の生徒たちは、1/3の量の説明で、3倍速で教えるのが彼らの理解力に見合っている。
 上位10%の生徒たちは、標準速度の授業がのんびりすぎて退屈に感じている。標準速度に慣れてしまうと、伸びるべき芽が伸びることをやめてしまうから要注意だ。成績上位層を上手に育てることが、根室という地域の課題である

(地域の活性化は優良な人材なくして達成できない。浜中農協の石橋組合長を見よ、と言いたい。浜中農協のホームページを見てくれたらいい、根室には未来を見つめて適切な手を打てる人材がいなかった。弊ブログでも昨年11月に釧路で開かれた全国教育シンポジウムの紹介記事で採り上げている。石橋組合長がパネラーの一人として出席していた。)

 授業参観を何度も見たが、数学だけでなく、英語も上位10%の生徒の興味を引くものではなかった。下位の生徒に計算問題をやらせている間に、高度な題材を時折すこし混ぜるだけでも退屈しないですむはずだから、改善の余地がある。


< 心の底からの笑顔がこぼれる授業を目標にしよう >
 学校の先生は「知の職人」だから、他の職種の職人たちと同様に、仕事(授業)を通して日々自分のスキルを磨くことが大事だ。楽しくて仕方がないと教えている先生から自然に笑顔がこぼれるような授業が理想だね。10回に一度でいいからそういう授業ができたらいいね。
 わたしも、そういう授業を心がけるから、学校の先生たちも努力しよう。


*#3347 セルフコントロール(自己抑制)とテストの成績の関係  June 28, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-06-28



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#3302 中学数学の授業進捗管理はいまが山場だ! May 27, 2016 [63. チャレンジ(教育)]

 中学校数学の授業管理は今が山場です。現在時点で1週間の遅れは、1月には2ヶ月の遅れとなります。毎年、1学期の授業進捗管理が甘いために、一部の学校で「すっ飛ばし、端折り」が行われています。3年前に比べると格段によくなりましたが、そうなってない学校もあります。保護者の皆さんも自分の子どもに教科書の何ページをやっているのか時々訊いて確認してください。
 授業進捗度合い測定に関する合格先生のスマートな解説を載せたブログ「情熱空間」記事をご覧ください。具体的にどうやるのかをZAPPERさんが「追記」で言及しているので、青太字にしておきます。学校の数学の先生たち、参考にしてください。

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8470390.html
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2016年05月26日

数学の授業をまともにしましょう!(悪しき釧路スタンダード)

教科書会社が指定するコマ数を厳守し、その進度を守って学習指導を進めたなら、普通は学力が身につくものなんですよね、普通は。我が国の学校教科書は、長い長い時間をかけて作られてきたものであり、ですから基本的に「外れ」などないんです(自虐的な歴史史観を除いて)。

学力別にクラス編成された一斉指導学習塾ならいざ知らず、だから公立小中学校の授業では、教科書会社が指定するコマ数を厳守、その進度を厳守しなければならないもののはずなんですね。義務教育はその名の通り、全国どこであってもその《質》と《内容》は均一でなければならないものですから。

昨晩は釧路教育活性化会議(C-PEK)の会議でありました。たしかに以前よりはだいぶましになりました。教科書が終わらない、次学年へ繰り越し。そうした蛮行(笑)は鳴りを潜めましたのでね。「教科書を終わらせろ!」という部分はたしかに改善されました。がしかし、まだまだダメなのがこれなんですね。

簡単な部分に(教科書会社が指定する以上に)コマ数を充当し、その先の利用・発展・まとめといった部分ではコマ数をガツンと減らしてしまう。

それ、もうやめましょうよ。釧路ではスタンダードであったとしても日本の非常識ですよ、それって。「異国情緒漂う釧路」「釧路という異国」って、それ、景色・風景だけにしておきなさいってばホントに。さて、どの教科にも大なり小なりそうした問題が付きまとう中、顕著なのは算数・数学なんですね。というわけで、当面の間、中学数学の進度・進捗状況にスポットを当てて観察・考察を続けることと相成りました。

はっきり言いますね。教科書会社が指定するコマ数を厳守する。その進度を守って学習指導を進める。この2点をきっちりやったなら、算数・数学低学力地域の汚名返上なんかすぐにできるって寸法です。では、同志・合格先生のコラムをお読みください。例によってかなり過激ですから、私の方は記事全掲ちょっと控えます。全文はURLをクリックしてどうぞ(笑)。合格先生、あんがとね。(^∀^)

●数学の進度~中3
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/jijimonndai.html#Anchor-10693

《引用開始》
目安を書いておきますね

 まずは、次の表をみて下さい。中学校3年生の数学の進度です。
単元標準ギリギリ限界
 第一章 式の計算 4月初旬~ 5月中旬 4月初旬~ 5月下旬
 第二章 平方根 5月中旬~ 6月中旬 6月初旬~ 6月下旬
 第三章 二次方程式 6月中旬~ 7月中旬 7月初旬~ 8月下旬
 第四章 二次関数 8月中旬~ 9月中旬 9月初旬~ 9月下旬
 第五章 相似な図形 9月中旬~10月中旬10月初旬~10月下旬
 第六章 円10月中旬~11月初旬11月初旬~11月下旬
 第七章 三平方11月初旬~12月初旬12月初旬~ 1月下旬
 第八章 標本調査12月中旬       2月初旬      
 復習(入試対策)   1月~入試まで  2月中旬~入試まで 


 表について、解説しておきますね。
 「標準」というのは、通常、中3生は2学期中に進度を終え、1月下旬~2月上旬に行われる学年末テストに「中3範囲全部」を含め、年が明けてからは入試に向けた復習や実践練習に当てられるようになっていますので、それに合わせた進め方、ということです。
 それに対して「ギリギリ限界」というのは、私立高校入試までに学習内容を終わらせられるギリギリの進度、ということです。

 そして、まず「標準」についてですが、第一章に関しては、入学直後のオリエンテーション、修学旅行、ゴールデン・ウィークなどを考慮し、1ヶ月半の予定。それに対し「円」の単元については、以前は「円周角」「内接四角形」「接弦定理」と習っていたのですが、現在は「円周角」のみの内容となっていて、単元的にはそれほど時間はかからないため、他の単元より少し短めになっています。もちろん、学校祭など、その他の行事もありますから「これを標準にして、微調整を行う」という進め方になるのが一般的です。
 また「ギリギリ限界」の方では、最低でも「1学期中に二次方程式の計算までは終わらせておく」というのが1学期の限界ライン、ここまで何とかしておかなければ総合ABCには間に合いません。そして、2学期中に「三平方」をほとんど終わらせておかないと、学年末テストなどに時間を取られるため、私立入試には間に合わなくなってしまいます。

 それで、他の地域の方に取っては「なんでこんなこと書いているの?」と思うかも知れないので、その理由も書いておきますが、実は、釧路・根室地域~いわゆる「釧路教育大」のエリアでは「まともに進まないのが普通」になっているんです。例えば「北見・帯広から見ると2章分遅れる」なんていうのが平気だったんです。

(過激につき中略)

 また、「第五章~第七章」にかけての「図形単元」では、習う内容自体は少ないんです。「三平方」などが良い例で、「aの2乗+bの2乗=cの2乗」とそれに準ずる「辺の比(3:4:5とか、覚えている人もいらっしゃると思います)」などを教えて、後は自分でやれ、でお終いにも出来るんです。
 ところが、この図形の単元は、そういう知識よりも「実際に、その式をどうやって使うか~いわゆる演習」が大切になるので、その問題演習の方に時間をかけるように設定されているんです。そして、進度が遅く、時間が足りなくなると、学校では「公式だけ教えてお終い」にして進めた事にしてしまう可能性が出て来るんです。これを「すっ飛ばし、端折り」といいます。これが慢性的に行われてきたのが「釧路・根室」なんです。
 もちろん、中1・2の段階でも平気で「すっ飛ばし・端折り」が行われてきていたんです。だから、学力テストの結果を見ても、数学が異常に出来ないんです
 ちなみに、昨年暮れに「全国の学校の先生の集まり」が釧路であって、この「進度」については皆「釧路は異常だね」と言っていました。要するに「釧路・根室」だけ、おかしいんです

 ということで、まず、お父さん・お母さんに気をつけてもらいたいのは「進度」です。「ギリギリ限界」よりも遅れているようであれば「うちの学校はまずい」と思ってください。そして、もし学習内容まで理解できる、という方がいらっしゃいましたら「すっ飛ばし・端折り」ついてもチェックを入れてみてください。

 学校の方では、昨年・一昨年と、進度上のトラブルが何件かありました。そのため、改善されつつあります。ただし、一度染みついてしまった習慣はなかなか抜けません過去の「ダメ授業」の感覚を引きずっている先生もまだいるだろう、と懸念しています。自分の方でも、何かあった場合、ここに書き込みしていこうと思いますが、残念な事に、市内全学校の情報はなかなか入ってきません。ですから、お父さん・お母さんの方でも、出来る限りチェックを入れていってください。
《引用終了》

《追記》
ちょうどこれから1学期中間(前期中間)試験の時期になります。中3はだいたい「展開・因数分解」が出題範囲になるのですが、はっきり言いましょう。誰でも高得点が可能なんですね。だって、計算が主体なんですから。計算がちゃんとできるようになったなら、まあ誰でも80点は硬いでしょう、ってなものです。

中3からの通塾、1・2年生の頃はしっちゃかめっちゃかな点数(笑)であった子も過去最高点を叩き出すことがよくあるわけですが、そうすると学校の先生が驚いちゃうわけなんですね。「一体、何をしたんですか?」とかって。驚くのはこっちだってば…。「なぜどうして、今まで放置したままだったの?」って。

塾なんてね、与えられている授業コマ数は学校のせいぜい3分の1とかなんですよ。それなのに結果を出せることの秘訣ってね結局は個別対応なんですよ。できるまで伴走してあげる。たったそれだけのことなんです。一斉指導であっても、結局は個別対応というフォローを入れているって、ただそれだけのことなんです

普通に進め、一斉では対応できない子は個別にフォローすればいい。たったそれだけのことなんです。それを、手取り足取り、かゆい所に手が届くかの、できない子にフォーカスしたかの授業を毎度毎度やっているから、だから上記のような体たらくになっちゃうんですよ。ええ、個別にフォローするという前提がないから、だから知らず知らずのうちに授業が低レベルなものになっちゃうんですよ

配当時数厳守。進度厳守。上下にはみ出た子には個別のフォロー。それが、まともで普通の授業というものですよ

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*#3294 授業進捗管理の徹底(2):具体例をめぐって  May 17, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17-1

 #3293 授業進捗管理の徹底(1)  May 17, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17

 #3290 授業の進捗管理と学力テストの平均点には因果関係がある May 13,
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-12-2
 
 #3287 アンバランスな授業時間配分は学力低下をもたらす May 12, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-11-1




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#3300 FMくしろ番組「ストップ・ザ・学力低下」収録(2)   May 24, 2016 [63. チャレンジ(教育)]

<更新情報>
5/24 13:15 <余談:文章題の解き方>追記


 「FMくしろ」の標記番組は今年3月で100回を迎えました。
 書き起こしがブログ「情熱空間」にアップされたので転載します。文字起こしを担当しているのはハンドルネーム「合格先生」です、ありがとうございます。
 #3283と一緒に2回分収録したうちの後半部分です。
 今回は小学校入学時の家庭学習習慣の躾け方と挨拶などの躾の重要性がテーマです。小さいお子さんのいるお母さんはぜひお読みください。

ブログ「情熱空間」より転載
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/
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2016年05月23日

ストップ・ザ・学力低下(根室の状況について/ebisuさんご登場!)2

お待たせしました。

ストップ・ザ・学力低下、ebisuさんご出演の回の後編です。
話題は、子どもの「しつけ」と「生活習慣」について。
タイトル通り、お母さんに聞いておいて欲しいことです。

しつけは、子どもへの強制である。
しつけは、子どもの人格を傷つけるものである。
そしてそれは、子どもの可能性の芽を摘むものである。
だから、子どもにしつけは不要である。

いつの頃からかそうした論調が幅を利かせ、「しつけはよろしくない」との風潮が広がり、しかしその後、「やはりしつけこそは大切だ」と揺り戻しがある(あった)ように思っています。

一時期、つい最近まででしょうか、「叱らない子育て」なるものがもてはやされていましたが、それってつまり、「感情的になってそれを子どもにぶつけることはやめましょう」って、単にそういうことなのではありませんかね?

心に愛があるのなら、叱ろうが諭そうが同じことだと私は思いますけれど。

「しつけ」とは、礼儀・作法を教え込むことです。
怒鳴ったり叩いたり強制したり、そうしたものが伴うとか伴わないとかの性質のものではありません。
平常心で、笑顔で、そして楽しんでやればいいだけの話ではありませんかね。

●ストップ・ザ・学力低下
第87回 平成27年9月1日放送分
お母さん方に聞いておいて欲しいこと
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/stopgakuryoku87.html

前編はこちらです。

●ストップ・ザ・学力低下
第86回 平成27年8月18日放送分
根室の状況について
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/stopgakuryoku86.html

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<ebisuのコメント>
 成績の悪い生徒で塾通いして短期間で飛躍的に成績を上げる者には共通していることがあります。言われてやるのではなく、こんな成績のままでは嫌だ、自分でやれる努力はするという生徒です。そこそこ成績の上がる生徒がほとんどですが、こういう「飛躍的にアップ」を見せる生徒は滅多にいませんから、上がった点数を報告するときのうれしそうな顔を一人ひとりはっきりと思えています。20人に1人くらいなものですから、塾生の5%にすぎません。実績があがると、自信がついて、学校の授業が素直に脳に刻まれ、勉強が楽しいものに変わってしまいます、このレベルなら7割の生徒がそうなります。成績が上がってもあいかわらず勉強が楽しくないという生徒がやはり5%います。思うようには行かない部分が必ず残りますが、今日こそは、今週こそは、今月こそは、今年こそはという思いで、おそらくどこの塾の先生だって似たような気持ちで仕事しています。
 親に言われて嫌々では、家に帰ってから復習もしないし、ましてや予習もしませんから、授業料が無駄になります。そういう生徒は生活習慣や家庭での躾が崩れていることが多いことは事実です。
だから、とっても手間がかかります、時間もかかります。小学校6年間繰り返したことは習慣となり、性格にまでなってしまっています。
 生活習慣そのものを健全なものに治さないといけないので、家庭のご協力も必要です。悪習慣を断つことは、大人が酒や煙草を断つことと同じくらいたいへんなことなのです。スマホの使用にも注意を払ってください。「ルール=躾」が必要です。

 自らやるという自立心は、小学校入学直後の3年間の家庭学習習慣の躾け方で7割ぐらいが決まるように思えます。

 朝ご飯をちゃんと食べさせる、土日もちゃんと8時には起床させる、親子で朝の挨拶をちゃんとする、他所のお家を訪問したときには、大きな声でちゃんと挨拶をする、親に対する口の聞き方をちゃんとしつける、スマホは10時になったら親に預けさせる、学校から帰ってきたらまず1時間勉強させる、夜11時には寝させる等々、そうした基本的な躾が自ら勉強する子に育てるためにとっても大事なのです。これがなかなかたいへんなことは、わたしも自分のこどもの躾で苦労したのでよくわかります。(笑)

<余談:文章題の解き方>
 中学生の数学で出てくる(方程式に関わる)文章題は四つの方法で解けます。とくに秘密はないので書き留めておきます。

 ①簡単な数字に置き換えて考える
 ②線分図やポンチ絵を描いてみる
 ③表で解く
 ④ ①~③を組み合わせる

  たったこれだけで、中学数学の方程式に関わる文章題が全部解けます。「距離(D)、時間(T)、速度(V)の問題」はこの順序で表をつくればいい。「食塩、食塩水、濃度」の問題も同型ですから同じパターンの表で解けます。数学的にはまったく一緒、同じなんです。「合計、個数、平均問題」も同型です。問題文を読み、表の中に数値を入れていくだけで式ができあがります。
 教科書も、参考書も、問題集も項目を並べる順序がまずいのです。自分の頭で考えればよくわかります。わかりやすいから生徒も理解しやすいのです。



*#3283 FMくしろ番組「ストップ・ザ・学力低下」収録   May 7, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-07


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#3292 釧路で懇親会:「釧路の教育を考える会」  May 15, 2015 [63. チャレンジ(教育)]

 土曜日に用事があって釧路へ行ってきました。「釧路の教育を考える会」の年次総会があったからです。

 2010年5月に教育に関心のある釧路管内と根室管内のさまざまな職業の人たちが集まり、意見交換会が始まりました。議論を重ねて、2011年10月に「釧路の教育を考える会」が正式に発足しました。その経緯はブログ「情熱空間」の2012年1月4日の記事にまとめられています。

*「「釧路の教育を考える会」設立の経緯」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/5049062.html

 同じ頃に、11名の超党派の釧路市議による「釧路市議会基礎学力問題研究議員連盟」が発足し、釧路の子どもたちの基礎学力向上のために動き出しました。学力問題に危機感をもった二つの団体が車の両輪となって教育改革を側面から推し進めてきました。くしろ学力向上提言書2011」「5つの緊急実行課題 【解説】(1)そして全国に先駆けてできた「基礎学力保障条例」はその成果です。
(提言書は2014年に改訂されています。くしろ学力向上提言書2014
 二つの団体はそれぞれの立場から、教育改革を進める釧路市教委の応援団としての役割を担うことになるのかもしれません。

 総会に臨席してくださった釧路市の林教育長から、釧路市教委が子どもたちの学力向上にどのような努力をしているのか、説明がありました。もちろん儀礼的な範囲での数分間の説明でしたが、人様の話は素直に聞いてみるものです。
 総会が終わってから、廊下で「この人がブログ・ニムオロ塾を書いているebisuさんです」と紹介されて、ご挨拶しました。根室市教委だけでなく、釧路市教委についても、記事を何度か書いた気がするので、「釧路と根室の子どもたちの学力向上を願ってのことですから辛口の段はご勘弁を願います」と頭を下げました。ebisuもZAPPERさんや合格先生同様に、遠慮しないで書いていますからね、林さん笑っておられた。
 釧路市の教育長は全国初めての基礎学力保障条例に沿って「教育推進基本計画」をまとめ、その進捗を市議会に報告しなければならないのですから、なかなか大変なお仕事であることはわたしたちも重々理解しています。市議会ではジャンヌダルクこと金安市議の鋭い質問にもお答えいただいていますから、釧路市教委と釧路の教育を考える会の間で、教育に関する議論に共通の土台が形成されていくことを期待しております。
 ebisuはまだしばらくの間釧路と根室に共通な教育問題を、具体的なデータに基づいて取り上げていく所存ですのでたまには弊ブログをお読みください。(笑)

<ふだんの学力テストデータは全国一斉学力調査の11倍の量>
 総会は30分で終了し、それぞれが自己紹介方々、いま自分が関心のあるところについて話をしをしました。わたしは学力向上について最近気がついた点をお話しましたので書いておきます。

 ふだんの学力テストデータに基づいた論議がなされないのが不思議だし、もったいないと思います。1・2年生は学力テストが年3回、3年生は5回ありますから、合計で11回、これだけで全国一斉学力調査の11倍のデータが収集できます。市内の中学校の学力テスト・データを分析するだけで、どの学校のどの科目に問題があるのか、それは授業の進捗管理上の問題なのか、授業技倆の問題なのか、小学校での学級崩壊の後遺症なのか、いまも学級崩壊が続いているのかなど、問題点を絞り込めます。問題点が絞り込めたら、改善の方法も自ずと具体的になります。

 学力テストデータに定期テストデータ「各学年4回×3学年=12回」をあわせると、23倍のデータが毎年集積されています。時系列で並べてみたら、わかることがたくさんあります普段の学力テストと定期テストデータは、子どもたちの学力向上にとって、「宝の山」です
 定期テストと学力テストの科目別平均点やデータ散らばり具合を比べれば、さまざまな問題が見えてきます。その一端は「#3290 授業の進捗管理と学力テストの平均点には因果関係がある May 13, 2016 」で紹介しました。
*http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-12-2

 学力テストと比べることで定期テストの出題が抱える問題も明確になります。どこの学校でも定期テストの方が各科目10点前後点数が高くなっています。なぜかというと、定期テストでは教えている範囲内からしか出題しないからです。これでは定期テストは主として記憶力を測っているだけのことになります。疑問をもつ力、調べる力、考える力は定期テストではほとんど考慮されていないようにebisuには見えます。成績上位層の生徒の中には、先生が授業で教える以上のことを独力で学んでいるものがいます。教えたことをベースにして、自分で疑問を育て、調べ、考えるトレーニングをしている生徒の力を見たいとは思いませんか?2題でいいから、そういう問題を混ぜておいたら、喜ぶ生徒がいます。中学校の授業参観を6回やってみましたが、成績上位層の生徒たちは退屈していますよ。低いところに焦点を合わせすぎています。
 出題定期テスト問題作りには学力向上のためにエスト問題のt難易度の問題の他にも授業のやり方を含めて考慮すべき点がいくつかあるようです。1学期期末テストの結果が出次第、採り上げていきます。

<懇親会:釧路商工会議所のメンバーと意見交換>
 ふだんは会員専用掲示板で、じつに率直な意見交換をしています。激しい議論も時に起きますから、外部の方がご覧になったら、仲が悪いのではないかと心配されるかもしれません。(笑)
 ですから、年に何度かの会合は顔を合わせて呑むことが主目的になります。
 昨日も総会が終了してすぐ身末広町のあるお店で懇親会をしました。新しいメンバーになられた釧路の商工会議所のメンバーが数名いらっしゃいました。釧路市の未来は、未来を担う子どもたちをどのように教育するかで影響を受けますから、教育問題には商工会議所のメンバーの方々も熱心です。お隣で親しくご意見を伺いながら、お話をさせていただきました。
 劇団東風の片桐さんや、キッズロケット主宰者である市議の金安さんもいらっしゃいました。元釧路教育長(釧路の教育を考える会・会長)の角田憲治氏は向かい側に、釧路市議会議長の月田さんと並んで座っていました。

<プロの朗読技術を使った音読指導のススメ>
 劇団東風(とんぷう)の片桐さんは釧路文化団体連絡協議会(釧路市内95文化諸団体が加盟)の事務局長でもありますが、小中学校の音読指導へもボランティアとして協力しています。キッズロケットも音楽演奏やミュージカルをやっているので、台詞の言い方や表情の作り方、台本の朗読技術がすばらしい。
 わたしは12年間ニムオロ塾で良質の日本語テクストを選び音読指導をしていますが、アナウンサーや俳優の方々の朗読に比べると、穴に入りたいほど下手くそです。プロの方からトレーニングを受けたことがありません。だから、一度本物のプロの朗読を聞かせてやりたいと常々思っていました。目の前で朗読を聞いて、簡単なトレーニングを受ければ、上手になるのは生徒ばかりではありません、先生もです。教育大や一般の大学の教職課程で朗読トレーニングをしているところはありません。江戸期には「素読」トレーニングがどこの私塾でも藩校でも広く行われていました。そういう文化を現代風にアレンジして、伝えることは大きな意味があります。
 東京の日生劇場や紀伊国屋ホールでみた舞台劇を根室で見るのは無理ですが、プロの朗読を聞く機会は関係者の方々が協力すれば根室でもつくれます
 「読み・書き・そろばん(計算)」の三つの基礎技能のうち、一番大事なものが「読み」です。これが正確に、そして高速でできるようになれば語彙力は爆発的に増やせますし、読解力も飛躍的に伸びます日本語の運用能力が伸びれば、五科目の学力全体が底上げできます高校生になってからの英語の学力の伸び代にも大きく影響します
 わたしは、劇団東風やキッズロケットは「道東の共有財産」だと考えています。根室の小中学校で朗読や音読の指導の開催ができたら、子どもたちの基礎学力向上に資するところが大きいでしょう。
 根室の小中学校の先生たちが、プロの朗読や音読技術、指導技術を目の当たりにすれば、それを真似て教えられる人が出るに違いありません

 2次会で、I田さんがギターを弾いて、金安さんと片桐さんとY先生が一緒に歌っていました。まるで1960年代終わりの歌声喫茶の雰囲気でした。金安さんのソプラノが美しかった、さすがプロ。根室にキッズロケットのような劇団があったら、わたしは塾生に入団を薦めます。
 キッズロケットは躾が厳しい、そして先輩は後輩の指導もしなければならないですから、自分で考え、自分で判断してちゃんと行動できるようになります。必要なところでは、金安さんに報告・連絡・相談を入れます。社会人になってから必要とされる、挨拶の仕方、報・連・相が劇団活動を通して培われます。指導システムとしてもてもすばらしい。

<根室市教委と根室の教育関係者の皆様へ>
 根室市教委さん、市教委がバックアップして根室の子どもたちにプロの朗読や音読を学ぶ機会を与えてみませんか?朗読指導だけなら、劇団東風の片桐さんが適任です。
 ボランティアで協力してくれるはずですが、交通費や弁当代くらいは市教委の予算から出してください。
 ebisu抜きで直接、片桐さんへ連絡されてもいいし、ebisuが橋渡しの労をとらせていただいても構いません。
 根室の小学校と中学校に朗読や音読指導のできる先生たちを育てましょうよ。


<余談>
 市議など公職にある方は原則実名で書いています。今回、大越市議から「ご挨拶してませんでした」と名刺交換の申し出がありました。大越さんは釧路市議の1年生ですが、教育問題で金安市議とは別の角度からご活躍です。釧路市立病院勤務時代(2014年)に全国に立った四人の「地域に飛び出す公務員アォード賞」を受賞しています。土曜日に開催していた「てらこや鳥取」活動が評価されました。小学校校舎を借りて算数検定も実施しています。同じ町内に住む鳥取神社の木下宮司が大越さんに話をしてくれたのかもしれません。
(昨年、ルーツ探しにZAPPERさんの計らいで、鳥取神社を訪れて、木下宮司からさまざまな資料を見せていただきました。移住してきた鳥取藩士の中に婆さんの親の名前が見つかりました、記念碑にも名前が彫られています。移住してきた当時、与えられた掘っ立て小屋の写真もみました。鍬2丁も。冬には布団の上に雪が積もったといいます。よく耐えて生き延びてくれたものです。)

*#2642 釧路の教育改革と公務員アウォード大賞 Apr. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13-1

 #2653 小学校で算数検定、開いたのはあの公務員アウォード大賞受賞の大越さん Apr. 22, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
 
 ZAPPERさんやわたしはハンドルネームでブログを書いていますが、地元の教育関係者で実名をご存知のかたはたくさんいらっしゃいます。3月で100回目を迎えたFMくしろの番組「ストップ・ザ・学力低下」に「釧路の教育を考える会」のメンバーが交替で出ています。番組のスクリプトがブログ「情熱空間」で毎回公表されています。番組冒頭で出演者の紹介があるので、わたしの実名も載っています。そういうわけで、匿名ブログではありますが、それぞれ地元では半ば実名公表というのが実態です。わたしが出演した分のスクリプトは弊ブログ#3283にURLを載せました。
 実名が気になる方がいらっしゃれば、どうぞご覧ください、地元では秘密ではありませんので。ハンドルネームで書いていることは、わたしの外側に理由があってのことなのです。
 北海道教育文化研究所で検索しても、実名が見つかります。わたしにとっては、「釧路の教育を考える会」も「北海道教育文化研究所」も世の中でたくさんの人がやっているボランティア活動です。
 年齢を考えても、いつまでもやれるわけではありませんので、近日中に自分の役割を整理して明らかにします、ゴールが近づいていることを意識しているからです。

 「釧路の教育を考える会」には広範囲な職業人が集まり、それぞれの仕事を通じて発言し行動しています。一人ひとりが独立して考え・判断し・行動できる集団です。イメージとしては球のような群体をなす集団に見えます。「特定の職業の人の集まり」ではないので、おそらくどの方角へも対応できるのがこの会の最大の強みでしょう。
 店頭公開した輸入商社ではメンバーの9割が役員というプロジェクト7つのうちの6つに参加していましたし、一部上場企業のSRLでもさまざまなプロジェクトに参加しましたが、これほど異質で強力なメンバーが揃ったことは一度もありません。道東にはほかにもたくさん人材がいます、どうやら使い切れていないか活かし切れていないだけです。
 「釧路の教育を考える会」のようなボランティアの場がさまざまな分野で創られたらいいのです。自分の利害はもち込まない、損得抜きで世のため人のために自分ができることをするという心がけが大事です。私利私欲が入ったら、天網恢恢疎にして漏らさず、うまくいかなくなります。私心を去れば、道は天が拓いてくれます。

*#3283 FMくしろ番組「ストップ・ザ・学力低下」収録   May 7, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-07

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<全国教育シンポジウムでのキッズロケット公演紹介>
○#3177 教育シンポジウム(2):キッズロケット Nov. 18, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-17

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#3283 FMくしろ番組「ストップ・ザ・学力低下」収録   May 7, 2016 [63. チャレンジ(教育)]

<更新情報>
5/9 朝9時 「隠れたカリキュラム」追記

   朝11時 日本教育文化研究所主催全国シンポジウムにおける武藤久慶さんの基調講演追記

 FMくしろに標記の教育番組があります。今年3月で100回を超えました。五年間続いている長寿番組です。
 昨年8月の収録分のうち2回出演しました。「釧路の教育を考える会」のメンバーは全員出演しているので、わたしにもお鉢が回ってきたのです。キャスターの桃子さんを相手にZAPPERさんと一緒に根室の学力向上への取り組みを話題に採り上げています。文字起こしがなされていますので、クリックしてどうぞご覧ください。

ブログ「情熱空間」より
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8446824.html
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2016年05月07日

ストップ・ザ・学力低下(根室の状況について/ebisuさんご登場!)

エフエムくしろで放送していただいている、ストップ・ザ・学力低下。実はこの3月に100回目の放送を終えました。4月からもスポンサーがついてくださって続行中。というわけで5年目に突入の「長寿番組」になっています。

さて、昨年8月18日に放送された第86回、9月1日に放送された第87回は、なんとなんと、いつもお世話になっている、ニムオロ塾のebisuさんごご登場でありました。というわけで、とくとご覧くださいませ。ebisuさんの正体がこれでやっと分かることと思います(笑)。

真面目な話、根室管内の小中学校の先生方は《必読》だと思いますよ。言っちゃ悪いですが、以前はそれはひどかった。でも、学校と先生方の努力があり、最近はずいぶんと良くなった。そうしたことが語られていますから。がしかし、まだまだまだまだ!

夜明けは常に東から。

この釧根の地こそが、義務教育の最先端をひた走る地であることを、心より願っております。がんばれ、根室管内の小中学校の先生方。がんばれ、釧路管内の小中学校の先生方。

●ストップ・ザ・学力低下
第86回 平成27年8月18日放送分
根室の状況について
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/stopgakuryoku86.html

追記、業務連絡です。
合格先生、第87回の文字起しもよろしくね!(^∀^)

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【ebisuのコメント】
  わたしはハンドルネームebisuでブログを書いていますが、人口2.7万人の小さな町ですから、わたしの実名を知っているご方がたくさんいます。だから、根室では匿名ブログというよりは実質的には実名で書いているようなものです。(笑)
 実際には町に住んでいる人のうち千人は実名をご存知です。

<ブログをはじめた経緯(いきさつ)>
 2007年11月27日に開始した弊ブログは、二日後の5月9日に、PV数(ページ・ビュアー数=アクセス数)が400万になります。ちりも積もれば山となるの喩えの通りの結果です。読んでくださっている皆さんがいなければ、続けられませんでした。
 2006年7月にスキルス胃癌と巨大胃癌の併発で、胃の全摘と胆嚢切除の手術を受けました。入院前は体重69kg、退院時は58kg、現在60.5kgです。体重が10kg以上落ちると、筋肉が失われ、体力が落ちます、そうすると脳の働きも落ちてしまうのです。脳の活動も体力の一部なのです。文章が書けなくなったのではないかと、恐怖からリハビリ方々ブログを始めました。塾をやめた後にやる予定にしていたライフワーク、マルクス『資本論』研究にけりをつけること、すなわち『資本論』を乗り越える、日本の伝統的価値観を公理とする経済学を後世に書き残しておく仕事を遣り残していたからです。ところが、何度見直しても変換ミスが見つかるし、文章も何度も書き直さなければなりませんでした。ライフワークをやりそこなったかとあせりました。外に向かって発信しないと、文章を書く気力が維持できない状態でした。
 2年間は術後に服用していた抗癌剤TS-1の影響で、体力が著しく低下し、ブログを書くのが辛くなった時期があります。やめようと思いましたが、メールでやり取りしていたSRL元社長のK藤さんが、「頻度を落としてもこのまま続けたら」と背中を押してくれました。そして市立病院建て替え問題に取り組んでいたわたしに、具体的なサジェッションと意見交換するために根室まで来てくれたのです。そのときの対話は「養老牛温泉夜話」というカテゴリーに7本アップしてあります。
 K藤さんは医者でもありますが、経営者としては大事なところで感情を交えずに論理的な判断のできる人でした。社長になってはじめての対外的な資本提携である、帝人との治験合弁会社の設立とその後の経営を任せてくれました。3年間の期限内に指示された三つの目標(赤字部門を切り離して設立した会社の黒字化、合弁解消と帝人保有株の引き取り、帝人の臨床検査子会社の買収)をクリアしたところで、わがままを言ってSRLを卒業させてもらいました。存分に使っていただいたので、思い残すところがありませんでした。欲があればそのまま残って一部上場企業の役員の道の選択もありました。それだけの仕事はしていました。しかし、あのときにはもうSRLでは冒険的で困難な仕事が見当たらなかったのです。老人医療に興味が移ったのです。病院を核に老健施設やナースステーション、特別養護老人施設、グループホームを周辺に配置した事業展開を夢見ました。一つできたら、首都圏で20セットほど事業展開をするつもりでした。年間1500~2000億円前後の事業規模を想定していました。お年寄りやその家族が困らないように、シームレスな(切れ目のない)介護事業を考えていました。
「病院⇒老健施設⇒グループホーム⇒病院でのターミナルケア」
「在宅介護+訪問看護⇒病院によるターミナルケア」
 いくつかのパターンを想定していました。病院を退院した後、受け入れ先のないケースが時々あって、ご家族が困っていました。クラスター構造でこれらの施設をもっていたら、シームレスな(切れ目のない)介護が実現できます。こちらの夢は破れましたが、いろんな人に支えられて、いまの私があります。

<市街化地域3中学校の学力向上努力>
 啓雲中学校と光洋中学校を取り上げていますが、柏陵中学校も放課後補習をずいぶんやってくれるようになりました。それだけでなく、国語の点数が低い部員に、部活の先生が日記作文指導を2年間した事例を知っています。赤鉛筆で丁寧に添削していました。2年間毎日、なかなかできることではありません。
 この4年間ほどで、根室市内の市街化地域の3中学校はそれぞれ学力向上への取り組みを、校長先生・教頭先生そして教員の皆さんが協力して、成果が出始めています。授業の進捗管理も徹底されるように変わりました。光洋中学校にいらっしゃった教頭先生と教員の皆さんの努力の成果です。市街化地域の3中学校の授業進捗管理がこの3年間で見違えるほど変わっています。3年生はほとんどが1月で教科書を終わるようになりました。道内の私立高校入試は2月半ばですから、間に合うようになったのです。
(3月の卒業の塾生6人のうち4人も根室から出て、道内の進学校や部活強豪校へ進学しています。こんなに根室から出てしまう生徒が多かったのは初めてです。)

<中学校の努力の限界と新たな課題が見えてきた>
 中学校で成果が出始めると同時に、限界も見えてきました。小学校の学級崩壊の後遺症が中学校に及ぶので、そういうケースでは容易に学力をあげることができないということも、はっきりしてきています。
 啓雲中学校の先生たちは同じ学区の花咲小学校の先生たちと定期的にミーティングをしているようですが、校長先生が変わっても、そういう努力が続けられたらすばらしい、継続は力、期待しています。
 いずれは、学童期の前のお母さんたちの子どもの躾の仕方の問題が俎板(まないた)に載ると思います。関係する人たちが、どんどんコミュニケーションして、根室の子どもたちの学力を上げてください。

<惜しみない改革努力をしてくれたお二人に敬意を表します>
  5年前の2010年に荒れていた啓雲中学校を見事に立て直したS校長先生(3月で定年退職)と教員の皆さんに敬意を表したいと思います。#1307には北海道新聞の啓雲中学校の取材記事を転載してあります。
 #1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1

 S校長は光洋中学校卒業で野球部でした。だから、自分の経験を元に学校通信で、部活と勉強の両立の仕方を何度も具体的に説明していました。そして部活担当の先生たちに「文武両道」を徹底するように繰り返し言ってました。部活指導の先生たちも志を同じくして生徒に対応しました。ちょうどそのときに道教委が大谷翔平を起用したポスター「文武両道」を全道の中学校に配布したんです。タイミングがよかった。あれは文科省から出向していた道教育局の武藤教育次長(当時、現在は文科省へ戻っています、2013年に根室高校で講演会が開催されたので、記憶している方が多いでしょう。スピーチの上手な元気のよい若手の文部官僚です)の発案だと聞いています。いいポスターでした。

*#2214 北海道庁教育局義務教育課長「講演会」でどよめきあり Feb.16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-17

 #2218 論旨の違う新聞報道:市PTA連合会主催講演会 Feb. 19, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-19

 #3178 教育シンポジウム(3): 武藤久慶氏による基調講演① Nov. 18, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-17-1

 #3179 教育シンポジウム(4): 武藤久慶氏による基調講演② Nov. 18, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-18

 #3180 教育シンポジウム(5): 武藤久慶氏による基調講演③ Nov. 19, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19

 #3181 教育シンポジウム(6): 武藤久慶氏による基調講演④ Nov. 19, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19-1

 #3182 教育シンポジウム(7): 武藤久慶氏による基調講演⑤ Nov. 20, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19-2

 #3183 教育シンポジウム(8): 武藤久慶氏による基調講演⑥ Nov. 20, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-20

 #3184 教育シンポジウム(9): 武藤久慶氏による基調講演⑦ Nov. 21, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-21

 #3185 教育シンポジウム(10): 武藤久慶氏による基調講演⑧ Nov. 21, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-21-1

 #3186 教育シンポジウム(11): パネルディスカッション Nov. 22, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-22

 昨年11月に開かれた「教育シンポジウム北海道」が開催された後の打ち上げで日本教育文化研究所のM田さんと話をしましたが、教科書を1月中に終わらせて2月は復習に当てるというのは、あたりまえのことでした。M田さんは山口県の教員です。
 「え、ebisuさん、根室は1月中に終わらないの?それでは復習できないでしょう、わたしの地域では1月には終わっていますよ、2月は1年分の復習に当てています」とびっくりされていました。
 釧路も根室と似たような状況でした。「根室と釧路のスタンダード」は「日本のスタンダード」と大きく離れていたのです。根室は2学期の期末テストの後に数学の教科書のおおよそ1/3強を残して残りの2.5ヶ月で端折りながらやっていました。2学期までと同じ速度でやると、20ページ以上やり残します。教科書の後半1/3は前半よりもずっと難易度が高いので、同じ速度ではやれっこありませんから、端折るんです。基本だけで流してやったことにしてしまう。
 2学期期末テスト範囲は「第5章相似な図形」の途中まで、120-130ページくらいまでしか進んでいないのが普通でした。教科書の前半は計算問題が多くて難易度が低いのですが、後半は「第4章 二次関数」、「第5章 相似な図形」、「第6章 三平方の定理」、「第7章 円」、「第8章 標本調査」と図形の文章題が続くので難易度が上がるんです。
 一番ひどい例(8年だったか9年前だったか、ずいぶん前の話ですからもう関係者はその学校にはいません)を挙げると、2次関数は自分で勉強するようにと2月の下旬に宣言した先生(B中)がいました。以前の教科書では2次関数が一番最後に載っていましたが、その時代のことです。2次関数は高校数学との関係で、しっかりやらないといけないのですが、そんなことはお構いなしです。成績上位15%しか自力でやれません。残りの生徒は高校へ行ってから数学で落ちこぼれます。数Ⅰの分野では2次関数がかなり難しい問題が出てきますし、数Ⅱでも三角関数や指数関数の複合問題で、2次関数に持ち込んで解く問題が多く出題されます。微分・積分でも2次関数が基礎です。高校数学を考えると、こんなに大事な2次関数を遣り残して、「自分でやっておけ」というのはいくらなんでもむちゃくちゃです。そういうことをしても、担当の先生は誰からもチェックを受けません。
 教頭や校長が授業の内容や進捗に口出しすることがないのが学校という組織です。民間企業では、スケジュール管理のできない部下は上司の叱責を受けますし、ボーナス査定も低くなります。2年続けて改善できなければ、「仕事を変えたほうがいいよ、君は向いていない、2年連続で実績を出せないのだから」とやんわり退職勧告がなされます。約束した期限に間に合わなければ、ケースによってはお客様から損害賠償請求がなされることがあります。仕事には完了しなければならない期限があるのがあたりまえです。
 根室のどの中学校も授業の進捗管理がでたらめでした。私立高校受験の2月になってから残りの30-40ページをやるというようなことがあたりまえでしたから、生徒の大半が理解できるわけがありません。
 2年前から受験科目の五教科ほとんど1月で終わっています。劇的に変わったのです。
 きっかけがありました。母校である中学校の授業進捗管理のルーズさを弊ブログで採り上げた(1月下旬)ところ、炎上事件がありましたが、それをきっかけに授業の光洋中学校のI教頭先生が教員の皆さんを巻き込んで進捗管理を徹底してくれました。2月の中旬には道教育局から授業の進捗管理を徹底するように3課長連名の通達が出されました、これは異例のことでした。3課長連名の通達なんて前例がなかったからです。道教委も道内の一部の地域で授業の進捗管理がなされていないことを内部で問題にしていたのだろうと思います。
 ページ数は記憶で書いていますので、実際に何ページであったかは、炎上事件のときの弊ブログに記載がありますから、そちらをご参照ください。
*「#2189 中3数学:"「円」の章はやれない" 宣言アリ  Jan. 29, 2013 」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-28

 コメント欄に生徒たちの投稿がたくさんあります。別の記事にも投稿がありますが、ひとつとして、あのときに自分たちが数学の教科書の何ページをやっていたのかに言及したものがありません。投稿した生徒たちは数学の授業を受けていたのですから、事実に基づき冷静に考えれば、事実関係が理解できたはずです。1月中に教科書を終わっていなければならないということを知っていた生徒が一人もいなかったのは、根室の中学校のそれまでの授業進捗管理の甘さをそのまま表現しています。生徒たちも1月で教科書が終わらないことをあたりまえだと勘違いしていたのです。
(仕事のスケジュール管理ができなければ、重要な仕事なら民間会社では数百万円とか数千万円の損害が出ます。2年続けて同じ失敗をしたら、クビになる前にいられませんよ。上司の監督責任になるので、当人が首になるだけでなく、上司の監督責任も問われます。それが民間会社の常識です。抛っておいたらお客様から仕事のできない会社だと見限られます。繰り返しそういうことが起きたら、世間の評価が落ちて、取引先が減っていきます。つぶれてしまうんです。スケジュール管理や仕事の進捗管理ができないというのはそれほど重大なことなんです。)
 だから、学校の外部から異常なことを異常だと指摘する必要があります。学校は外部の声に素直に耳を傾ける必要があるのです。抛っておいたら、この問題は何年でもそのままでした。問題があると感じていないのですから。そういうわけで、生徒の意識も先生の意識も、根室は日本のスタンダードから遠く離れていました。
 あのときの中3の生徒は今年の春に高校を卒業しましたが、数人でもあの炎上事件が薬となって自分が知っている事実に基づいてクールに考えることができるように成長していたら幸いです。投稿をした生徒たちのほとんどに判断の間違いがあったわけですが、わたしは間違えてはいけないといっているのではありません、間違えていいのですよ。心根がまっすぐならときに間違いも許されることがあります、もちろん取り返しのつかないこともあります。でもそれを糧にして学んでくれたらいい、それが教育とか成長というものですよ。終わりよければすべてよし。
 あ、忘れるところでした、実に秀逸なコメントが一つだけありました、母校にはずいぶん立派な後輩が育っているとうれしくなりました。英語の教科書の「プログラム9 マザー・テレサ」を引用した投稿でした。内容の格調が高かったので、大人の女性の投稿だと判断しましたが、間違いでした。男子生徒2人の共作でした。論旨が明快でしっかりしていました。あの二人は立派な大人になって根室を支える力になってくれます。二人とも受験直前の1.5ヶ月で英語の学力を飛躍的に伸ばしました。一人は入試で満点をたたき出し、もう一人は総合ABCのどれよりも30点以上得点を挙げました。やればやれる、自分の力と可能性が自分が考える以上に大きいことが実感できたはずです。苦労を乗り越えてさらに成長を重ねてください。

 光洋中学校では、翌年(2013年度)には3年生の五教科全部を1月末日までに終わらせ、2月の道内私立高校受験に間に合わせました。五教科担当の先生たちもたいへんだったでしょう。陣頭指揮した光洋中学校の元教頭I先生には心の底から感謝申し上げます。

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【隠れたカリキュラム】 ウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%A0%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%A0

学校のフォーマルなカリキュラムの中にはない、知識、行動の様式や性向、意識やメンタリティが、意図しないままに教師や仲間の生徒たちから、教えられていくといったものをいう。

 授業の進捗管理がルーズだと、それがあたりまえだという教育をしていることになります。中学校3年間にわたって授業にそういう隠れたカリキュラムが存在すると、生徒たちはスケジュール管理は守らなくてもたいしたことはないのだと潜在意識で考えるようになります。毎日、毎年繰り返されることは習慣となるのです。
 生徒が優秀でまじめだったとします。システム開発関係の仕事に就き、30歳前後になって有能さを認められてSEとなり、1億円の開発プロジェクトを任されたとします。スケジュール管理に甘さがあれば、お客様との約束の期限どおりに商品を納入できないことになります。あせった彼(あるいは彼女)は遅れをカバーするために毎日6時間の残業をし、土日返上でただ残業をすることになります。それでも追いつかなければ精神的に追い詰められ、自殺ということもありえるのです。ルーズな仕事のお手本を隠れたカリキュラムで教師が生徒を教育してはならないのです。極端なケースを挙げましたが、現実にシステム開発業界では現実にあった話です。
 わたしは産業用エレクトロニクスの専門輸入商社に5年間勤務したことがありますが、わずか1000万円の商品の納期が数ヶ月ずれただけで、納入先の電気メーカの50億円のプラントの稼動時期が数ヶ月延期になり、億円単位の損害賠償請求に発展することがあります。それほど納期を守る、期限内に仕事をちゃんとするということは大事なことなのです。
 毎日だらだらなされる部活も隠れた「カリキュラム」となります。土日もつぶして効果の低いトレーニングに明け暮れる。そういうことを中学3年間繰り返せば、だらだらやることや、トレーニングメニューの工夫をしないことがあたりまえの性格になってしまいます。そういう人を雇う経営者がいると思いますか?最近の会社経営者は「部活をやっていても使い物にならない」とため息をついています。昔は上下関係を前提に口の聞き方をしっかりしつけられていました。だから、お客様の前に立っても、ちゃんとした言葉遣いができたのです。いま、先生とも先輩ともお友達言葉です。それが「隠れたカリキュラム」になっています。上下関係に応じた口の利き方をちゃんとしつけましょう。
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<北海道新聞根室支局のみなさんへのずうずうしいお願い>
 2010年に北海道新聞根室支局が啓雲中学校を取材しています。この頃は、道新根室支局の記者は教育問題をシリーズで3回取り上げてくれました。それから教育に関する企画がありません。どう変わったのか、ぜひ取材してほしいと思います。


*#1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校 Dec.19, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1


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#1758 教育再考 根室の未来第 シリーズ4部⑤:新聞活用(北海道新聞) Dec. 1, 2011
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-12-01

 #1757 教育再考 根室の未来第 シリーズ4部④:小中一貫教育(北海道新聞)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-30-1

 #1756 教育再考 根室の未来第 シリーズ4部③(北海道新聞) Nov. 30, 2011
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-30

  #1753 「教育再考 根室の未来第 シリーズ4部②(北海道新聞)」
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-27-1

 「#1750 教育再考 根室の未来第 シリーズ4部連載開始(北海道新聞) Nov. 25, 2011 」
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-25


 #1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1

 #1306 教育再考 根室の未来 第2部 低学力③:若手多く指導に苦戦も
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19

  #1304 教育再考 根室の未来 第2部 低学力②:「学ぶ意味」尊重されず 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-17

  ◎#1253 教育再考 根室の未来(5):第1部⑤高校統廃合(北海道新聞)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-24

  ◎#1251 教育再考 根室の未来(4):第1部④高校統廃合(北海道新聞) 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-22

 ◎#1250 「教育再考 根室の未来(3):第1部③高校統廃合(北海道新聞)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-21

 ◎#1249 「教育再考 根室の未来(2):第1部②高校統廃合(北海道新聞)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-20

 ◎#1248 「教育再考 根室の未来(1):第1部①高校統廃合(北海道新聞)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-19

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 #1935 フリー授業参観に行こう:啓雲中学校  May 14, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-05-14

 #2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

 #2672 急激な学力低下はなぜ起きているのか?:假説 May 10, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09ある

 #2806 高校数学面白い問題 :小中学校の先生たちへ Sep. 14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-13-2

 #2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13

 #2869 根室の中学生の学力の現況(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1

 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-2

 #2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18


 

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#3266 さわやかな挨拶 Apr. 5, 2016 [63. チャレンジ(教育)]

 合格発表の後、根室高校新入生には宿題が出ている。その宿題が終わるまでは責任をもって教えることにしている。いわゆる「アフターサービス」というものだろうか。
 昨日、2次関数や図形の問題を質問に来た生徒がいた。全部やりおわってから、すくっと立って、
「半年間、ありがとうございました、自信がつきました」
 とさわやかな挨拶をしてくれた。

 3年生の夏休みが終わってから来た生徒で、最初の3ヶ月はどうせやったっていまさら手遅れだしというオーラが出ておりあきらめた様子だった。
 変化が出始めたのは3ヶ月してからである。3人の生徒が猛然と勉強しだしたら、釣られて勉強に熱が入り始めた。基礎からやるのだからちょっと恥ずかしい、質問の内容によっては黒板を使わず机の横に行って紙に書いて説明するくらいの気は配った。やる気がでたら吸収が速くなった。数学の基礎計算がわかり始めるとさらに意欲的になった。相乗効果は英語にもでた。
 学力テスト総合ABCは得点が横ばい、最後の2月の模試の五科目合計点に比べて、入試では61点アップ(300点満点)の点数をたたき出した。自己採点して点数を集計した本人が一番結果に驚いていた。電話で報告する声にうれしさがあふれていた。

 たいていの生徒はやればできるのである。入試問題は難しくない、基礎的なところをしっかり抑えてしまうだけで、3ヶ月本気でやれば大幅な点数アップとなって結果を出せることがあるからあきらめてはいけない。

 高校の授業が始まったら、中学校時代とは打って変わって真剣に先生の講義を聞くだろう。そしてしっかり就職してもらいたい。これから3年間大きな成長を期待しています。


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#3131 基礎学力保障:釧路市議会の質疑 Sep. 11, 2015 [63. チャレンジ(教育)]

 2012年に全国で初めて基礎学力保障条例を制定した釧路市議会で、基礎学力に関する熱い質疑が行われている。 
 「釧路の教育を考える会」のメンバーである市議の質問を市議会議長月田さんがブログで取り上げたのを、ブログ「情熱空間」が論評している。
(根室市議会もふるさとの未来のために活発な基礎学力議論をしてもらいたい、がんばれ、根室市議会文教厚生常任委員会!)

ブログ「情熱空間」より転載
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8138904.html
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2015年09月11日

危機感なし(釧路市議会から)

必ず上げる!
と約束しておきながら上げられない。

で、なぜ上げられないのかを質すも、まるで危機感なし。
わが街における、教育行政が掲げる学力向上策についてです。

結果を出せない。
それなのに、誰も責任をとらない。
いつまでそれが続くのでしょうか。

というわけで、月田議長のブログ記事、一昨日(2015.09.09)の釧路市議会の模様です。

●くしろよろしく 月田光明ブログ
第3235回 実効性のある対策
http://blog.livedoor.jp/gekko946/archives/51798646.html

《引用開始》
 今日から市議会は質疑・一般質問。
 1期目の新人が5人登壇(もう1人は2期目の金安議員)し、フレッシュな論戦を行いました。

 我が会派の河合初恵議員も6月に続いて一般質問。
 果敢に理事者の見解を問いながら、市民生活上の課題の改善を求めました。

 ◎ゴミの減量化に向けてどのような周知・広報を行っているのか
 ◎(札幌市の事例をあげて)ゴミ分別アプリの活用を検討できないか
 ◎域校連携の中で、子どもたちと一緒にゴミ拾いの活動を推進すべきでないか
 ◎70デシベル未満の軽度・中等度難聴児への補聴器購入助成を検討してほしい
 ◎釧路市における防犯カメラの設置はどのような状況になっているか
 ◎安心・安全なまちづくりのために防犯カメラを増設する考えはあるか

 さて、基礎学力問題。
 まず、トップバッターの大越議員が質問しました。

 ◎算数・数学検定、漢字検定、英語検定について教育長はどのように認識しているか
 ◎検定料の一部を公費で負担し、受検者の拡大を図ってはどうか
 ◎市の標準学力検査では成果が上がっておらず、上記の3検定に変更してはどうか
 ◎学校・家庭・地域の連携によって、検定の活用を推進すべきでないか
 ◎体を動かしながら算数を学ぶ「さんすう体感プログラム」の活用を検討できないか
 ◎釧路市標準学力検査の費用対効果について聞きたい

 続いて、金安議員。
 さらに厳しく市教委の取り組みを質しました。

 ◎全国学テの目標は達せられなかったが、教育長の見解を聞きたい
 ◎指導方法について児童・生徒と校長の回答に開きがあり、上滑りになっていないか
 ◎チームとして学校を運営していく必要性についてどう考えているか
 ◎言語能力は学力の基盤であるが、読書、感想文などの取り組みが弱くはないか
 ◎市立図書館との連携に工夫が足りないのではないか
 ◎各学校の「学力改善プラン」に数値目標がなくPDCAサイクルが回っていない
 ◎市標準学力検査の目標値は妥当なのか、根拠はあるのか
 ◎また、その目標値とは、すべての児童・生徒が到達すべき最低限度ラインと考えていいか
 ◎基礎学力検証改善委員会のメンバー構成を見直す時期に来たのではないか
 ◎市長は、総合教育会議の中でどのような対策を講じていくのか

 答弁は・・・。
 相変わらず、危機感が伝わって来ず、両議員ともにイライラ感が募っていた様子。

 子どもファーストなのか、はたまた教育労働者(?)の擁護優先なのか・・。
 本質は、そこに帰着するのだろうと思います。

 金安議員は言及しました。
 『この問題の解決は、わが地域の未来がかかっている!!』と。

 悲痛な叫びにも似たご発言でした。
 基礎学力議連も、益々奮起して頑張らねばなりません^^
《引用終了》

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<根室市議会文教厚生委員会メンバー>
本田俊治(委員長)、橋本竜一、工藤勝代、波多雄史、滑川義幸、遠藤輝宣
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/0/58752aacb3618b9d492576b300045524?OpenDocument



*#2119 釧路市議会学テ公表を求める:基礎学力保障条例 Nov. 7, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-07


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#3117 五色百人一首大会(TOSS根室支部主催) Aug. 29, 2015 [63. チャレンジ(教育)]

 8月29日10時から、金刀比羅神社社務所2階の広間で標記大会があった。北海道教育文化研究所副所長宛招待があり、TOSSの先生たちの地域社会との関わりを見学させてもらったので、ここに紹介したい。

*北海道教育文化研究所ホームページ
http://946jp.com/dokyobunken/

 
 金刀比羅神社社務所には2階に広間が二つある。会場になった広間は36畳で窓からは木の緑が見えてすがすがしい。
 5分前に着くと先生が札を読み、子どもたちがそれぞれ組みになって練習していた。

 参加した子どもは小学生14人、女の子の方が多かった。

 百人一首は20枚ずつ5組に分けられており、それぞれ色分けされていた。「はじめてコース」に参加する子ども4人とそうではないグループに分けて行われた。色別に20枚をとりあえず覚えてしまえばいいから、なじみやすいのである。子どもたちが百人一首に親しむための「仕掛け」である。考えてみたら、百枚全部の短歌の上の句と下の句をセットで暗記しろといわれたら、99%の子どもが匙を投げるだろう。20枚に分割することで、バーを低くして、お母さんと子どもが楽しみながら一緒に覚えられる。

 2回以上参加の子どもたちは、桃色の札と、青色の札の両方で別々に競技が行われた。

DSC00590.JPG

 カード(とり札)が渡され、一人が数を数えて半分を相手に渡す、それぞれが自分の前に10枚並べ「よろしくお願いします」と挨拶と握手、開始の儀式が終わると空札の読み上げがなされ、競技開始。
 とり札の表には下の句、裏には上の句が書かれている。
 札をとるときは「はいっ」と元気よく声を発するのがルールだが、はじめのうちは大きな声が出ない、先生たちは「声が小さいとお手付きにするよ!」とはっぱをかけ、大きい声で「はいっ!」と一人が声を出すと、すかさず「いい声だ!」とほめる。必ずほめる、そこがいい。自然に子どもたちの元気が増していく、見ていて気持ちよかった。
 終わるごとに、各自にとった枚数を確認させ、記録係の先生がまわると「7枚です」と応えさせる。「ななではダメ、ちゃんと7枚ですと言おう」とすかさず言葉使いを正す。予選やトーナメント戦を繰り返すうちに、お作法がきちんと身についていた。とうぜん集中力も上がっていった。
 躾が実に上手で、手際がいい。
  
 決勝になると、上の句の五七五の最初の五を読んだだけで札のほとんどがとられた。桃色の札に、次の句がある。

 吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ

 「吹くからに」と読んだだけで、下の句を書いてある「むべやまかぜをあらしといふらむ」をとる。ちゃんと暗記しているのである。勝負の心地よい緊張感が漂って、なかなかいいムードだった。

 優勝決勝戦が始まろうとしたときに、わたしの横で男の子が同じ色の札をもってきて広げ始めた。母さんに一緒にやろうと言い出した。桃色と青色の札と決勝戦の読み手にあわせてやっていたが、こちらも真剣勝負、いい集中力で1勝1敗。この男の子は桃色の札戦のときに、優勝した女の子と当たってあえなく撃沈したが、来年は強くなってこの会場に来るだろう。S木君だ。左手を腰に当てて、「今回は完敗だったが、次はそうは行かないぞ」という顔をしている。負けて強くなるやつが偉い、来年は彼の活躍を見たい。

 開会式でTOSS根室支部長の平田先生が二つのことを話した。
 一つは、百人一首は伝統文化で、その伝統文化は800年前から受け継がれてきた、だからあなたたちも受け継いで広めなけらばならないということ。
 もう一つは負けたと思っても最後まであきらめないでとりに行くこと。

 競技が終わって閉会式の挨拶で、「最初に二つのことを話しました、覚えているかな?」と問いかけた。百人一首は伝統文化だから、友達にも広め次の世代に渡すこと。もう一つは最後まであきらめないこと。負けたと思ってもあきらめなかった、この経験をあなたたちが将来なにか困難なことにぶつかったときに思い出してほしい。ちゃんとやれたから、今度も大丈夫だと思えるから。
 「最後まであきらめなかった人は手を挙げて」と平田先生が言うと、一人だけ手を挙げなかった男の子がいた。「次はがんばって最後まであきらめないでやってください」、そう言って締めくくった。

 「はじめてコース」の優勝は宮野君、青色札の優勝者は阿部君、桃色札の優勝者(市長賞)は岡本さん。決勝戦はそれぞれ7:10、8:9とすばらしい戦いだった。周囲から大きな拍手が起きた。

DSC00591.JPG

 金刀比羅神社は来年で310 210年だそうだから1706 1806年の創建、北海道では最も古い歴史のある神社のひとつだ。そういう説明も平田先生はしていた。
(毎年、8月9・10・11日が金刀比羅神社例大祭が行われるが、学校の先生たちが数名参加してくれている。地域のお祭りに学校の先生が参加するのはめずらしい、このように地域社会に開かれた学校とはそれぞれの先生たちのさまざまな努力に支えられており、授業のフリー参観だけではない。地域のお祭りへの参加は、縁があって赴任した土地の風土と伝統を「愛すること」でもあるのだろう、ありがたいと思う。)

 釧路からNPO法人エトセトラ代表の山本先生が来て、一緒に大会運営をしていた。背が高くて、声のよく通る先生だ。読み手の先生は二人とも、空札にそれぞれ別の啄木の短歌を詠んでいた。
 山田先生の詠んだ句は、

 東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて蟹とたはむる

 競技の開始のたびに何度も読んだから、耳に残った子どもがいるだろう。子どもたちの記憶力は大人よりもずっと大きいから、こうしたリズムのいいものにふれる機会をつくってあげることが大切だ。


*五色百人一首
http://www.hyakunin.stardust31.com/gosiki.html
http://jiritukatei.o0o0.jp/language/hyakunin-isshu/407/


<余談-1>
 土曜日に、釧路から応援までいただいて、根室で五色百人一首大会が開催された。大会運営に携わっていた先生たちと、お手伝いをちゃんとしていた二人の小学生と中学生にお礼申し上げたい。

 根室は小学生の間で百人一首がさかんにやられているが五色百人一首やこの大会のことを知らない人が多いと思う。もっとたくさんの人に知ってもらいたいから、五色百人一首の買い方やつくり方はURLを書いておく、根室での大会については、来年度は弊ブログでも申し込み方法をアナウンスしたい。
 根室の子どもたち(そしてあまねく日本の子どもたち)のために、そして文化と伝統の継承のためにがんばってくれている先生たちに感謝。

  TOSS北海道代表というのはこういう地域ブロックごとの活動サポートという仕事がついて回る、仕事が相当できる人でないと回せない要職のようだ。山本先生の手際のよさに感心するとともに、前任者である水野先生のご苦労の一端がわかったような気がした。

<余談-2>
 団塊世代のわたしが小学生のときに、正月は担任のT木先生のお宅でカルタとりを2度やった記憶がある。クラスの生徒が20~30人人くらい集まっていたのではなかっただろうか。あのときの花咲小学校は一クラス60人、6クラスあったから、1学年360人。いま、根室市内全部をあわせても1学年200~240名ほどしかいない。社会保障人口問題研究所の地域別・年齢階層別人口推計値によれば2040年には110名ほどに減少する。

<余談-3>
 短歌や俳句を何度も何度も口ずさみ、心の奥深くに日本的情緒を育んでもらいたい。
 大数学者の岡潔先生はフランスへ留学して戻ると、フランスからはもう学ぶべきものはなく、数学研究を深化させるためには日本的情緒が大切なことを悟り、仏教と芭蕉の俳句の研究をはじめる。そのあとで、当時の数学の三大難問を一人で解いてしまう。数学にノーベル賞があったら3つ受賞するぐらいの業績を挙げた。
 百人一首で日本的情緒を育むことは、子どもたちにとって未来の可能性を開く鍵となりうるかもしれない。



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 百人一首に関する面白い本がある。百人一首にはメッセージが暗号となって組み込まれているというのだ。二首一対になる句が意味をもったり、奇数の平方数が隠されていたり、和歌の秘伝の「古今伝授」が隠されていたりと、とにかく数字の上でも、秘伝でも謎が多いのが百人一首だ。
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 「(百人一首の選者である)藤原定家の正統・二条派歌学を継いだ細川幽斎は、「古今伝授」を受けた一人である。・・・後陽成天皇は・・・すぐに勅使を遣わしめて幽斎を説得し、和議を講じさせて危機一髪のところを救ったのである。その理由として天皇は、次の言葉を述べられたという。
 「細川幽斎死せば、本朝の神道奥義、和歌の秘密、永く途絶えて神国の掟も空かるべき」
 これは異様な言葉である。鶯やかはづの声を詠むだけの歌がなぜ、日本の掟などにかかわるのだろうか?
  p.80
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百人一首の魔方陣―藤原定家が仕組んだ「古今伝授」の謎をとく

百人一首の魔方陣―藤原定家が仕組んだ「古今伝授」の謎をとく

  • 作者: 太田 明
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1997/12
  • メディア: 単行本

 これも面白い本である。万葉集が中国語、朝鮮語、日本語の三様に読めるというのである。万葉の歌人たちの中には、三ヶ国語を自在に操り、異なる意味を織り込むことができるほど知的レベルが高かった人たちがいる。

万葉人の遺言―歌に隠されたダイイング・メッセージ

万葉人の遺言―歌に隠されたダイイング・メッセージ

  • 作者: 新田 純子
  • 出版社/メーカー: コスモの本
  • 発売日: 1992/05
  • メディア: ハードカバー

  高校生になったら、白川静の『初期万葉論』と『後期万葉論』にも目を通してみたらいい。高校生にはとても手が届くものではないと思うが、背伸びすることで本物の学問の何たるかが見えてくる。クォンタム・リープということがある。
 字が小さいのはいやだという人には、中公文庫ワイド版がある。

*クォンタム・リープは量子的飛躍と訳される。非連続(突然)の大飛躍と考えてもらえばいい、思春期の時期に何かに触発されることで起きることがある。その「何か」が本物であることが、クォンタム・リープの条件である。
CALDには次の説明が載っている。
 quantum leap: a great improvement or important development in something


初期万葉論 (中公文庫BIBLIO)

初期万葉論 (中公文庫BIBLIO)

  • 作者: 白川 静
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 文庫


 

後期万葉論 (中公文庫BIBLIO)

後期万葉論 (中公文庫BIBLIO)

  • 作者: 白川 静
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 文庫


#3100 FMくしろの教育番組の収録 Aug. 10, 2015 [63. チャレンジ(教育)]

 8/10、12時すこし前から雨が降り始めた。金刀比羅神社を出発する花火の音が聞こえないが行列の行進が始まったのだろう。
 お昼のニュースでは釧路は大雨だ。最近十年くらい、お祭りの日に集中豪雨のような雨に見舞われることが多い。昔はお祭りの三日間は晴れの特異日だった。1時になって大降りになってきた、金刀比羅神社の神様はご機嫌斜め。
 神頼みばかりしていないで、根室の町は根室に住む者たちがすこしは何とかしろとお怒りだ。


 8/7にFMくしろで教育番組の収録をしてきた。「釧路の教育を考える会」副会長の三木さんと一緒の出演である。三木さんは何度も出演しているので、わたしにたくさんしゃべらせてくれた。釧路と根室は教育問題では共通するものが多い。違いは町のサイズだ、人口比で見ると釧路対根室は6:1である。
 FMくしろは「ストップ・ザ・学力低下」という教育番組を平成24年4月からやっている。「釧路の教育を考える会」のメンバーと教育関係者が出演している。今年3月で76回放送された。
 FMねむろも教育関係の番組をときどきやっていたが、経営主体が渡辺建設に変わってから、やらなくなった。教育問題は根室の町の未来にかかわる重大問題である、私企業といえども根室のFM放送だからやるべきことがあるだろう。

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<桃子の純情・人情・六畳一間>
 キャスターは大津桃子さん
 放送:8月18日と9月1日の午後2時10分頃から

 根室でもインターネットで聞けます。
FMくしろ:http://www.fm946.com/timetable/

このページの"FMくしろ"をクリックしてください。
http://csra.fm/stationlist/

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