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#1344 第80回芭蕉同窓会と「ふるさと納税」の話  Jan. 18, 2011 [15. ポジティヴ&ゆめ]

 1月16日午後4時から9時まで、グランドホテルで恒例の根室高校芭蕉同窓会があった。約400人分の席はびっしりと埋まっていた。団塊世代が満60歳で昨年東京根室会の幹事当番だった。そのメンバー20人ほどが根室の芭蕉同窓会に出席した。ステージの傍のテーブルが二つ「招待席」となっていた。
 当番幹事代表は挨拶が下手だったがあとはよくできていた。もっとまとまりのない長い挨拶をした者もいるから、総合点で90点は上げられる。例年通り当番幹事の面々は立派にその役目を果たした。よくわからない意味不明の「断髪式」もたぶん気合の表現だったのだろう。当番幹事生に誰かが訊いていたが「わかりません」という答だった。
 代表を務めたA君を同席している一人がずいぶん褒めた。「言うことはしっかりしているし、商売のセンスもよい、なかなかの奴だ」という。滅多に人をほめない厳しい奴の言うことだから、なるほどそういう面もあるのか。
 人生は長い、成長する時間はたくさんある。本もたくさん読んでしっかり育ってふるさとの将来を支えて欲しい。

 二次会は「俺ん家」、三次会は同期の市議の経営するスナックへとなだれ込んだ。

 43年ぶりで再会した者もいる。小学校で一時期同級生であったことすら忘れている者もいる。4年前の9月に癌で亡くなった同期の家に数人で押しかけて線香をあげてきた者も。
 ワイワイガヤガヤ、ひんぱんに席を入れ替わって話に花が咲いた。東京根室会の当番幹事代表を務めたOが、2時間きっかり収めたと満足げに報告話をしていた。3次会で乾杯の挨拶をしてもらったら、なるほど簡潔でなかなかうまい。

 ちょっと話しをしていいかと同級生の一人。病院に勤務しているが4年前に私が内視鏡検査を受け、癌の診断があったときに、「もうだめだ、助からない」、検査データをみてそう思ったという。何人かの友人にわたしの病状を伝えたかった、助からないと、でも患者のプライバシーに関わることだからいかに同級生とはいえ口外できない。モンモンとして私の病状を気にかけてくれていた。
ところが4年たったがぴんぴんして一緒に酒を飲んでいる私を見て納得がいかない様子で、
「うち先生の診立てが違っていたのか?」
「そうではない、診立て通りだったよ、たしかに手遅れだったし、執刀医もそう思ったはずだ。典型的な「アケトジ」の事例だったようだがよく手術してくれた。手術に立ち会っていたベテラン外科医の院長から一言あったようだ。術後にドクターから話しがあって肝臓へ転移していたら1ヵ月後に切ることになると言われたよ。肝転移の疑いが濃厚だった。病理検査でもリンパ節転移ありだったし、大腸に浸潤して癒着していた。なにがどうなったのか俺もわからぬ、巨大癌とスキルスの併発でさらに転移があっても何とかなるケースもあるんだな。運のよいことに腕のよい若手の外科医にめぐり合ったし、TS1という「特効薬」もあった。地元に専門医がいてくれて、適切な診断と入院手配をしてくれた。病状は悪かったが何もかもが奇跡的に揃っていた」
 数ヶ月に一度診察で病院を訪れても同級生の彼は私の視線を避けるようにそそくさと前を通り過ぎた。
「助からないと思っていたので、どうしても声をかけられなかった」
 視線を避けてそそくさと前を通り過ぎていた理由が今日ようやく分かった。家が歩いて2分の距離、小学校で何年間か同級生だっただけで、中学・高校と同じ学校でもクラスがずっと離れていて一度も話しをする機会がなかった。話しているうちに経過した時間がゼロになる、同級生とはうれしいものだ。ずいぶん心配をかけたようだった。

 術後2週間で退院して根室へ戻った日の夜が高校の同級生のお母さんの通夜だった。青ざめた顔でふらふらしながら参列した私を見て、根高最後の総番長だったKが「顔色悪い、胃をとったのか、もう長くないな」とはっきり言う。長くないから、やりたいことをいまのうちにやれと言うつもりなのだが、口下手な男だから言い様がぶっきらぼうだ。歌舞伎役者のような男前で、野球部、勉強はしないが人望があった。高校時代と卒業してから1年間はうまがあってよくつるんだ。我慢強く切れたのを見たことがない。「(4年前の)あのときはもうダメだと思ったよ」と言いながら目が笑っている。根室商業時代から連綿と受け継がれてきた総番制度を当時廃止したのがいいことだったのかいまとなっては分からぬが、あいつはそれを成し遂げペナルティにも一人で耐えた。いまだに人望が厚いのは当たり前だろう。

 横で聞いていた一人が「おれも2回心臓が止まったことがある」という。ゼネコンで仕事をしていたという。桂木の浜から花咲小学校まで歩いて片道40分はかかっただろう。当時は車のある家なんてなかったから歩いて通った。吹雪くと街中でも遭難しそうになったくらいだから、通学するだけで根性は鍛えられただろう。素朴な人柄のいい奴だ。

 中学時代に一人で相撲部を背負っていたHも40代で肺を一部切除したという。高校では生徒会長だった。私の高校時代は傍若無人、好きなとき好きなことをやった。それまで男子生徒は校則で丸坊主が義務付けられていたが、父兄にアンケートをとって全校集会を開き修学旅行の3ヶ月前に校則を変えた。この件は2年の夏休み直前だっただろうからHが生徒会長になる前のこと。一級上の会長と副会長2名が好きにやらせてくれた。その後、生徒だけに名札をつけさせるという職員会議の決定があったがそれもみんなで潰した。当時は1学年350人、全学年で1000人強だったから、生徒の数も多かったが先生の数も多かった。生徒の側も名前を知らない先生が多数いたから、一緒につけようと言ったら、教員側が嫌がったと記憶する。目論見どおりの反応、こちらの作戦勝ちだった。生徒会が強い時代だった。当時は校則改正や他にも大きな問題が起きて校長先生や生徒会顧問の先生をまとめて敵に回すことがあったから、生徒会長の彼は立場が微妙だった。
 中学は1学年550人、私は10組、彼は9組だった。一人でマワシをつけ黙々として「テッポウ」を続ける姿を見たことがある。高校に相撲部はなかったから中学時代のことだろう。相撲部は他にはメンバーがいなかった。孤独に耐えて努力のできる男だった。高校時代はすこしばかり優柔不断なところがあったが、放課後一人で黙々とテッポウをしていた姿が重なって、それなりに認めていた。そしていまでも認めているのだろう。
 明大ラグビー部出身の新任教師が来たのでチャンスとばかりに友人をけしかけてラグビー同好会をつくらせ、校則に従って翌年ラグビー部に昇格させた。あのときが強いラグビー部を根高につくる絶好のチャンスだった。
 ぶっそうな話しはいくつかあるがブログネタにはできない。
 成り行きで心ならずも生徒会長の彼をきつい立場にたびたび追い込み苦労をかけたが、あいつはわたしにクレームも愚痴も言ったことがない。お互いに腹の中はわかっているから、何十年たってもいい友人である。
 仲が良い同期とはお互い苗字あるいは名前で呼び捨てで、さん付けも君付けもしない。
 
 昨年はめずらしく同期で物故者がひとりもなかった。そうしたら「今年はまとめて3人くらい出るかもな」とぶっそうなことをいう奴がいる。次は誰だと顔を見合わせ、おかしくてふきだした。自分の番などと思う奴は一人もいない。65歳になったらまたみんなで飲もうということになった。

【ふるさと納税】
 ところで、書いておかねばならないことがひとつある。彼女も中学のときはHと同じ隣の9組で、記憶にないくらいだからおとなしい生徒だったのだろう。高校時代は少し目立った生徒会の役員。そしていまは品よく老けた細身の美人、その彼女が「ふるさと納税」の話しを私にした。鳥取県米子市には全国からふるさと納税の申し込みが殺到していると仕組みを簡単に解説してくれた。そして水産資源に恵まれた根室でも類似の仕組みを応用できるのではないかというのだ。仕組みを説明したURLと説明文を貼り付けておくので読んで欲しい。東京組みの中にもふるさとのことを気にかけている者がいる。
 

*米子市のふるさと納税について
http://d.hatena.ne.jp/furusato_nouzei/20090607/p1
米子市では、平成21年度から「ふるさと納税」をされたかたに、「ふるさと納税記念品」として米子市特産品等を贈呈します。
ふるさと納税記念品には、3,000円以上の寄附をいただいた方に贈呈する【無償提供記念品】と、1万円以上の寄附をいただいた方に贈呈する【
タイアップ記念品】があります。(1万円以上の寄附の場合は、両方とも贈ります。)
【無償提供記念品】は、地元企業4社5品+市・水道局による2品の計7品全部(定価合計3,000円以上)です。その名のとおり、地元企業から無償提供をいただきました。
【タイアップ記念品】は、地元企業13社からの提供商品18品のうちから希望される1品を選んでいただきます。これは、「ふるさと納税の推進」・「地元特産品の広告宣伝」タイアップ事業として募集し、市と地元企業がほぼ費用折半により設定した、すべて定価5,000円以上の地元特産品等です。
記念品はどちらも、「ふるさと納税の推進」と「地元特産品等の広告宣伝」をあわせて行うことに賛同された地元企業から、自社商品(地元の銘品・優良サービス)の提供をいただきました。
米子市ご出身の皆さま、米子市への「ふるさと納税」と米子市の「地元特産品等」を、どうぞよろしくお願いします。(ふるさと納税は、米子市ご出身でない方もすることができます。米子の特産品に興味を持たれた方も、どうぞよろしく!)

**鳥取県米子市ホームページ、「ふるさと納税の仕組み」へジャンプ
http://www.yonago-city.jp/section/shiminjichi/furusato.htm


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#1337 学力向上は学校の責務:別海町立野付小学校 Jan. 12, 2011 [15. ポジティヴ&ゆめ]

 ここ数日マイナス8~10度の日が続いている。和歌山県の那智の滝もマイナス2度でしぶきが岩肌に凍りついている。東京日比谷の噴水にも薄い氷が張った。新得町の湖ではワカサギ釣りを楽しむ人で一杯だ。氷にまあ類穴を開けて釣るのだが、氷の厚さは例年よりも10センチほど薄いという。12月の暖冬の影響だろうとテレビが報じていた。

 "無名塾"さんというハンドルネームの方が興味深い教育ブログを紹介してくれた。灯台下暗し、その素晴らしいブログは隣町の別海町立野付小学校の公式ブログである。

 「校長室から」というカテゴリーがあり、校長先生が1月6日に学校の存在意義について書いている。数日前に、菅総理の情けない年頭所感を採り上げたが、それとは比べものにならない。年頭を飾るにふさわしい内容である。少しだけ引用させていただく。

言うまでもなく、学校の存在意義は、全ての子ども達に確かな学力を身につけさせるところにあります

そのカギを握っているのが、私達教師の教え方にあります。
子ども達の学習意欲を引き出し、確かな学力を身に付けさせていくためには、教師の教え方がよりよいものとなっていることです。
そのために、教え方の向上を目指す、教師自身の学びが大変重要になっています。

本校では、毎週一回程度、教え方の向上を目指し、教師同士で研修を行っています。
お互いの授業を見合い、教え方の改善点を探っていきます。


 なんと謙虚でストレートな物言いだろう、脱帽である。この後も研究授業や授業の改善の具体例が述べられているので、ぜひごらん戴きたい。

ここをクリック
http://b-school.jp/blog/pnotuke/index.php?date=2011-01-06


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#1313 水源地である牧ノ内ダム周辺への植樹 :かれこれ17年目 Dec. 24, 2010 [15. ポジティヴ&ゆめ]

 雨と強風が吹き荒れ、秒速28㍍の風でツリーが根本のほうでぽっきり折れてしまい23日に予定されていた明示公園内のクリスマスイベントは中止、花火は今日打ち上げられた。

 牧ノ内の水源地を取り囲むように幅300メートルくらいの用地を買い占めて植樹すべきだと当ブログで何度か書いたが、根室市はやっていた。40%くらいは終わっているのではないだろうか。やるね、上下水道施設課さん。
 北海道新聞12月23日朝刊根室地域版より。

 水源保全に向け17年
  市の植樹、来年度終了
     50ヘクタール15万本 
     育成管理強化へ

【根室】根室市が牧の内ダム周辺で水源を保全する「水源涵養林」の整備を進めている。道内で外国資本による森林買収が進む中、離農跡の牧草地などを市が取得し、17年間にわたり計約47㌶に約14万本を植樹した。2011年度で現行の整備計画は終わり、その後は育成管理を強化する。(栗田直樹)

 牧の内ダムはコタンケシ川(通称3番川)が流れ込む市の水源地。この一帯では酪農家が
多かったが、1985年ごろから離農が相次いだ。土地が管理されないため、土砂の流入などダム周辺の水環境が悪化。市は水源保存の目的で93年度から整備事業に着手した。
 植樹したのは寒さや潮風に強いとされるグイマツで、94~96年度は11ヘクタールに約3万2850本、03~08年度は12㌶に約3万4950本、さらに、09、10年度には計24㌶に7万1520本を植えた。グイマツで池や川を取り囲むようにしてきた。
 市建設水道部によると、用地取得費が3400万円、整備費が国や道などの補助金を含め約4200万円。現在最も高い木で3~5㍍に育っている。成木になれば土地所有者の市が、その一部を処分できるという。
 植樹事業は来年度の約4㌶、1万2千本が最後。市上下水道施設課の初井一彦課長は「客観的なデータはないが、水源涵養林は水質改善に役立つ。保水力や土砂流入を抑える機能を高めるようしっかり管理していきたい」としている。

 記事にはカラーで各年度ごとに植樹した場所が塗り分けられている。かかった費用は用地買収費を含めてもたったの7600万円である。こんな半端なことしないで、できる範囲の用地買収をしてぐるっと樹林帯で取り囲もう。

【宮脇方式の森創り**】
 単一樹種グイマツを植樹しているとあるが、これだけはやり方を変えるべきだろう。単一樹種の森は脆弱である。植物生態学者の宮脇昭によれば、その土地本来の樹種を混ぜて植えるのがよいという。かれはそれで日本のみならず世界中で森の再生に携わっている。いろいろな樹種のドングリを採集し、ポットでドングリを育てるところからその方法はシステム化されている。誰か「ミズナラの森創り実行委員会」を作ってドングリ拾いとポットでの苗の育成を始める若者はいないか?お一人、幼稚園の園長先生が「天使の森計画」でドングリを拾い集めて園児たちと育てている。
 水源涵養林を伐採して儲ける必要はない。大事なのはわずかな儲けではなく、数百年にわたり安定した自然林で水源地を取り囲むことだ。宮脇方式なら千年たっても森は環境に適応して残る。(単一樹種の森は災害や虫害に弱く、維持管理に人手が必要で、維持費がかかる。自然の森は多様な樹種で構成されている)


【比較】
 病院事業赤字が今年度14億円前後でることになるだろうが、水源涵養林事業17年間の予算7600万円と比べてみるといかに巨額か分かるだろう。
 赤字を1億円減らして予算を回すだけで、牧の内の水源地を樹林帯ですっぽり包むことができそうだ。市民一人当たり2万円程度の赤字に減らせれば年間8億円ものお金が浮き、町の将来に役立つ事業に投資できる。

【旗を巻くのも叡智の一つ】
 経営推進課をつくり課長を置くも一向に経営改善できなくて今年4月には民間業者へ経営改善業務を委託した。それにも関わらず効なく赤字は昨年度よりも確実に増え、史上最高額を3年連続で更新しそうである。
 歳入を増やすことよりも赤字を減らすことを考えよ。経営改善できぬなら「経営推進課」はいらぬ。いつまでも旗を揚げてままでは恥さらしとなる、やれぬと悟ったときは自ら旗を巻くことも智慧のひとつだろう。

【療養病床導入が経営改善の鍵:医者は集められる】
 根室の人口高齢化は進んでいる。すでに8000人近くになっている。数年で1万人を超えるだろう。ニーズの高いところに潜在売上が眠っている、療養型病床がそれだ。きちんとやれば2~3億円くらいの赤字は減らせる、やれるところからやるべきだ。
 ターミナルケアであり、延命治療はいらないから医者は定年退職後の人でいい、根室の自然を満喫しながら数年のんびり働いてもらえばいい。給与も半分、勤務時間も半分でいい。舟に乗っての釣りも、湿原での釣りも、釣り好きの人にとっては全国有数の自然を根室は抱えている。バードウォッチングもいいスポットがいくつもある。春国岱と風連湖、落石のエトピリカ、沿岸氷に乗って周囲を睥睨するオジロワシや大鷲。
 条件を明示して市にホームページで医者を募集してみればいい。療養型病棟に限っては根室は医者を集められるだろう。

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** 宮脇昭翁の本を紹介したい。テレビの特集番組で何度か採り上げられ感動し、一番最初に挙げた本は読んだ。ブログでも採り上げている。
 単一樹種での植林をしているところから察するに、水源管理の仕事に携わっている市職員の方はお読みになっていないのだろう。ぜひ読んで再考してもらいたい。まだ水源地の周りは植樹されずに半分以上残っている。根室の水源地が五百年後にも豊かな森で包まれている姿を想像したい。
 豊かな想像力が根室の町を変える。

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*#1960 宮脇翁の提言:命を守る森の防波堤構想=震災瓦礫処理 June 3, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-03-2

#1313 水源地である牧ノ内ダム周辺への植樹 :かれこれ17年目 Dec. 24, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-24

#1042 水源地を300メートルの森林の帯で取り囲もう May 27, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-26

#1289 天使の森計画(根室) Nov. 25, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-11-25

#1246 地域医療改革の烽火(12):「最高条件は危険な状態」(宮脇昭) Oct. 18, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-18

#196「市民の森」オープン(北海道新聞より)2,008年6月8日
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-08

三本の植樹から森は生まれる 奇跡の宮脇方式 (祥伝社ポケットヴィジュアル)

三本の植樹から森は生まれる 奇跡の宮脇方式 (祥伝社ポケットヴィジュアル)

  • 作者: 宮脇 昭
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2010/03/31
  • メディア: 新書

4千万本の木を植えた男が残す言葉

4千万本の木を植えた男が残す言葉

  • 作者: 宮脇 昭
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2010/06/19
  • メディア: 単行本
鎮守の森 (新潮文庫)

鎮守の森 (新潮文庫)

  • 作者: 宮脇 昭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 文庫

#1289 天使の森計画(根室) Nov. 25, 2010 [15. ポジティヴ&ゆめ]

  植物生態学者である宮脇昭の「生態系本来の樹種」による森造りを採り上げたことがあるが、根室で似たようなことを実践し始めた人がいる。
 わたしは、牧の内の水源地の周りをミズナラの森で囲みたいと常々思っている。30年あれば根室の水道の水質を幾分かは改善することができるだろう。
 『三太郎の日記』の著者と同姓同名の園長先生はもっと雄大なことを考えていた。

 北海道新聞11月1日社会・総合、3面の記事から・・・

 根室で「天使の森計画」に取り組む
   ひと 2010
     阿部次郎さん
 園長を務める根室カトリック幼稚園の園児が、根室市内の野鳥保護区にミズナラを植え、100年をかけてシマフクロウがすむ森を育てる「天子の森計画」を始めた。「子供たちに風土とつながりながら成長して欲しい」
 きっかけは、日本野鳥の会が持つ鳥獣保護区全国30箇所のうち11箇所が根室市内にあるのを知ったことだった。「根室には日本一の森がある。それを伝えたい」と10月中旬に園児と一緒にドングリを拾って、野鳥の会が用意した畑に植えた。
 残ったドングリは園庭のプランターに植え、園児と観察を続ける。全部は芽が出ないかもしれない。だが、「すべて成功させるのが、教育だとは思わない」。一つのドングリが芽を出して育つには、大きな苦労があることを感じて欲しい。「君たちも大切に育てられてきたんだよ」。プランターを見ながら園児に語りかける。
 園児は成長し、やがて進学などで根室を離れる。「成人式で戻ってきたときに林を見て欲しい。定年退職した後には子や孫と森を見に来て欲しい。そうやって風土とつながっているのはロマンだとは思いませんか」
 名刺の肩書きに「フューチャー・クリエーティブ・インダストリー」とつけている。和訳は「未来創造業」。「子供と未来をつくるのが教育の仕事ですから」。釧路市出身で妻との間に1男1女。48歳
                                 (幸坂浩)
 
 釧路出身の志の高い一人が根室に根を下ろし、園長先生という名前のニムオロの木になってくれている。その木陰で園児たちがはしゃいでいる。
*ブログ「ノムリエ日記」の11月15日の記事に「極東のイタリア」と題する記事がある。カトリック幼稚園が題材になっているので、束の間ほのぼのとしていただきたい。記事の右横に「読んでいるブログ」の欄にURLがあるのでそれをクリックして検索すればすぐに出てくる。
 検索が面倒な人は下記をクリック・・・とんでけ、ブログ主極東のソムリエ様には事後承諾 m(_ _)m
http://ameblo.jp/sommelier/day-20101115.html

 生態系本来の様々な樹種のドングリを育てれば、その中には途中で枯れる木も、どっしりと枝を広げ実をたくさんつけた大木に育つ木もある。シマフクロウがすむ大木が育つまでに百年・二百年かかるだろうが、ドングリを育てた子供たちが爺さん婆さんになり、その孫ひ孫がまた植え継ぐ。繰り返すうちにすぐに数百年経つ。ようは志をもってゆったりと取り組むことなのだろう。こういう心の余裕、時間の感覚が大事だったなと思い直した。
 病院建て替え問題を論じているうちに、そういう悠久の時間の流れを忘れていた。

 道具が強力になったから、自然破壊は人間がその気になれば数年でできる。広大な知床や根釧原野ですら例外ではない。
 和田で酪農をやっていた同級生が高校時代に語ったことを思い出した。原野にある国有林の大木はあらかた伐採されてしまっている。お金になるから、営林署が人を雇い大木を選んで伐採しているということだった。伐採する大木には目印にテープが巻きつけられていたという。
 棲みつく大木が次々と切り倒されることでシマフクロウの数が激減しただろうと想像される。40年前に根釧原野や知床の大木の伐採はあらから終わっていたのだ。

 バチカンから派遣されたジローラモ園長はシマフクロウが棲みつく失われた大木を取り戻そうと雄大な夢を抱いているようだ。園児によるドングリの栽培・育成はその壮大な夢の始まりを告げるものなのかもしれない。誰かが始めなければ変らない、最初に始める者にその者の信ずる神の祝福あれ。

*記事を検索したが北海道新聞の記事にはヒットしなかったが、別の「キリスト教記者クラブ」がヒットした。
http://blogs.yahoo.co.jp/cjc_skj/26293053.html  


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三本の植樹から森は生まれる 奇跡の宮脇方式 (祥伝社ポケットヴィジュアル)

三本の植樹から森は生まれる 奇跡の宮脇方式 (祥伝社ポケットヴィジュアル)

  • 作者: 宮脇 昭
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2010/03/31
  • メディア: 新書

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*#1960 宮脇翁の提言:命を守る森の防波堤構想=震災瓦礫処理 June 3, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-03-2

#1313 水源地である牧ノ内ダム周辺への植樹 :かれこれ17年目 Dec. 24, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-24

#1042 水源地を300メートルの森林の帯で取り囲もう May 27, 2010
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#1289 天使の森計画(根室) Nov. 25, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-11-25

#1246 地域医療改革の烽火(12):「最高条件は危険な状態」(宮脇昭) Oct. 18, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-18

#196「市民の森」オープン(北海道新聞より)2,008年6月8日
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-08
  


#1219 新旧交代と選択の自由 Sep.25, 2010 [15. ポジティヴ&ゆめ]

 めっきり寒くなり、根室はすっかり秋めいてきた。十五夜の晩はうろこ雲が出ていたが、翌日は月が煌々と輝いていた。夜9時の気温は二晩続いて12度、さすがに寒い。朝晩は床暖房をつけるようになった。利尻富士だったか初冠雪のニュース映像をちらりとみた。北の山にはすでに冬が訪れている。

【新旧交代】
 ヤマコ小林商店が8月末日で店を閉め、その後に青年会議所の縁で美幌町の業者が野菜直売をしている。ヤマコ小林商店は50年以上続いた店だ。緑町大通りに面した店で50年を超えた歴史をもつのは2丁目の角の酒屋さんだけだろう。パソコン講習会や試験会場のP-winが9月1日に緑町2丁目に引っ越してきた。
 花咲街道沿いのセイコーマート跡地にはカレーハウス、なんていったかな「香辛館」ができた(名前が違っていたらコメントください)。
 それから郵便局本局から漁業組合へ向かって100mほどの左手にお蕎麦屋さんが先月開店している。魚住工務店のデザインだ。
 光洋町の阿部薬局跡にはラーメン店が先週開店した。その隣は船越内装が店舗改装中で、さて、何屋さんになるのか楽しみである。
 花咲街道沿いに或る酒泉館の隣にもラーメン店が最近開店したそうだ。
 ”魚信”は細胞分裂し、駅前の「海鮮市場」だったかな、かなり広い店が開店した。魚屋の専門店は4店になった。及川商店、魚信、茂勝、海鮮市場(歴史の古い順)。漁港町にしては少ないのかもしれないが、市民には十分だろう。

 その昔、毎日夕方になると買い物客でごった返していた緑町商店街から歴史のある店が次々閉店あるいは移転し、シャッター通りとなり寂れつつあったが、すこしではあるが元気にある新しいお店が増えた。根室の町は活力をなくしたわけではない。健全な新陳代謝が進んでいるようだから、活性化の芽がまだある。

 寂れる一方ではない、うれしい限りだ。新しく商売を始めた人はまず3年がんばってもらいたい。真摯に3年努力を続けられたらたいしたものだ。応援する人の輪が広がっていくのを体験できるだろう。

【選択の自由】
 さて、教育、医療、産業振興を三つの柱に掲げて勇ましく登場したはずの「根室まちとくらしネットワークフォーラム」は14日の発足会見後、音沙汰がない。
 わたしのブログでは根室の地域医療についての内部告発や応援メッセージが相次いだ。市立根室謬緒院はいま崩壊の危機にある。だまってみていたら、内部崩壊が表面化してしまう。
 33人もいるのだから私のブログを見ている人はいるだろう。中には正義感の強い熱い男もいるに違いない。若いんだからもっとスピーディに意見表明ができないものだろうか?もうすぐ2週間になる。若い経営者の集まりという看板が泣いているぞ。
 釧路の同様の組織はホームページを開いてメンバー紹介と活動報告をネット上でやっている。どうした、まさか市政翼賛だけを目的としていたので事態の推移に驚いて声も出ないのではあるまい。勇気のある者がいるなら早急にネット上で発言されたい。根室の地域医療を守るために一緒に戦えるかもしれない。

「市立根室病院小児科を守る会」を一緒に立ち上げよう。立ち上げ時のバックアップだけすればあとは幼い子どもをお持ちのお母さんたちがやればいい。
 一緒に戦うのか、市政翼賛装置と化し旧弊の一部となるのかどちらだろう?選択は自由だ。君らがどういう具体的な意見表明をするのか市民みんなが注目している。さあ、期待に応えてもらいたい。

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*根室活性化へ一丸 若手経済人がフォーラム結成へ(09/09 13:58)⇒道新ニュース
 
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/250263.html


#1206 根室まちとくらしネットワークフォーラム(2):船出 Sep. 16, 2010 [15. ポジティヴ&ゆめ]

  「根室まちとくらしネットワークフォーラム」が昨日14日に発足した。北海道新聞記事によれば次のようになっている。

 「扱うテーマは
①地域経済の活性化
②医療福祉の充実
③教育の向上
―の3点を柱とし、北方領土問題についても考えている。また、テーマに応じて市内の他団体にも議論への参加を呼びかけ、「横の連携を取っていきたい」という。勉強会や、市民参加のシンポジウムなども開いていく」

 根室の町が衰退し続けてきたのは、市政と経済界に相互批判がなく、お互いに相手を利用することのみに汲々としてきたからだというのがわたしの意見である。
 市議会による市政チェック機能が果たされないことで市政レベルも低下した。共産党を唯一の例外として、市議会はオール与党化して長きにわたり市政批判がなかった。健全な批判がなければ組織・団体はゴミがたまり内部から腐っていく傾向がある。批判はいわばたまったゴミの掃除である。
 健全な批判精神をもたない根室では、数十年間にわたり恣意的な市政がはびこり、恣意的な経済団体運営がなされ、マチの活力を奪ってきたように思う。
 「俺一人が市議になっても、根室の町はないも変わらない」という同期の友人たちの発言がすべてを物語っているように私は思う。
 根室漁業組合の問題、病院建て替え問題、療養病床ゼロの問題、全道14支庁管内最低の小中学生の学力問題など、どれをとっても旧弊にかかわる問題が根底にある。

 それゆえに、根室の町に健全な批判精神を生み出すことがいま必要であるというのが私の第二の論点である。。
 若手経済人による「根室まちとくらしネットワークフォーラム」のメンバーは地元経済人であり、根室市と取引関係のあるメンバーが創設時の座長である。市政に密着している利害関係人に市政批判ができるだろうか?そんな気持ちはかけらもないだろう。会が立ち上がる直前に長谷川市長に挨拶に行っている。会員の皆さんの思惑は別にして、初めから市政翼賛を目的としてつくられたフォーラムだった。教育を詠いながら、地元の中学校や高校には見切りをつけている。見ていたらわかるよ、自分の子どもは学力疎開させるような人物なら、ふるさとの学校を改善しようというこころはさらさらない。時間がたてば馬脚が現れる。残念な地元経済人の一人だ。まっすぐな心根の人が座長になって取り仕切ってもらいたい。

 根室の経済人は具体的な市政批判をしたことがない。だが、そういうわたしもひとつだけ例外を見たことがある。市立病院のニホロ移転案に商工会議所副会頭が反対した。それは市立病院前に自分の調剤薬局開設が決まっていたからだ。移転されたら元も子もない。残念ながら、公益ではなく私益確保のための反対だった。

 公益を優先すれば、根室の旧弊と戦うために市政にも他の経済団体へも批判の矛先を向けざるを得ない。それは自分たちがいままでやってきた商売の自己否定になる場合もあるだろう。公益のために、私益が乗り越えられるだろうか、根室の歴史はノーという答を出している。いままで、そうした例はほとんど聞かない。
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」を貫けるかどうかが問われることになる。根室の旧弊を受け継がず、それらと戦う覚悟があるのだろうか。あれば、根室の町の歴史に新しいページを開くことになる。 

【釧路根室圏まちとくらしネットワークフォーラム】
 検索してみたら釧路に「釧路根室圏まちとくらしネットワークフォーラム」という類似名称の組織があった。ヒットしたページにはメンバーが紹介されている。釧路の経済界人、中小企業の経営者が中心の組織のようだ。釧路産業クラスター創造研究会会長が座長を、(株)釧路丸水と福司酒造の代表取締役が副座長をしている。
 http://michi-kurashi.marimo.or.jp/b/b_shushi.html

 平成15年度からの活動報告が次のURLに載っている。
 http://michi-kurashi.marimo.or.jp/b/b000.html

 活動報告を見たが、地元経済や観光の活性化に関する報告はあるが、教育や地域医療を採り上げたことは一度もないようだ。ZAPPERさんが頑張っているが、釧路経済の衰退の原因の一つが子どもたちの学力低下による労働力の質の低下があることにメンバーが気がついていないからだろう。その点では教育問題を三つの検討事項の一つに挙げた根室の組織の方がしっかりしているようにみえる。
 教育ばかりではない、地域医療についても釧路経済人はまるで関心がないようだ。北方領土返還運動諸団体が竹島や尖閣列島にまったく関心を示さないのと軌を一にしている。地域経済は地域医療や教育と無関係ではない筈だが、地元経済人の問題意識の低さが釧路経済衰退という現象に表れているのではないだろうか。
 地域医療を支えるためには道東地域に医科大学が必要である。釧路は北見・網走・根室と協同して「道東医科大学」設置に動くべきだろう。そうしなければ釧路のマチの医療は医者不足から根室の二の舞になる。
 消化器内科・外科と循環器の専門診療科を備えた釧路医師会病院が旭川医大の医師引き揚げで、2年前になくなっている。
 「道東医科大学」新設は釧路と根室の地域医療にとって二つの組織連携の最重要テーマとなるだろう。根室が釧路を動かさなければならない。

【リトマス試験紙】
 さて、このフォーラムが市政翼賛装置のひとつとなるか、健全な批判精神をもち具体的な提言をする救世主となるのか、リトマス試験紙を用意しておこう。

(1)14支庁管内最低の学力の現状改善のために
  ①全国学力テストデータ公開
  ②ブカツの時間制限*
  ③放課後補習体制の確立
 
これら三つを市教委や学校に提言できるだろうか。

 学力テストデータは学校別・科目別に公開すべきだ。アンケート調査結果もエクセルにデータを集計して公表すべきだ。何が悪いのか、どこをどうすれば学力が上げられるのかはっきりする。そして、具体策の効果が数字で検証できる。学力向上の目標値も学校別・科目別に設定可能になる。
 ブカツについて言えば、長時間のブカツが学習習慣の健全な育成の妨げになっていることがハッキリしている。ブカツは市教委の権限である。2時間以上のブカツ禁止を提言できるだろうか。週2日はブカツ休止日をとることを提言できるだろうか。
 放課後の補習体制は根室高校ではすでにやっているし、学校は生徒の学力を上げ進学実績をよくすることに一生懸命である。道立高校にできることが中学校や小学校でなぜできない?

*ブカツ制限に関するZAPPERさんの主張
 
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51595934.html

*群馬県教委の通達「中学校における部活動について(申し合わせ事項)」
 ZAPPERさんが紹介した通達だが、具体的でよくできている。
http://www.pref.gunma.jp/cts/PortalServlet;jsessionid=CC5465B1DF1D83ABE4C50A1FD897634E?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=42597
 

(2)3万人規模で療養病床がない町は全国にほとんど例がないだろう。市立病院建て替え計画をやり直すべきだが、この問題にどのように答えるのか?病院建て替え後に予測される年額16~20億円の赤字をどう考えるのか?根室の町が財政破綻しかねない。夕張市の場合は再建団体指定を受けた年度に1000人を超える人口減があった。
 市役所職員の半数リストラ、残る職員の給与30%カット、新規事業の停止、市立病院の民間診療所化など、どれをとっても市民生活や地域経済に大きな影響が出る。
 (地域医療の問題は拙ブログのカテゴリー「市立根室病院建て替え」を参照されたい。すでに99本アップしてある。)

 とくに(2)の問題は時間的な余裕がない問題である。今日の北海道新聞に本年度の病院事業債6880万円が許可されたとある。すでに厚生労働省の医療施設耐震化臨時特例交付金11億9200と内閣府の地域活性化・公共投資臨時交付金10億7200万円を内示済みだから、いまさら起債申請を不許可にできない事情が道庁にある。いったん決めた補助金は何があろうと実行するのが国や道のやり方である。わたしはブログの中で、道庁は何らかの条件をつけて起債申請の許可を出すだろうと予告しておいたが、その通りになった。道から次のような条件がつけられた。
「(10億円の病院事業赤字)特例債償還の確実な実施と市職員の持ち家に対する住宅手当廃止などの財政改革を要求」
 改善プランの損益計画は実態と大きく乖離したままだから、審査はたんなる形式に堕したという外ない。シロウトがチェックしても予実対比損益計算書を作っただけででたらめさがチェックできる。民間企業では基本的なチェックにすぎないのだが、申請許可の妨げになるので、道庁はそういう作業すらしようとしない。不正直で不誠実な仕事がここにもあるようだ。
 さて、翻って辺りを見回してみても、杜撰な建て替え事業をストップできるのは根室の市民のみのようだ。自分のことは自分で決めろということで、根室市民は「さあ、どうするんだはっきりしろ」と喉元に匕首を突きつけられてしまった形だ。
 フォーラムの果たすべき役割に、若さとスピードが要求されている。具体的な提案がほしい。ブログかホームページを開設し、具体的な意見や提案の表明を望む。ふるさとのマチの活性化のためにオープンな議論をしよう。

 このブログのメインテーマは地域医療と地域教育、そして経済と経済学であった。あらためて数えてみたら地域医療関係が180本、教育関係が230本ある。ブログを書き始めて11月末で満3年を迎える。ようやく、こうした問題へ目を向けるグループが産声を上げた。

*「根室活性化へ一丸 若手経済人がフォーラム結成へ」
  
(09/09 13:58)北海道新聞道東
 
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/250263.html

 15日の新聞の当該記事がオンラインユースに載れば、URLを貼り付けます。

*#1142 「市立根室病院建て替えに関する地元経済界の役割」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-08-02

 #1056 「広報ねむろ6月vol.842」を読む(1):市立病院決算情報
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-06-05

 #1057 「広報ねむろ6月号」を読む(2):病院建物仕様への疑問
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-06-06

 #1020 「夢を語れ(ebisuの提案):市立根室病院建て替え」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-06

 #1014 「整備市民委から費用圧縮を求める声:市立根室病院建て替え-087」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-04-29-1

 #805「市立病院休止病棟の療養病床への転換提言(地域医療推進協)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-11-19  

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#1198 根室まちとくらしネットワークフォーラム(1) Sep, 9, 2010 [15. ポジティヴ&ゆめ]

  9日北海道新聞根室地域版の記事から。
 
 根室活性化へ若手一丸
  33人がフォーラム結成へ
【根室】
 根室市内の若手経済人らを中心とする「根室まちとくらしネットワークフォーラム」が14日、発足する。若手の支点で地域活性化を議論し、行政への政策提言などを行っていく。
 行政、水産、農業、商業など幅広い分野の33人が参加。設立総会は大地みらい信金本店で行い、同信金の遠藤修一理事長が相談役につく。
 今後、定期的に勉強会を行って意見交換し、教育や医療、産業振興などのん屋で行政への政策提言をまとめる。また市民を巻き込んだシンポジウムや講演会の開催も計画している。釧路や中標津にある同様の組織とも連携する。
 同フォーラムの座長に就任する、時計・宝石・メガネの「すずき」の鈴木新一社長は「地域の活性化につながる内容をテーマに活動していきたい」と抱負を述べている。(幸坂浩)


< コメント >
 根室の若手が立ち上がり、根室のために活動するなら慶賀すべきことだが、そうだろうか?

 根室の経済人の悪いところは、私益の誘導のために公職や根室市を恣意的に利用するところにある。みったくなしである。根室漁業組合長*がその典型例だろう。なんどもブログで書いたが、市長や市議そして根室の経済人は誰一人彼に退陣を勧めたものはいないようだ。こういう公益よりも私益を優先する経済人が戦後65年の長きにわたって根室の町をダメにしてきた。その伝統は世代替わりをしながら連綿と受け継がれてきた。
 問題は年寄りであるか若者であるかではない。年齢にかかわらず、公益よりも私益を優先するような輩が根室のマチのために汗を流すことはない。その活動の背後にはつねに私益が隠されている。古い根室が「若手経済人」という皮をかぶっているのではないだろうか。

 33人の若手経済人は自分や自分たちのグループのために汗をかくな、古里根室のために汗をかけ。
 市政翼賛装置の一部になるか、健全な批判勢力になるかはこれからの活動次第だ。根室の町のためになるかならぬかは君らが自分や小さなグループの利益にこだわり続けるかどうかにかかっている。
 33人の組織が自浄作用をもてるか、市民が見ている。ふるさとのために正直で誠実な仕事ができるのだろうか?
  わたしは「根室まちとくらしネットワークフォーラム」に危惧の念を抱いている。


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*#876「根釧漁船保険組合保険金詐欺事件の顛末」  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-01-23

 #633「退け際の美学-根釧漁船保険組合長保険金詐欺容疑で書類送検
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-01

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#1042 水源地を300メートルの森林の帯で取り囲もう May 27, 2010 [15. ポジティヴ&ゆめ]

 5月23日に根室市植樹祭が新聞のニュースに載った。本田議員が参加してブログに写真とコメントを載せている。
 http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/05/post-b518.html

 場所は東和田である、東和田も結構だが、植樹の場所を換えて牧ノ内水源地を300メートルの森林帯で囲みたい。水質が改善されて、いまよりは水がおいしくなる。

 根室の水はマズイ。別海に比べても、東京に比べてすらマズイ。おまけに立米当たりの値段は東京の2倍である。人口が少ないし小川しかないから、値段相応は無理としても、もう少しおいしい水が飲みたい、そう思う。

 根室の水は牧草地や原野に降った水が溜まったものだ。地下を長い距離通っていないからミネラル分が極端に少ないのではないだろうか。有機物が多く、ミネラルの不足した水は根室人の健康になんらかの影響を及ぼしているのかも知れぬ。もちろんそのことに関して学術的な研究があるわけではないから、そんなことは私の妄想だと人は笑うだろう。

 気になることは他にもある。牧草地に家畜の糞尿をまけば水源地への影響ゼロということがあるだろうか?これも100mも流れれば影響はほとんどゼロだろう。単に気分の問題やもしれぬ。
 ミネラル分が少ないのとは反対に、原野や牧草地から直接流れ込むから有機物の含有量が多いのではないだろうか。もちろんろ過はしているからほとんどは取り除かれて入るだろうが、川の水や地下水よりは有機物の含有量がかなり多いだろう。

 水源地を300メートルほどの森林帯で取り囲めば、溜まり水ではあっても水質はいまよりずっとよくなるのではないか。植樹をするなら水源地の周りを優先すべきではないだろうか。水源地の回りの土地はすべて市有地としたい。ミズナラなどの広葉樹林帯で囲めば落ち葉が風で貯水池に飛んで有機物は減らないという反論もあるかも知れぬ。しかし、それでもやってみたい。300mの根室本来の樹種で囲まれた森林帯は美しいはずだ。水源と美しい樹林、それだけでもやってみる価値はあるだろう。

 何年か前の夏、少雨で牧ノ内ダムの水が足りなくなり、給水制限したことがあった。水産加工場はお手上げだっただろう。森林の保水能力は原野や牧草地よりは高いから、水源地に「自然のダム」を造ることにもなる。水産加工は根室の主要産業であるから、水供給の「安全保障」も根室市の基幹産業にとっては重要事項の一つに数えていいだろう。
 

 宮脇昭という人がいる。NHKテレビでも特集されて10回ほどもシリーズで取り上げられたからご存知の方が多いだろう。「その生態系本来の樹種」を植樹すべきだと、すでの3000万本の植樹を実際にしている。ドイツ国立植生図研究所で潜在自然植生理論を学んだ人だ。

 ドングリを拾い集めてビニールポットで苗を育てる。苗が育ったところで植樹する。ドングリを集めるところから苗を育て、植樹するところまでシステム化されている。何冊かの著書で説明しているので、その著書を挙げておきたい。

 水源地の周りを300mの森林帯で取り囲む運動に興味のある人は宮脇昭先生の本を読もう、そして手をつなごう。
 30年後に根室の水源地が幅300mの森林帯で囲まれ、鳥や虫の鳴く声を聞きながらその中を市民が散策して水源の大切さを実感することができる。
 いま東和田で植樹している予算を振り向けるだけで実現できる。趣旨に賛同できる市議は動いてほしい。30年後の根室の水道水をおいしくするために・・・

 わたしも宮脇先生の著書を読んで勉強したい、30年後のわがふるさとのために。読む都度、このテーマの続編を書くつもりだ。

木を植えよ! (新潮選書)

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  • 作者: 宮脇 昭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: 単行本
鎮守の森 (新潮文庫)

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  • 作者: 宮脇 昭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 文庫
三本の植樹から森は生まれる 奇跡の宮脇方式 (祥伝社ポケットヴィジュアル)

三本の植樹から森は生まれる 奇跡の宮脇方式 (祥伝社ポケットヴィジュアル)

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いのちを守るドングリの森 (集英社新書)

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  • 出版社/メーカー: 集英社
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地球環境へのまなざし―あなたとあなたの愛する人のために (NHKシリーズ NHKこころをよむ)

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森は地球のたからもの〈1〉森が泣いている

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森は地球のたからもの〈2〉森は生命の源

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  • 作者: 宮脇 昭
  • 出版社/メーカー: ゆまに書房
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 単行本

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*#1960 宮脇翁の提言:命を守る森の防波堤構想=震災瓦礫処理 June 3, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-03-2

#1313 水源地である牧ノ内ダム周辺への植樹 :かれこれ17年目 Dec. 24, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-24

#1042 水源地を300メートルの森林の帯で取り囲もう May 27, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-26

#1289 天使の森計画(根室) Nov. 25, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-11-25

#1246 地域医療改革の烽火(12):「最高条件は危険な状態」(宮脇昭) Oct. 18, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-18

#196「市民の森」オープン(北海道新聞より)2,008年6月8日
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-08
 

「市民の森」オープン(北海道新聞より) [15. ポジティヴ&ゆめ]

  2,008年6月8日   ebisu-blog#196 
  総閲覧数: 15,942/195 days (6月8日1時30分) 

 6月2日付北海道新聞夕刊より

 「市民の森」オープン
   
200人が植樹や散策
【根室】1995年から市と道が整備を進めてきた、市内東和田の「市民の森」が1日オープンした。早速、200人の市民が訪れ、散策を楽しんだ。
 市民の森は道立北方4島交流センター(ニ・ホ・ロ)に隣接し、総面積37㌶。これまでに約4千本の桜を含め、訳26000本の木を植樹した。森の中には約3.5㌔の遊歩道があり、バイオトイレも設けられた。
 この日はオープニングセレモニーが行われ、長谷川俊輔市長が「協働の精神でさらに立派な森にしていきたい」とあいさつ。テープカットで市民の森の開放を宣言し、多くの市民が真新しい遊歩道を散策した。セレモニーに先立ち、市植樹祭も開かれ、エゾヤマザクラ170本を植樹した。

 ラムサール条約で保護され、野鳥の宝庫である春国岱は木橋が壊れていて渡ることすらできない。太い丸太で組んだ見晴台もロープを張って上がれないようになっており、朽ちるに任せている。
 スワン44の周辺の木道も荒れている。観光地としての地位向上を目指すのならそれらの整備が先だろう。それでなくても市の財政は逼迫しており、優先順位は間違えないでもらいたいものだ。
 ニホロ地区は畜産振興事業団が施設を作る予定だったのが計画が取りやめになって、道の補助金をもらって開発した関係があり、約束違反となり市の方が困っていた。市立病院をニホロにもっていこうとしたのもそういう事情があってのことだという噂を当時耳にした。開発用地が余っており、道との約束が守れないというのである。
 無闇に補助金をもらって開発をするとややこしいことになる。「市民の森」もそうした一環として進められているのだろうか。
 
 ここでまた、転寝しながら見た夢の話をしようと思う。歳のせいかこの頃転寝をしながら白昼夢をみるようになった。

 2038年のことである。市民の間から30年前に市長をやっていた長谷川氏を顕彰するために碑を立てようと市民が署名運動を始めた。
 名市長の誉れの高かった長谷川さんは、根室市の水源である牧の内ダムの水質の悪いことを憂えていた。牧草地に降った雨水が直接水源に流れ込むので根室市の水道水はまずかった。ところが今では根室の水は抜群に美味しいくなっている。
 30年前に長谷川俊輔という市長が後世に資するさまざまな施策を実行したがそのうちの一つに水源の水質を改善を目的として、水源地の回りに500メートルの幅のミズナラの林をつくるために市民に植樹を呼びかけた。それまでに道とやっていたニホロ地区の「市民の森」計画を道に事情を話して中止し、数年間はその予算を振り替えた。
 市長は市民へも事情を詳しく説明した。こうした市長の誠実な姿勢に応えて市民運動が盛り上がり、毎年5000本を超える植樹がなされた。ミズナラのドングリの実を発芽させ、植樹用の苗を育てるお年寄りの市民サークルも現れた。グループが増えて、いまでは植樹の苗すべてをそれらのお年寄りのグループが用意できるようになった。苗を育てる技術は年々向上し、木の種類が増えると同時に、他の市町村へ廻すことができるほどの生産量となっている。だからこの方式が軌道に乗ってからはほとんどお金がかからなかった。
 採集したドングリを密集させて発芽させ、その後ポットに一つ一つ入れて育てる苗の育成法は、植物生態学者の宮脇昭が提唱するやり方で「宮脇方式」というらしい。そうして方法でつくった林は千年もつと関係者が言っていた。
 いまでは水源地の周囲を幅800メートルのベルト状に、ミズナラを中心とした数十種類の樹木の林が取り囲んでいる。散歩しているとカッコーや鶯やひばりがそこここで鳴き、近づくと急にその辺りの鳥の声が止む。
 市の方では計画を拡張し、周辺の牧草地を買占めて1000メートルの幅の林で水源を取り囲む計画を進めている。全国ネットのテレビ局が毎年のように取材にやってくる。水源地を取り囲むベルト状の林には、散歩道の木道やトイレが整備され、市民が水源管理の大切さを実感できる憩いの場になっている。
 30年前の長谷川市長の英断のお陰で、いまでは別海や中標津の水道水を変わらない美味しい水道水を飲むことができる。子供たちはじいちゃんやばあちゃんから、スーパーからフィルターでこした水をボトルに汲んで呑んでいたことを昔話として聴いている。長谷川元市長を顕彰しようという署名運動はそういう背景から生まれたようだ。

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*#1960 宮脇翁の提言:命を守る森の防波堤構想=震災瓦礫処理 June 3, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-03-2

#1313 水源地である牧ノ内ダム周辺への植樹 :かれこれ17年目 Dec. 24, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-24

#1042 水源地を300メートルの森林の帯で取り囲もう May 27, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-26

#1289 天使の森計画(根室) Nov. 25, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-11-25

#1246 地域医療改革の烽火(12):「最高条件は危険な状態」(宮脇昭) Oct. 18, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-18

#196「市民の森」オープン(北海道新聞より)2,008年6月8日
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-08


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