#1224 「輪=和」の広がり:市議3名が市民説明会開催要望書提出 Oct.1, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]
市議3名が連名で市長へ市民説明会開催の要望書を提出した。この中に本田市議が入っているが、元病院職員だから医療には詳しい。彼の市政報告会には一度出席している。一度だけ話ししたことはあるが、それ以上の事はない。彼は公的会計の数字を正しく読むことができるようで、病院の経営状況への危機感は共通している。
私がブログ上で、市民説明会の開催を要求した後で、市議3名が要望書を提出したが、とくに連動して動いていたわけではない。市議は市議自身の問題意識で動いているように見える。他の2名の議員とはお話したことすらないし、本田市議に私が市民説明会開催要望書の提出をお願いしたこともない、それぞれ自分の信念に基いて行動しているだけである。こういう公益を守ろうという「輪=和」が広がることは歓迎すべきことだ。
自主的に市議がこうした動きをし、市政チェック機能を果たしていれば、わたしがブログ上で2年10ヶ月、100本を超える記事を書き連ねて市立根室病院建て替え問題を論ずる必要などなかった。ようやく本来の職責を全うする市議が出てきてほっとしている。
市民説明会要望は他のグループ、組織からも出されるに違いない。危機感が広く市民へ共有され、具体的な動きが起こりつつある、まことに喜ばしい。根室の地域医療を崩壊させ、財政破綻へ導きつつある無責任市長にとっては困った状況だろう。
わたしは無投票当選市長の暴走をとめ、市の財政破綻を防ぎたい。
そう言えば、「根室まちとくらしネットワークフォーラム」という若手経営者33名のグループができたと、新聞報道があったが、その後さっぱり音沙汰がない。どうしたのだろう?解散したのかな?医療と教育と産業振興が3本の柱だったはずだが・・・座長は市長や振興局へ挨拶に行ったとか?まさか、市政翼賛団体だったのではあるまい。意見がないのかな?それにしても、動きの遅さは若者ではない、老人クラブの立ち上げの誤報だったのだろうか?優秀な記者だから誤報ということはないだろう。
翼賛機関なら、華々しく市長に賛成の意見を表明すればいい。根室市財政が破綻したら市内の企業・団体への影響は甚大だ。腹を据えて発言すればいい。意見のあるのはいいことで、ebisuどちらでも歓迎したい。私益を乗り越えられる強者がいるなら、ebisuは共闘したい。公益を第一とする経済人のグループが誕生すれば、根室は変わるきっかけをつかめる。
コメント欄には北大の関係者らしき人物から辛口のコメントがよぜられた。根室市民が地域医療にどういう答を出すのか大学医局も注目している。
市立病院建て替え
予算大幅増、説明を
3議員が要望書を提出
【根室】市議会の無所属議員3氏が連名で30日、長谷川俊輔市長に対し、市立根室病院の建て替えについて「より分かりやすい市民参加の手法に改めていただきたい」とする要望書を提出した。
要望したのは、壺田重夫、瀬谷周平、本田俊治の各氏。10月の定例市議会に提出される議案の説明を9月28日に受けた際、建て替えの総事業費が62億8千万円となっており、16日に市議会の特別委理事会に報告された55億3千万円から大幅増となったことに疑問を持ったのがきっかけという。
具体的な要望書は8項目で、「建設費用62億円を圧縮できなかった理由を明らかにするなど、市民衆知の徹底を図ること」などを求めた。
また、要望書は、新病院建設の課題や対策を市民に判りやすく説明しないまま「強引に事業を進める手法は、長谷川市長が掲げる市民参加のまちづくりとは言い難い」と指摘している。(幸坂浩)
< コメント >
こっそり2億円も増額されていたシステム開発費の件をブログで指摘したら、慌ててシステム費用7億円を外して総事業費55億円としたのは3月のことだった。総事業費が元の62.8億円になったのは、それが戻ったのかそれとも他に増額理由があるのか、明細を示してもらわないとわからない。
市民説明会では生産的な議論をするために、次の資料の作成・配布をお願いしたい。
①総事業費の明細資料
②2009年度の貸借対照表と改善プランと決算の計画実績対比表(明細科目レベルの計画・実績対比損益計算書、一般会計からの繰り入れ分はアスタリスクをつけること)
③今年度の9月末日までの半期予算実績対比表
④明細レベルの改善プラン損益計算書
⑤建設後の償却費についての5ヵ年明細表
⑥最悪ケースでの損益シミュレーション
⑦院内情報システムの概略仕様書(病院が作成し業者へ提示したもの)
⑧医療事故についての病院の規程と方針
10月になったので、根室の地域医療を守るために別のステージの具体的な行動を起こしたい。とはいっても、ブログが主である。医療と経営の両面からなぜ根室の地域医療が崩壊してしまったのか、次回から坦々と論じたい。
市民が事実を知ることで、市民運動の渦が大きくなるだろう。根室の地域医療を崩壊から救えるかどうかは、院長の医者としての良心とプライドにかかっている。
*本田市議ブログ「新病院建設事業の進め方等に関する要望」
http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/10/post-d21d.html
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*9月のアクセス数36953、累計アクセス数437984、ソネット「ブログ」上位1.2~1.4%(偏差値換算72)。9月後半はちょっと過熱気味のアクセスでした。
たくさんの読者の皆様、長く冗長な文章を辛抱強くお読みいただき、感謝申し上げます。
m(_ _)m ebisu
#1218 市立根室病院整備市民委員会解散 Sep. 24, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]
昨夜11時過ぎに気温は12.3度に下がった。急な冷え込みに驚いた人が多かったのではないだろうか。
採り上げたのは23日付北海道新聞朝刊の記事である。オンラインニュースにはいまのところなっていない。なれば記事を削除して当該URLを貼り付け、差し替えたい。
市立根室病院建て替え
整備市民委が解散
12年秋開院を正式報告
【根室】市立根室病院整備市民委員会が22日、市総合文化会館で開かれ、市側から2011年2月に建て替え工事に着工、12年秋に開院する予定が正式に報告された。新病院建設のめどが立ったことから、委員会は解散した。
委員会は病院新築に向け市民の声を反映しようと、2003年に設置。基本設計の策定が終わり幕を下ろす。
34回目の会合には委員ら16人が出席。病院建て替えに伴う起債の許可予定通知を15日に受けたことや、新病院の駐車場にドクターヘリを離着陸させる検討を進めていることなどが報告された。
10年度決算見込みでは、一般会計からの繰入金9億6千万円と想定していたが、市側は「外来患者数の減少などから10億円台に乗る見通し」と説明した。
長谷川俊輔市長、東浦勝浩院長が委員に謝意の言葉を述べ、長谷川座長は「7年間でようやく着工のめどがつき感慨深い。充実、安心の医療を提供して欲しい」と話した。
< コメント >
市民整備委員会とはいったいなんだったのだろう?
①60億円の総事業費は、市が招聘したコンサルタントの提言では30億円であった。これ以上かけてはいけないと市の幹部50名を前に講演会があったのは2年前のことではなかったのか。委員会のメンバーも何人か出席していたのではないだろうか。なのに市民整備委員会は総事業費カットについて市へ何も要請していない。
②システム開発費は元々法外な予算5億円だったが、今年になってこっそり7億円にかさ上げされていた、このことについても市民整備委員会は追求も議論もしていない。
③療養型病床確保は地域医療にとって重大問題であるが、これもなにも議論がない。
④建て替え後の赤字が9億円から12億円の範囲と説明しているが、すでに実質赤字額は11億円を超えているから、償却負担分の4億円を入れただけで15億円になる。見積もりが甘すぎる。
(病院事務局の予算はいつも決算数字と数億円の開きがでる。そのような数字を鵜呑みにして解散してしまうという。病院の設備や法外なシステム開発費の償却を勘定に入れると年額4億円を超えるから、実際には実質赤字額はミニマムで15億円、最大20億円になるだろう。)
市民整備委員会はこれら四つの重要事項に関しては一つも責任を果たしていない。いったい何を議論していたのだろう?その能力と誠実さを疑わざるを得ない。
市長の諮問機関で、市側が人選しているから、市政に対する批判などするわけもなく、限界を露呈しただけのことなのかもしれない。
無残である。いい年齢になってこういう委嘱を名誉職と勘違いして引き受けてはいけないということだ。真面目に委員としての仕事をしないと被害は市民に及ぶ、そう高齢の委員各位よりも、若い人々がより深刻な害を被る。市政の正当化に利用されただけ。
最近ブログへのコメント投稿が18件殺到した。院内の内情を複数の人がそれぞれ見聞きしていることを正直に書いている。
外科と内科の対立、産婦人科医の無理な招聘による北大小児科から撤退の可能性の通知(市側の担当者が北大医局で札医大へ切り換えたいと説明)、医療ミスにかかわる裁判もあるから、根室の地域医療が崩壊するのではないかとの懸念すら抱かせる。
無投票当選市長が暴走し、市民へ一度も説明会を開かないことが不安をいっそう増幅している。常勤医が16人になったにも関わらず、赤字は増え続けて、今年度末には13億円になりそうだ。赤字拡大の原因についてはコメント欄に指摘がある。これも主要な原因の一つだろう。
「当直医以外の待機医師を呼ぶことに莫大な費用がかかっています。つまり赤字に大きな原因の一つです。」
市長は地域医療政策について具体的に市民へ説明する義務がある。
*コメントが殺到した記事
#1214 「ベビーシッターを探しています:発熱時の判断チャート」25件
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-20-1#comments
#1209 「麻酔科医退職へ」19件
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-18
公に意見を言う根室人は稀である。それが今回はどうしたことかと目を疑うような現象が起きた。いろいろな立場の人が、それぞれ知りえた情報を書き込んでくれたのである。市立根室病院内部で何が起きているのか、市長が何をしようとしているのか、根室の地域医療がまさに崩壊寸前になっている状況が明らかになった。
市民整備委員会のメンバーはほとんどがご高齢の方だから、ブログなんて読まないのだろう。
町内会が主体となってメンバーが選ばれているのではないか?根室の旧弊を維持するためには町内会は重要な組織だ。座長は連合町会長で穏やかなお人柄、諮問機関だから選んだのは市側、前市長である。町内会の元締めが好いよって言ってるんだから、みんなが賛成しているんだろうという気分にさせられる。巧い人選、便利な組織があったものだ。他方で世にも珍しいNPO法人ゼロの町根室。
#1212 市立根室病院で何が起きているのか:麻酔科医と外科医の唐突な退職 Sep. 19, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]
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市立根室病院建て替え問題をブログの3本の柱の一つに据えてきたが、このところ具体的な病院内部の様子がコメント欄に寄せられている。最初に紹介するコメントにあるように、医師に長くいてもらうためには報酬だけではない、働き甲斐も大切だという指摘はその通りだと思う。
それぞれのコメントにはコメントを書いている人特有の物事の見方や表現の仕方が反映されている。わたしの文章もごたぶんにもれず、時にタイピングしながら公憤(⇔私憤)やまず勢いに任せて書いてしまうことがある。
とくに病院内の医師の色分けについては書き手によって見解が相違しているようだから、多様な人物評価があるのだな、というぐらいのつもりで読んで欲しい。単純な図式は分かりやすいのだが、人間はそれほど単純にはできていないし、人間関係は複雑であるから、行間も読む必要があるだろう。
わたしは内部事情を知らないので、これらのコメントの精度を判断できないし、それぞれの評価についてこれといった断定もできない。だが、なんどかこうした情報の集積がなされれば、否応なしに運営の実態は浮かび上がらざるを得ないだろう。
同じ事実も別人が見れば見え方が違ってしまうこともしばしばある。そうした多少のバイアスのあることを承知で、お寄せいただいたコメントをそのまま転載したい。病院建て替えにかかわる意思決定をはじめとして、医師の招聘や退職にかかわる情報公開がほとんどなされていないので、これらのコメント情報が市民にとってはじつに貴重なものとなっていることは異論あるまい。
これらのコメントで、いままでわからなかったことがいくつか判明したように思う。市民が病院の運営について関心を寄せ、さまざまな意見を表明することが、恣意的な病院運営に歯止めをかけるものとなることを期待している。そういう意味で、コメントを寄せられた数人の人に深く感謝している。
とにもかくにもこのままでは、小児科をはじめ、根室の地域医療が崩壊しかねないので、コメント欄へ寄せられた情報をそのまま貼り付ける。いろいろ疑問を抱いている市民の意見もあわせて読まれたら各自の疑問と一致する部分が多いと思われるので、2つ紹介する。文脈上、私のコメントも3つ紹介させていただいた。
つい先ごろ立ち上がった「根室まちとくらしネットワークフォーラム」は「教育や医療、産業振興」を三つのメインテーマとしている。33人のメンバーは地域医療問題にどのような提言あるいは苦言を呈するのだろう。若者らしい提言を待ちたい。
釧路のフォーラムは毎月活動をインターネット上で公開しているが、根室の組織はまだネットで情報を公開していないようだ。
今後もこうした情報が寄せられれば、ある程度集積してからまとめてブログ本欄で紹介したいと思っている。
-No.1-
常勤医2人、今月末で退職/別海町
http://www.news-kushiro.jp/news/20100915/201009154.html
別海町の水沼猛町長は、14日開会した別海町議会定例会で、町立病院の小児科、外科の常勤医1人ずつが9月末で退職することを明らかにした。地域医療振興協会などの出張医の対応で、外来診療は継続するが、後任が決まる当面の間、一部分休診となる時間帯も出る。また、この影響で出産を町民と里帰り出産に限定し、当面、リスクの高い妊婦の診療や帝王切開を休止する。2人の退職で2科の常勤医はゼロとなる。2人の医師は今年4月に着任したばかり。
小児科、外科が常勤となったことで、7月から一時休止していた初産の扱いを再開した矢先だった。同病院によると、退職の理由は診療方針の不一致としている。
隣町の出来事です。北海道地域医療財団のHPを見ますと、小児科医師募集の年収提示額は2500万~3000万です。これは年齢不問ですので、駆け出しの医師にでも別海は2500万は出すと言うことです。これは言い換えると、現在勤務している小児科医は2500万以上貰っている事に他成りません。若い医師に対しては根室よりも別海の方が給料的には高いと思われます。
それでもこの4月に赴任した医師が半年で辞めてしまう。原因は恐らくですが、小児科の場合は彼が赴任する前に仕事の範囲を制限していた産婦人科が制限を取り払い通常の業務に戻したために一人だけの小児科医が忙殺されて退職を決意した・・・と考えるのが妥当かも知れません。
一方の外科は、今回辞められる医師はいわゆる外科医ではありません。専門は眼科医です。麻酔科の経験はあるようですが。ですから「外科的な事」は何とか出来ても、「外科」は出来なかったのかも知れません。
この2人のケースから学ぶべきことは、医師がやって来る時は確かに収入の良さが大きなアピールに成りますが、いざ実際に赴任して働き始めると、その医師がどれだけ仕事に満足出来るかがその医師を地域に留めさせる最大の力になる・・・と言う事です。
確かに根室の「医心伝心」はやらないよりはbetterですが、それで医師の心の全てを掴める訳ではありません。医師にしてみればそう言った地域の歓迎行事はあくまでもoptionに過ぎません。一番大切なことは、如何にして医師に楽しく働いて貰うか、だと思います。
言い換えれば医師としての働き甲斐(遣り甲斐)の一言に尽きます。
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-No.2-
ebisuさん、こんにちは。
起債の許可がおりてしまったのですね。。。
本当は、医師退職や経営赤字問題の改善方針をしっかり示してから、許可がおりてほしいところを、その辺を無視した決定には理解に苦しみます。(私がバカだからでしょうけど)
根室市民にとって、新病院は建設してほしいものですが、財政が赤字に状態でも、ほしいと望んでいる人はどれくらいいるのでしょうか?(かなりいるのでしょうか?)
私は、このまま根室は夕張化することにならないか心配です。
市職員は法律や条例という点で給与などが守られているから、市政が倒産してもある程度の保護があるかもしれませんが、根室市民にとって、病院がなくなるということは大きな損失でそれ以降は絶望しか見えないかもしれません。そんな状況を回避する為にもう少し病院建設費用や設備などを見直すべきではないでしょうか?
また医師退職も今回だけで済むのでしょうか?
また数年前のように常勤医5人になるような状態が訪れそうな気がします。(誰もが先のことはわりません。)
ただ新病院には、療養病棟や患者同士のコミュニティー空間など、もう少し根室市民が望む設計をしてほしいとこです。
私としては、屋上にはソーラーパネルによる発電のエコ施設で、院内にカフェや患者同士のフリースペースの設置や受診時の待合で患者がどこで待っていても連絡が届くシステムとかがあればいいですけど・・・
もう無理かな。。。
医信伝心ネットワークの存在は否定しませんが、バーベキューパーティをやっていたみたいですが、これに参加した純粋な根室市民ってどれだけいるのでしょうか?
本田議員のブログには市民70人とかかれていましたが、この市民70人の内訳として、市職員のご家族などが含まれているのではないでしょうか?この人数はそれを除いた人数とはとても思えない。
そもそも根室市民がこのような閉鎖的な会に飛び入りのような形での参加はあまりしないと思うのですが・・・
私は根室の医信伝心ネットワークは、身内だけが満足している会にしか思えないのはなぜでしょう??
こんなことをやるより、小中学校や老人ホームを対象とした集まりを中心とする方が親身になれると思うのですが・・・
-No.3-
本当に根室病院は新しい院長・事務長に変わってから院内は相当ごたごたしているようですね。現在、医師の招聘活動はこの二人が独断で活動していて、他の医師達や事務局の職員には相談や報告もなく詳しい内容は知らされていないのが事実らしいです。
麻酔科医の退職は本当に残念です。Holy Talkerさんが心配されている医師退職は今後加速するでしょうねえ・・・新聞報道もされていましたが3人の外科医の内の1人は11月末で退職するようです。実際は10月初めに根室を去るようですが・・・人望があり、現在の常勤医師数の確保にはこの医師の功績によるものがほとんどだったようですが、よほど病院の前途に失望したんでしょう。事務長は新病院建設の起債の許可がおりるまで公表しないよう指示したようです。正に隠蔽ですね。
産婦人科の医師の赴任延期の発表の記者会見の内容も虚偽だそうです。この医師は相当問題のある人のようで小児科医を派遣している大学医局が強い拒絶反応を示しているようです。この医師の赴任(11月という噂も)で小児科医や助産師の退職も発生するかもしれません。
-No.11-
びっくりしました
>>院長、事務長の無駄な出張が多いのも本当です。現在の規定では出張旅費実費の領収書の提出が必要ないため、出張の度に余剰費用が彼らの手元にどんどん蓄積しているはずです。一度議会でも追及されてみては如何でしょうか?
出張旅費実費の領収書の提出が必要ないのに公務で公費使うんですか?
そんなの法律でも許されているの?
無知でした。
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-No.12-
市立病院の実際がどうなっているのかは知りませんが、一般的な会社の出張旅費の扱いについては、「出張旅費規程」に基いて支給されます。
職位に応じて日当手当てと宿泊費が支給されますが、基準を超えない限り、領収書不要です。
札幌だと雪祭りの時期などはホテルがとりにくいので、基準を超える高額の料金の部屋しか取れなかった場合には、領収書を添付して出金伝票を書き、実費精算することになります。
なお、交通費については正規料金で請求できます。これも領収書不要です。
わたくしが懸念しているのは、職位の高い院長と事務長が医師招聘の名目で札幌出張をすれば、大義名分上飲食接待がつきものでしょう。そちらの方が気になります。トップの二人がその気になれば、使いたい放題になります。だから、外部監査、とくに市民の監査が必要だと感じます。
こういう名目と実質の異なる支出形態を放置しておくと、公私混同が麻痺して、そのうち不祥事が起きます。人間ですから、慣れてくると感覚が麻痺してきます。組織上上位権限者は市長や副市長ですから、実質上止められる人はいないと考えるべきでしょう。内部牽制がなくなっています。
漁船保険組合の事件も内部牽制がないことと基本監査手続きが実施されていないことが原因で起きました。こうした不祥事を防ぐために内部統制が失われている病院事業には外部監査が必要なのです。
会社のワードで作られた立派な「諸規程集」をひとつ保管してあります。その中に出張旅費規定も入っています。見たければ、そのうちにお見せしましょう。
根室のある程度の規模の会社はこうした諸規程を整備すべきだと思います。
#1210 一般会計繰入金 試算よりも増加 Sep. 19, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]
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北海道新聞17日根室地域版のニュースより
一般会計繰入金 試算よりも増加
建て替え計画
【根室】市立病院建て替えに対する起債許可予定額が道から通知されたことを受け、市議会市立病院建設特別会計は16日の理事会で、同病院事務局から起債に伴う収支計画の説明を受けた。
病院事務局によると、2010~15年度の病院事業会計の赤字を補う一般会計繰入金は当初、年9億3400万~11億900万円と試算していたが、道と協議する中で常勤医の退職などを反映させた結果、年9億6500万~12億円に増えた。
熊谷雅史委員長は起債のめどは立ったとして、次回会議で特別委を解散するよう提案したが、理事の中には「建設を見届けた方がいい」との異論もあり、各派代表者会議で調整することになった。
< コメント >
病院事業の赤字を穴埋めするために一般会計から補填がなされるのが「一般会計繰入金」である。民間基準の損益計算書の「純損失」=「一般会計繰入金」と理解しておおむね間違いがない。
「広報ねむろ」によれば、昨年度の病院事業会計は上期2700万円の損失、下期1.9288億円、年額では1.66億円の黒字となっているが、実際には年間11.5億円の実質赤字である。
一般会計からの繰出金を「収益」に含めて表示するからこういうインチキがまかり通る。公的会計の表示形式は企業会計原則からみると粉飾決算そのものである。多くの市民が病院事業赤字が年額で10億円を超えていることを知らないのは、「広報ねむろ」が事実と異なる表示をしているからだ。公的会計基準で作成された損益計算書では会計専門家ですら、事業の損益を正しく理解できないから、市民への報告は企業会計基準で損益計算書を作成して「広報ねむろ」の誌上で公表すべきである。それくらいの「市民サービス」はすべきだ。
*「平成21年上期の予算執行状況」(広報ねむろ1月号10ページより)
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/a095e954e4098f7249257697000799ea/$FILE/211225p10.pdf
「平成21年度予算下期の執行状況」(広報ねむろ6月号7ページより)
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/a095e954e4098f7249257697000799ea/$FILE/220601p7.pdf
大甘の病院事務局の見通しですら年間9.6~12億円の実質赤字となっているから、実際にはこれを3~5億円上回ることになるだろう。
療養病床の問題については本田市議のブログに情報が載っていた。
・療養病床の問題は、介護型施設として民間に委ねるという結論を市長が出したことで、この委員会での論議は終了した。
*本田議員ブログ「病院建設等に関する特別委員会理事会に出席」
http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/09/post-c2b9.html
市長が根室には療養型病床は不要と決定したら、委員会では論議すらしないということのようだ。これでは市政チェック機能はないに等しい。熊谷委員長はなぜ論議すらしないのだろう。私ども一般市民にはまったく不可解である。
地域医療推進協議会が市立病院で療養型病棟をもつべきだという提言を3年前に出しているのに、市長は無視したままである。専門家の意見だから、市議会はこのような市長の恣意的な市政を咎めて当然のはずだが、論議すらしないというのはいったいどういう了見だろう。あきれて物が言えない。きちんと議論して、市議としての職責を果たすべきだ。職責を果たすつもりがないのなら、議員は辞職すべきというのが、市民の感覚である。
#805「市立病院休止病棟の療養病床への転換提言(地域医療推進協)」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-11-19
病院事業会計の赤字額が年間11億円を超え、毎年増え続けているのはどう考えても尋常ならざる事態である。2008年度に長谷川市長が赤字を繰り延べるために赤字特例債を11.3億円はっこうしているが、2009年度から償還(返済)が始まっているはずだから、年額1.8億円の損失増加要因はこの特例債償還分であろう。後年にツケを回すようなことをやってはいけないとあのときにも書いた。後になるほど苦しくなってしまう。愚かな選択だった。市議は誰も反対しなかっただろう。
*#860「杞憂(6) 病院赤字特例債と早期健全化団体指定の関係について」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-01-11
このところいろいろな情報がコメント欄へ書きこまれている。そのうちの一つによれば、院長と事務長が医師招聘のために頻繁に札幌出張しているらしいが、出張費の予算管理はどうなっているのだろう。大幅な赤字事業だから予算管理は厳格に行われるべきだが、財務課はチェックしているのだろうか?決算チェックを市議会はきちんとしているのだろうか。細目ごとの費用管理をきちんとしていないから赤字が増えているのではないか。
監査委員もいるはずだが、病院事業会計に関する監査はどの程度行われているのだろう。監査が甘いと、根室漁船保険組合のような不祥事が起きる。病院はすでに一度、元事務長の札幌出張に関して不祥事を経験しているではないか。年額10億円を超える実質赤字が続いている病院事業は業務監査も必要だ。適任者がいなければ、わたしがボランティアで監査のお手伝いをしてもいい。上場企業で外部監査を受ける部門にいたことがあるから、基本的な監査手続きは知っている。
#1209 麻酔科医退職へ Sep. 17, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]
麻酔科医退職のニュースが17日北海道新聞朝刊根室地域版に載った。起債許可が下りた翌日の公表は、それまで隠蔽しておこうとの意図が透けて見える。関係責任者はこういう仕事のスタイルがお好きなようだ。起債審査中はマイナス情報は外部に出すなということなのだろう。恣意的な情報操作を病院事務局がしているのは、職責上事務長だろう、そしてその後ろには長谷川市長がいる。
別海町では町長が産婦人科医2名の退職をアナウンスしているが、根室は病院事務局が市議会病院建設特別委理事会へ報告した。麻酔科医は外科手術には欠かせない存在で、それが非常勤に変れば手術数はもちろんのこと病院収入にも大きく影響するから重要事項だが、市長から市民へ説明がない。
新聞報道では9月末に退職予定となっているが、ペインクリニックは9月初旬から休診扱いであり、麻酔科医はすでに引っ越して根室にいない。9月末退職は書類上のことであって、事実としてはもう麻酔科医は退職してしまっているのである。病院事務局は事実をなぜ正直に言えないのだろう。
これで今年度の実質赤字は13億円に達するだろう。一般会計から13億円もの繰り入れが必要になる。
長谷川市長以前は年額6億円の実質赤字だったが、昨年は11.5億円、今年度は13億円と実質赤字額は膨らむ一方である。いったい市立病院で何が起きているのだろう。尋常ならざる推移である。病院事務局の立てる計画は希望的観測の積み上げであり、繰り入れ計画額を決算繰入額がつねに上回っている。ありえない前提での年度計画や「改善プラン」は聞き飽きた、最悪の場合実質繰り入れがいくらになるのかもあわせて公表すべきだ。
唯一の麻酔科医退職へ
市立根室病院 緊急手術が困難に
【根室】市立病院事務局は16日k唯一の麻酔科医が今月末で退職することを、市議会市立病院特別委員会理事会に報告した。麻酔科医が必要な手術は今後、予約のみで対応し、緊急の手術はできなくなる。
退職するのは、昨年1月から勤めていた竹内昭憲副院長。愛知県内の医大へ准教授として赴任する。これで市立病院の常勤医は16人から15人となる。
病院事務局によると、市立病院で1年間に行われる手術は約300件。
来春まで、札幌医大と愛知県内の病院から派遣を受けて対応するが、緊急の手術が必要な患者は釧路などの医療機関へ搬送するという。
産婦人科医の確保に影響する可能性もある。現在は埼玉県内の病院に勤める産婦人科医が来春にも、分娩の扱いが再開できるスタッフが整えば着任する意向を示しているが、分娩の際も麻酔科医が必要なケースもあるためだ。
理事会ではこのほか、3人いる外科医のうち1人が、年内に退職する可能性があることも報告された。(幸坂浩)
< コメント >
問題点は5点ある。
(1)麻酔科医はすでにいないこと
報道が事実なら、事実と異なる説明を病院事務局は委員会理事会にしたことになる。
(2)病院事業実質赤字は13億円に拡大する
昨年度の実質赤字額が11.5億円だったから、今年度はさらに1.5億円ほど赤字が増える。長谷川市政になってから病院事業赤字はそれ以前の6億円から2倍になろうとしている。しかも、年々増え続けている。なぜこのようなことが起きているのか、尋常ではない。病院経営に大きな問題点が隠されているようにみえる。何の問題もなくこれほど損失が拡大することはない。
(3)外科医1名になれば手術は不可能
外科医の退職が予定されているが、来年3月でもう一人の外科医の派遣契約が切れるのではないか?外科医1名体制では非常勤で麻酔科医が来ても手術はできない。事故で大怪我をした場合、釧路へ運んでいたら間に合わない。市民の健康と安全の危機である。どうするつもりだろう?
⇒「残り二人の外科医のうち少なくとも一人は退職する外科医の道の地域センター枠?を引き継ぐ必要があるため平成24年3月までは残留となる可能性があるようです」と、ハンドルネーム“医信伝心ネットワークに参加しました”さんから書き込みがありました。再来年までは大丈夫そうですが、別のトラブルが発生しているようです。M医師に相談なく、病院側が外科医招聘活動を進めたために起きたようです。信頼と安心は病院運営の中にはないのでしょうかね?報告・連絡・相談はないのでしょうか、仕事の進め方が拙劣にみえます。
(4)産科病棟再開を強行したら小児科が負担過重でつぶれないか?
産科と小児科は関連がある。噂がどこまで真実かは分からないが、赴任予定の産婦人科医は中標津町立病院でいわくのある人物。現場のスタッフとの関係がきちんと保てるのだろうか。
無理をして産科病棟を再開し、小児科が負担過重でつぶれるようなことがあれば、事は重大だ。諸般の条件が整うまでじっくり待つべきだと私は思う。
(5)市財政は大丈夫か?
外科医1名体制になれば病院事業赤字は来年度最大15億円に達するだろう。こういう状況で62.3億円もかけた病院の建設を強行して市財政がもつのだろうか?建て替えたとたんに20億円もの損失が毎年でる可能性が大きくなっている。
医師に長くいてもらうには高額報酬だけでは無理で、働き甲斐のある環境をつくることが大切だ。市長や病院事務長が具体的な経営方針を明らかにしそうした環境をつくる努力をしなければならないのは当然のことだが、市民も努力をしなければならない。具体的なビジョンのある病院にその趣旨に賛同する医師が集まり、市民が自ら協力するというスタイルがつくれたらすばらしい。
丹波柏原病院の「小児科を守る会」の活動が参考になる。地域医療は自分たちで守ろう、もっと根室の医療に関心をもとう。
*柏原病院小児科を守る会
この会の活動を教えてくれたのはKさんだ。「養老牛温泉夜話」というカテゴリーに根室の地域医療や教育問題についてKさんと話したことを書いた。もうすぐ1年になる。
小児科を守る会ホームページ:http://mamorusyounika.com/
柏原病院小児科を守る会(ウィキペディアへ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E6%9F%8F%E5%8E%9F%E7%97%85%E9%99%A2%E3%81%AE%E5%B0%8F%E5%85%90%E7%A7%91%E3%82%92%E5%AE%88%E3%82%8B%E4%BC%9A
【断片的な情報に基くebisuの推理】
ここからは断片的な情報をつなぎ合わせた推論である。見ようによっては勝手な憶測だから読み飛ばしていただいて結構である。
退職された麻酔医は名古屋の方の方だろうか。すくなことも大学はそうだろう。救急医療がご専門でもあるようだ。遠く離れた根室に昨年1月に赴任してきたのは、何かやりたいことがあったからではないだろうか?そのやりたいことがなんらかの事情でできなくなったとすれば、それは外科との関係だろう。前院長の退職とも関係がありそうだ。やりたいと思っていた仕事ができなくなれば、いる理由がなくなる。
何らかの理由で彼にとって働く「環境」が悪化したのか、意欲を失わせるに足ることがあったのだろうか。年度途中での急な退職という事実は何を物語るのだろう。
もうひとつ言及しておかねばならない。
産科と小児科は密接な関係がある。お産で新生児に異常があれば、それを扱うのは小児科であり、産科ではない。だから、産科医は小児科医と良好な人間関係の築ける人でなければならない。根室の小児科は常勤医が一人と非常勤医が一人の二人体制である。これで産科病棟が再開したら、小児医療が崩壊しないだろうか?小児科医の増員は産科病棟再開の絶対条件であると私には思える。二人体制では、常勤医あるいは非常勤医の派遣先が産科病棟再開に応じられるはずがない。なのに、産婦人科医招聘で産科病棟再開をちらつかせる根室市は医療にまるで見識のない町だと思われないだろうか。
産科医は小児科医と良好な人間関係を築き仕事にあたらなければならない。以前勤務していた中標津町立病院で何があったか、噂どおりなら、スタッフとも小児科医とも、良好な人間関係を築くことがかなり難しいと思わざるを得ない。こうした院内の医師と医師の調整は事務長の仕事である。偽りなく、正直・誠実に調整に当たらなければならない。市議会病院建設特別委員会理事会への「9月末麻酔医退職」の虚偽報告からは、正直な仕事のかけらも伝わってこない。
不正直、不誠実な病院経営のツケが回ってくるのは時間の問題だ。こういう状態では、病院を建て替えた後、私たち患者が安心していのちを預けられる医師が何人いるのだろう?
*【コメント欄の情報について】(19日朝8時45分追記)
このところ、複数の方から病院運営に関する具体的で重要なコメントが相次いで寄せられているので、そちらを読んで欲しい。いままで不明だった病院運営の実態が明らかにされている。
医師を招聘する一方で、院長や事務長の方針に合わない医師に退職を迫るというようなびっくりするような情報が書き込まれている。外科医の退職も幹部職員が起債審査中なので公表を押さえていたらしい事実も書き込まれた。産科医招聘のごたごたに関連して小児科の存続に危機が迫っていることも・・・これらはすべて院長・事務長・市長のトロイカ体制の下で進められている。このままの状況で病院建て替えが強行されれば、償却負担と医師不足から現在11億円の病院赤字はさらに大幅に拡大しそうだ。このままでは根室市は夕張市のようになってしまう。半年から1年、病院建設を延期した、基本仕様と総事業費を見直すべきだ。35億円程度にカットすればずいぶん負担は減る。
院内にも「改革派」はいるし、現状の恣意的な病院運営に危機感を抱く職員もいる様子が分かる。市職労にもそうした人々はいるだろう。現状は変えられる。まずは、市民や実態を知る関係者が実情を書き込んでくれたり、改革を応援する声を上げてくれることが重要だ。根室の町にも改革の芽はある。
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#1208 市立根室病院建て替え(本年度分)起債許可 Sep. 17, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]
相変わらず道新根室支局はいい取材をしてくれる。読者の一人としてありがたく読ませていただいた。
先日コメントを寄せてくれたハンドルネーム「アラフォー」さんのように根室出身で他の都市にお住まいの方もいる。ふるさとが懐かしくてネットで検索し、拙ブログを訪れてくれる人がときどきいるようだ。お祭りの写真を軽妙なコメントをつけてアップしてくれたクラブナビさんもそういうお一人だった。
東京その他にお住まいの方は北海道新聞根室地域版を読む術がないだろう。著作権上の問題があるかもしれないが、新聞は社会の公器でもある。米国流の文化に押されてこうした両面のバランスが昨今は傾いてしまっているように感じる。
オンラインニュースで採り上げられれば、そのURLを表示して、転載記事本文は予告なく削除する。
16日北海道新聞朝刊根室地域版より。
市立根室病院
建て替えの起債許可へ
国と道 いっそうの財政改革要求も
【根室】来年2月に着工する市立根室病院建て替えで、市に起債(借金)を許可する道と国の事前協議が終わり、本年度の許可予定額が15日、市に通知された。起債の許可が注目される中、"ゴーサイン"が出た格好で、市幹部は「一つのハードルを越えた」と胸をなで下ろしている。(幸坂浩)
建て替えの総事業費は55億3千万円で、市はこの4割を国の交付金で確保し、残りのほとんどを4年間に分けて起債で賄う計画。今回は、本年度に利用する病院事業債6880万円の許可予定が通知された。10月に道から正式な許可を受ける。
起債の可否が注目されていたのは、市が2008年に市立病院の資金不足を補うために発行した特例債10億5千万円の償還が優先されるためだ。
国と道は今回の起債を認めるに当たり、特例債償還計画の確実な実施と、市職員の持ち家に対する住宅手当廃止などの財政改革を要求。実現できなければ「来年と以降の起債が許可されるかは不透明」(根室振興局)という。このため市は13日、住宅手当の段階的廃止を二つの職員組合に提案。11月までに交渉を終えたいとの方針を打ち出した。
持ち家に対する住宅手当は、職員住宅を持つ国や道では既に廃止されている。ただ、市は地域経済活性化の観点から、職員住宅を造らずに持ち家を奨励してきた経緯があるため、市職員は「地方自治体の自主性は無視されるのか」と困惑。市幹部は「病院を建てるため、粛々と進めるしかない」と話している。
< コメント >
市立根室病院建て替えにかかわるブログはこれでちょうど100本である。
【総事業費は62.3億円】
新聞記事中に総事業費が55.3億円となっているがこれにはごまかしがある。当初5億円だったシステム開発費が7億円になっていることをブログで書いたら、突然総事業費からカットし、別枠にした。その後、システム開発費2億円の増額理由について市の方から市議会へ説明はない。だから、総事業費は62.3億円である。病床数を15減らしたのに総事業費は減っていない。
こういう不正直な公表の仕方をしてはいけない。無投票再選市長はごまかしが癖になってしまっている。なにをやってもお咎めなしと勘違いしているのだろう。健全な批判精神のない、根室の官民癒着の旧弊の象徴である「オール根室」に取り囲まれて、「裸の王様」を演じているようだ。
総事業費を62.3億円とすると交付金は36.3%である。新聞記事は市側の説明をそのまま記載しただけのようだから、正しい情報を供しておく。
【予告通り:形式審査による条件付許可】
審査がどのように行われたかは知らないが、「改善プラン」と決算実績を損益計算書明細レベルで対比すれば、計画のインチキさがシロウトにも歴然と理解できる。民間では「予算実績対比損益計算書」という。審査担当者はこれすら作成を命じていないのだろう。審査とは名ばかりで、すでに決定している交付金22.64億円の予算を取り消すわけには行かないから、何らかの条件付きで許可するだろうと、以前のブログに見通しを書いておいたが、その通りになった。
【医師退職情報の隠蔽】
麻酔科医が今月、市立根室病院を退職した。前院長が辞めてから、だいぶ院内がごたごたしているようである。病院収益に影響が出そうだが、市側は医師の退職を公表していない。別海町立病院では町長が退職の事実をただちにアナウンス*したのに、市長や市立根室病院は医師退職の事実にだんまりを決め込んでいる。ここにも市民を欺く不正直な仕事がある。
麻酔科医がやめたことで、病院収益に影響が出る。今年度の実質赤字額は13億円規模になりそうだ。いい医師が働く気をなくすような病院運営が行われているのではないか?市長の情報隠蔽にそういう疑いが浮上している。
*9月15日付釧路新聞「常勤医2人、今月末で退職/別海町」
http://www.news-kushiro.jp/news/20100915/201009154.html
*17日朝刊で北海道新聞も病院建て替え特別委へ病院事務局の発表として9月末での麻酔医退職を報じたが、これもごまかしがある。麻酔科医が担当していたペインクリニックはとっくに休診がアナウンスされているし、医師はもう引越しを済ませてすでに根室にいない。書類上は9月末で、事実はすでに退職済みということだ。細かい話だが事務局は虚偽事実を「委員会理事会」へ報告したことになる。病院事務局は医師がすでに根室を去った事実を報告していない。正直に仕事をしてもらいたい。
【長谷川市政になってから、市立病院赤字額は2倍になった】
長谷川市政になって、それ以前の病院実質赤字額が6億円から年々増え続けて昨年度は決算額で11.5億円もの一般会計繰入を行った。今年度はさらにそれを上回る繰入をせざるを得ない。10億円の赤字特例債の償還も病院建て替えの条件になっている。
【市長の翼賛装置にすぎぬ「医信伝心ネットワーク」】
医師と市民の交流を否定するつもりはないが、「医信伝心ネットワーク」は偏っていると言わざるを得ない。医師退職情報を知っているはずだが、市政批判を一切口にしない。情報隠蔽の片棒を担いでいるとしか言いようがないではないか。市からイベント開催の予算をもらっているからだとしたら情けない。
市長と共に市立病院運営に不信を増幅するなら、根室の旧弊そのものの組織と言わざるを得ない。こうした市政と地元経済界の「官民の癒着」が根室の町から活力を奪ってきた。
一昨日、根室公園でバーベキューパーティ「医師と市民の集い」が開催された。本田市議がブログに写真を貼り付けて報告している。
病院建て替え問題で、ごまかしを続ける長谷川市政にわたしはうんざりしている。
*本田市議ブログ「根室いきいき芸能まつり・医師と市民の集いに参加」
http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/09/post-e259.html
#1184 無投票市長選 数字で見る根室の課題(1):病院問題 Aug. 31, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]
北海道新聞根室地域版で面白いシリーズが始まった。5回連載記事である。初回は幸坂記者が医療問題を採り上げた。ぜひこのシリーズを読んで根室の将来を一緒に考えてもらいたい。
なお、青字部分は新聞記事からの引用である。
【市立病院の1日平均入院患者数 145.3人⇒97.1人】
5年前に比べて、入院患者数は66.8%にまで減少している。入院病棟の売上がそれだけ減ったということで、病院赤字が5年前の6億円から10億円に拡大したと書いてある。
念のために言うと2009年度の実質赤字=一般会計からの繰り入れ金額は11億円を超えている。札医大からの派遣医師が1名9月で退職するというニュースが巷に流れている。もう一人医師が退職するようだ。補填はできるのだろうか?できなければ今年は実質赤字が13億円に膨らみそうである。一般会計では全額補填できないかもしれない。できなければ「不良債務」になる。150億円の市の予算規模からみてこれ以上の病院事業赤字補填は市財政を危うくするだろう。
市長が「医師を個別にスカウトするなど医師確保に奔走。現在は常勤医が16人にまで回復した」と書いてあるが、どのドクターが市長が個別にスカウトしたのだろう?地域医療協議会や医師派遣制度を利用して確保できた医師は何人もいるが、市長が個別にスカウトした医師は何人なのだろう。具体的な数字を宣伝したらいい。不祥事はあった。札幌にスカウトに行っているはずの事務長が医師確保ではないことをしていて、問題になった。
*医師確保についてコメント欄へ書き込みがあった。現事務長の功績だという意見である。ハッキリ書かなかった私の意見を書いておこう。
旭川医大が新臨床研修医制度の下、医師が足りなくなり派遣医師の引き上げをした。その結果常勤医が6名にまで減少した後、根室で打てる手は医師報酬の大幅な引き上げだったのではないだろうか。
北海道の東端の僻地で給与が同水準のまま医師を十人も増やせるような甘い状況にはない。根室の医師の報酬3000万円はそのとき以降にできあがったとわたしは推測している。リクルートをしようにも以前の報酬水準では医師が集められないと現場から悲鳴が上がったのではないだろうか。
市立根室病院は近隣の別海や中標津町立病院よりも1.5倍から2倍に近い水準である。私が市長でも報酬引き上げを承認しただろう。少しやり方が違うが、わたしはブログで医師は必要な人数を集められると2度ほど書いた。そのときは3000万円プラス1年間いるごとにボーナス1000万円を考えていた。必要な科と医師数を明示して、市のホームページ上で広告すれば医師は集められるだろう。しかし、地域エゴ丸出しの感もあるので、あまり感心した策とは言えない。各地の自治体病院が類似策をとると、医師報酬の水準が揚がってしまい、財政の悪化した市町村は病院を維持できなくなるからだ。それゆえ「背に腹は変えられぬ」非常手段と思っている。
もしこの推測が当たっているなら、リクルートのために報酬の大幅引き上げ案を上申した担当者の智慧を褒めるべきだろうか。そしてこれが現場からの悲鳴でなく、すぐれた経営センスに裏打ちされたものなら病院は変りうる可能性があったことは指摘しておかねばならない。一人の人間がいろいろな能力を兼ね備えるということは現実にはなかなか難しいし、稀なことである。複数人で機能分担するしかないが、人件費が数倍かかることと、権限の問題がある。
いろいろな専門分野の書籍を自在に読みこなし、いろいろな業務に好奇心をもち学習を欠かさない、基礎学力の高い人材が求められているということだろう。こういう人材が市政や病院経営の中心にいて仕事をすれば町の将来も明るいし病院の経営改善も進むに違いない。根室の子どもたちの学力の衰えは根室の将来にとって重大な問題であることが分かるだろう。いや、現在を考えても要職にある大人たちをみれば、子どもたちの30年後の姿も根室の30年後も想像できる。子どもたちの基礎学力を上げねばならない。
いま教えている生徒の中に未来の根室市長がいるかもしれない。彼または彼女が現市長波の杜撰な仕事しかできなかったら、責任の半ばは私にもある。根室の最高気温は28度の予報だ、今日も暑い、しかし仕事の手は抜かないぞ。(9月1日朝8時40分追記)
【4人は道の医師派遣制度で札医大から派遣されている】
期間4年という制限があり、この期間が終了したら後は根室市が自前でまかなってくれということだ。「3人が11年度末、もう一人が12年度末で期間が満了する」ということは、前に拙ブログでも書いた。市長の対応は「道に引き続き派遣をお願いしたい」というが「道側は「制度を変えない限り難しい」地域医師確保推進室」という状態である。
つまり、派遣が切れた後は根室で独自に医師を雇えということで、それまでのツナギが医師派遣制度だ。市長は何の手も打っていないようだ。手の打ちようがないのだろう。だから、いままでも市長が独自にスカウトしたなどという話はにわかには信じがたい。事前にきちんと手を打つというような仕事の仕方が苦手のようで、病院建て替え問題にしても問題が生じた後で慌てて対応するのが常である。
【5年間で病院事業赤字が2倍になった】
5年前は実質赤字(=一般会計繰入金)が6億円だったのが、この5年間で11.5億円の実質赤字に拡大した。赤字は5.5億円増えたのである。そしていまも実質赤字は縮まる気配すらない。
長谷川市政は病院事業の経営改善に寄与したのだろうか?赤字額は2倍になっている。
【看護師も、14~16年度に定年退職のピークがある】
「この3年間だけで計18人が退職する見通しだ。新たに人材が確保できなければ、せっかく新築した病棟を休止せざるを得ない可能性もある」
この点も前に書いた。本田市議もブログで指摘していることである。年間実質赤字が12億円にも達するような病院にそうそう新人看護師が応募してくるはずもない。いつ夕張のように診療所になるかもしれないのだから。なれば、給与は半減、大多数がリストラに遭う。
何よりも、このままだだっ広い病院を62億円もかけて建て替えれば、建て替え後5年間は年間赤字額が16~20億円に膨らむ。一般会計から毎年このような巨額の赤字補填はできないだろう。市長は現実的な計画損益計算書すら市民に開示していない。無投票当選市長だからこそ市民へ丁寧な説明が当たり前だ。あなたは信任投票すらされていないのだから。
市が招聘した病院コンサルタントの講演会で30億円での建て替えが可能だと説明があったはずだが、市幹部を含めて50名ほども出席していて誰一人として62億円の建て替え計画案にノーと言わない、まったく不可解である。市幹部や特別委のメンバー病院事務局と関係者ほとんどが出席したはずである。なぜ意見を言わずに黙っているのだろう。おかしな市政運営がまかり通っている。
根室の未来を考えるよい材料になるだろうから、みんなでこの特集シリーズを読んで声をかけよう。
「大見出しは「医師数回復も経営難」、シリーズ記事は読んだか?」
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*担当記者はずいぶんと関係方面へ気を配った記事の書き方をしているようにみえる。今後の取材のこともあるから、できるだけソフトに書いたのだろうとはebisuの勝手な推測である。遠慮のない論はebisuの役割でいい。
北海道新聞は根室支局に有能な記者を配置しているように常々感じている。ありがたい。
**コメント欄へお二人から詳細な意見をいただいている。実に具体的な内容なので、ぜひ両論比べ読みいただきたいと思う。
産科はどうなるのか、病院収益は、市立根室病院で何が起きているのか、いままで不明だったことがそれぞれの立場から語られている。(9月2日追記)
***#1187 「 無投票市長選 数字で見る根室の課題(2):人口推移」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-02
#1189「無投票市長選 数字で見る根室の課題(3):支庁統廃合はチャンス」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-03-1
#1191「無投票市長選 数字で見る根室の課題(4):無節操な北特法」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-05
#1194 無投票市長選 数字で見る根室の課題(5)最終回:NPO法人ゼロの現実
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-07
*8月のデータ:月間33,811アクセス、累計401,031アクセス、
1010ブログ日
m(_ _)m
#1159 「改革プラン未達」で市立病院建て替えはできるのか? Aug. 13, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]
8月13日付北海道新聞1面の見出しはこうなっていた。
「経営悪化の道内14公立病院
10市町 収支目標未達成
09年度 常勤医不足響く」
鋭い分析力に裏付けられた健全な批判精神に基づくものという信頼感を読者は北海道新聞記事に寄せている。根室では全所帯の70%近くが北海道新聞を購読しており、50年以上定期購読を続けている家庭も珍しくない。それらは道新の記事への信頼感の深さを物語る。
記事では病院経営悪化の指摘を受けて「公立病院改革プラン」を策定し、収支目標を達成できなかった10市町について表を掲げて説明している。
根室の状況しか私には分からないので、該当箇所を引用してコメントする。
「根室市も内科の常勤医数を(改革)プランで8~9人としていたが、6人にとどまり、医業収益が2億円も下回った。常勤医不足を補う出張医にかかる給与や旅費などの「給与費」が予定より2億円増え、計画外で4億3千万円を市の一般会計から支出した。」
「計画外で4億3千万円市の一般会計から支出した」というのは事実だろう。しかしそれは決算でだ。予算で8億円の一般会計からの繰入金を支出している。だから、病院事業の実質赤字は12億円を超えているが、そういう記述は一切ない。北海道新聞はこの記事で何が言いたかったのだろう?
載せている表「・・・病院事業の2009年度経常収支」によれば、根室市は「決算見込み▲3400万円」に対して「目標との差-900万円」となっている。このような数字は病院事業の実態を説明するのに何の意味もない。改革プランが達成できなければ、建て替えができなくなるのではなかっただろうか?
実は深刻な問題が隠されている。病院事業の実質赤字は12億円を超えており、一般会計から実質赤字に相当する金額が予算で8億円、決算で4.3億円補填されているという経営の実態がまったく説明されていない。「改革プラン」自体の欺瞞性についてもっと強い指摘があっていいだろう。
市立根室病院の計画売上(医業収益)は36億円(内一般会計からの補填分8億円含む)であったと思うが、決算では約26億円だったのだろう。記事中にあるように経費が計画よりも2億増えて、実質赤字は12億円を超えた。
一昨年だって実質赤字は11億円を越えていたのに、改革プラントの辻褄併せのために予算で8億円の赤字補填しか予定していなかったから、決算でさらに4.3億円の追加がなされたということだ。
もう一点、ありえないことを指摘しよう。常勤医不足を補うために非常勤医の「給与費」が2億円増えたとある。常勤医換算で一人1億円の人件費ということになるが、このようなことは通常、実務ではありえない。非常勤医にかかわる予算が当初から過小に見積もられていただけのことだろう。
「病院改革プラン」は売上は目一杯ありえない仮定に基づき過大な計画を立て、経費はこれまたありえない仮定で過小に見積もり、計画上の辻褄合わせを繰り返している。その結果が予算外の一般会計からの繰り入れ4.3億円である。こんな赤字は実務担当者は計画策定段階から皆承知していることだ。
不正直で・不誠実な仕事が「病院改革プラン」と、本当は計画策定時から分かっているけど予定外の決算損失補填4.3億円に象徴されている。
市議会は病院事業会計について、明細レベルの予算実績対比損益計算書を財政課に要求して欲しい。そうすればインチキ予算もインチキ改革プランも組めなくなる。市議は市政チェックをするために、公的会計の予算と決算について基礎的な学習をきちんとして、職務を果たして欲しい。
さて、病院建て替えが市民説明会のないまま強行されようとしている。損益計画も示されていない。償却負担が増えるから5年間くらいは病院事業実質赤字額は16~20億円にもなる。一般会計からこのような巨額の補填を続けることができるのだろうか、市の財政課の意見を聞いてみたい。
市が招聘した病院コンサルタントが総事業費30億円で建て替えできると提案していたが、それを無視して2倍の62億円もの総事業費での建て替えを急ぐ理由は何か?システム開発費用が当初の5億円から7億円になった経緯や理由についてもなんの説明もない。
予算を2倍に増やした理由の一端が、発注段階でわかるだろう。どういう地元業者が関係するのか市民はよく見るべきだ。誰のための市政かわかるだろう。
「オール根室=地元経済界」のための恣意的な市政を改めることができればふるさとの町の未来は明るい。自浄作用がなければわが故郷も10年を経ずして夕張市のようなことになる。根室市民はいま瀬戸際にいる。
恣意的な市政の結果、病院事業の継続は困難になる。実質赤字額増大で市財政が破綻しかねないリスクを抱えるだろう。隠せるものではない。誰が得をして、その結果市財政と病院経営が危機に陥るのか、静かに見守ればいい。
採算悪化で市立根室病院が夕張のように診療所になれば、被害を被るのは市民や病気の患者だ。
市長選挙はいまのところ対立候補がないから、2度目の無投票当選がなされそうだ。市民へ何の説明もないまま、恣意的な市政がまた4年間なされる。
正直で誠実に市政を運営できる人材が市役所にも市議にも地元経済界にもいないことが問題だ。子どもたちの学力レベルが全道最低レベルだが、大人たちはもっともっと情けない。わたしもそういう大人たちの一人ではある。
#1143 市立病院建て替え:建築費10億円カットの方法 Aug. 3, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]
東京は7月の熱帯夜(夜の気温が25度以上)が17日もあったという。来週はもっと暑くなると気象予報。大雨、集中豪雨被害も各地で続出し、カミナリも多発した。上空に寒冷な空気が流れ込み、地表が熱せられて積乱雲が発達したせいらしい。それが長く続いた。いや今も続いている。東京以西は亜熱帯性気候に似てきた。
道内の降水量は観測史上最高を記録した。日照時間は1946年以降史上3番目に少ないという。
【市民と市役所の共同プロジェクト方式による総事業管理】
さて、市立病院建て替え問題であるが、こう考えてはどうだろう。予算は総額35億円以内とする。建築費は25億円まで。建て替え地は成央小学校。成央小学校生徒は希望に応じて花咲小学校と北斗小学校へ統合吸収する。「遠距離通学」には必要に応じてマイクロバスを出せばいい。民と官との共同プロジェクトだ。「必要なスキルをもった市民と市役所職員との協働プロジェクト」と言い換えてもいい。
【建築延べ面積の縮小】
建築費は病院コンサルタントの言うとおり、建築単価×面積で決まる。199ベッドを135ベッドに縮小するのに面積は3割も増える計画をしている。外来診療ブース一つとっても現行計画にはコスト意識がない。現状の7割に入院病棟が縮小するのだから現状面積以下で十分だろう。その方向でレイアウトを院内調整する。
建築延べ面積は3000坪とする。建築単価は75~80万円。建築費は22.5~24億円。
3000坪×75万円=22億5千万円
【建築仕様の見直し】
暖房費を節約するために建築仕様は外断熱仕様、免震構造が必要か否かは地盤調査後に決める。屋上にはソーラパネルを設置する。災害時用の井戸を掘る。成央小学校付近は昔あった造り酒屋「色媛」の水源地で良質の地下水あり。
【実務見直しとレイアウトの再検討】
病院事務局はカルテ管理を中心として院内実務の見直しをやり、新しい実務設計にしたがって外来診察ブース仕様を見直す。
用途の優先順位を決めてスペースが3000坪で収まるように院内調整を行う。まとめた基本仕様はホームページ上で全面公開する。
【更新予定設備投資額の見直し】
購入予定医療機器もリストを公開して、安い買い方を検討する。民間病院では定価の3割から5割カットが医療機器購入の常識だろう。
【システム仕様の見直し】
コストは詰める気さえあればかなり詰めることができる。システム投資と医療機器への投資(約20億円?)は病院規模(135ベッドの小規模病院、年間売上21~25億円)から考えて過大すぎる。
【建築発注】
基本仕様をまとめたら、予算内で建築を引き受けるゼネコンを募集する。契約書には地元業者を下請けに使う旨明記すればいい。好い加減な建築業者と契約すると何かと理由をつけて予算オーバーになることがあるので要注意。建築仕様の詰めもしっかりしておく。
【建て替え事業に伴う小学校統廃合】
生徒数が減少しているのに小中学校の統廃合が一向に進まないが、この機会に市街化地域の小学校の統廃合をしてしまえばいい。小規模校化は学力低下の一因にもなっている。
【PERT Chartによるジョブ管理】
この仕事はパートチャートを使ってプロジェクト管理を徹底すべきだろう。この程度のジョブ管理はPERT技法を使えば確実にできる。PERTについては古典的なジョブとスケジュール管理技法だから説明しない。ウィキペディアに説明があるので参照されたい。
できない言い訳は無用だ。関連部署の協力があればPERT Chartは描けるし、ある程度のスキルがあれば仕事の管理は完璧にできる。
専門知識や経験をもった市民が参加できる建て替えプロジェクトチームをつくればいい。それこそ仕事人による「真のオール根室」体制だ。
市教委や成央小学校の協力も要る。組織横断的に動かすためにプロジェクト方式が必要である。関係者が皆で協力すれば2月着工のスケジュール管理は十分可能だ。建築費だけでも10億円カットできる。この額は「耐震化交付金11.92億円」の額に近い。システム投資額や医療機器購入費用もカットできる。
早い話しが、国の耐震化交付金額をはるかに上回る「総事業費」カットは可能だ。
【自浄作用が根室の町を変える】
わたしは地元経済界や市役所幹部の「自浄作用」に期待している。市民と一緒になって、一つの目標に向かって努力し、期限内に仕事を達成できれば、それを契機に町は変る。市の財政破綻も回避できるだろう。現市長が考えを改めることができれば穏やかに事を進められるが、彼にそれができるだろうか。
プロジェクトを成功させるには、関連する人々が正直に誠実に仕事をするだけでよい。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」の精神で事にあたれば素晴らしい仕事になるだろう。
自分の損得は横において、ふるさとの町のために皆で汗をかけば、いろいろな問題が連鎖的にほどけていく。課題は困難なほどいい、たしかな達成感があるからだ。
* #1142『市立病院建て替えにかかわる地元経済界の役割』
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-08-02
#1142 市立根室病院建て替えに関する地元経済界の役割 Aug. 2, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]
【明細情報はどこにある?】
あらためて病院ホームページにある「新・市立根室病院新築基本構想」「~基本計画」を見て驚いた。肝心の建て替え費用の内訳がのっていない。何を見ればわかるのだろう?せめて、当該情報を検索できるように関連情報があるURLは明記すべきだろう。
【コンサル提言の2倍の予算と杜撰な仕事、そしていたずらに広い建物】
総額62億円の建て替えであるが、いつの間にかシステム費用が当初5億円から7億円へ増額されていた。その点をブログで指摘したら、市側は建て替え事業費からシステム費用を外した。おかしな話である。暖房費を半分以下にできる外断熱は仕様にないし、フロアごとの設計も明らかではない。常勤医が十数名なのに外来ブースは30もあるという。病棟担当医もいるから、不要な数だ。いたずらに広く、それが建築費の増額に拍車をかけている。地盤の関係から免震構造は不要だ。見直すべきことがまだまだたくさんある。それも基本の関わることだ。仕事のやり方も面積に大きく影響する。カルテ管理がその代表例だ。
病院事務局が本来やるべき仕事を誠実に・正直にしていないようにみえる。
そもそも、建て替えにかかわる総事業費は建物本体工事、取り壊し工事、医療機器、システム投資、引越し費用などからなっているはずだが、市立病院のホームページを見てもそうした情報がない。情報公開が不十分だ。新聞社は市への取材で大まかな情報をつかんでいる筈だ。一度載ったような気もする。
交付金は耐震化交付金が11.92億円。起債にかかわる交付措置が22.53億円、その他と合わせて合計35.61億円、カバー率は総事業費の57.3%とあるから、それ以外の約26億円は根室市の負担となる。
現状の市立病院は199ベッド延床面積が10,901㎡である。建て替え後は135ベッド延床面積13500㎡になる。
【市長が招聘した病院コンサルタント長隆氏の懸念どおりの結果】
病院コンサルタントの長隆氏は根室市に招聘されて2008年10月6日市の幹部職員を前に講演会を開いた。時間は午後3時、場所は商工会館2階ABホールである。
「一番のガンは、無駄な面積が多い。建築費は単価と面積なんですね。公立病院は、やたら面積を大きくする」
病院を建てる際の注意事項をこのように述べている。現状は彼の懸念どおりになってしまった。ちなみに、この講演会は市費で行われている。講演会議事録を見ると主催は根室市保健医療対策協議会、会長長谷川俊輔となっている。もう一点、大事な指摘がある。
「199床80億円だと。そんな話しがありましたがとんでもありません。採算がとれるはずがありません」
と総事業費30億円での建て替えを提案している。ここで批判されているのは6年ほど前に市民説明会が一度だけあったニホロ移転案だ。これは現市長が助役時代のことで、土地単価に虚偽説明があり、あとで北海道新聞が地主から取材してインチキを暴いた。それでニホロ移転案がつぶれた。
現在地での建て替え案について市側は一度も市民説明かを開いていない。インチキ説明をした当時の助役が現市長である。市民説明会にはよほど懲りたのかもしれないが、やってもらわないと困る。
これらの情報は「市立根室病院建て替え」カテゴリーにあるから、そこをクリックして探してほしい。3分もあれば出てくる。
【市議会はノーチェックで市側提案を丸呑み、承認済み】
市は現状199ベッド10,901㎡を135ベッドに67.8%に減らしながら、面積は1.3倍に増やす案で建て替えを強行する。残念なのか、当然なのか、市議会のチェック機能はまったく働かなかった。コンサルタントの危惧どおりの路線をひた走っている。なぜだろう。市長選挙が近い。オール根室と称して経済団体を中心に民主党根室支部や地元選出の国会議員まで巻き込んで、オール与党体制で現市長応援ということになりそうだ。
【おいしい仕事の行く末は?】
このままいけば、本来30億円プラスアルファぐらいで済むはずのものが2倍の62億円の予算を投じて建て替えられる。地元でJVを組むか、どこか大手ゼネコンが絡んでJV方式で落札し、地元業者へ下請けされる。2倍の予算なら下請けは旨味がある、確実においしい仕事になるだろう。その結果根室はどのような人災を被ることになるのか、夕張市の例を思い出してくれ。
【関係者の自浄能力が問われている】
私はちょっと待ってくれといいたい。君らも多くが根室で育った人間だろう?このまま62億円で建て替えをしたら、病院事業実質赤字は年間最大20億円を超え、根室は財政破綻する可能性が大きい。
君らにはふるさとの町を救おうという気持ちはないのか?自分たちさえ潤えば、ふるさとの町が財政破綻しても構わないのか?そんなことはないと信じたい。
破綻すれば市役所職員の半数はリストラになる。残った職員も給与は30%カットだ。せっかく建て替えた病院も夕張のように診療所になれば、入院病棟が稼動できない。診療所に必要な病院スタッフは半分以下だ。相場から考えて給与は多くても60%だろう。ふるさとの町を離れる人がたくさんでる。
破綻の引き金を引く地元経済界人、病院幹部職員、市議、君らやその家族、親戚はこの狭い根室で10年経たないうちに肩身の狭い思いをすることにならないのか?そんな思いをさせる必要はない。ただ真面目に仕事をすればいいだけだ。
地元経済人は目先の利益にだまされるな。この事業で利益を得る必要はない。雇っている従業員に給料が払えて経費が出れば十分、トントンでいいだろう。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」の心になれ。「関連業者よし、市役所職員よし、市民よしの三方よし」で行こうではないか?
正念場だぞ。このまま走れば、根室の町は財政破綻の可能性が大きくなる。年間実質赤字はピーク時には20億円を超えるだろう。一般会計からそのような巨額の持ち出しを何年も続けられるのか?市の財政課に聞いてみるがいい。「できません」と即答するだろう。
次のブログで解決案を提案したい。経済界人と市役所職員と市民が手を結ばないと不可能な仕事だ。ふるさとの町を財政破綻させないというこころある根室経済界人がいるなら、一緒に考えてくれ。そして毅然として自らが為すべきことを為してくれ。
市長の無投票当選が事実上決まったという新聞報道がなされている。このままだとブレーキなしで破綻へ向かって突っ走ることになる。最後のチャンスだ。
一番簡単なのは現市長が思いとどまることだ。ストップして、半年で計画を作り直せばいいし、それは可能だ。その上で病院職員と地元経済界に全面協力をお願いすればいい。正直に・誠実に仕事をすれば、相当に困難な仕事も達成可能になるものだ。