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流氷の減少は気候変動への警告だ:〈ⅲ〉 [18. global warming]

流氷の減少は気候変動への警告だ:〈ⅲ〉

 根室測候所が明治22年に観測を始めてから、真冬日が最小値=6日を記録した。だが、真冬日の記録は12年前からしかない。だから、どれくらい異常なのか皆目見当がつかない。5百年遡っても、千年遡ってもないのかもしれない。
 予告したとおり、昨年3月14日のジャパンタイムズの記事を紹介する。
(この記事は根室の将来に関係があるので、高校生対象の時事英語・夏期講習授業で採り上げた。地元ネタで面白いものは教材に使うことにしている。そこが教科書や学校の授業と違う)

Diminishing ice floes raise climate alarm
  Hokkaido frets as global warming encroaches on once-frigid shores
  By Jun Hongo
    ABASHIRI, Hokkaido-- Plowing his icebreaker, the Aurora, into drift ice 10 km off Abashiri, Hokkaido, Capt. Keiichi Hori smiles bitterly as tourists onboard cheer the crunching sound of the boat's progress.
    "This is nothing. Real drift ice would not sound like this," Hori, 52 explained. Although Abashiri is known as the world southernmost part of the world to experience Arctic ice flows, the 10-year skipper confirmed that drift ice has become "thinner and thinner" in recent years.----
    Warning that the small, wintry city is not alone in being affected by a planet that is rapidly overheating, the amount and size of the ice floes have changed, "and the change came quickly in the last four to five years," Hori said.
    According to statistics gathered by the Sapporo District Meteorological Observatory, Abashiri had ice floes for an average of 87 days annually between 1971 and 2000.----
    But the amount of ice has dropped drastically in the last four years, and its presence declined to a mere 65days on average between 2004 and 2007. Although there were six occdasions since 1946 when floes were around for more than 110 days, this hasn't ocdcured in the last two decades.
    A recet study by Hokkaido University also revealed that the water temprature in Okhosk has risen six-tenths of a degree in the last 50 years.
    Sakae Gorai, former mayor of the town of Shari in Abashiri, recalled his younger days, when there were "mountains" of drift ice that would cover the sea throughout winter.---

  抜粋して転載した。観光砕氷船操縦に10年の経験があるオーロラ号船長の堀さんは、近年流氷がどんどん薄くなっていると語っている。網走の町も地球温暖化の影響を受けて温暖化しつつある。氷の大きさがはっきり変わってしまった。とくにこの4・5年で急速に流氷の大きさが変わった。
 札幌管区気象台の観測データによれば、網走の流氷は1971年から2000年まで年平均接岸期間が87日間だった。1946年から6回110日を越えることがあった。しかし、この20年間流氷接岸期間が110日を越えたことはない。
 氷の量は最近4年間で急激に減少した。2004年から2007年の平均接岸期間が65日にまで減少したのである。
 北大の最近の研究によれば、オホーツク海の海水温が50年間で0.6度上昇している。前網走市長のゴライさんによれば、その昔彼が子どもの頃には、冬の間中海は山脈のような氷で覆われていたという。

 氷が山脈のように連なって海岸に3~5メートルもの高さに折り重なっている姿は、昨年沿岸氷で根室の海岸に見られた。北海道新聞にもカラーで大きくその写真が採り上げられたので、ご記憶の方も多いだろう。前網走市長によればそういう氷の山が冬中網走の海岸を埋めていたという。
 昨日の北海道新聞朝刊で、根室の真冬日が120年間の観測史上最小値であることが報じられた。昨年3月のジャパンタイムズの記事と比較することで、見えてくるものがある。
 根室の真冬日減少は、大きな変化=地球温暖化との関わりで捉えるべきなのだろうか?昨夜9時半の気温はマイナス5.6度、めっきり冷え込んでいた。このほうが安心できる。 

 長くなったので、もう1回書こうと思う。テーマは地球温暖化からそれてしまうが、同じ紙面に根室商工会議所会頭の山下さんと根室観光協会長の碓氷ミナ子さん(造り酒屋"北の勝"碓氷勝三郎店主)の意見が載っている。タイトルは「自然保護と沿岸漁業のジレンマに直面する根室」である。
  Nemuro faces fisheries-conservation dilemma
 わが故郷はどのようなジレンマに直面しているのか、具体的な事実を知ることができる。その上で、水産業と観光業の両立に、あなたはどのような意見を持つのだろう。

 2009年2月4日 ebisu-blog#519
  総閲覧数:73,379 /436 days(2月4日0時30分


真冬日最小の6日(北海道新聞):〈ⅱ〉 [18. global warming]

真冬日最小の6日(北海道新聞):〈ⅱ〉

 昨日の聞きかじりのニュースが朝刊に載っていたので、訂正かたがた転載しておく。
 同じテーマで3回連続でブログを書いてみたい。明日は昨年3月頃のジャパンタイムズ記事を探して紹介するつもりだ。流氷観光船の船長の証言と根室観光協会長の碓氷さん(北の勝の醸造元・碓氷商店主)のコメントを抜粋しようと思う。乞うご期待。

真冬日最小の6日
  平年の3分の1足らず
【根室】1月の根室管内は、根室市で真冬日が6日と、観測史上もっとも少なくなるなど、記録的な暖かさだった。羅臼や中標津町などの四観測地点でも、月平均気温が過去最高となった。
 根室測候所によると、冬型の気圧配置が長続きせず、北海道付近を通過する低気圧が例年より多かったため、南から温かい風が吹き込みやすかったという。
 根室では1889年(明治22年)の観測開始以来、最高気温が零度に届かない真冬日は、1903年の7日が最小だった。今年は、平年の20.6日の3分の1にも満たなかった。
 月平均気温は羅臼が氷点下2.2度、厚床(根室)が同3.1度、加味し別(中標津)が同4.4度中標津空港(同)が同4.5度で、それぞれ過去最高を更新。根室は同1.2度で過去3番目の高さだった。
 一方、降雪の合計は根室が平年より、23センチ少ない44センチ、中標津は同4センチ多い141センチだった。
 同観測所は「2月の気温は平年並みか、平年より高くなる可能性が大きい」と見ている。(幸坂浩)


《コメント》
 記者の幸坂さんは取材してしっかりしたデータを並べてくれた。
 根室は北海道では早くから拓けているので、明治22年から気象観測記録が残っている。だから、この120年間で今年が一番真冬日が少ないことが分かった。もし、300年前から記録があったらどうだったのだろう。興味あるデータ比較だが、残念ながらそのようなデータがあるはずもない。記録活動を継続することがいかに大切なことかが分かる。文化や伝統はそうした営為の積み重ねである。

 さて、わが町の小学校の統廃合について一言いっておかねばなるまい。道内有数の伝統校である花咲小学校は創立135年になるが、これを廃校にしようという愚かな意見がある。ことの本質が見えていないからだろう。
 残す小学校の場所は純粋に地理的利便性のみを考慮して決めるべきだろう。しかし、根室の文化遺産のひとつともいうべき花咲小学校を潰してはならない。たとえ市の財政が破綻して小学校がひとつになろうとも花咲小学校という名前は残すべきだ。根室人の「常識」が問われている。

 英国人なら、大学の数が多すぎるから一番古いオックスフォードを潰そうなどという人は一人もおるまい
 ・・・比喩はときにことの本質をあらわにすることがある。

(南伝の原始仏教経典にみるお釈迦様は実に比喩の上手なお方のようだ。衆生にお説きになるときは、巧みな比喩を使っている。増谷文雄訳『阿含経典』(全6巻、筑摩書房)が読みやすいのだが絶版となっている。紙質が悪かったせいか私の蔵書は色焼けしている。筑摩書房はこの名著をぜひ再版・復刻してもらいたい。上村勝彦著『ダンマパダ』(1987年、筑摩書房)は初期仏教の解説本として面白い。彼は出家による厳しい修行を「反社会」主義と断ずる。家庭や社会を破壊するものという意味だ。この本はアマゾンで入手できる。上村氏はこの本を書いた後、ヒンズー教の経典『パガヴァッド・ギーター』(1992年、岩波文庫)を翻訳している。彼はその解説本を筑摩文庫で数冊出版している。
 原始仏教経典は、岩波文庫『ブッダのことば』『ブッダの真理のことば・感興のことば』が入手しやすい。もう故人だが中村元先生の訳だ。)

 2009年2月3日 ebisu-blog#518
  総閲覧数:73,045 /435 days(2月3日12時26分


根室真冬日5日、観測史上最小を記録:〈ⅰ〉 [18. global warming]

根室真冬日5日、観測史上最小を記録:〈ⅰ〉

 暖かい、2年続けて雪がめっきり少なくなった。今年はまだ雪掻きで大汗をかくことがない。なんだかヘンだと思っていたら、ニュースで根室・釧路は仲良くそろって真冬日が観測史上最小を記録したという。根室が5日、釧路が6日である。聞き逃したが、たぶん1月のデータだろう。
 昨年3月のジャパンタイムズの記事によれば、網走の流氷の接岸日数が近年顕著に減り、流氷観光船の船長によれば、流氷の厚みも半分以下になっているという。今年は根室に流氷が接岸するのだろうか。昨年は沿岸氷はそこそこあったが、流氷の接岸はなかったと思う。

 冬はがっちりしばれて、雪もそこそこ降るのが冬らしくていい。風連湖の結氷が遅れていたが、そろそろ凍っただろうか?風連湖で氷下漁が始まれば、大鷲が氷の上にこぼれた魚を拾いに十数羽集まってくる。氷上に散らばった魚は鷲にもおすそ分けをしようという漁師の心配りだろう。冬の根室は鳥たちにとっても楽しい季節だ。
 鳥と人が仲良く暮らす町、根室。

  2009年2月2日 ebisu-blog#517
  総閲覧数:72,846 /434 days(2月2日23時45分

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