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#3199 GPIFの運用資金が210兆円に膨れ上がった Dec. 9, 2015 [91.経済]

 一時は2万円を超えた日経平均も昨日は19,492.60円で205.55円値下がりしている。株価に一喜一憂してもしょうがない、長期的にどうなるのかということを年金基金とからめて考えたい。

 公務員の共済年金(運用資金30兆円)や独立行政法人の年金基金(運用資金50兆円)が10月にGPIFに統合されたようだ。
 昨年7月の弊ブログ#2729でとりあげていたのを忘れていた。

#2729より抜粋
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2.<基金が来年度80兆円増え、42兆円が市場に投下される>
 7月8日NHKラジオ番組「ビジネス展望」で内橋克人氏が次のように警告している。
 来年(2015年)10月に公務員の年金基金(30兆円)と百を越える独立行政法人の年金基金(50兆円)が厚生年金に統合され、GPIFの保有資産が210兆円になるから、そのうちの20%となると政府機関保有の上場株式は3倍弱に増えることになる
・・・
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 統合される80兆円の年金基金がGPIFと同じように運用変更されていれば、株式市場に投入できる余力は数兆円しかないが、それが以前のままの運用形態なら、FPIFが国内株式市場に投じることのできる資金は、10兆円増えることになる。

   80兆円×12.5%=10兆円

 国内株への運用資金は総額52.5兆円で、東証1部株式時価総額(5/22終値ベース、591兆円)の約10%にもなる。日銀買い入れ分も含めたらどれくらいになるのだろう。株式市場が政府によって操作されており、正常な市場機能が麻痺している。

*東証1部の時価総額が過去最高を更新
http://thepage.jp/detail/20150527-00000005-wordleaf?utm_expid=90592221-48.hwO5r5EoTSCBuGKgIeW2Fg.0&utm_referrer=http%3A%2F%2Fwww.google.co.jp%2Furl%3Furl%3Dhttp%3A%2F%2Fthepage.jp%2Fdetail%2F20150527-00000005-wordleaf%26rct%3Dj%26frm%3D1%26q%3D%26esrc%3Ds%26sa%3DU%26ved%3D0ahUKEwil2o6EyM3JAhWE26YKHW45DpMQFggfMAI%26usg%3DAFQjCNEt7W_xTxXfaJK1MkiIvxwxddbvJw

 まだ数兆円残しているから、10兆円の追加があれば、しばらく株の買い支えができる、1年間ほどは株価維持が可能だろう。
 しかし、この資金はいずれ取り崩して年金支給に使われるから、株式市場へ恒常的な売り圧力となり、株価暴落の運命はまぬがれない。運用資金が毀損すれば支給額を下げざるをえなくなるが、そのときには安倍政権はないのだ。
 普通の人はこういうことをやらない、自分の私利私欲のために公金に手をつけるようなことはためらうのが庶民の感覚、GPIFの独立性が担保されていないからこういうことがおきる。
 ツケは100%年金受給者に支給額減となってまわってくる。

 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」

 『大辞林』によれば公徳心とは、「社会生活における道徳を重んじる心」とある。近江商人の「三方よし」は江戸時代から普遍的な商道徳として受け継がれてきたものである。民主党もそうだったが、政権を握ると、自分に都合のよいことばかり考え、公徳心をなくすものらしい。
 数年間の一時的な存在である時の政権が、自らの政権維持に年金基金を利用してはならない。基金運用は50年単位で運用しなければならないから、慎重の上にも慎重でなければならないのだが、日銀もGPIFも時の政権からの独立性がいつのまにかなくなってしまった。ブレーキのない車が暴走しているようなもので、長期的にはクラッシュは免れない。
 国民が民主的な手続きである選挙を通じて安倍政権を選択した、その結果だから受け入れるしかないが、見方を変えれば民主主義の危機でもある。現行制度の下では、わずか1/4の得票率で過半数を大きく超える議席を制することができる。そしてこのように大概のことがやれる。

 年金支払いのためにGPIFが基金を取り崩し始めるまで何年あるのだろう。そのときに大きな人為的災害となってツケが国民にまわってくる。

 私利私欲を脇において考え・判断し、果断に行動できる健全な保守主義を標榜する政治勢力が台頭してもらいたい。


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【GPIFの株式運用増額とそのリスクに関連する弊ブログ・トピックス】

*#3193 こんなものではすまない GPIF損失7.9兆円  Dec. 1, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-12-01

 #3114 年金機構に数兆円規模の評価損がでるのか? Aug. 25, 2015 
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 #3087 外国人持ち株比率3割の意味するもの:金子勝慶応大教授 July 21, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-07-20

 #3019 株価と経済:立教大山口義行教授の論 Apr. 8, 2015 
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 #2729 年金基金の運用資産が130兆円から210兆円に増える:危うい株式投資 July 9, 2014 
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 #2715 GPIFの株購入と銀行保有リスク資産に関わるBIS規制変更 June 25, 2014 
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 #2245  円安はそんなにいいことか? Mar. 17, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-17


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#3193 こんなものではすまない GPIF損失7.9兆円  Dec. 1, 2015 [91.経済]

 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が7.9兆円もの損失を出しました。安倍総理のごり押しで、株式運用の割合を2倍に増やした結果です。自民党内ではあのときも異論が出てきませんでした。総理の言うことに異論を唱えたら、選挙での公認の保証がなくなるから国会議員たちは異論がいえません。健全な保守主義が失われて、独裁政治がはじまっています。
 独立性が失われたのは、GPIFだけではありません、日銀もその独立性が失われ、異次元の超低金利政策で政権に迎合しています。じつにあさましい姿です。
 年金積立金は年金支払いで取り崩されるから、GPIFが買い込んだ株式も国債も長期にわたって売り続けられ、値崩れを起こすことになりますから、もうこれはどうにもなりません。
 株式は都市銀行がBIS規制強化で持ち合い株9兆円を市場で処分するさいに値崩れを防ぐためにGPIFで買い支えた経緯があります。
 円安誘導による株高は日銀の「異次元のゼロ金利政策」で演出されました。円は安倍政権直前の80円/ドルから50%も円安になったままでです。そういうバイアスを除けば、日経平均はまだ5000円以上高いので、日銀の金融政策に破綻が来れば株価は一気に半分程度に落ち込むリスクを抱えています。予想される損失額が最終的にどれくらいの大きさになるか、日経新聞記事の一番下に書かれた運用割合を見てください。リスクの大きい国内株式と外国株式は9月末積立金残高135.1兆円にそれぞれの割合を乗じて、金額を付け加えて起きました。

11/30 日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL30HTU_Q5A131C1000000/
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GPIF、運用赤字7兆8899億円 7~9月期、足元は改善か


 公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が30日発表した2015年7~9月期の運用実績は、7兆8899億円の赤字だった。期間収益率はマイナス5.59%(4~6月期はプラス1.92%)となり、14年1~3月期以来、6四半期ぶりのマイナス運用となった。世界的な株安が進んだのに加え、円相場の上昇で海外資産の評価損が出た。10月以降は株式相場の持ち直しで運用収益は改善しているとみられる。

 GPIFは国民年金と厚生年金の積立金を国内外の株式や債券に分散投資している。運用資産額は9月末時点で135兆1087億円。自主運用を始めた01年度以降で最高だった6月末時点(141兆1209億円)から減少した。

 資産構成別の収益の内訳(市場運用分)は、国内株式が4兆3154億円、外国株式が3兆6552億円、外国債券が2408億円の赤字だった。一方、国内債券は3022億円の黒字だった。

 9月末時点の積立金全体の資産構成は、外債の比率が13.60%と6月末時点(13.08%)から上昇し、これまでの最高(14年12月末、13.14%)を更新した。GPIFが目安の中心値とする15%にやや近づいた。国内債は38.95%と6月末(37.95%)から上昇し、目安の中心値である35%を上回っている。一方、国内株式は21.35%(6月末23.39%)、外国株式は21.64%(同22.32%)と、いずれも前四半期から低下。それぞれ目安中心値の25%には達しなかった。

 7~9月期の収益率(市場運用分)は、リーマン・ショック後の2008年10~12月期(マイナス6.09%)以来の下落幅となった。もっとも10月以降は株式相場が持ち直し、GPIFの運用収益は改善しているとみられる。野村証券の西川昌宏チーフ財政アナリストは11月27日時点で、昨年度末と比べ約1.9兆円の運用黒字が出ていると試算。SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストは四半期別にみると、4~6月期の落ち込みが足元までに一巡し、今のところ収益はほぼ均衡したとみている。

【GPIFの資産構成】

      9月末(6月末)

国内債券  38.95%(37.95%)
国内株式  21.35%(23.39%) ⇒28.8兆円
外国債券  13.60%(13.08%)
外国株式  21.64%(22.32%) ⇒29.2兆円
短期資産  4.46%(3.27%)

〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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 日経新聞記事によれば、GPIFは7.9兆円の損失を出し、運用資金を141兆円から135兆円に減らしてしまった。公務員共済年金基金の残高は80兆円ほどあったはず、これがどれくらいの損失を出したのかニュースに流れていません。運用は右へ習いでしょうから、5兆円近い損失が出ているのはないでしょうか?
 仮にGPIFが140兆円、公務員共済年金基金が80兆円、それぞれの原資をの21%を昨年10月以降、日本の株式市場に投じたとすると、
   220兆円×21%=46.2兆円
 42兆円もの資金が日本の株式市場に投じられたことになります。これと日銀の異次元のゼロ金利政策による円安演出がなければ、BIS規制強化で都市銀行が9兆円もの持ち株を売りに出したときに、日経平均は12000円割れをしていたでしょう。
 今日(12/1)の日経平均終値は20,012.40ですが、安倍総理は政権維持のための株高演出がお上手です。

 GPIFは「長い目で見てもらいたい」と言い訳をしていますがとんでもありません、長い目で見たら、年金積立金を取り崩して年金支払いに充当しなければならないから、株式市場にとっては恒常的な売り圧力となり、日経平均株価は1万円以下に値崩れを起こすことになります。最大で、株式運用した分のおおよそ半額程度が毀損してしまうリスクがあります。そのリスクは時間の経過と共に現実に転化します。すべては自公の政権維持のためですが、自民党も公明党も支持者たちの大半はそのようなことを望んでいないでしょう。
(でも、そういう人を結果として選んでしまったのです。同じことを繰り返さぬためにはここはよく考える必要があります。)
 買い入れた株式の売却の時期が来れば、さらに巨額の損失が生じて、その分だけで2割程度の年金支給額減となりそうです。
 安倍政権は自分の経済政策(アベノミクス)を正当化するために、国民の年金積立金を博打に投じたと言ってよいでしょう、そのツケは国民に回ってきます。
 後の人たちの負担を小さくするために、わたしたち団塊世代はあまり長生きしてはいけません、お迎えのときがきたらじたばたせずにさっさとおさらばしましょう。食べられなくなったらそのまま死ぬのが自然です、苦しくありません、幸せな死です。家族の誰かが看取ってくれればそれだけで十分ではありませんか。延命治療はいらぬと書いて、わたしは妻と子どもに預けておきます。

 自民党内部からでも外部からでも構いません、世のため人のために健全な保守主義を標榜する勢力が台頭してきてくれることを期待しています。


*GPIFのポートフォリオ方針変更
http://fis.nri.co.jp/ja-JP/service/keyword/2015/201501.html

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【GPIFの株式運用増額とそのリスクに関連する弊ブログ・トピックス】

*#3114 年金機構に数兆円規模の評価損がでるのか? Aug. 25, 2015 
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 #3087 外国人持ち株比率3割の意味するもの:金子勝慶応大教授 July 21, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-07-20

 #3019 株価と経済:立教大山口義行教授の論 Apr. 8, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-04-07-1

 #2729 年金基金の運用資産が130兆円から210兆円に増える:危うい株式投資 July 9, 2014 
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 #2715 GPIFの株購入と銀行保有リスク資産に関わるBIS規制変更 June 25, 2014 
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 #2245  円安はそんなにいいことか? Mar. 17, 2013 
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#3169 軽減税率を考える:同志社大教授浜矩子 Nov. 2, 2015 [91.経済]

 NHKに「マイあさラジオ」という番組があり、その中に「社会の見方・私の視点」というコーナがある。6時43分から10分間前後の短いものだが、大学教授やアナリスト、研究所のシニア研究員や代表者などが入れ替わり、時事問題を解説してくれている。
 慶応大の金子勝、アナリストの森永卓郎、日本総研の寺島実郎、経済評論家の内橋克人など多彩な顔ぶれのコーナ。
 わたしは朝、微睡(まどろみ)ながらこのコーナを聴くのを楽しみにしている。

 今朝(11/2)は「軽減税率を考える」というタイトルで、同志社大教授の浜矩子が快刀乱麻を断ってみせてくれたので紹介したい。

 消費税で低所得者層が生活困難に陥るのは本末転倒であるというのが、浜さんの基本的なスタンス。税は本来所得の再分配機能を担うものであるのだから、消費税課税強化によって、救われるべき低所得者層が生活困難に陥るのは本末転倒ということなのだろう。それを是正するのが、軽減税率であるから、セットで実施するのが当たり前。
 ここで浜さんは貧困率データを挙げた。貧困率とは所得110万未満の層の割合だが、日本は16%を越えている(2010年のOECD調査では17.3%)。世界で一番貧困率の低いデンマークは5-6%であるから、日本はその3倍もある。税制は貧困率改善の方向に作用するように仕組まれなければならないということ。

 消費税アップは是か非かというコメンテータの質問に、浜さんは政府財政が破綻すれば、国民は大迷惑をこうむるので致し方なしというスタンス。軽減税率は逆進性の解消にならないという一部の意見に対しては、軽減税率導入をしたくない者たちの屁理屈に過ぎぬとばっさり切って棄てる。消費税の導入で貧乏人が生活困難に追いやられることが、そもそもおかしい、ちゃんとした補完措置をとるべきで、それが軽減税率の役割。軽減税率と同時に金持ちが贅沢品を買う場合には重税を課すべきだと主張。
 経済学の生みの親であると巷間言われている『諸国民の富』の著者A.Smithは、贅沢品には標準税率よりも思い加重税率を適用すべきとはっきり書いている。
 給付金方式についてのコメンテータの質問に、やるなとは言わぬが、それで軽減税率をやめるのはとんでもない話で、貧乏人いじめにならないようにすべきだと答えている。

 ヨーロッパは標準税率を高く設定して、基礎的生活物資への軽減税率と贅沢品への加重税率でバランスをとっている。
 インボイス方式が面倒だという意見に対しては、もともと消費税を導入するときにそうすべきだったのであり、それをサボタージュしたのがそもそも間違い。ヨーロッパはインボイス方式でやっているし、日本人はヨーロッパの国々の国民よりも計算能力が高いのだからやれないはずがないとばっさり。

 いま一番重要なことは、消費税率を上げることで貧乏人が生活破綻しないようにすること。以上が浜矩子さんの意見である。

 加重税率についてはさまざまな方法が考えられる。
 たとえば、500万円以上の車には価格の30%の取得税を適用、1億円を超える住宅には30%の取得税を課す、高級レストランには30%の消費税を課す、資本金10億円を超える企業の法人税を50%にするというように、所得再分配を考慮した増税の方法はいくらでもあるのだが、政府はそうしたことを検討していないようだ。
 ノブリス・オブリージュ(高貴なる者の義務)というのは英国の伝統であるが、ヨーロッパでは一部の富裕層から自分たちの税金を上げろという声が上がっている。
 日本の大企業の経営者たちは自分たちの役員報酬ばかり上げていないで、国の借金が1200兆円にもなっているのだから、大企業に増税して借金を減らせと声を上げたらいかが?経団連が率先してやればいい。
 そういうことをしたくない大企業と企業経営者は、さっさと日本から他の国へ本社を移して出て行けばよい。日本の一部上場企業株の3割以上を外国人投資家がもっている。



 
< 余談:貧困率とマルクス資本論を超えた「21世紀の経済学」 >
 貧困率ランキングデータを探してみたら、次のものがヒットした。
*「世界・貧困層の人口割合ランキング(CIA版)」
http://top10.sakura.ne.jp/CIA-RANK2046R.html

 このデータは米国CIAのワールドファクトブックに基づいている。
「日本の貧困層の人口割合は、16.0%で、世界ランキングの順位は120位です。ランキングの1位はチャドの80.0%、2位はリベリアの80.0%、3位はハイチの80.0%です。ランキングの最下位は台湾の1.5%です。」

 面白いのは偏差値表示のあることで、日本42.6、ドイツ42.3、米国42.1、デンマーク41.1、カナダ38.9、中国37.1、台湾34.5となっている。受験偏差値と異なり、偏差値が低いほうが貧困率が低い、つまり偏差値の低いほうがよい状態だということ。100から引いてみたら日本人にはなじみやすい。そうした変換をすると、日本は57.4だから、道内の大学だと小樽商大よりも少し上、北大には届かない。
 浜さんが世界一貧困率の低い国として挙げたデンマークはここでは162か国中133位だから、貧困率の低いほうから順に並べると30番目ということになる。調査年度がばらばらであることに注意。

 同じ年度で並べたOECDの最新(2010年度)の調査データがウィキペディアに載っていたので、こちらも紹介しておく。
**貧困線 ウィキペデアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A7%E5%9B%B0%E7%B7%9A
「日本の貧困率について表した最新のデータであるOECD2010年の統計によれば、日本の相対的貧困率は16.0%で、この年に調査された国の中では、イスラエルの20.9%、メキシコの20.4%、トルコの19.3%、チリの18%アメリカ合衆国の17.4%に次いで6番目に相対的貧困が高い。次いでスペインの15.4%、韓国の14.9%、オーストラリアの14.4%、ギリシャの14.3%、イタリアの13%と続く[10][11]

これは、日本の貧困率が先進国の中でもかなり高い部類に入っていることが示されている。OECDの調査した35か国の相対的貧困率平均は11.3%。日本より貧困率が高いメキシコトルコチリはいずれもOECDには加盟しているが、先進国とはっきり言える経済力ではないため、その点を踏まえると、日本は先進国の中でイスラエル、アメリカに次いで3番目に貧困率が高い国という見方もできる。逆に、西欧諸国は大半が10%以下であり、全調査国中もっとも低いチェコの5.8%とデンマークの6%を筆頭に、北欧諸国の貧困率が低い

厚生労働省の調査では、日本の相対的貧困は2012年の時点で16.1%であり、データが存在する1985年以降、1991年1994年1997年2000年2003年2006年2009年2012年という3年ごとの調査の中で最も高い数値となっている[12]

2013年国民生活基礎調査では、日本の2012年の等価可処分所得の中央値(名目値244万円、1985年基準実質値221万円)の半分(名目値122万円、1985年基準実質値111万円)未満が、相対的貧困率の対象となる。各名目値で単身者では手取り所得が約122万円、2人世帯では約173万円、3人世帯では約211万円、4人世帯では約244万円に相当する。

1年の総労働時間を法定労働時間2096時間~2080時間とすれば、名目値122万円の年収に達する時給は約583円~587円以上となり最低賃金水準を下回る、2人世帯では時給約826円~832円、3人世帯では時給約1,007円~1,015円、4人世帯では時給約1,165円~1,174円で名目値の年収に達する。

子どもの貧困率は16.3%、子どもがいる現役世帯の貧困率が15.1%で2項目ともデータが存在する1985年以降で最も高い数値となっている。子どもがいる現役世帯のうち大人の貧困率が一人54.6%、大人が二人以上の貧困率が12.4%となっている。※大人とは18歳以上の者、子どもとは17歳以下の者をいい、現役世帯とは世帯主が18歳以上65歳未満の世帯をいう。」

 面白いのは、日本の植民地であった台湾が貧困率が世界で一番低いことだ。台湾は古き良き時代の日本文化や倫理観を受け継いでいるのではないだろうか。一億総中流社会と言われたのは30年ほど前のこと、日本が変わりすぎた。
 この30年間で、日本の経済格差が欧米並みに拡大したことが貧困率の上昇に現れている。小泉政権も安倍政権も欧米型の格差経済社会を目指して労働に関する規制緩和を行ってきた。その結果がこれである、日本が模範とすべきは欧米型の経済社会ではない。職人仕事中心の格差の小さい高度経済社会を目指すべきだ。A.Smith、D.Ricard、Marx『資本論』を超えた21世紀の経済学がここにある

 #3097-6は相対的貧困率を論じた
 #3097-6 資本論と21世紀の経済学(改訂第2版)-6  Aug. 4, 2015  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-08-04

 #3097 資本論と21世紀の経済学(改訂第2版) <目次>  Aug. 2, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-08-15

 #3121 既成経済理論での経済政策論議の限界 Sep. 1, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-01-1

 #3148 日本の安全保障と経済学  Oct. 1, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-10-01

 #3162 絵空事の介護離職ゼロ:健全な保守主義はどこへ? Oct, 24, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-10-23

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#3129 中国株式市場に異変:市場が酸欠状態に! Sep. 10, 2015 [91.経済]

 中国の取引所が指数の変動を抑える「サーキットブレーカ」方式を提案、中国政府が長期投資に有利な配当課税への優遇策を打ち出し、株価の下落がとまった。
 ところが、売買量が激減し、株式市場が窒息しそうな状況を呈し始めている。

 東京市場は昨日日経平均が1343.43円も上がったが、その後を受けたNYダウは239.11ドル下げている。
 中国市場で売買量が激減し、国際投資ファンドが中国株式市場の異変を理解したからだろう。国際金融資本や市場原理主義たちから眺めたら、中国株式市場の窒息は株価下落よりもずっと大きな問題なのである。

  48年前に読んだ『誰がために鐘はなる』の序に掲げられたジョン・ダンの詩を思い出した。「何人」を中国、「汝」を市場原理主義者たちと国際金融資本と読み替えてみたら、昨日と今日の事情がよくわかる。
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何人(なんぴと)も一島嶼(いちとうしょ)にては非(あら)ず
何人も自らにして全(すべ)きは無し
人は皆大陸(くが)の一塊(ひとくれ)
本土の一片(ひとひら)
その一片の土塊(つちくれ)を波の来たりて洗いゆけば
洗われしだけ欧州の土の失せるは
さながらに岬の失せる也(なり)
汝(な)が友や汝(なれ)自らの荘園(その)の失せる也(なり)
何人の身罷(みまか)り逝(ゆ)くも是(これ)に似て自らを殺(そ)ぐに等し
其(そ)は我も又人類の一部なれば
故に問う勿(なか)れ、
誰(た)が為に鐘は鳴る也(や)と、
其(そ)は汝(な)が為に鳴るなれば
(ジョン・ダン/大久保泰雄訳)
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 経済学は経験科学であるから、まったく新しい政策を導入したら何が起こるか予測することができない。ましてや新手の二つドラスティックな株価下落対策を打ち出したのだから、その副作用を注視せざるをえない。
 理論は新しい現実を見て組み立てられる。

 今朝の東京市場の反応に注目したい。

  (追記: 9/10日経平均終値 18,299.02円  ▲470.89 )


*#3121 既成経済理論での経済政策論議の限界 Sep. 1, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-01-1

**#3097 資本論と21世紀の経済学(改訂第2版) <目次>  Aug. 2, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-08-15



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#3114 年金機構に数兆円規模の評価損がでるのか? Aug. 25, 2015 [91.経済]

 この一週間で株価がどれくらい下がったのか日経平均で見ると、1679円である。比較のためにNYダウも並べておく。

       日経225銘柄平均  ニューヨーク・ダウ工業30種
 8月17日  20,554.47円     17,511.34$
 8月25日  18,874.83円     15,871.35$
  差し引き  1,679.64円      1,639.99$


 ドル・ベースで5年間の日経平均の推移をみると次のようになっている。

2011年8月25日   8,772.36円/77.58円/$=113.08$
2012年8月24日   9,070.76円/78.86円/$=115.02$
2013年8月25日 13,636.28円/98.23円/$=138.82$
2014年8月25日 15,613.25円/104.07円/$=150.03$
2015年8月25日 17,874.83円/119.08円/$=150.08$

*2012年12月26日第二次安倍政権発足

 日経平均は1週間で2,000円低下したが、昨年8月と比べるとドル・ベースでは動いていないことがわかる。
   150.03$⇒150.08$

 ドル・ベースの推移では2013年に23$、2014年に12ドル値上がりしただけである。最近1週間で1679.64円下がってドル・ベースで同じ水準に落ち着いたということ。
 こうしてみると日経平均は為替レートの影響を受けていることがわかる。東証1部上場株の外人投資家比率が1/3を超えているから、外人投資家の売買と為替変動が日経平均の変動幅を大きくしている。

 要するに、国力を弱めて円安誘導すれば日経平均株価は上がるのであるアベノミクスによる異次元の金融緩和策が異常な円安を引き起こしたことは2011年からの為替レートの年次推移をみれば一目瞭然である。

   
2011    2012   2013   2014    2015年
   77.58⇒78.86⇒98.23⇒104.07⇒118.38円/$


 日銀が大量の株式買い入れを行い、そしてGPIF(年金基金管理運用独立行政法人)が130兆円の資産のうち、国内株式に従来12%を投資していたのを政府の圧力で25%に上げた。これで16.9兆円が日本株式取得へと向かった。公務員共済年金基金の残高は80兆円だが、これもGPIFと同様に国内株式比率を上げたとすると10.4兆円である。27兆円もの資金が株式相場を吊り上げるために国内株式市場に投下されつつある。
 GPIFが買い入れられる国内株式は残るところ1~2兆円といわれているから、一時的な問題を別にすれば、もういままでのように株価を高い水準に誘導できる力にはなり得ない。あとは日銀が買い支えるだけ。その日銀も国債保有残高が300兆円を超えて、財務省が発行し日銀が買い入れるという、ウロボロス化している。財政の健全性を担保するために、日銀には独立性が求められるが、中学公民で教えられるのとは真逆のことが安倍政権の下で実際に行われている。
 ざっくり見るとなにが起きたのかよくわかる、9000円から20000円への日経平均の上昇の半分は、二重の意味でアベノミクスによる自作自演だった


 GPIFや共済年金基金は米国株式にも同規模の買いを入れているから、今年度末には巨額の評価損失を出す恐れが出てきた
 リスクが大きいので、米国は年金基金の株式運用を禁じている。日本政府は政権維持のために日経平均を過大に見せようとして、自作自演の円安・株高をやり、巨額の損失を出しつつある。この損失は年金受給額を減らすことによってあがなわれる

<試算>
 日経平均がNYダウと同様にドル・ベースで10%下げたとして、そのときに為替レートが110円としたら、日経平均はおおよそどれくらいになるか?

 150$*0.9*(110円/$)=14,850

 これぐらいまで下がっても外人投資家から見た日経平均は、底値ではなく適正な株価変動の範囲内に見える。
 株価上昇分のうちの半分がアベノミクスによる自作自演と考えると、15,000~18,000円の間の16,500円ぐらいが日経平均の現在のところの実力相応の相場だろう。


<余談-1>
 2011年8月のドル・ベース日経平均で現在の為替レートで日経平均を逆算すると、次のようになる。

  113$*119円/$=13,447円

 もちろん、2011年3月の東北大地震やそのときの福島第一原発メルトダウンなどの影響があったし、現在の株価は株価収益率でみたら適正だということはできる。しかし、東証Ⅰ部上場企業の税引き後利益自体が、内需や景気しだい、原油価格しだい、貿易収支や経常収支尻の赤字幅しだい、為替レートの変動しだいで、大きく動いてしまうから、株価収益率(ROE)だけを尺度にして日経平均株価の水準を論じるのは危険であることはいうまでもない。株価は多角的に考察すべきものなのである。

 著しく偏った経済政策であるアベノミクス三本の矢は、そういう意味で一方向からだけの危うい視点でなされているといえる。こんなにバランス感覚を欠いた経済運営は稀である。

<余談-2:預金封鎖>
 戦後まもなく預金封鎖が行われた。戦前から赤字国債を膨らまし続けたから、それを国民の預金で帳消しにするために政府が行った。政府と地方自治体の借金の総額は1200兆円に近づいている。いつまた、同じことが起きるかわからぬ。
 年金も怪しくなってきた、3割減るのは時間の問題だ。個人にとっては預金を半分くらい不動産に替えておくことくらいしか対策はなさそうである。まあ、ハチャメチャなひどいことになりそうだから、覚悟だけはしておかねばなるまい。民主党の不甲斐なさに懲りて、自民党へ票を預けたのが間違いだった。いやどちらに預けても似たような結果だったのだろう。わたしたちには選択肢がなかったのだ。
 自民党政治家の全員が安倍氏と同じではあるまい、国をつぶしてしまう前に健全な保守主義に戻ろうではないか、それが良識というものだとわたしは思う
 健全な保守主義を支える21世紀の経済学についてはカテゴリー『資本論と21世紀の経済学第2版』ですでに明らかにしている。四百字詰め原稿用紙で450枚ほどの分量がある。


*#2715 GPIFの株購入と銀行保有リスク資産に関わるBIS規制変更 June 25, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25


*#3097 資本論と21世紀の経済学(改訂第2版) <目次>  Aug. 2, 20
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-08-15




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#3103 やはり三日連続の切り下げ 人民元  Aug. 13, 2015 [91.経済]

 今日も小刻みな切り下げをやるのではないかと思っていたら、お昼のNHKニュースが人民元が1.1%切り下げられて、三日連続4.6%の切り下げとなったと告げていた。

 国内の景気が低迷して、輸出を増やしたい事情があるならこんな程度の切り下げではすまない。たとえば、日本は安倍政権誕生前に比べて80円⇒120円台/$への5割の円安である。30%は元安を演出しないと輸出ドライブがかからないだろうから、様子を見ながら小刻みな元安がしばらく続くと読むべきなのだろう。その一方で輸入物価を押し上げることになり、「不景気+物価高」に陥りかねないので、おっかなびっくり小刻みの切り下げとなったのだろう。中国政府は通貨政策に不慣れなのである。

 上海株が暴落してあわてて取引をストップしたり、株の売却を制限したりと、なりふり構わない露骨な介入が続いていた。言論の自由や人権を求める動きに対しても強権発動という対応をしているが、どちらをみても中国政府の対応は幼い。

 世界の工場は割高になった中国を逃げ出し、インドやミャンマーやベトナや、タイへ移りつつあるから、小刻みな元安では輸出は増えない。元安はこれらの国々に影響があるだろうから、対抗して自国通貨の切り下げ競争が起きかねない。
 中国はサイズが大きいのだから、大人の振る舞いを身につけなければならないのだが、無理な注文である。わが国の政府はこの数年間アベノミクスという「異次元ゼロ金利」で臨み5割もの円安誘導を実現し子どもじみた振る舞いをしている。じっと見ていた中国が真似しはじめたのかもしれない。
 自分たちのグループさえよければいいというのがTPPだ、自分さえよければいいという国が増えていき、弱肉強食が当たり前になればどういう経済社会が現出するのか考えなくてもわかるだろう。
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」に基づいた経済運営のお手本を日本が示さなければならないのだが、安倍政権はそれとは真逆の経済政策を狂ったように推し進めている。美しい日本を目指していたはずだったが、まっとうな道を歩くのはむずかしいのだろう、「近道反応」的な経済政策選択が多い。わたしにはかれの経済政策も国会での野党議員との議論も幼児性の表れにみえる。

 国内の景気対策に他に打つ手がないために、中国はこのまま小刻みな元安を続ける可能性が強く、周辺諸国への影響があるから、かの国の通貨政策をしばらく見守ったほうがよさそうだ。もちろんわが国の経済政策も同列である。

(GPIF(年金機構)の株保有はすでに限度いっぱいに近づいており、あと1.5兆円ほどしか買い入れ余力がなく、株高の演出が限界にきている。公共投資も前年比で大きなマイナスである、財政出動という第一の矢も、失速しつつある。財政出動と異次元のゼロ利政策で自動的に成長できると考えていた節がある、トリクルダウンでの内需拡大を信じていたのだろう。成長戦略はいまだに姿が見えない。)


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#3019 株価と経済:立教大山口義行教授の論 Apr. 8, 2015 [91.経済]

 4月7日の日経平均は19640.54円で、もうすぐ2万円に手が届きそうな勢いである。「株価は経済の鏡である」と言われているが、日経平均は経済の鏡になっているだろうかというのが、3/30NHKラジオ番組「社会の見方わたしの視点」での山口義行教授(立教大学経済学部教授、専門は金融論)の論点であった。

 日経平均(日経225)とは東証1部上場企業1700社の内の225社の平均株価であるが、この指標に経済の実態が映し出されているだろうか?山口教授は三つの論点を挙げた。

(1)日経平均はきわめて少数の企業の株価の動きを反映している。
  上場企業株3500社の内の225社の平均であり、株価の高い上位20社の構成率が50%を超える。わずか上位4社で構成率20%である。
 論より証拠、二つ事例を挙げていた。
 3月8日に315円アップしたが、1/3の112円はファーストリテイリングの値上がりによる。
 3月15日に263円アップしたが、約半分はファナックの値上がりによる。
 このように1社の株価の動向で日経平均が大きく動く。

(2)最近の日経平均は官制相場ではないかとの声が多い。
 売買の7割は外人投資家だったが、1月と2月は売り込んでいるのに株価が上がっている。買い手は信託銀行であるが、GPIF(年金機構)が信託銀行に買い注文を出している。公的なお金が入ると日経平均は上がるが、これでは経済の実態を反映しているとは言いがたい。

(3)日経平均は輸出関連企業が多いから円安メリットが大きい。ところが多くの企業は円安による原料高、仕入コスト高で業績が悪化している。
 マスコミは日経平均が上がっていると経済が良くなっていると報道しがちだが、それは事実と違っている。多くの企業が仕入コストアップや電気料金、ガス料金、ガソリン価格の上昇で採算を悪化させている。

 マスコミは経済の現場を取材すべきだし、政府は経済政策が事実上の株価対策みたいにならないように実態を見据えた政策運営をすべきだというのが、山口教授の主張である。

<ebisuの辛口コメント:株価暴落リスク増大>
 わたしは山口教授の論点にもう一つ付け加えたい。基金140兆円の半分70兆円が内外の株式市場に投じられつつある、GPIFは保有国債を売却して株式を購入する。売られた国債は結果として日銀が購入しているから、実質的にはGPIFを介して日銀が株式買い付けをしているようなものだ。株式も国債も市場機能が麻痺して官制相場になっている、市場の調節作用は失われているから市場で突然に何が起きても不思議ではない。
 基本的なことが忘れられている、GPIFが年金支払いのために保有株式を売却するときが数年後に来る。数兆円単位で保有株式の売却を始めたときに株式市場は暴落することになる。相場はピーク時の1/3~1/5になるのが通例であるから、年金基金に大きな毀損が生ずる。これはほとんど避けようがない。原資が減るから年金支払いへも大きな影響が出る。
 国民の皆さん、そして保守政治家を自称する諸君、このままでは年金基金に大きな穴が開いてしまうが、御身大事とこのまま見過ごしていいのかね。

 大部分の企業が円安によるコストアップで業績が悪化している。アベノミクスが何を引き起こしつつあるかはすでに明らか。経済音痴の首相、そして無責任な発言を繰り返した経済政策ブレーン(浜田宏一東大名誉教授)のコンビによるアベノミクスがこれからさらにどれほどの災厄を引き起こすのか、しっかり目を開いて結果をみたらいい。
 人口減少時代に経済成長をいつまでも唱え、公的資金と投入してまでも株価を吊り上げて政権延命を図る浅ましさには、あきれてものが言えぬ。
 内部から強い批判が出てきて当然だと思うが、出てこないところをみると、自民党は昔とちっとも変わっていないのか?少子高齢化で人口減少時代に突入し、経済成長ではなく経済縮小へと大きく変わてしまっている。時代と経済政策のギャップが安倍政権になって急拡大しているから、どこかでカタストロフィーが起きるが、それがいつかはだれにもわからない。東北大震災のように突然日本を襲う、それは自然災害ではなく、現政権によって人為的に引き起こされる災害である。日本経済と国民の生活は致命的なダメージを受け、どん底から再生することになる。智慧と決断があれば人為的な災害は防ぐことができる。
 地方選挙が始まったが、中標津も根室も道会議員は現職が告示と同時に無投票当選が決定、地方は人材が枯渇してしまって対立候補すら出現せず、まったく変わりようがない。選挙制度はあっても選挙民は選びようがない。国債や株式相場と同じで、ここでも市場原理(競争原理)が失われている。
 



*#2935 『資本論』と経済学(1):「目次」 Jan. 25, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-25

 #2936 『資本論』と経済学(2):「1.経済現象と日本の国益」 Jan. 26, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-26

 #2937 『資本論』と経済学(3):「円安はいいことか?80⇒120円/$の威力」 Jan. 27, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27

 #2938 『資本論』と経済学(4) : 「経済学とは?」 Jan. 27, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27-1

 #2939 『資本論』と経済学(5) : 「『資本論』の章別編成」 Jan. 27, 2015  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27-2

 #2941 『資本論』と経済学(6) : 「マルクス著作の出版年表」 Jan. 29, 2015   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-28-1

 #2942 『資本論』と経済学(7) : 「デカルト/科学の方法四つの規則」 Jan. 29, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-28-2

 #2943 『資本論』と経済学(8) : 「ユークリッド『原論」 Jan. 29, 2015   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29

 #2944 『資本論』と経済学(9) : 「何をやりつつあったかは残された文献に聞け」 Jan. 29, 2015    
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-1

 #2945 『資本論』と経済学(10) : 「プルードン「系列の弁証法」 Jan. 29, 2015    
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-2

 #2947 『資本論』と経済学(11) : 「労働観を時間座標系においてみる」 Jan. 29, 2015     
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-4

  #2948 『資本論』と経済学(12) : 公理書き換えによる21世紀の経済学創造」 Jan. 29, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-30

 #2950 『資本論』と経済学(13) : マルクス経済学の体系構成法 Jan. 31, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-1

 #2951 『資本論』と経済学(14) : 「マルクスの労働観と日本人の仕事観」 Jan. 31, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-2

 #2952 『資本論』と経済学(15) : 「ヨーロッパ労働観⇔と日本の仕事観」 Feb.1, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-3

 #2953 『資本論』と経済学(16):「仕事がキツイ!に潜む心(仕事観)の問題」 Feb.1, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-01

 #2955 『資本論』と経済学(17):「要領の悪いものほど忙しいとぼやく」 Feb.3, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-03

 #2958 『資本論』と経済学(18):「教育の職人」 Feb. 5, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-04-2

 #2960 『資本論』と経済学(19):「日本経済の未来」 Feb. 6, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1

 #2961 『資本論』と経済学(20):「経済成長の天井 山田久氏の論」 Feb. 7, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07

 #2964 『資本論』と経済学(21):「過剰富裕化論」 Feb. 8, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-3

 #2966 『資本論』と経済学(22):「相対的貧困率上昇と富裕層増大」 Feb. 9, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-08-1

 #2967 『資本論』と経済学(23):「ピケティの空想的所得再分配論」 Feb. 10, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09

 #2968 『資本論』と経済学(24):「浜矩子 予算案と公共性について」 Feb. 11, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-10

 #2971 『資本論』と経済学(25):「村落共同体と税:自由民と農奴について」 Feb. 12, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-12

 #2972 『資本論』と経済学(26):「文部科学大臣下村博文「教育再生案」について」 Feb. 13, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-12-1

 #2973 『資本論』と経済学(27):「注-1~5」 Feb. 13, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13

 #2974 『資本論』と経済学(28):「注ー6」と主要文献リスト Feb. 14, 2015  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13-1

 #3015 人工知能の開発が人類滅亡をもたらすホーキング博士(資本論と経済学-補遺1) Apr. 2, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

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#2880 ネットで検索してもわからぬ日本の外貨準備高 Nov. 24, 2014 [91.経済]

<増え続ける外貨準備高と米国財務省証券保有高>
 日本の外貨準備金の大半は米国財務省証券一本で運用されているようだが、その金額は財務省の「外国為替特別会計」を検索してもさっぱりわからない。公表の仕方が変わっていくら保有しているのかわからない。

*http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/26/pdf/tokukai_h260131.pdf

 仕方がないのでネットで検索したら5月の時点での米国財務省証券保有高のランキングリストが出てきた。ロイターが配信したニュースである。

*「米財務省証券3月はベルギーが保有世界3位に浮上、ロシアは売り」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DV1NP20140515

 情けない話だ。日本人が自国の外貨準備保有高を知りたくて財務省のホームページを検索しても、その残高がわからない。しかたなくロイターの配信したニュースで知るというていたらく、情けないったらありゃしない。

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[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米財務省が15日に発表した3月の海外投資家による対米証券投資統計では、米財務省証券投資の買い越し額は前月から大きく減少したものの、ベルギーが継続的に買い進め、中国と日本に次ぐ3位の保有国に浮上したことが分かった。

一方、ロシアは短期証券を中心に258億ドル売却。統計に含まれる国のなかで最大となった。

3月の米財務省証券投資の買い越し額は259億ドルとなり、2月の925億ドルから大きく減少した。ただベルギーは402億ドルの買い越し。同国の過去5カ月間の買い越し額は約2011億ドルに達している。

3月時点のベルギーの米財務省証券保有高は3814億ドル。中国(1兆2721億ドル)、日本(1兆2002億ドル)に次ぐ3位に浮上した。」
------------------------------------------------

 1兆2002億ドルだそうだ。118円/$だと141.6兆円になる。過剰なドル買い支えによる円安があるから、トヨタは膨大な利益を手にすることができる。政府によるドル買い支えがなければ80円/ドルを超える円高となり、ガソリンや食料品などの輸入品の物価が下がり、トヨタの利益は数千億円減るのではないか。
 アベノミクスはGDPの12%を占めるに過ぎない輸出産業の擁護のために141兆円もの資金を投じて米国財務省証券を保有して、円安を演出しているということができる。米国財務省証券を売るということはドル売り円買いだから、円高になる。

 貿易収支尻はすでに年額十兆円を超える赤字で、まもなく経常収支尻も赤字になるが、そうすれば日本は米国財務省証券の買い手から売り手に替わる。大口の買い手を失った米国財務省証券の金利が上がることになる。
 日銀もいつかは国際の大量買入れをストップしなければならないが、そのときに市場で国債を売るためには日本の国債金利も上がることになる。金利が上がれば日本政府財政はアウト。

(2014年上期の貿易収支赤字額は7兆5984億円)
*http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_trade-balance


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#2838 円安評価をめぐる経済界と日銀のズレ:山口義行教授 Oct. 14, 2014  [91.経済]

 10月13日NHKラジオ「ビジネス展望」で立教大学経済学部山口義行教授が「円安評価をめぐる経済界と日銀のズレ」と題して、以下のように日本経済の見通しを述べている。

------------------------------
 山口教授は8~9月に行われたロイターの調査結果を紹介した。資本金10億円以上の大企業に対してなされたものだ。5円刻みで円$相場がどれくらいがよいのかという問に対する回答は次のようになっている。、

 100~105円/$・・・47%
 95~100円/$・・・・21%
 95円/$以下 ・・・・ 7%
  合計        75%

 為替相場は105円/$以下が望ましいという大企業が75%もある、これ以上の量的緩和による円安は歓迎できないというのが資本金10億円以上の大企業の75%を占めている。これ以上日銀が「異次元の量的緩和策」を取り続けることに大企業ですら75%も反対なのである。中小企業の台所は大企業以上に厳しい。
 内需型企業では円安によるコストアップで採算が悪化し困っている。大企業の57%が価格転嫁できないと回答している。たとえば、紙パルプ業界は電力コストアップと円安による為替変動分で利益が出ない。化学業界は需要がゆるんでおりコストアップ分の値上げができない。消費者に近い業界では値上げすると数量が減少してしまう。9月29日に経団連会長が「これ以上の円安は日本経済にマイナス」と発言した。

 ところが日銀の黒田総裁は、10月7日の参議院予算会議で「日本経済全体に円安はマイナスになっていることはない」「景気が下振れすれば量的緩和策を追加する」と言明している。大企業の判断とは正反対、経済の現実が認識できていない。
 バーナンキからジャネット・イエレンに米国FRB議長が変ったが、10月に量的緩和策QE3(月額7~8兆円)をやめることを公表ずみ、世界中にばら撒いたドルを回収し始めている。ゼロ金利も停止し、金利引き上げに走ることになる。米国はなぜこのタイミングでなぜ量的緩和策を転換するのだろう、それなりの理由がなければならないが山口教授はこの点への言及がない。

 日米はまったく反対方向の金融政策をとっているから、円安ドル高の流れは当分の間加速するだろう。

 山口教授は、日銀が金融政策を転換できない理由として、アベノミクスを挙げている。アベノミクスは金融緩和によって景気をよくするというものだった。
 金融緩和⇒景気浮揚

 だから、量的緩和をやめたらアベノミクスは失敗だったということになるし、日銀が株式市場から大量の株式買い入れを行って株価を支えていることも停止しなくてはならなくなる。株価が暴落するからこの点でも安倍総理のイエスマンである黒田日銀は量的緩和をやめられない。
 だが、実体経済はすでにスタグフレーションの様相を呈し始めている、日銀には打つ手が無くなってしまった。
 以上が山口教授の主張である。
------------------------------


《ebisuの捕捉と解説》
 <起>
 経済界はどれくらいの為替相場が妥当だと見ているのかという調査をなぜ国内のマスコミがやらないのだろう?山口教授が挙げたのはロイターの調査データである。日本のマスコミは政権批判となるような調査を避けてはいないだろうか?とくにNHKがひどい。
 まともな経済ブレーンのいない安倍総理が声高に唱えたアベノミクスは、成長戦略というナカミを欠いてボロが出始めた。経済音痴も困ったもので、簡単にだまされ、そして自分の弁舌に酔いしれる。
 ところで金融の量的緩和⇒景気浮揚というわかりやすいシェーマは浜田宏一とかいう経済学者が描いたのではなかったか?東大名誉教授だって、ピンもいりゃあキリもいる、なにもキリをつかまなくったってよさそうなものだ。2年ほど前に亡くなったが過剰富裕化論の馬場宏二先生も東大経済学部教授だった。安倍総理は欲にくらんで人を観る目がないということ。
 失われた20年、デフレをインフレに変え経済成長を成し遂げて歴史に名を残したい、そういう欲望に操られているから、モノゴトの本質や学説の誤りを見逃してしまう。少子高齢化、縄文以来1万2千年ではじめての人口減少時代という認識を視野の外においてしまう。
 目の前の現象をよく観察すればわかること、欲を棄て去ればよく見えるのだが、安倍総理にはそれができない。よほどしっかりしていないと、人間は見たくないものは見ないもののようだ、そうして重要なところで決定的に判断を間違え致命傷になる。

 <承>
 景気浮揚どころか結果は真反対。
 円安と消費税増税によるインフレで、日本経済は深刻なスタブ不レーションに突入しつつあるが、金融緩和をやめるわけにはいかない。やめたら金利は上がりすでの1000兆円を超えた国債が暴落するし、国の財政も金利支払で破綻が明白になる。
 量的緩和策をやめると日銀の株式の買い入れも中止することになるから株価が下がる。80円/$のころ日経平均は8000円ほどだったから、110円/$、40%の円安を考慮すると日経平均は1.1万円が妥当な水準。下がりだしたらとまらないのが相場だから、1万円を切ることも考えられる。年金基金を運用しているGPIFは巨額損失を出すことになる。量的緩和をやめるという選択肢がすでになくなっていたのである。
 いずれ均衡財政に戻らなくてはいけない事態に追い込まれる。夕張市で起きたことが、日本全体で起きる。残念だが回避の手段はすでにない。手を打たなければいけなかったのは20年も前だ。日本は一度苦難の時期を通過しなければならない。痛い思いをして健全な経済システムを創りあげるしかない

 <転-1>
 米国FRBの前議長バーナンキはQE3(3回目の量的緩和策)で月額400億ドルものサブプライムローンを買い入れ続け米国はバブルに踊っていた。市場に任せていたらサブプライムローン証券は売れずバブルは生じなかった。FRBは量的緩和策とゼロ金利でサププライムローンへ「燃料」を送り続けただけではない、サブプライムローン証券を大量に買い入れることでFRBがリスクを抱え込んでしまった。
 証券をリーマンショックであれだけ実害を出したのに、舌の根も乾かぬうちにまた同じ轍を踏んでいる。売れないものだから政府が買い込んでしまったのは、景気浮揚をしたいという欲望に勝てなかったからで、米国経済はまたぞろ巨額の不良債権を隠している。だから金融を引き締め世界中からドルをあるめる必要があったという見方もありうる。FRBの政策転換の裏にはそういう事情が隠されているのではないか。量的緩和策に踊ったのは民間よりも米国政府、それもこれも政権維持のために景気浮揚をしたいから。
 米国は最大の石油産出国になったと喧伝しているが、そのことがドル高の大きな要因となっている。しかしシェールオイルは水平ドリリングで粘頁岩を砕きながら高圧の水を大量に消費しての採掘になるから、コストが高い。垂直ドリリングに比べてコストはずっと高くなるから、原油高が続かないと採算が合わなくなる。ずっと100$/バーレルを超えていた原油相場は80$/バーレルに落ちている。シェール・ガスも従来の垂直ドリリングに比べて圧力の弱まるのが速く、採掘開始10年で産出量が初年度の1%に落ち、あっというまに採算が悪化する。両方ともに大きな投資リスクをはらんでいるから、原油の価格次第で破綻が表面化するのではないだろうか。
 米国の動きを見ているとなにやらきな臭い、リーマンショック以上のことが起きそうな気配が漂い始めている。
*「シェールガス革命という幻想・・・急激に産出量が減るガス田」
http://green.ap.teacup.com/pekepon/1055.html

*「米国におけるシェールガスの生産量は10年後には減少に転じる可能性
http://www.sciencenewsline.jp/articles/2013102819010003.html

*国別埋蔵量チャート
http://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/industry/sangyou/pdf/1045_01_02.pdf


 <転-2>
 日銀は量的緩和策をやめられない、やめたら日銀は国債直接買い入れを縮小しなければならず、国債は買い手を失い金利が上がって暴落する。日本の財政破綻が世界中に知れ渡り、国際通貨としての円の信任が土台から揺らぐ。世界中のヘッジファンドが好機とばかりに円を売り浴びせるだろう。
 日銀が量的緩和策をやめたら、株式を買い入れているから株価も暴落しかねない。それはアベノミクスの失敗を認めることでもある。イエスマンの黒田日銀総裁にはそういう選択肢がない。だからだらだらと金融緩和が続き、円安がとまらず、コストプッシュ型のインフレがひどくなる。
 日銀黒田総裁の量的緩和策には出口戦略がない。ついに袋小路に行き当たってしまった。

 <転-3>
 根室市のように地方交付税交付金を当てにして借金を膨らませてしまった地方自治体はこれからたいへんなことになる。冬の時代が来るのに、夏の服装のままで何の準備もない。3期目の市長さんと部長職の面々、船が沈みかかっているのに欲張りすぎてなんと能天気なことよ。

 <結>
 少子高齢化社会に突入し、縄文時代以来はじめて日本は人口減少時代を迎えている。経済成長は幻想、鎖国(強い管理貿易)をして職人仕事を中心に経済システムを作り直す好機である。自分たちの食べ物は原則として国内で生産する。工業製品は高くついても品質がよく長持ちする国産品を使い、雇用を国内に確保する。国内で生産できないものだけを輸入しよう。ほとんどの工業製品を国産でカバーできるのは日本だけ、いまならまだやり直しができる。団塊世代の技術者がまだいろいろな技術をもっているから、生産の場があればその技術を若い人たちに伝えることができる。だから鎖国(強い管理貿易・人の入出国はもちろん自由)で生産の場を国内に確保する。世代間で技術伝承ができれば、若い人たちには安定した職場が確保できるし、団塊世代が受け継ぎ磨いた技術が絶滅せずにすむ。
 苦難の時代ではあっても技術伝承を世代間で受け継げるいい時代でもあり、それを超えたところに格差の小さい落ち着いた社会がまっている。2世代60年はかかるが、悪いことばかりではない。

 ■仕事は正直に誠実にやる
 ■売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし
 ■小欲知足


*#2775 内閣府「国民経済計算4-6月期」データ解説 Aug. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-13

 #2774 'Bad inflation' shadows Japan (悪性インフレの陰りあり) Aug. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-12

 #2770 「経済成長の天井」:日本総研山田久調査部長の論  Aug. 11, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-11

 #2766 疑問符がついた景気回復の先行き Aug. 9, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-09

 #2759 有効求人倍率1.1倍、19ヶ月連続上昇 Aug. 5, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-05

 #2753 上海福喜食品対米国産牛肉:どっちもどっち? july 30, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-30

 #2742 藤原直哉(前編):物価と景気動向⇒二番底が来る July 21, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-20-1

 #2731 10年間で33%農業人口が減少している日本の農業 July 11, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-11

 #2729 年金基金の運用資産が130兆円から210兆円に増える:危うい株式投資 July 9, 2014 
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 #2715 GPIFの株購入と銀行保有リスク資産に関わるBIS規制変更 June 25, 2014 
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 #2702 残業代をゼロにする"ホワイトカラーエグゼンプション"③:公務員は別扱い June 10, 2014   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-10

 #2701 残業代をゼロにする"ホワイトカラーエグゼンプション"② June 9, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-08

 #2699 残業代をゼロにする"ホワイトカラーエグゼンプション"① June 6, 2014 
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*#2693 鎖国をして国内雇用を確保しよう May 31, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-31

 #2669  成長戦略:規制緩和を考える May 7, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-05

 #2660 庶民の物価感覚 : 消費は落ち込む Apr. 27, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27

  #2643 職人仕事を中心に据えた経済学の創造(3) Apr. 13, 2014 
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#2634 職人仕事を中心に据えた経済学の創造(2) Apr.7, 2014 
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 #2631 職人仕事を中心に据えた経済学の創造(1) Mar. 31, 2014 
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 #2561 物価上昇なんて経済政策はありえない話だ:経済アナリスト藤原直哉 Jan. 10, 2014 
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 #2245  円安はそんなにいいことか? Mar. 17, 2013 
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 #2627 消費税引き上げ+物価上昇>所得増加:三番目の矢はない  Mar. 22, 2014 
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 #2565 人口減少社会を問ふ(2) Jan. 17, 2014 
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 #2564 人口減少社会を問ふ(1) Jan. 16, 2014 
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 #2561 物価上昇なんて経済政策はありえない話だ:経済アナリスト藤原直哉 Jan. 10, 2014 
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 #2554 「日本の経常収支と円を考える」 東洋大教授・中北徹の論 Jan. 3, 2014 
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 #2549 アベノミクス批判 (2):内橋克人 Dec.31, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31

 #2543 インフレと自己責任:リスク増大へ対処の方法はあるか? Dec. 27, 2013 
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 #2540 アベノミクス批判(1):『世界8月号』伊藤光晴論文 Dec. 23, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-23

*#2523 アベノミクスの行く末: 日本総研調査部長の論点 Dec. 9, 2013 
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 #2502 アベノミクスと企業経営 Nov. 18, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-17-3

 #2430 手詰まりの安倍首相 ついに消費税引き上げ決意表明 Oct. 2, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-02

  #2401 消費税値上げ延期なら国債価格は下落 Failure to raise sales tax 'could hurt bond prices' Sep. 9, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-09

  #2388 アベノミクス:雇用規制改革の正体 Aug. 30, 2013 
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  #2385 TPPは再び植民地化を招く:マハティール元首相 Aug. 28, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-28

  #2376 貿易赤字13ヶ月連続 7月最大の1兆240億円 Aug. 20, 2013 
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  #2329 アベノミクス:ナカミがないのに財政健全化を約束 Jun. 12, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-13

  #2321 株価暴落はどこまで続くのか?:とりあえずの目安は11,250円 Jun. 4, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-04-1

  #2311 どうにも解せぬこと ミャンマーへ債務免除 : プライマリーバランスの回復はするつもりがない? May 26, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-26-1

  #2309 Nikkei dives 7%, ends below 14,500 : May 25, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-25

  #2298 アベノミクスの罪:日経平均15,096.03円 May 16, 2013 
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  #2270 人口減少の衝撃: 2040年の日本の人口は1億727万人:"Japan's depopulation time bomb" : Apr. 21, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-22

  #2256 マネタリーベース270兆円へ拡大:亡国の決断 Apr. 6, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-06

  #2245  円安はそんなにいいことか? Mar. 17, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-17

  #2185 各論(3):'Abenomics' Jan. 24, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-24

 #2170 各論(2):貿易収支赤字転落⇒? Jan. 3, 2013 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-04

  #2169 各論(1):国債暴落の可能性とその影響 Jan.2, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-02

 2168 歴史認識を欠いた安倍新政権の歴史的役割(2):蔵相高橋是清暗殺 Dec. 31, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-31-1

 #2164 歴史認識を欠いた安倍新政権の歴史的役割は何? 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-28

 #2158 自民党圧勝294されど第2の危機民主党惨敗  Dec.17, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18

 #2144 成長路線と金融緩和の罠 : 衆院選挙でナイトメアがはじまる 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-30

 #1828 ゼロ金利の罠: Fed targets and transparency Feb. 3, 2012
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-03

 #829 国家財政破綻の瀬戸際  Dec.12, 2009
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-12-12

 #346 これから10年間の日本経済のシナリオ
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-10-10 


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#2786 歓迎すべき人口減少と経済縮小:広島土砂災害 Aug. 24, 2014 [91.経済]


 日本の総人口が減少し始めている。社会保障・人口問題研究所が地域別の推計値を公表しているので、全国の市町村は人口減少を前提に予算や人員規模を計画的に縮小しなければならない。
もちろん国も予算規模を年々逓減していかなければならないから、国債残高を増やしてはいけないのである。国債残高を増やすとその償還という後年時負担が負担が増大して、予算規模縮小ができなくなる。
 少子化と高齢化と総人口減少そして1000兆円に膨らんだ政府の借金の返済という四重苦を乗り越えた先には、禍福はあざなえる縄のごとしという諺(ことわざ)通りに、食糧や電力の飛躍的な自給率アップ、そして危険地域に住宅を建てなくてすむという世界が広がっている。

 広島市安佐南区と安佐北区で20日午前3時半ころ土砂災害が発生、すでに50人死亡が確認され、38人が行方不明である。事故発生から5日目、3500人が二次災害のリスクを回避しながらいまも懸命の救助作業中だ。安佐南区と安佐北区だけでダンプカー8万台分の土砂が堆積しているという。これを取り除いても十数年後にはまた同じような規模の土砂災害に見舞われる、崩落を繰り返しながら次第になだらかになるそういう地質と地形の場所なのである。崩れてなだらかになったところを削り取って傾斜角度の急な山際を復活すれば、また集中豪雨で土砂崩れを起こすのは必定、復旧工事が土砂崩れの原因となってしまうというジレンマを抱えている。せっかく家を建て直してもまた災害に見舞われる。そういう意味で本来家を建ててはいけない場所なのだろう。
 こういうところでも代々続く旧家は災害に見舞われない地の利のよいところを選んで建てられている、昔の人の智慧ははかりしれない。根室でいうと、お役所関係施設が建てられた場所がそういうところだ。地震があっても揺れの少ない地盤の固いところが数箇所ある。保健所や市立病院、警察と合同庁舎、支庁や市役所の辺りがそうだ。そこから海側に下がったところは2~4mも掘ると良質の粘土層とその下に帯水層が現れる。だから合同庁舎の地震計で測った震度が5なら、それらの軟弱地盤では震度6以上となる。
(市立病院は固い地盤そのものが強固な耐震構造の一部なのである。揺れが小さくなるそこに免震構造の建物を建てても意味がない。免震構造は揺れを増幅するような軟弱地盤で最大の効果を発揮するものだ。)

 事故当日、安倍総理は山梨県鳴沢町の別荘で6時半災害発生の報告を受け、被害状況の確認を関係省庁に指示。その後、別荘近くのゴルフ場で茂木経産大臣、森元総理、加藤勝信官房副長官らとプレーを始めた。総理は午後9時頃ゴルフを中断(茂木経産大臣ら一部はプレーを続行)して帰京、自衛隊の「数百人規模」での出動を命じて、もう一度別荘へ。21日も別荘に滞在して報告を受け、午後官邸へ戻った。
 「大雨の対応で身一つで来てしまったため」別荘に物を取りに戻ったと釈明していた。着の身着のままというのは家が壊れ、九死に一生の思いで脱出してきた被災者のほう、無神経すぎた。

 広島市郊外は山際に住宅地が迫っており、アサ土という土質で集中豪雨になると崩れやすいのだそうだ。テレビ映像の伝えるところに拠れば、木槌で叩いただけでばらばらと崩れるし、岩塊に見えても手でにぎっても崩れる物すらある。そして集中豪雨で大量の水を含むと泥状になりぬかるみに変るから、傾斜面は重さに耐えかねて崩れることになる。
 こういう土質の山際はもともと住宅地としては開発してはいけない場所だが、人口増加で危険を承知で開発を進めたのだろう。後から来た住民はそうした危険地帯に家を建てざるを得ない。こういう条件の住宅地は人口の急増した地方の比較的大きな都市に多い。経済成長の負の側面だ。
 人口が半分になれば、危険なところには住宅を建てなくてすむから、人口減少は歓迎すべきことだろう。2080年には人口は半減、6587万人になるから、危ないところに家を建てる必要がなくなる。日本列島の地形を考慮すると、国民全員が比較的安全な場所に住むには、人口は三分の一くらいが理想的なのではないだろうか。広い裏庭で自家食用の野菜も栽培できるだろう、どなたか専門家が公開資料を駆使して計算してほしい。

 人口推計資料を10年ごとの数字にまとめてみたので、ご覧戴きたい。

 社会保障・人口問題研究所推計
総人口減少数 
(2010)128,057  100.0%
(2020)124,100 3,957 96.9%
(2030)116,618 7,482 91.1%
(2040)107,276 9,342 83.8%
(2050)97,076 10,200 75.8%
(2060)86,737 10,339 67.7%
(2070)75,904 10,833 59.3%
(2080)65,875 10,029 51.4%
(2090)57,269 8,606 44.7%
(2100)49,591 7,678 38.7%
(2110)42,860 6,731 33.5%



 2010年1億2805万人の人口が、26年後の2040年には1億727万人に減少、30年間で16.2%減少する。
(2048年には現在の高校1年生が49歳になっているが、その年に日本の人口は1億人を割る。)
 一人当たり国民所得が同じなら、GDPも16%減少する。2010年のGDPは512兆円だから、おおよそ429兆円に83兆円縮小する計算になる。日本はすでに百年間続く経済縮小時代へ突入しているのである。
 百年後の2110年には4286万人、2010年の33.5%にまで人口が減少して現在の1/3になる。GDPは171兆円だ。一人当たり国民所得がどうなっているかが問題だが、非正規雇用を増やして利益をだすような劣悪な経営者達がうごめく経済社会のままなら、日本経済の未来は国民にとって悲惨なことになってしまう。経営者のマインドと実際の経営のやり方を変えなければならない。

 なぜ人口減少と経済縮小がよいかというと、戦後の人口増加で山を削って無理な宅地開発をした結果、危険地帯に住宅がたくさんできてしまった。人口が2/3に減れば本来建ててはいけない所に建てなくてすむ。2060年には人口はおおよそ現在の2/3になる。

 もう一つよいことはエネルギーだ。一人当たり消費エネルギーを現在と同じだと前提すると、百年後には33.5%でいいことになる。表を見てもらいたい、原子力発電の必要はない。
 96年後の2110年には、人口は4286万人で2010年の33.5%で間に合う計算になる。

 エネルギー事情を電力のエネルギー別構成割合表にまとめてみた。

 電力<エネルギー別構成割合>
現在百年後
LNG48%2%
石炭28%2%
石油13%2%
水力9%9%
再生可能2%10%
原子力0%0%
メタンハイドレート0%9%
100%34% 


 LNGの輸入は1/24に減らせる、石炭は1/14に、石油は1/6に減らせる。輸入に見合う安心安全な農水産物と長持ちする工業製品を少量輸出すれば貿易収支はバランスできる。
 いまは2%しかない再生エネルギーを5倍に増やせば、水力とあわせて19%が賄える。全体で33.5%でいいのだから、これだけで電力需要全体の57%が自給できるのである。
 これに農業用水路や中小河川でで稼動できる小型水力発電などを組み合わせたらいい。さらに排他的経済水域に眠るメタンハイドレートを追加すれば、エネルギーは自給可能になるだろう。日本はどの国に対してもエネルギー依存をしなくて良い国へと生まれ変わることができる。

 1941年8月1日米国大統領フランクリン・ルーズベルトは日本への石油禁輸強化を発令、米国からの石油輸入は完全に止まった。この措置で日本との戦争になることは米国海軍の専門家が指摘していたことで、対日経済制裁措置を延期すべきだという意見も米議会内にはあった。
 日本が太平洋戦争をせざるを得なかったのは米国やオランダなどの原油輸出禁止によるエネルギー封鎖が大きな原因のひとつ。原油を輸入できなければ国内の工場が稼動できなくなるという事態に追い込まれた、軍への航空機燃料も途絶えることになる。国家存亡のリスクを犯してインドネシアなどへ出ざるを得なくなった。

 同じ目に遭わないためには、エネルギーの海外依存度を低くし、経済構造を変えてしまえばいい。そのためには人口減少が効果的だ。
 人口を減らせばエネルギー自給率をアップできるだけでなく食糧自給率もアップできる。そして強い管理貿易(鎖国)によって国内に生産拠点を取り戻し、値段は高くとも安心安全な国産品を購入するように消費行動を変えれば、若者たちに安定した職を与えることができる。スキルは仕事がなければ磨くことができない。正規雇用の職がなければ十年単位で特定の仕事のスキルを磨くことはいちじるしく困難だ。スキルを磨くことのできない20代の若者たちは10年後には30代となり、20年後には40代となり、親達は退職している。社会に出てから特定の仕事のスキルを磨かなければ食べて行くことができない。仕事がないことそれ自体がストレスであり、心を病む者が増える。このような状態は国民経済的に見ると大きな損失である。「経済鎖国」をして国内に生産拠点を増やして若者たちに手仕事を確保しよう、安心安全な食べ物や長持ちする工業製品をつくろう。
 発展途上国には手仕事をベースにした日本型自立経済システムをまるごと輸出すればいい。正直で誠実をモットーにした、手仕事の職人経済社会を世界中に広めよう。日本人と人類の未来のために率先して経済構造の転換をやり遂げて見せよう。

 ■ 小欲知足
 ■ 正直に誠実に渾身の力で仕事をする
 ■ 売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし


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