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#5130 めずらしいwayの用法:it's way too small. Dec. 15, 2023 [49.1 英語音読トレーニング]

 NHKラジオ英会話放送(大西泰斗先生)を聞いていたら、wayの珍しい用法がでてきました。12/12の放送分です。


That's good. I like to cook sometimes. My only issue is this closet. It's way too small.
 (それはいいね。僕は時々料理したいから。一つだけ問題なのはこのクローゼットだ。あまりにも小さすぎるよ)

 wayが「道・方法」ではないことは、前段の話題からすぐにわかりますね。クローゼットの話だから、「小さすぎる」といっているだけ。too smallはwayの説明語句ではないということ。これは「指定ルール:指定は前に置く」ですから、too smallという形容詞句を指定するのは副詞しかありません。それで、辞書を引くとway2というのがありました。「副詞:はるか、ずっと、ずいぶん」(『スーパーアンカー』)。

 高校1年生のみなさん、辞書を引くときは、品詞に見当をつけてから引く癖をつけましょう。2年生や3年生にはあたりまえのことですからね。

 12/14の放送テキストにも興味深い文が載っています。
Cynthia, did you look at the hits chart today?
 (シンシア、今日のヒットチャート見たかい?)
No, I've been busy with other things. What about it?
 (いいえ、あたし忙しかったの。それがどうかしたの?)

 大谷先生はこの "What about ~ ?"は「相手に説明を求める表現です」と説明していました。「~がどうしたのですか?」という意味です。
 その通りですが、では"How about ~ ?"とはどう使い分けるのでしょう?
 お誘いや示唆の場合が"How about ~ ?"の受け持ちです。


 英英辞典を見比べてみます。
how/what about…??
1 used when asking for information about sb/sth or for sb’s opinion or wish
How about Ruth? Have you heard from her lately?
I’m going to have chicken. What about you?
(わたしは地金にするつもりだけど、あなたは何にするの?)
2 used when making a suggestion
What about going to a film tonight?
(今夜映画をみにいくのはどう?)
Oxford Wordpower Dictionary [コピーライト] Oxford University Press 2012

How/What about?
used when suggesting or offering something to someone
How about a trip to the zoo this afternoon?
    (午後、動物園へ行かない?)
"Coffee, Sarah?" "No, thanks." "What about you, Kate?"?
 CALDより引用

 オックスフォードの例文には示唆・お誘いにwhatの方を挙げています。これを"How about going to a film this night?"と書いてもOKですね。でもニュアンスは違います。
 CALDは"How about ~ ?"の例文は明らかにお誘いですね。"What about ~ ?"の方は「サラ、珈琲は?いらないわ。ケイト、あなたは何にする?」と水なのかお茶なのかお酒なのかわかりませんが、「何か」に重点を置いています。相手の意見を尋ねる感じが出ています。ここでHowを使うと、(わたしは珈琲を飲むけど)あなたも飲まない?」というお誘いの感じが強く出ます。そういうことなのでしょうね、ニュアンスが違ってくる。
 だけど、そんなことを考えていたら、会話できませんね。(笑)
 意識せずにとっさに口を突いて出てくるようにトレーニングしなきゃいけません。それには実際に会話するのが一番手っ取り早いのかもしれません。

 日本語での解説サイトを二つ見つけましたので紹介します。
①「3分で簡単にわかる!「what about」と「how about」の違いとは?意味や使い分けを英会話講師がわかりやすく解説!

How about と What about の違いは何? 使い分けのポイントを解説!


 受験英語で割り切るなら①でも結構ですが、英英辞典2冊の説明とも比較検討した結果、②の方に軍配を上げたいと思います。

 さて、この話の要点は本文中のアンダーラインのところです。whatが出てきたら類似表現のHowとどのように使い分けるのかという疑問が出るか出ないかは、社会人や研究者になったときには、致命的な差になります。一番大事なのは問題を発見することなのです。そういうトレーニングを小中高生のうちにどれだけしましたか?
 教育の最重要部分のひとつは、物事に触れて疑問が出るか出ないかということ。好奇心がなければ、疑問が出ずに素通りです。疑問が出たら、「なぜだろう」と自分の頭、自分のもっている情報で考えてみることです。そのあとにネットで検索した見たらいい。
 こういう小さな疑問が常に湧き、なぜかと考えることを繰り返すと、それが習慣になります。習慣はいつしか性格の一部を形成することになります。そういうふうにしてよく働く頭脳が創られていきます。


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