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#5102 元塾生からのうれしい知らせ Nov. 3, 2023 [60. 進路(進学・就職)]

 朝8時少し前にスマホが鳴った。バスケットボールに夢中だったK君からだった。日本医療大学保健医療学部リハビリテーション科に推薦合格したと報告がありました。作業療法士になりたいのだそうです。

「おめでとう、よかったな、ところで(膝の)半月板損傷は完治したか?」
「すっかり治ってバスケットやっています」
「作業療法士は国家試験があるからな、4年間勉強の手は抜くなよ」
「はい!」

 K君が塾へ来たのは中1の11月からでした。よくしゃべるバスケットボール大好きの明るい性格の少年で、腕っぷしが強く正義感のある珍しいタイプでしたね。同じ中学校に札幌の進学校へ行った生徒がいました。塾生ではありませんでしたが、柏陵中学校ではダントツの学年トップでした。どこの塾へも通わず、独学で勉強していました。仮にA君としておきます。去年も同じ学校に光洋中学から一人B君が進学しています。B君は札幌の進学校へ合格したくて中3の夏休みから来てました。寡黙なタイプで、宇宙物理の研究者になりたいと言ってました。数学のよくできる生徒でした。数学のセンスの良い生徒は300人弱教えた中で5人くらいいましたが、その中の一人です。部活と受験勉強の二刀流で高校生活をエンジョイしています。国際的な研究者のサークルに入ったときに、部活が思いもかけないところで効果を発揮すると思います。高校に入ってから担当の楽器が変わりました。それもいい兆候です。
 52歳で古里の極東の町へ戻って20年間、300人弱の子どもたちを見てきましたが、いろいろな進路選択がありますね
 この二人の生徒(A君とB君)のように、難関大学への進学を目的として、根室の中学校から札幌の進学高校を選択する生徒が少数います。根室高校は偏差値45の学校ですから、難関大学受験には授業のレベルが低くて不利なことは否めません。それでも、根室高校からたまに進研模試で偏差値75~80の生徒が出ます。育て方次第ですが、ほとんどは進研模試で偏差値65くらいでストップしてしまい、育てきれていないのが実態です。

(たとえばですが、京大物理は国立旭川医大医学部と偏差値では同じくらいです。根室高校から旭川医大へ道北・道東推薦枠で3年前に合格者O君が出ています。総合点で現役トップ合格でした。二次試験の300点満点の小論文で295点ゲットが決め手になったようです。もちろん一般入試でも合格点をクリアしていました。彼は、国立大学へ合格して医師になれたらいいと、3年生の10月ごろに、旭川医大へ道北道東推薦枠のあること自分で調べて、高校の先生の反対を押し切っての受験でした。学校の先生は自分の学力を判断基準に置いて、生徒が難関大学には現役合格できっこないと判断する人がときどきいます。根室高校から東大へ現役合格した最初の生徒は団塊世代よりも10歳くらい先輩で横田さんと言います。東大卒業後に道庁へ就職して、上川支庁長で退職しています。当時の根室高校長が「東大を受験しようなんて身の程知らずの生徒がいる」と発言しています。昔も今も、こういう勘違いの先生がいるようです。たかが大学受験です、長期戦略を立てて坦々と指導したら、偏差値45の根室高校からでも、毎年5~10名は難関大学へ受験可能なレベルに到達できます。
 正直なことを言えば、わたしはO君に北大医学部を受験してほしかった。そのつもりで指導していました。リスクはありますが、合格ラインに届いていました。「国立だったらどこでもいいんです、でも国立現役合格だけは譲れない、道北道東推薦枠で安全に合格を決めたい」そう言っていました。まさか、その推薦枠で26名の応募者のうち、10名の合格者で現役トップだとは本人も考えていませんでした。
 自分で調べて、考え、自分で決断するのが経験値をアップするうえでもよい。道北・道東推薦枠を利用して、1次試験の足切り(応募者の半数を共通テスト得点で足切り)をクリア、そして面接と小論文テストを実施し、それらと共通テストの得点を合計して合否判定という流れです。国立大学医学部の授業料は6年間で360万円ですから、文系私大よりもずっと安いのです。学力のある生徒で医者になりたい人はチャレンジしていたらいい。他になりたい職種、やりたい仕事があるなら、その道へ進んだらいい。)

 中学卒業の時点で、根室高校を選択したバスケット大好き少年と札幌の進学校へ行った生徒は仲がよかったのです。だから、A君のことはK君からしょっちゅう聞いていました。

 体重が増えていたので膝や脚の腱への過負荷が心配でした。2005年頃だったかな、バドミントンの優秀な選手の塾生S君がいました。強いので、自主練もハードにやっていました。筋肉質なので練習すればするほど筋肉がついて体重が増えていきました。それで膝に故障が出ました。バドをあきらめて高校はレスリング部へ。根室高校はレスリングの強豪校でした。全国大会へ出場する1か月ほど前にひざの故障を再発して、出場できませんでした。全国大会で準優勝が確実視されていた生徒でした。部活指導はできても、スポーツ医学に造詣の深い先生は滅多にいません。だから優秀な生徒ほど、壊れてしまいます。野球部でもそういう生徒を2人見ました。一人は陸上・走り幅跳びへ転向、もう一人は釧路武修館高校へ進学して甲子園に出場したN君です。「ピッチャー以外どこでも守れる選手」とテレビで紹介がありましたが、柏陵中学校では4番でピッチャーでした。小学校から投げすぎて肘を痛めて、武修館高校ではピッチャーがやれませんでした。スポーツ医学に関心のある先生が、小学校と中学校で部活指導を担当していたら、甲子園で投げていたでしょう。もったいない。
 バスケットボールも、急に走る角度を変えるので膝への負荷の強いスポーツです。悪い予想は当たってしまい、根室高校のバスケット部へ入ってから、半月板を損傷し、入院・手術、しばらくバスケットがやれる状態ではありませんでした。術後も無理をすると障害が残るので、無理しないようにしていました。あのときは札幌で手術し学校もひと月くらい休まざるを得ませんでしたね。
 中3の時にJBAの公認A級審判の資格を取って、全道を飛び回り、東京で行われる試合にも審判で呼ばれていた生徒ででした。根室では彼がバスケットボールの審判では一番資格が上で、道内最年少のJBA公認A級審判員でした。小学生の時から家の庭にバスケットを設置して、練習に励むほどバスケットボールが大好きな少年でしたね。
 好きなことを目一杯やって、リハビリ期間中はひたすら我慢、そうした経験をする中で最適な進路を見つけたようです。進路は二転三転していました。転んでもただでは起きない偉い奴、おめでとう!とってもうれしい。

<余談:根室高校から難関大学への進学事情>
 根室は人口2.3万人の市です。一番多い時には4.9万人いましたが、道内では人口減少が激しい市のひとつです。団塊世代のわたしたちの頃は、根室市内で中学卒業人数が1000人いましたが、最近は180人くらいです。花咲小学校の在校生は現在は200人前後ですが、団塊世代の時は2000人の大規模校でした。それほど子どもたちの人口が減少してしまっています。

 それでも5~10人ほど、小4から上手に育てたら難関大学に現役合格できるレベルの、素質の高い生徒がいます。でも、いまでは難関大学への現役合格は殆どありません。北大総合理系ですら浪人しないと合格できないというのが実態です。

 弊ブログに根室高校から旭川医大へ現役合格した生徒の学習記録が残してあります。いつまでに何をどのようにやればいいのか、教育戦略を記録してあります。
 この生徒は小5の1月から塾で指導していますから、スケジュールがきつくてぎりぎりでした。間に合ったのは、本人の「現役合格したい」という切なる願いと、強い意志のたまものでした。小4からスタートすればこんな薄氷を踏むような思いはしなくて済みます。(笑)
 根室高校からだって、余裕で、難関大学へ現役合格できますよ。ちゃんとした教育戦略で学べばいいだけです、進学校で学んだ人たちと互角に戦えます。チャレンジしてください。

*B君の数学の力のほどは? この生徒が小4から来てくれていたら、根室高校からでも現役で東大理系へ合格しただろう。こういう生徒が数年に一人いる。寡黙な生徒だったので日本語と英語の音読トレーニングが必要な生徒だった。中3の夏からだったので、学力の高い生徒4人を誘って英語の音読トレーニングを4か月間ほどやった。

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