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#4197 民間検査センターのPCR検査について Mar. 4, 2020 [35. 感染症および自己免疫疾患]

 FBでPCR検査について次のような記述を見つけました。大方の人はPCR検査が高度な技術を要する検査で、急には検査処理数を増やすことができないと漠然と考えているのではないでしょうか。結論から申し上げると、1日当たりの検査処理量は80施設の公的機関が排他的にやっているから900/dayからアップできないのであって、そもそも議論の前提条件に間違いがあることを実証したいと思います。ですから、下記のFBの記事をとりあげたのは、たまたま目についただけで、他意はございません。
*https://www.facebook.com/moriya.akinari/posts/3032166170178767
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とても専門性が高い技術なので
やったことない人にもパッパと教えてやらせるなんてことは到底無理です
経験を積んだベテランが、大学を出て基礎知識のある新人に
1ヶ月ぐらいつきっきりで教えてようやく独り立ち、
というぐらいの技術です
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 獣医師の山下先生が漫画を描いてそれに守屋先生の説明を貼り付け、わかりやすく解説してくれています。PCR検査精度について詳しいそしてわかりやすい解説でとっても便利ですので、ぜひお読みください。新型コロナのPCR検査がどういうものかよくわかります。内容をちゃんと知れば、一度の検査で陰性でも、偽陰性の可能性があるので、しばらく経過観察が必要であること、そしてもう一度念のために検査が必要であることは理解できます。もちろん擬陽性もあるので、これも経過観察が大事です。PCR検査の性質を具体的に知る事で、クラスター感染はあるていど防ぐことができます、デマに惑わされず、あわてずに対応しましょう。
*https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2759828210761221&set=a.2759665554110820&type=3&theater

  国語の読解力の低下を考慮すると、中高生の3割は偽陰性や擬陽性の話を精確に理解できないのではないかと危惧します。それは根室の子どもたちに限らない、日本全国の子どもたちの語彙力や読解力が落ちてます。簡単にデマに振り回されるのではないでしょうか。
*偽陰性と擬陽性
https://blog.goo.ne.jp/saitomas_001/e/3cf482d20b890befe31f76734b369364

 疑問に思ったことがあるので、書いておきます。上記の引用は公的機関でのPCR検査にかかわる事情を前提にしているので、民間検査センターという検査の巨大セクターが抜け落ちた議論です議論は前提条件を誤ると、その先をどのように精緻な論理で組み立てても、結論が誤りになります

 PCR検査は民間検査センターではルーチン検査の一つにすぎませんし、特別な技術を必要とするものでもありません。SRLでPCR検査を導入したのは1988年ころだったのではないかと思います。検査機器を購入した記憶があります。それ以来、32年間ルーチン検査としてやっています。1990年ころで八王子ラボには1000人ほど社員がいて、800人ほどが臨床検査技師でした。設備は米国大手の臨床検査センターが91年ころに、ラボの設備を丸ごと作ってほしいとオファーがあったくらいで、世界ナンバーワンでしょう。技術水準も大学病院検査室がレファレンスにするくらいですから、日本一です。臨床医から要望があるのに、どうして、公的機関だけ排他的な体制で検査しているのか意図するところがわかりません。多くの人が疑問に思っているところでしょう。

 SRLは1988年ころ世界一厳しい臨床検査の品質管理基準である米国CAPライセンスを取得しています。そのときに受託している3000項目の標準作業手順書を整備しました。もちろん、日本語と査察用の英文と両方です。2年後に電子ファイルにして、タイムラグのない更新が可能になりました。だから、実施しているPCR検査すべての項目に標準作業手順書があります(業界2番目の検査センターもそのCAPライセンスを取得したはずです)。
 標準作業手順書基づいて、実際に検査している担当者が、社内の他のセクションで検査している臨床検査技師相手に検査手順を説明すれば、1-2日間でトレーニングは終了しますPCR検査が他の検査よりも複雑だなんてことはないのです。あえて言うと、前処理と後処理に手間がかかります

 検査手順が上記のFBに載っていますのでそれを参考にします。
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そして、PCR検査は、実際にはおそろしく手間のかかる検査なのです。
1本綿棒をとってから、
専門の技師さんがすぐに検査を始めて、
ずっとかかりきりで作業し続けても、
結果が出るのが5-6時間後、
という大変な手間のかかる検査です。

10分で終わっちゃうインフルエンザの検査とはまったく違うのです。


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 綿棒で検体を採取してから、それをラボで液体に抽出して、マイクロプレートへ分注します。その前処理工程と、分注作業に手間がかかります。マイクロプレートを検査装置にセットしてしまえば、あとはPCR検査機器が10分間ごとに温度を上下させてRNAを増幅させます。終了したら機械がウィルス量を読み取ります。

 PCR検査機器と検査結果報告システムがサブシステムで接続されて、自動化してある可能性が大きい。その手のシステムは1990年ころ細胞性免疫部で、リンパ球表面マーカの検査機器をDECのミニコンへつないで自動化しているので、それを一部手直しすればいいだけの仕事ですから、とっくにやられているでしょう。技術的な問題はありません。

<業界ナンバーワンのSRLって面白い会社です>
 
機械化、自動化を具体例を挙げて解説してみます。30年前の話ですが、その精神がいまも伝統としてつながっていたら、うれしい。
● 1984年ころラボに搬入された検体を検査分野ごとに分注する工程が自動分注機によって自動化されました。PSS社田島社長が独立する前、アドバンテック東洋の営業マンでSRL担当でした、彼が担当者で共同開発したものです。その後、田島さんは独立、PSS社はずいぶん大きくなりました。たいした経営手腕です。DNA増幅装置も開発販売しているようです。分注作業は単純作業なので、半年くらいで退職が相次いだために自動化に踏み切りました。毎日毎日分注作業だけでは心が折れます。SRL社内基準の100本ラックが業界標準になってしまいました。本当は、12×8=96本のラックの方が自動化処理に便利でした。12の倍数は約数が多いのです。ノズルの数が約数の数に対応します。10×10ラックだと、ノズルは(1, 2, 5,10)の4タイプしかできませんが、8×12ラックだとノズルは(1, 2, 3, 4, 6, 12)の6種類で分注できます。わたしの入社前に始まっていた自動化だったので、関係していません。SRL社内規格が事実上日本標準規格になってしまったので、世界標準から外れてしまいました。
*PSS社ホームページ:http://www.pss.co.jp/company/message.html
● 1988年ころ、結石検査の前処理に手間がかかるので、セイコーの腕時計組み立て精密作業用アームロボットを使って前処理工程を自動化しています。導入検討のためにセイコー社の腕時計組み立て工場を見学させてもらいました。15台くらいのアームロボットパーツフィーダーと接続され、品種の異なる腕時計が数十台ずつ、ほどんど間をおかずに組み立てがなされていました。驚きました。10ラインくらいありました。
 わたしは2度尿管結石を経験しています、とっても痛い。結石の検査は採取された結石を砕いて粉にして、五円玉のような真ん中に穴の開いた金属に詰めて固めます。それを赤外分光光度計にセットして分光光度計のコンピュータ内の物質ライブラリーと照らし合わせて結石の成分分析をします。その成分分析報告書に基づいて、医師が薬を選択・処方するのでしょう。業者さんにご苦労をおかけしました。粉上にした結石を直方体の金属製のブロック1cmほどの深さの穴(そこが半球状)があけられていて、そこからこそげ落とすのに使う金属ブレードの形状を50タイプも作って試行錯誤してもらいました。これも単純作業の機械化でした。当時のSRLでは単純作業を人間に毎日毎日やらせるのは非人間的だと考えていました。ビリルビンが石になったものは茶色い、腎臓結石はカルシウムですから、白くギザギザしています。脂肪が固まったものは半透明の黄色、宝石のようにきれいです。カルシウムギザギザした石が細い尿管を通ったら痛い、潜血反応が出るのは当然ですね。去年10月東京で小山ドクターに診てもらってときは潜血反応+++でした。膀胱へ落ちてしまうと楽になります。
● 同じころ、液体シンチレーションカウンターを使った検査の方法変更がありました。LKB社が開発した紙フィルター方式のカウンターを世界初導入。ガラス製のバイアル瓶が検査室に所せましと積まれて、地震があったら検体の山が崩れてきかねないので、危険を感じながら検査していると担当検査員。それで個人的にコネクションのあったファルマシアから、LKBの新製品開発情報をもらい担当者と検討しました。紙フイルター(約25×25cm)の新開発のカウンターを2台導入したら、96検体同時測定ですから、山積みだったガラス製のバイアル瓶が消えました。こんなに広かったとはその検査していた人の言です。これも自動分注機とセットで動かしたので、検査担当者は1人で十分でした。
● 染色体画像解析装置は1989年だったのではないかと思います。検体を72時間培養して顕微鏡で染色体の写真を撮ります。染色体を一つずつハサミで切り取り、大きさの順番に並べて検査報告書に貼り付けていました。この作業にたくさんの人を使っていました。とっても退屈な仕事です。切り取って大きさの順に並べて糊付けするだけ。毎日毎日この作業を繰り返します。糊付けですからはがれることもあったのです。当時国内の染色体検査の8割以上をSRLが受注していました。ニコンの子会社のニレコと染色体画像解析装置の開発をしましたが、当時世界最高性能のマジスキャンの画像処理用コンピュータを使っても1検体1時間でした。目標値は10分程度、数千万円かけて共同開発を断念しました。虎の門病院に英国製の染色体画像解析装置が導入されたと聞いたので、染色体検査課長とラボ管理部のO形さんと3人で見学させてもらいました。25分で5検体処理できたので、目標値の2倍の処理能力だったのですぐに導入を決めました。大きさの順に並び変えて番号をつけて高性能のレーザープリンターで出力します。染色体検査課とユーザーの先生たちが喜んでいました。決め手はCCDカメラでした。CCDカメラで画像を取り込めばデジタル処理が簡単になります。ニコンは優秀なレンズメーカですから、どうしてもレンズにこだわってしまう、それで後の画像処理工程が複雑になったようです。IRSが使っているのはエンジニアの説明では「ミリタリーーコンピュータ」、中を開けてボードを見せてくれました。ようするに自作のボード・コンピュータでした。おそらく300万円程度の原価、マジスキャンは十倍くらいしてました。IRSの染色体画像解析装置を当時一気に3台導入してます。顕微鏡写真に写っている染色体を切り抜いて、大きさの順番に並べて貼り付けていた作業はなくなりました。生産性は2倍以上にアップしたはず。
  以来、膨大な数の染色体画像データが蓄積されています。福島第一原発事故の疫学調査がこのデータベースを利用してやれるでしょう。研究者にとっては宝の山です。
● SRLの自動化は単純作業工程が最優先です。マイクロプレートへの分注は1990年にはすでにPSS社と開発済みの自動分注機がありました。綿棒からRNAを抽出する作業も単純作業なので、とっくに自動化されている可能性があります

 わたしはもう25年ほどSRL八王子ラボを見ていませんから、あれからどれほど進化しているのか見学してみたい。95年ころに偶々用事があってラボを訪れたときに、廊下を歩いていたら、栄研化学が開発したラッテクス凝集法の大型自動分析器LX3000がずらっと並んでいたので、うれしかった。
 栄研化学が上場準備中であることが分かって、「準備中だろう?」と営業マンに訊いたら、「どうして知ってるんです?」、にわかに取引契約書の書式を改めて作りたいと申し出があったのでピンと来たのです。その関係でなにか困っていることのお手伝いをしてあげたら、助けてもらったお礼に情報教えていいと上司に言われたのでしょう、開発中の大型案件情報を教えてくれました。市場へだす半年ぐらい前だったので、「SRLでインスタレーションテストをしてあげる、フィールドテストだから、そこで問題点を潰してから販売したらいい」「SRLで厳格なテストしてOKがでたと宣伝していい、ただし、テスト終了後半年独占使用を認めろ」、そんな交渉をしました。2台設置して、旧法とデータの比較をしました。立ち上げ後のデータ再現性が悪く、現場とトラブルがあり、臨床化学部のどの課だったか、係長が「再現性が悪くて使えない」と怒ってました、栄研化学の担当者も困っていた様子なので間に入って調整しました。回路をいじってもらって、電源を早くから入れて温めておくように頼んだら、再現性が改善されました。そうして時間稼ぎしている間に、原因を見つけてくれたようでした。市場に出てからあんなトラブルがあったら、RI法に比べて3桁高精度なラッテクス凝集法のあの大型分析機はどうなったかわかりません。2年半くらいの間に、製薬メーカに数社に、仕事を通じて強力な人脈ができてました。91年に慶応大学病院と出生前診断検査トリプルマーカMoM値の基準値の産学協同プロジェクトのときに、こういう人脈があったので、2社に検査試薬の無償提供をしてもらってます。研究成果のデータを使っていいという条件で飲んでもらいました。まともにやったら1億円のコストのかかるプロジェクトでした。タダ。社会的に意義のある産学協同プロジェクトだったからです。今回の新型コロナウィルスPCR検査も社会的な意味合いの大きな仕事です。当面のコストを無視してもやるでしょう。
 SRL八王子ラボは、自社開発も含めて、前処理工程や機器の共同開発、検査工程の改善など、自分たちがかかわってやりうることはどんどんやる会社でした。高収益企業だったので、そういう仕事には予算がいくらでもつきます。ルーチン検査をやっていても、5時過ぎは好きな研究テーマをぶち上げて、予算をもらってやれたのです。

<PCR検査機器がSRLに何台あるかは簡単にわかる>
 PCR検査機器がラボに何台あるかは「投資及び固定資産管理システム」へ検査機器分類コードを入力すれば、画面に表示されます。このシステムは1986年にわたしが開発しています。機器の分類作業のために固定資産台帳とラボの検査機器すべてを突合・確認しました。台帳は500ページほどもある膨大な量です。台帳の記載を修正しながら、ラボ管理部のH間さんに協力願って分類してます。ついでに固定資産実地棚卸実務もデザインしなおしました。上場要件でした。

 新型コロナ検査が大量に来るなら、ラボにあるPCR機器ではぜんぜん間に合いません。機器を発注する必要があります。

 PCR検査に必要な人員が足りなけりゃ、他の検査部から10人くらいはすぐに人を回せるでしょう。必要な機器さえ確保でき、前処理工程の自動化やや検査結果報告書出力へのサブシステムが開発してあったら、たった10人でも、SRL一社だけで公的機関80施設の処理能力を上回るでしょう

<医療のインフラの整備:日本標準臨床検査項目コード>
 検査コードについても書いておきます。病院と民間検査センターをつないでいるのは、臨床検査項目コードですから。大手6社と臨床病理学会の産学協同プロジェクトで5年間の検討作業を経て、1993年ころに日本標準臨床検査項目コードが臨床病理学会(現臨床検査医学会)から公表されており、全国のクリニックや病院は例外なくそのコードで動いているので、保険点数がつけば、3日もあれば受託体制をとれるでしょう。このプロジェクトはわたしの発案です、30年以上前にやっておいてよかった。1986年に「臨床検査診断支援システムと専門医育成のためにCAIシステム事業化案」で、事業化のために仕事を10個のプロジェクトに分割してましたが、そのうちの一つが、日本標準臨床検査項目コードの制定プロジェクトでした。創業社長の藤田さん、中途入社の平社員の200億円の提案に、すぐにOK出してくれました。光カードを用いた電子カルテのフォーマット標準化も一時は検討したのですが、画像情報を入れるには容量が足りないし、NTTデータ事業本部とも2度ばかり協議しましたが、巨大サーバーをおいても当時は専用線でしか通信できず、断念しました。医療用光カードが生まれていれば、マスクの配給は簡単にできたでしょう。台湾政府が健康保険ICカード(書き込みのできるICカード)として1995年に導入しています。購入履歴がカードに残るので、台湾の国民は公平にマスクが買えます。こういう方面の整備がこの30年間まったくなされなかった。いまもそうです。現在の日本の医療行政の欠陥です。官僚にも政治家にもビジョンをもって30年の視野で医療インフラを整備したり、政策を考え実行していける人材がいないようです。空白の30年間です

<検体搬送ルート>
 いま、保健所から公的検査機関へ保健所職員が運んでいますが、クリニックや病院と民間検査センターの間には厳重に温度管理された検体集荷・搬送ルートがあります。何も特別なことは必要ありません。

<PCR検査室の仕様?:公的機関はどうなの?>
 薬剤耐性結核菌検査やHIV検査もしています。それなりの感染防止がされています。ラボ内検査室での検体取り扱いについてはすべて標準作業手順書に記載があるでしょう。HIV検査室はBSL-3だったと思います。1997年だったかな、オーバースペックですが、検査員の安全を考えてそういう仕様の検査室にしました。新型コロナウィルスは飛沫感染ですから、特別な仕様の検査室は必要ありませんが、飛沫感染のHIV検査室を32年前にBSL-2仕様にしているので、どうなるでしょう?社員がそうでないと困ると言えば、オーバースペックの検査室誕生となります。へパフイルターのついた空調が2台で検査室内を陰圧にします、それと非常時のシャワーを備えます。床の防水処理をしないといけませんね。そこまで要求するなら1週間くらいかかりそうです。公的機関はどういう体制で検査しているのでしょう?

<官民協力の時代>
 わたしも八王子ラボの現状がどうなっているのか知りません、古い話を書いただけです。一日当たりどれくらい新型コロナPCR検査処理能力があるのか、厚生労働省から問い合わせたらいかがでしょう。大手3社へ問い合わせたらどうですか。
 公的機関だけで排他的に検査しようとしているから、ドクターが必要と必要と認めても検査できないような理不尽なことが起きています。臨床医が患者を診て、PCR検査が必要と判断したら、すみやかに検査できる体制のあることが望ましいのはあたりまえです。「非常事態」でしょうから公的機関と民間検査センターの両方で協力して検査すれば隘路はなくせます。官民協働でいい仕事したらいかがです?

<具合が悪けりゃどうしたらいい?>
 検体採取にかかわるウィルス検出精度の問題はまた別の問題です。わかりやすい山下先生のイラストをご覧ください。
  なお、新型コロナウィルス感染症には有効な治療法がないので、PCR検査陽性なら、自宅で寝て栄養補給して寝ているのが一番です。PCR検査陰性でも、偽陰性の可能性があるので、具合が悪けりゃやはり寝て状態がよくなるのを待つのが一番です。高熱で呼吸が苦しくなったら、即入院。その段階では新型コロナなら重篤に陥る可能性大です。なんとも困ったウィルスです。感染力が強くないところが救いですね。根室で感染者が出ましたが、そのご増えていません。症状らしきものが出て、5日間ほど一緒に暮らしていた家族にも移っていないくらいですからね。20日に入院して検査、22日に陽性と判明、もう2週間たちました。

<今の対応では経済への影響が大きすぎる>
 新型感染症対策として打ち出された政策による経済へのダメージの影響が大きすぎはしませんか?

<余談:PCR>5/25追記
*https://ja.wikipedia.org/wiki/ポリメラーゼ連鎖反応
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PCR法は、試薬を混交したDNA溶液の温度を上げて下げる、という一連の熱サイクルによって動作する。このDNAサンプルの加熱と冷却の繰り返しサイクルの中で、二本鎖DNAの乖離、プライマーの結合、酵素反応によるDNA合成、という3つの反応が進み、最終的に特定領域のDNA断片が大量に複製される。
PCR法では、増幅対象(テンプレート)のDNAサンプルの他に、大量のプライマー(標的DNA領域に相補的な配列を持つ短い一本鎖DNA(オリゴヌクレオチド))とDNAの構成要素である遊離ヌクレオチド、そしてポリメラーゼの一種であるDNA合成酵素DNAポリメラーゼ)という3つの試薬を使用する。

  1. 最初のステップでは、DNA二重らせんの2本鎖DNAを高温下で変性させ、1本鎖DNAに物理的に分離する。変性が起こる温度は、DNAの塩基構成および長さ(塩基数)によって異なり、一般に長いDNAほど温度を高くする必要がある。
  2. 次に、この1本鎖DNAを含む溶液を冷却して、プライマーを一本鎖DNAの相補配列部位に結合させることで、部分的に2本鎖を作らせる(アニーリング)。冷却が急速であると、長いDNA同士では再結合して2本鎖になることは難しいが、短いDNA断片(オリゴヌクレオチド)は容易に結合できることを利用している。この結果、対象とする長い1本鎖DNAの一部にプライマーが結合したものができる。プライマーをDNAよりも圧倒的に多い状況にしておくことで、DNAとプライマーが結合する傾向はDNAとDNAが結合する傾向よりも、さらに優越的になる。
  3. 次に、溶液を若干加熱して、この2本鎖DNA部位をテンプレートとしてDNAポリメラーゼを働かせることで、プライマーが結合した部分を起点として、遊離ヌクレオチドを利用して1本鎖部分と相補的なDNAが酵素的に合成される。DNAが合成された後、再び高温にして最初のステップに戻り、このサイクルを最初のDNA変性から繰り返すことにより増幅をすすめる。PCR反応が進むことで、生成されたDNA自体が複製のテンプレートとして使用され、元のDNAテンプレートが指数関数的に増幅される連鎖反応が進む。

以上のようにPCR法は、DNA鎖長による変性とアニーリングの進行速度の違いを利用して、反応溶液の温度の上下を繰り返すだけでDNA合成を繰り返し、任意のDNAの部分領域を増幅する技術である。



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