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#4119 全国学力調査の現実:根室は14支庁管内最低 Nov. 9, 2019 [71.データに基づく教育論議]

 全国学力調査の結果が出ました。
 釧路のMさんがさきほどFB上にこういう学力不等式を書いてくれました。
  別海町>中標津町・標津町>根室市≒羅臼町
 この事実を根室の方に知って欲しいものです…。

  全道の公立中学校で実施されているふだんの学力テストの結果も同じです。弊ブログ#4099にアップしてある釧路根室管内18校・学力テスト総合A比較データをご覧ください。釧路根室管内の公立中学校別の学力比較ができる貴重なデータです。根室市教委も学校の先生たちも見たことがないとってもとっても貴重なデータです。

 根室は小学生の算数と中学生国語と数学が全道14支庁管内で最下位です。小学生国語と中学生英語はビリから2番目、全科目が全道平均を大幅に下回っています。これほど学力が低いと根室の小中学校で教えている先生たちの士気にも影響しています。どうせ効果がほとんどないだろうから本業の授業スキルの向上はあきらめて、部活指導に熱心になるという風に。根室市の市街化地域の小学校と中学校で学力崩壊現象が起きていると判断すべきです。小中学校の学力崩壊はすでに根室高校へも及んでいます。地域全体の子どもたちの学力崩壊現象が起きています。
 北海道14支庁管内で最低の学力であることが全国学力調査結果でも明らか、こんなにひどいのに、根室市長も教育長も市教委も保護者も生徒たちもさっぱり危機感がない。教えている学校の先生にはきっと危機感がおありでしょう。

 釧路・根室管内では根室管内のほうがずっと学力が低いのです。その根室管内でも根室の市街化地域の2校がとくに酷い。中標津中や広陵中のほうが根室市内の市街化地域の2校よりもいい。別海中央中は根室管内ではトップレベルです。根室管内の平均点を下げているのは根室の市街化地域の中学校です

 中3対象の学力テスト総合Aの結果が「#4099 学力テスト総合A18校科目別データ Oct. 11, 2019」に載っているので、論より証拠、ご覧ください。
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-10-11


<釧路新聞記事>

画像に含まれている可能性があるもの:テキスト



 小6では根室管内の生徒の平均正答率は全道平均と比べると、国語-0.9、算数-4.1ですが、中学3年生になるとその差は国語-7.6、数学-8.5、英語-7.8とびっくりするほど大きくなっています。根室管内の子どもたちは中学3年間で著しい学力低下をきたしているということ高校統廃合の影響が大きいと思いますよ、単位制の普通科が、その地域の中学生の著しい学力低下を伴うことが証明されたのですから、北海道教育委員会は高校統廃合のしかたを考え直す必要があるでしょう。第2の根室を作らないでいただきたい。
 9月の学力テスト総合Aの18校比較データが弊ブログ#4099にありますが、それを見ると根室管内では根室市の中学生が一番学力が低い根室管内の平均正答率を下げているのは根室市部の中学生ということになります

 子どもたちの基礎学力は根室の町の未来に直結しています。釧路管内に比べて根室管内の子どもたちの学力が低く、さらにその学力の低い根室管内で根室の市街化地域の中学校が最低レベルのままでは、町の未来が明るくなろうはずがありません。
 根室市議のみなさんは子どもたちがとっくに学齢期を過ぎているでしょうが、教育に関心をもって発言してください。
 PTAのみなさんも発言してください。子どもたちの学力は下がり続けています、このままではいけない。

 根室の子どもたちは高校生にならないと全国模試での自分の偏差値を知りえない。中学生は根室市内での順位すら知りえないのである。市街化地域の3校も、40-70人程度の学内順位を得点通知票で知ることができるだけだ。郡部は一学年数人から十数人である。郡部校で学年順位は学力情報としては意味をなさぬ。権限をもつ大人が決断すれば、来月からでも簡単に改善できる。なぜやらぬ。

<教育環境の整備はできる>
 根室市教委が普段の学力テストデータをモニターして、市街化地域の3中学校の平均点と受験者数、市内全校の平均点と受験者数、100-0点まで1点刻みで根室市内の順位をホームページ上で公表してもらいたい。
 箇条書に列挙したほうがよさそうだ。
①市内全部学校を合わせた受験者数と平均点と標準偏差(科目別と五科目合計点)
②市街化地位の3校の受験者数と平均点と標準偏差(科目別と五科目合計点)
③百点から0点まで1点刻みでの市内の順位表と点数ごとの偏差値(科目別と五科目合計点)
 仕事は簡単です。各学校から個人名を除いたEXCELファイルでデータをもらって、加工すればいいだけ。手順は同じですから計算はEXCELないで自動化できます。それも面倒なら、市役所のシステム部門の担当者にプログラミングしてもらえばいいだけ。

 学内トップでも、市内では5番かもしれない。学内トップは各学校で競争相手がいないケースがある。郡部校は十数人では学内順位は人数が少なすぎて学力の判断材料にはなりえない。根室市内の平均点や順位がデータが毎回公表してあれば、市内でどれくらいの順位だと、全国レベルで偏差値60(上位16%)にあたるのか、偏差値50(平均点)にあたるのかが保護者や生徒たちにわかるようになってくる。根室市内に存在する学力判断データの地域格差を解消できる
 半分以上の生徒が全国レベルで偏差値40(成績下位16%)だとわかれば、まっとうな危機感がもてるだろう。全国レベルで偏差値40以下には非正規雇用で低賃金の単純労働しか就職先がありません。上場企業に就職できる可能性があるのは偏差値55以上(全国レベルで成績上位1/3、根室では10%程度)でしょうね。地方公務員試験なら、偏差値50超なら道庁あるいはコネがなくても根室市役所の就職試験に十分パスできる学力です。
 根室市教委がふだんの学力テストデータを収集して、整理、公開することは、この地域の低下し続ける子どもたちの学力を上げる方向に働く
 とくに、成績上位層にはどこまでやれば希望の大学に学力が届くのか、中学生のうちに判断できる強力な材料になる。教育に関心の高い教育行政が存在することが、根室へ赴任してくる人たちが安心して子どもを連れて赴任できるか否かの重要な判断材料となる
 そうした具体的な教育政策を提言して実行させることは、根室市議会文教厚生常任委員会のメンバーの仕事である。もちろん、根室市長に教育への関心があるなら、市教委と教育長へ指示したらいい。
 全国の市町村にある教育委員会でこんな仕事をしたところはないよ。全国に先駆けてやったらいい。教育改革の激震は根室から興そう。日は極東の町から昇る


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#4118 ソフトバンク赤字決算:マネジメントの不在 Nov. 7, 2019 [8. 時事評論]

 ソフトバンクが150億円の赤字決算となったことが公表され、孫正義会長は強気の発言をしているようだ。
*https://www.msn.com/ja-jp/news/money/“wework赤字”のソフトバンクg孫正義会長、決算は「真っ赤っか」でも「反省すれど萎縮せず」/ar-AAJXskX?ocid=spartandhp#page=2

 赤字の原因はこれまで高収益をもたらしてきたSVF(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)である。
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売上高は昨年上期とほぼ横ばい(4兆6517億円)ながら、最終利益は50%減の4216億円。神妙な面持ちは当然で、孫会長肝いりのSVFが、WeWorkも含めた営業赤字5726億円という大きなマイナス要因になっているからだ。
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  SVFは不動産投資会社のようだ。孫正義会長の説明によれば、新規ビルの減価償却費が負担になっているので、時間がたてば解決する問題だとグラフを使って説明している。
 建物減価償却費の負担が3年で激減するようになっている。日本の会計基準では建物の耐用年数は構造によって法定耐用年数が決められており、定額法だから、3年間で負担が急減するというようなことはない。
 米国会計基準を調べたら、定額法による加速減価償却が認められている。これは耐用年数を短くするものだ。でも、50年が3年になるなどという話ではないから、説明のグラフには疑問符がつく。

 孫正義会長の説明からわかったことは、耐用年数を短縮して加速減価償却をすれば利益が圧迫されることは損益シミュレーションで容易に推測できることなのに、そんなことには無頓着だったということ、結果が出てから大慌ての赤字決算発表となった。
 経営管理部門の担当役員がそういう損益シミュレーションを彼に説明していないか、損益シミュレーションや長期損益計画がないということ、まともな会社組織ならそんなことはあり得ない。たとえていうと、孫正義会長は「裸の王様」状態。
 そんな基本的なことも理解せずに、サウジの王族などと巨額のファンドを作り不動産投資していたようだが、反省の色はない。それでいいのだろう。そして当分、「遊び」続ける。

 経営改善策の柱は三本。
1.新規ビルの出店停止
2.経費節減
3.不採算事業(新規事業や投資)の整理
 これらで、売上高粗利益率を大幅に改善するとしている、経費節減は副作用も大きいから要注意だ。

 投資で5年連続して高収益をあげられるなんて滅多にいるものではない。5年のうち2年は大赤字になり息も絶え絶えになることを覚悟でやらなければいけない仕事だ。リスクを甘く見てはいけない、巨額の利益をあげれば上げるほどリスクも大きくなり、高転びに転ぶのが常。

 1980年代初頭のころ、一部上場企業の財務担当役員の間で、投資ブームがあった。株式先物取引だったか、商品取引だったか、記憶が定かでないが、本業そっちのけで巨額の利益を上げて日経新聞や日経産業新聞などでもてはやされた。しかし、数年たつと、巨額損失をだし、それらの敏腕財務担当役員は責任をとって姿を消した。投資事業とはそういうものだという記憶がソフトバンクGに二重写しになって見える。


 ソフトバンクグループ会長の孫正義氏は稀に見る経営者ではあるが、投資ファンド運用について適切にマネジメントできるかどうかは未知。いまのところはまるで子どものお遊び。
 これから3年間、投資ファンドの運営責任者としてその真価が問われることになりそうだ。ご本人は、投資事業が愉しくてワクワクしているだろう。だれが何と言っても、投資事業を手じまいする気はないだろうし、自分のおカネを使っているのだから何をやろうと彼の勝手。自分の事業家としての限界がどこにあるのか、とことんやって学んだらいい。大失敗した後に大化けする経営者が少なくない。チャレンジャー孫正義、62歳、まだまだ若い。(笑)
 いったいなんのための金儲けなのだろう?
 手段がいつの間にか目的になっているようにみえる。




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