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#4070 偏差値と千人中の順位対応表 Aug. 25, 2019 [71.データに基づく教育論議]

 6月29日に実施された「ベネッセ学力総合テスト」の「個人成績表」が配布されたので、偏差値と順位の関係を知りたい人がいるだろうから「偏差値と千人中の順位対応表」をアップする。

 標準偏差は次の式で計算できる。
 偏差値=50+{(得点-平均点)/標準偏差}*10
 個人成績表に、偏差値と得点と平均点と偏差値が載っているので、標準偏差の値が逆算できる。

 偏差値50が平均値である。偏差値を40から50にアップするのは、千人中の順位を841位から500位へ341人抜きをすることに等しい。偏差値40から60へのアップは682人ごぼう抜きである。
 めげずに1年間、弱点になっているところを克服すれば、三科目合計偏差値20アップは可能である。もちろん、得意科目の偏差値を下げないことも大事だ。
 塾生には、苦手の科目の勉強法の相談に乗っている。教えていない国語が一番重要だ。国語の能力が低ければ、数学の問題の出題者の意図、条件析出ができない。数学の問題は、特有の書き方がなされているので、慣れたらどうってことはない。2年生は一人を除いて数学の得点が6人とも学年10番以内だが、英語が弱い生徒が多い。業を煮やして3年生の英語の教科書を使って、英文読解の短期トレーニング(授業料はタダ)を始めた。2時間半×10回、毎週水曜日にやっている。英語が苦手な生徒は強制参加である。個別指導なので、生徒の判断に任せていたら、苦手の英語はあまりやらない。得意な数学の問題ばかりやっている生徒が多い。(苦笑)
 学年トップの生徒にはハラリのSapiensを使った原書講読授業をしている。大学3年レベルの内容、あるいは大学院受験用の内容になっている。優秀な生徒がいてこそ成り立つ授業だ。高3英語教科書は「離乳食」程度の読み物だが、Sapiensは固めの肉、大人の食べ物であるから、強い顎と歯が必要だ。1年後には獰猛な肉食獣へと変貌しているだろう。
 英語が苦手の生徒たちも、受験にまだ間に合う、いまを逃せばアウトだ。小さな塾だから、塾長の好きなようにやることにしている。水曜日は基本的に休みだが、こういう補習用に来年も空けておかないといけないようだ。愉しいから、休んでサイクリングしてるのとかわらぬ。

* 英語短期特訓授業 
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/archive/c2306052528-1

*ハラリ Sapiens 原書講読授業
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/archive/c2306194255-1


<偏差値と千人中順位対応表>
偏差値  順位   偏差値  順位
80 1   50 500
79 2   49 540
78 3   48 579
77 4   47 618
76 5   46 655
75 6   45 692
74 8   44 726
73 11   43 758
72 14   42 788
71 18   41 816
70 23   40 841
69 29   39 864
68 36   38 885
67 45   37 903
66 55   36 919
65 67   35 933
64 81   34 945
63 97   33 955
62 115   32 964
61 136   31 971
60 159   30 977
59 184   29 982
58 212   28 986
57 242   27 989
56 274   26 992
55 309   25 994
54 345   24 995
53 382   23 997
52 421   22 997
51 460   21 998
50 500   20 999


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#4069 6/29実施進研模試データ Aug. 25, 2019 [71.データに基づく教育論議]

<最終更新情報>
8/26昼:12:50追記

 根室高校で6月29日に実施された進研模試の個人別成績表が配られたので、平均値と標準偏差等のデータをアップする。
 標準偏差データは個人成績表からの計算値なので、計算精度は整数部分のみ。

2019/6/29実施        
<2年生>        
    平均点      
   根室  全国 標準偏差 偏差値40 偏差値60
 国語 37.0 36.7 14.0 23 51
 数学 33.1 27.9 20.7 7 49
 英語 31.2 37.6 19.6 18 57
 3科目 101.3 103.1 47.3 56 159
           
<1年生>        
    平均点      
   根室  全国 標準偏差 偏差値40 偏差値60
 国語 32.3 43.5 16.7 27 60
 数学 29.9 36.4 21.3 15 58
 英語 25.5 40.3 17.3 23 58
 3科目 87.7 120.2 46.0 74 166



 2年生は、全員受験ではなく、希望者のみ、119名中48名しか受験していない。だから、平均点が高く出ている。根室高校上位40%の平均がほぼ全国平均値ということ。2年生の上位40%層は国語力が全国平均とかわらないと読める。だが、全員受験した1月の進研模試データを見ると、国語は(根室36.4、全道45.0、全国43.8)となっており、全国平均値との差が7.4点ある。あとで見ることになるが、1年生はもっとひどいから、根室高校生は国語力が著しく弱いと言えそうだ。国語がすべての学力の基礎をなしているので問題は深刻である。
 2年生は3科目合計偏差値が70(得点198点超、全国基準で千人中23番)を超えた生徒が2人いたが、1年生はゼロ。
 偏差値40だと千人中841番、偏差値60だと159番である。偏差値50が500番でちょうど真ん中に位置している。
 
 昨年度の根室高校1年生の平均点は、記憶に間違いがなければ、数学20点、英語19点だった。全国平均点も32-33点ほど。今年はずいぶん高いから、問題の難易度が下がっているのではないか。どうして下げたのだろう?
 昨年よりも数学が9.9点、英語は6.5点とお幅にアップしているが、1年生の学力が昨年の1年生(現2年生)より高いのかどうかは問題の難易度に差があるのでわからない。数学は大問1の計算問題がやさしかった。そこが得点源になったのだろう。
 問題の難易度が上がると、根室高校の生徒の平均点と全国平均点の差が大きくなるということは言えそうだ。つまり、基本問題に終始していて、難易度の高い問題をふだんの授業ではやることができないということだ。そういう授業が増えると、進学実績に影響する。2018年度の道外大学への進学者がわずか5名となっていることに象徴的に現れている。15年前には40-50人いたでのはないか。国公立も数が激減しているだけでなく、ランクの悪化が著しい。
 北海道全体の平均点は、(国語43.8、数学36.3、英語39.1、三科目合計119.2)で、全国平均値と変わらないから、根室の生徒たちの平均点(三科目合計平均点87.7点)は北海道の平均点よりもかなり低いと言えそうだ。その中でも国語が(根室32.3、全道43.8)著しく低い。国語はすべての科目の基礎をなしているので、学力全般への影響が大きく、見過ごしてはいけない。普通科の標準的な教科書が理解できない生徒が7割いると考えたほうがいい。基礎の補習をしないと、これではまともな授業が成り立つわけがない。授業で先生たちが使う語彙が著しく制限を受ける。普通のレベルの語彙を使った授業をしたら、理解できる生徒は上位20%層だろう、悲しいね。いちいち用語解説や字義解説をしなきゃいけないレベルだよ。
 具体例:「おんだんしつじゅん」(中1社会科地理)、「けいようしはめいしをしゅうしょくする」(中2国語&英語)
 「就職・修飾・秋色・愁色」、書かせてみたら中2の生徒二人が一番目を挙げたことがあった、もう7~8年前になるだろうか。こうなると「けいようし」や「めいし」も頭の中で正しい漢字に置き換えられているかどうかあやしくなる。この生徒たちは「しゅうしょく」という言葉を正しい漢字に変換できないので、文章全体の意味がつかめていない。
 アニメのノベライズもの程度しか読まない中高生がほとんど、小学生の時に濫読期を迎えた生徒は国語が学年トップになる。小学生の時に濫読期を迎えた子供は、ジャンルを問わず好奇心の赴くところなんでも読んじゃうから、読めるようになってしまう。楽しんで読むので、読み取る深さも、速度も大きく育ってしまう。(笑)
 「これを知る者はこれを好むものに如かず、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」論語
 小学生のうちは、テレビを撤去して、読みたい本を本箱二つ分くらい買ってやったらいい。好きなだけ読ませてあげる、そういう環境がつくれる家庭はめったにない。わかっちゃいるけど、やめられない、ほとんどの家がテレビをつけっぱなしで食事しているし、食事が終わってもテレビが消されることはない、チャンネルが変わるだけだ。部活をやらせて、帰ってきたら家ではテレビつけっぱなし、スマホ使い放題、これでは成績が上がれば不思議だ。悪環境はそれぞれの家庭で、親が創る、そして自分の子どもの脳の発育を妨げている。怖いことに、育てたように子は育つものだ。思考力が弱く、切れやすい、そういう大人にしたかったら、いままで通りでいい。何も変えないのが一番楽。楽あれば苦あり、苦あれば楽ありだが、あなたはどちらをとる?

<教育関係者は課せられた仕事をまっとうしよう>
 13年前だったかな、根室高校普通科がめずらしく定員オーバーして五科目合計点150点付近で合格できなかった生徒が3人出た。同じ基準を適用すると、上位30人程度が13年前の根室高校生と同等の学力を有しているということ。普通科の圧倒的多数の90人は13年前なら、根室高校生ではない。
 歴代根室市長も、教育長も根室市教委も、最近十数年間に起きている根室の子どもたちの学力低下に責任はないのだろうか?ピント外れの教育政策を繰り返すから、こういう結果が生まれたのではないか。根室市議会文教厚生常任委員会のメンバーも、実際のデータをみて議論すべきだ。市の文教政策のチェックはあなたたちの仕事である
 高校生の学力レベルが下がっているのは、小学校や中学校にも見逃すことのできない大きな問題があり、各家庭の家庭学習習慣のしつけや家庭でやるべき就学前教育にも大きな問題があることを示している。
 わたしは、わたしがやるべきこと、ちっちゃな私塾の塾長として自分のできることを坦々とするのみ。微力にめげず、毎日の授業で根室の子どもたちの学力の底上げと学年トップ層の指導に努力する。ニムオロ塾は現在高校生が6割、来年は8割になり、高校生の塾へと変貌を遂げつつある。年金暮らしだから、生徒を増やす必要はないのだが、最近、生徒がわたしのキャパのぎりぎりまで増えてしまったので、慣れるまでこれから数か月間80%くらいの出力でやることになる。体力と相談だから、来年のことは分からない。


<2年生の数学選択問題>
 2年生は数学の習熟度別クラス編成に進研模試のデータを使うので、生徒たちは選択問題は数Aを指定された。理数系への進学予定者は数Bの選択が望ましい。では、数Bを選択したら不都合があるのか?偏差値で足切りをしたら何の問題もない。それが偏差値の便利なところだ。
 2年生の数学受験者439,937名中、数A選択者はわずか71,118名、16.1%である。学年トップは道内でナンバーワンだったが、数Bでの実力を測りたかった。根室高校ではまだやっていないベクトルも終了しているから、そちらで勝負したかったようだ。理系受験者は数Bを選択しているので、数Aで全道2507人中ナンバーワンでも喜べない。道立進学校の理系進学希望者は数Bで受験している。根室高校にいるために進研模試が数Bで受験できないようでは困る。数Bで道内5番くらいの成果を予想していた。
 11月の進研模試の数A・数Bの選択は、生徒が自分の進路を考えてそれのふさわしいものが選択できるようにご配慮いただきたい。得点ではなく偏差値で足切りすれば、数A受験者と数B受験者が混在しても何の問題もない。

<初めて受験した1年生へ>
 進研模試の問題の難易度は、北海道の中学校でやっている学力テストよりも、格段に難易度が高いから、教科書の範囲内あるいは準拠問題集しか使わなかった人たちは、まるで歯が立たなかったはずだ。進研模試は、いままでの勉強スタイルが問われる。入学当初のテストよりも学年順位が20-30番くらい下がっている人が少なくないし、逆に、大幅に順位アップした生徒もいる。
 難易度の高い問題をやらないと進研模試の得点は上がらない、学校で渡された「WIDE」だけでは進研模試は難易度が高くて50点前後しか得点できない。もっと難易度の高い問題集にふだんから取り組むべし。
 たとえば、塾用教材「シリウス(標準編)」のような難易度の問題集がいい。これをやり切ったら、60点以下ということはない。90点台をとった生徒もいる。難易度の低い問題にどれほど時間をつぎ込んでも、70点の得点すら夢のまた夢。(笑)
 「偏差値と千人中順位の対応表」を貼り付けておいたので、そちらも見たらいい。
*https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/



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