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#4068 Sapiens:page 5 Aug. 23, 2019 [44-3. 原書講読講座 Sapiens]

 <Sapiens:第3回>

 Presumably, everyone reading this book is a Homo sapiens -- the species sapiens (wise) of the genus Homo (man).

  Genera in thier turn are grouped into famillies, such as the cats (lion, cheethas, house cats), the dogs (woves, foses, jackals) and the elephants (elephants, mammorths, mastodons).

 genusの複数形がgenera datumの複数形がdataであるのと同様に。
 classfy ⇔ group 分類 ⇔ 統合
(「分類⇔統合」のように、一方を使うときは他方のあることを前提としている、そういう概念を対概念という。「具体⇔抽象」「善⇔悪」「相対⇔絶対」) 

  アンダーライン部が生徒から質問のあった部分である。どのように訳したらいいのかわからないという。なかなかいい質問だ。こういう質問が出るのは、腕が上がってきた証左だろう。

 turnは回転を表しているから、回転式銃の弾倉を想像してもらいたい。円形上に弾が入っており、一発目を撃つと回転して二発目が撃てるようになる。
 前段の文で、「この本を読んでいる人はホモ・サピエンスーーホモ(ヒト)属のサピエンス(賢い)種である」と書いている。種がまとまって属を形成するということ。「種⇒属」の方向である。「下位概念から上位の類概念へ」である。
 「いくつかの属は科にまとめられる」とあるから、「種⇒属⇒科」、「種」から「属」へ「属」から「科」へ、順送りにということ。「種」から「属」へ、「属」から「科」へと、下位類概念からより高次の類概念への方向での説明が続いている。「種⇔属⇔科⇔目」は4項の対概念であることに注意。
 thier=genera'sである。さまざまな種が属にまとめられ、順に、今度はさまざまな属が科にまとめられるということ。

 エレファントとマンモスは知っているが、その祖先にあたるマストドンを知っている人は少ないだろう。辞書を引きながら、生物系統図上の動物名とその配置を知ることになる。それも楽しみの一つ。
 「目⇒科⇒属⇒種」という分類になっている。

 引用した文章の前から、classfy(分類)の話が始まっている。「Biologists classfy organisms into speces. 生物学者たちは生き物を種に分類する」と書いて、ヒト科、ネコ科、犬科の動物たちを属に分類して見せた。今度は逆の方向だ。classfy(分類)ではなくてgroupe(上位類概念への統合)の「generaの番」である。そこにくるっと方向転換を感じただろう。著者もそう感じたから逆方向の動きを表す「in thier turn」と書いた。turnには順番と論理の回転の二重の意味が込められているのだろう。


(そして、本書の読者はおそらく全員、ホモ(ヒト)属のサピエンス(賢い)という生き物である「ホモ・サピエンス」のはずだ。属が集まると「科」になる。)柴田訳

 柴田訳のように、細部にこだわらずに、端折ってしまうのも翻訳の技術ではあるだろうが、高校生や大学生は、こういう細部にこだわってもらいたい。著者が書いているときに浮かべたイメージを自分の脳に再現して、それを母語で作文することで、英文読解スキルがアップするからだ。



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