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#4041 光洋中学校体育祭 July 21, 2019 [87.根室の話題]

 体育祭が始まってから30分ほどすると霧が小雨に変わり、1時間ほどすると雨が上がった。庭へ出ると声援が聞こえてくる。
 朝9時の気温は17.5度、最高気温は18.6度、まずまずの体育祭日和だろう。
 光洋中学校は生徒総数は195名、教員数23名の規模、団塊世代のころは生徒数1500名のマンモス校だった。
 ずいぶん規模が小さくなったが、いいこともある。小雨が降るのを予測してか、グランド内に23張りのテントが設営されていた。ちゃんと気を使っており、見学の邪魔になる前の方に設営した人はいない。生徒数も保護者の数も少ないから、あんなにたくさんテントを張ることができる。54年前は生徒の数も保護者の数も7倍、グラウンドを埋め尽くしていた。生徒の待機場所はグランド横の空き地だった。要するにグラウンドに収容しきれなかったのだ。
 例年はテント10張りくらいだから、今年は倍以上だ。午前中は傘をさして見物していた人が多かった。時代が変われば体育祭の見学のスタイルも変わる。

 小雨だったので昼の食事を30分ほど前倒ししたようす、臨機応変、なかなかいい判断だ。
 午後は雨が上がって曇り空になったので見物に行ってみた。大縄跳びと玉入れ競技を見て来た。
 大縄跳びは、縄をもって回す人次第に見えた。自分の足元まで縄を下げ、それから大きく上にもっていって回せたら、成功回数が伸びる。
 うまくやると連続して30回ほど跳べるが、たいていは5回以下だった。上手なチームの縄の回し方をビデオに撮ってトレーニングすれば、50回の記録が出せるかもしれない。一生懸命やっていたから見ていて楽しい。

 玉入れのバスケットは3つ、学年ごとに二組に分かれてやり、保護者が三組目で競争だった。2年生のときに保護者グループが、球を数えているときに横倒しになっているバスケットへ何度も玉を放り投げていれていた。審判の先生は、「保護者のグループに反則行為がありましたので無効とします!」と宣言。たとえ保護者でも、ダメなことをはっきりダメという、いいジャッジだった。こういうことは言いにくいものだ。

 一人気になっていた生徒がいたが、元気に玉入れ競技に参加していた。だいぶ外側から投げていたから一つも入らない、ちょっとぶきっちょ、楽しそうだった(笑)

 ブログをタイピングしているときに、終了を告げる花火が上がった。午後2時29分、生徒も先生も保護者のみなさんも、ご苦労様。
 カメラを持参しなかったので、文字だけでの報告、相済みません。

 これから参議院議員選挙の投票に出かける人も少なくないだろう。わたしは8時半ころ投票してきた。例年光洋中学校が投票所となっているが、体育祭とバッティングしたので、元保育所へ変更になった。



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#4040 参議院議員選挙投票日 July 21, 2019 [A8. つれづれなるままに…]

 根室の朝8時の気温17.2度、湿度93%、東南東の風4.0m/s。
 起きて髭をそり歯を磨いて顔を洗って投票に行ってきた。相変わらず湿度が高いが、ゆったりと歩いていると東南東の風が心地よい。ゆったりとと書いたが、脚の筋力の衰えがでているだけ、「急ぎ足」はムリ、普段歩かないとこういうことになる。散歩くらいしたほうがいいのだ。代わりに女房殿がやってくれている。

 投票所まで5分もかからない。靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて、選挙の葉書を受け付けの人へ渡す。小柄で美人だ。(笑) 選挙区選挙用紙に名前を記入し、比例区に受付へ。こちらは政党か個人名のどちらかを記入ということだ。両方書いたら無効票になるのだろうか?なるだろうな。どちらへ振り分けてらいいか判断に困る。投票用紙に「政党名か個人名のいづれかをお書きください、両方書いた場合は無効票となります」くらいの注意書きがあればうれしい。

 中に入ってから、でてくるまで、すれ違ったのは3人、年寄りばかりだ、投票率は今回も低いのだろう。結局、組織票がモノをいう選挙になる。「支持政党なし」が第一党なのにである。また今回もつまらない選挙になりそうだ。
 受付と立会人と思しきは9人であった。

 お二人、半袖を見た。根室はこれくらいの気温で半袖を着ないと、着る時がない。日本一涼しい道東の参議院選挙風景。(笑)

<光洋中学校体育祭>
 今日はお向かいの中学校が体育祭(運動会)だ。始まってから30分くらいで小雨になったが、元気にやっている。びしょ濡れの体育祭も、達成感は大きくなるから、いい思い出になる。56年前、あのグラウンドで俺たちも体育祭を愉しんでいた。グラウンドに生徒全員は収容できないから、片側の空き地を控えに使った。3学年で1500名いた。いま195人*だ。56年後に何人の生徒がいるのだろう?

 追記:午前中に雨は上がりました。

*光洋中学校生徒数
https://www.gaccom.jp/schools-38714/students.html



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#4039 粋な女と無粋な男:第6段 平生昌 July 20, 2019 [44-2.『枕草子』]

 ときはいまから1020年前、西暦999年8月のことである。中宮定子がお産のために大進(だいじん)平生昌(たいらのなりまさ)の邸宅へお出ましになる。もちろん清少納言は定子について一緒に行く。みんなが寝静まったその夜のこと…

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同じ局に住む若き人々などして、万づのことも知らず、ねぶたければ、皆寝ぬ。東の対、西の廂かけて有る、北の障子に懸け金もなかりけるを、それも尋ねず、家主なれば、案内を知りて、開けてけり。あやしう、嗄(か)ればみたる物の声にて、「さぶらはむはいかに。さぶらはむはいかに」と、あまたたびいふ声にぞ、驚きて見れば、几帳の後に立てたる燈台の光はあらはなり。障子を五寸ばかり開けて、いふなりけり。いみじうをかし。さらに、かやうのすきずきしきわざゆめにせぬものを、わが家におはしましたりとて、むげに心にまかするなめり、と思ふも、いとをかし。かたはらなる人をおし起して、「かれ見たまへ。かかる見えぬ者のあめるは」といへば、頭もたげて見やりて、いみじう笑ふ。「あれは誰ぞ。けそうに」といへば、「あらず。家の主と、定め申すべきことのはべるなり」といへば、「門のことをこそ聞こえつれ、障子開け給へとやは聞こえつる」といへば、「なほ、そのことも申さむ。そこにさぶらはむはいかに。そこにさぶらはむはいかに」といへば、「いと見苦しきこと」「さらにえおはせじ」とて、笑ふめれば、「若き人おはしけり」とて、引き立てて、往ぬる後に、笑ふこといみじう、「開けむとならば、ただ入りねかし。消息をいはむに、よかなりとは、たれかいはむ」と、げにぞをかしき。
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 他の女官とともに同じ部屋で寝入っているその北の障子には掛け金がない、勝手知ったる自分の屋敷だから生昌は寝所に忍んできて、その障子を15㎝ほど開けて声を何度もかける。「入っていいですか、あの、もし、入っていいですか?聞こえてますか、入ってもよろしゅうございますか?」とでもやったのだろう。清少納言が目を覚ました。生昌の言い訳が面白い。最少納言の気持ちは「開けむとならば、ただ入りねかし」、この文に如実に現れている。
 恋の駆け引きに慣れた女としては、女の部屋を夜訪ねてきて障子を開けたのなら、さっさと入ってきてするべきことをするのが、粋な男というもの。入っていいかと何度も訊くなんて、生昌バカねとおおらかに笑っている。

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「夜中に女性の部屋を訪ねるなどといった、好色そうな行動をとるなどとは、夢にもできない男なのに、わが家に中宮様をお迎えしていることでもあり、自分が偉くなったように舞い上がって、つい心安い行動に出たのだろうと思うとおかしくなる。」(島内裕子訳『枕草子』41頁)

「門のこと、つまりもっと大きく造ってくださいねとは、もうすでに申し上げましたよね。でも、障子を開けて、寝室に入ってきてくださいなどと、わたしが申しましたかしら」
「いえね、そのことを申し上げようとしたのです。その部屋には誰々がおられるのですか」と生昌が言う。「まあ、見苦しいこと。何もお答えできませんとわたしが言うと、ここにいる女房も笑うので、生昌は「お一人かと思っていたのですが、若い女性たちもおられるのですね、などと言って、障子を閉めたので、生昌が行ってしまってから、みんなで大笑いした。障子を開けたのだったら、つべこべ言わずに部屋の中に入ったらいいのだ。こういう状況で、男が女に「お部屋に入ってもよろしいでしょうか」と申し入れたとして、どこに「はい、入っても結構です」などと答える女がいるだろうか。そんなこともわからず、おどおどと退散した生昌の行動は、本当におかしくてたまらない。(同書42頁)
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 男女の仲のそういう機微をわきまえない無粋な男として生昌を描写している。周りに定子付きの若い女性たちが数人寝ており、そんなところへ忍び入って、エッチすると、寝ていたとしても周りの女たちもじきに気がつき、息を殺してネタふりする。せいぜい衝立が立ててあるだけだから、吐息も丸聞こえ、平安時代は実にオープン。翌朝は若い子たちが昨夜の衝立の向こう側でなされた房事の話でキャアキャア盛り上がることはいうまでもない。
 もちろん、翌朝中宮定子にコトの顛末を報告している。それを聞いた定子がどのように反応したか興味のあるところだろう。

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早朝、御前に参りて啓すれば、「さることも聞こえざりつるものを。昨夜のことにめでて行きたりけるなり。あはれ。かれをはしたなういひけむこそ、いとほしけれ」とて、笑はせ給ふ。
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昨夜の出来事を申し上げると、中宮様は「生昌がそんな好色なる振る舞いをするとか、あなたに以前から気が合ったとかの噂は、何も聞いていませんでしたのに。でも、きっと、昨夜のことで、いろいろ思うところがあって、あなたと話がしたくて、やってきたのでしょうね。まあまあ、あまり彼のことをはしたなく言うものだから、わたしは、なんだか生昌のことがかわいそうですよ」とおっしゃって、お笑いになる。(同書42頁)
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 「さることも聞こえざりつるものを」と言っただけで、生昌が清少納言に懸想していたとか、生昌が好色な男といううわさは聞いていない」ということが速やかに伝わってしまう。平安時代は言の葉もずいぶんと奥行きがあったようで、直截的な表現の必要がないのは、行間を読む力が現在よりもずっと大きかったからである。


 なんとものどかな朝の情景ではないか。朝からにこやかにこんな話題をもってきてくれる女官がそばにいる。定子は清少納言がおそばに仕えていたのでどれほど気晴らしになったろう、朝からころころと笑う定子の表情が千年後のいまもありありと想像できる。清少納言に筆致はそれほど生き生きしているのである。

 セクハラなんて言葉のなかったおおらかな時代、恋のやり取りに長(た)けたいい女と、不器用で無粋な男の駆け引きは、はじまる前から勝負がついていた。生昌は軽く手玉に取られて、コロリンコと転がされてしまう。
 上手に口説いて、強引に迫ってくれたらOKよとは清少納言の物言い、千年たっても女の気持ちと恋の駆け引きはちっとも変らない。生昌のような無粋な男がいまも絶滅せずに最近は増殖しているのではないだろうか?
 高校古典授業でこういうところも教えてくれたら、男子も女子も恋のしかたが洗練され、粋な交際ができるだろうに、そして古典文学を読むのがずっと愉しくなる、もったいない。

 明治維新で西欧に追いつけ追い越せと旗を振ってきた文科省は、こういう日本の古来からの性風俗を教科書からそして学校教育の場からひたすら追放してきた。そうして、自分の国が育んできた性風俗に関する知識すらないヘンな日本人が量産されている。
 こういうものを抑圧しすぎると精神を病む。心身ともに健康というのはこころは身体とともにあり、身体の健康なくして心の健康もないということ。30代の独身女性の三人に一人が男性経験なしだという、心身ともに健康を維持することはかなり難しい。そのようなさっこんの事情を平安時代の貴族や庶民が知ったら、びっくり仰天するだろう。
 『枕草子』がたくさんの若い人たちに愛読されることを願ってやまない。



 『枕草子』原文は次のサイトからコピペした。島内裕子校訂の原文と相違しているので、一部分だけ手を加えた。全部直すのはご勘弁を。
https://ja.wikisource.org/wiki/枕草子_(Wikisource)/第五段

*#4035 なにもなにも小さきものはみな美し:清少納言 July 14, 2019
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-07-14



枕草子 上 (ちくま学芸文庫)

枕草子 上 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 清 少納言
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2017/04/06
  • メディア: 文庫

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#4038 安倍首相と山本太郎の政見放送動画が異例の130万回再生 July 20, 2019 [8. 時事評論]

 Aera.comの標記タイトルのニュースが昨日アップされている。
*https://www.msn.com/ja-jp/news/senkyo/安倍首相と山本太郎の政見放送動画が異例の130万回再生-「supernumber消費税廃止」が争点に急浮上/ar-AAEyRex?ocid=spartandhp#page=2

 中身を読んでみると、日本の経済の現状に対する認識が真っ向から対立して、同じ日本について語っているのかと思えるほど相違している。どれほど違いがあるのか一部引用しよう。

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動画の冒頭は、山本氏の訴えから始まる。
「現在の日本、子どもの貧困、約7人に1人高齢者の貧困、5人に1人一人暮らしの女性貧困、3人に1人。このままでは、この国に生きる人々は持ちません」

 ここで、安倍首相と三原氏による政見放送に切り替わる。三原氏は好景気に沸く日本を紹介する。
アベノミクスのもとで、経済は好調ですね。史上初めて47すべての都道府県で、有効求人倍率は1倍を超えています。地方の観光地に、たくさんの外国人の方々が押し寄せ、にぎわっているという話もよく聞きます。消費額にして4兆5000億円の一大産業が生まれ、地方経済も明るさを増しています」

 同じ日本の話なのに、まったく違う世界。

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 どちらの意見も現実に起きている現象をベースに語っている。
 ただ、有効求人倍率が1を超えているのは、2000年当たりから人口減少&高齢化社会に突入して、生産年齢人口が急激に減っているから。アベノミクスのお陰だとは我田引水の誹(そし)りをまぬがれぬ。
 観光客が増えているのは、中身を見ると中国のセレブ層が増えて、手近の海外旅行先として日本を選択していることが主な原因だろう。国内経済で問題が起きたり、貿易や国際政治で摩擦が生ずれば、中国政府の意向次第で激減する可能性があるからリスクも大きい。
 その一方で、海外からの観光客が増えすぎて、京都などは地元住民が日常生活を送るのに迷惑するような状況が生まれている。適正な制限の方法がみつからないというのが現実だろう。

 さて、問題は自分の生活と比べてどちらの意見が実感がもてるかということだ。山本太郎の意見に納得のいく国民もいるし、安倍首相の意見に頷いた人もいるだろう。ではどちらの方が多いのか?

 山本氏の主張は景気をよくするためには消費税を廃止しろということ。財源は、所得税の累進税率と法人税率を以前に戻せということ。消費税が導入されてから、その額とほとんど同額の法人税と所得税が減額されてきたのだから、それを元にもどせば、消費税は廃止できるということだ。現実的で具体的な提案であるから、なるほどと思った。説得力があり面白い論点である。
 相対立する二つの意見・極論をこのように比べることで見えてくるものがある。全文の引用は著作権法に引っかかるので、貼り付けたURLをクリックして、誤解が生じないように元のアエラの記事の全文をお読みいただきたい。

 山本太郎の過激な街頭演説を動画サイトで見つけたので、URLを貼り付けておく。
https://www.youtube.com/watch?v=oKcZXx0mMu0

 消費税廃止と論点がすっきりしているのと、さすが元役者、演説が上手なことで、選挙演説がエンターティンメントとしても成立している。芋じゃなかった、こんなに刺激的な選挙演説ははじめて見た。


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#4037 これって秋刀魚漁獲規制になるの?July 19, 2019 [8. 時事評論]

 太平洋上での秋刀魚の資源管理を話し合う国際会議が行われていたが、55万トンで妥結したと関係者が喜んでいた。国や地域ごとの漁獲規制は来年協議するらしい。55万トンというのは昨年実績を10万トン上回っており、すなおに受け取れば、昨年実績を超える割り当てなら、「規制」ではない、単なる現状追認。なんだかよくわからない話だ。関係者が自分たちの仕事を自画自賛しているだけ。お金かけて大々的に国際会議をしているのだから、何か成果を謳わないわけにはいかぬのだろう。根室の言葉で書くと「みったくなし」だ。このような量の漁獲割り当てを10年も続けたら秋刀魚資源はアウトだ。
 漁獲割り当てで一番困難な仕事は、地域ごと国ごとの割り当てである。うまくいかなけらば、資源が枯渇する、ぜひ合意にこぎつけてもらいたい。

 こちらは本物のグッドニュース。根室水産試験場が根室湾で紅鮭養殖の実証試験に入ったと北海道新聞に載っていた。
 根室の母ちゃんたちは鮭の飯寿司を作る人が多いが、その材料に使われるのは紅い色の濃い紅鮭である、根室では「ベニ」という。ベニを使うとじつにおいしい飯寿司ができる。この数年紅(ベニ)が1本8000円に高騰しているので、ベニの飯寿司をつくるのはやめたという人が増えてきた。10本も使ったら紅だけで8万円だ。10年もこういう状態が続くと、飯寿司づくりに必要な発酵管理技術が世代を超えて伝承できなくなる。根室水産試験場の紅鮭養殖が実証試験段階へ移行した、この先様々な課題が浮かんでくるだろうが、ぜひ突破して養殖を成功させてもらいたい。たくさんの市民が紅鮭の漁獲量が増えることを期待している。

 若い人たちに蟹・イカ・鯖などの根室の水産資源枯渇がどのように起きたのか知っていることを書き残しておく。
 60年前には脚を広げると1m50㎝もあるようなタラバガニがたくさん獲れた。カニ缶詰の加工技術も高くて、根室市に4工場あった日本合同罐詰の製品が欧州まで輸出されていた。昔だってタラバガ二は超高級品だ、値段が高かった。ところが獲りすぎて、根室半島沿岸で資源が枯渇してしまった。儲かる資源から枯渇が始まる。いまあんなに大きなタラバカニがあったら、10万円くらいするだろう。関節の棒肉を一つ食べただけでお腹の足しになった。そういうカニが昭和30年代の中ころまで、根室の子どもたちはおやつ代わりに、そして夜食に食べられた。わたしもたくさん食べた、だから、いま小さい蟹を食べたいと思わぬ。

 船とソナーや漁具の性能が上がれば、資源を枯渇させるほど獲りつくすのは簡単なことだ。最盛期には獲りすぎて罐詰に加工できずに海へ捨てていた。60年前には大型の冷凍設備がなかったからだ。だから、余った蟹は缶詰工場で仕事している人たちへ配られた。棄てるよりはみんなで食べたほうがいい、持ち帰って食べてもらったほうがいい、もったいないからだ。小さなものは海へ捨てていた。資源が枯渇するわけだ。競争で乱獲したのだから。
 昨年の実績を上回る55万トンの秋刀魚漁獲枠なんてことを10年もやったらどういうことになるか想像がつく。秋刀魚はタラバガニの二の舞となる。

 5年前には東京へ送るのに大型の秋刀魚を選ぶと、200g/尾あったが、昨年は140gが大型である。普通のサイズが120gになった。とっくに資源枯渇化のサインがでている。現在の漁獲枠を続けたら秋刀魚も主力資源の座から滑り落ちてしまう。

 昭和30年代半ばころに、イカがひと箱(木箱)で200円なんてことがあったが、スルメイカも資源量が激減して枯渇しかかっている。根室の港にスルメイカが水揚げされること自体が少なくなった。生徒が水産資源の話をしたので、昭和30年代前半のころの鯖のことを伝えた。
 根室に最初に信号がついたのは、大地みらい信金本店前(元緑菓子店・酒井理髪店前の交差点)である。夏の朝、花咲港に鯖が水揚げされると、サバの水煮罐詰用の原料として根室港に配置された工場へトラックで運ばれる。あさ、7時ころに信号で鯖を満載したトラックがブレーキを掛けると、荷台から鯖が滑り落ちる、運転手は「ゴメン、拾って食べてください!」車窓からそういって信号が変わるとともに工場へ向かう。拾っている暇はないのである。30㎝を超える丸々太った鯖が黒いアスファルトで跳ねている。近所の人たちがボールやバケツをもってでてきて、5-6尾ずつ持って帰る。その日はサバの味噌煮、塩焼きがふんだんに食べられた。活きがよいからとってもおいしかった。そんな大型の鯖は花咲港に一尾も上がらなくなった。魚屋でも見かけることはない、ちっちゃいほっそりした鯖ばかりだ。

 羅臼昆布は資源管理が徹底していて、資源が枯渇していない。出汁昆布としての品質は全国一で値段が高いから、高級料亭や出汁に気を遣って羅臼昆布を使うラーメン店ぐらいにしか出回らない。羅臼昆布の出汁は濁らない。一般の消費者にが手に入れるのはなかなか困難だ。
 資源管理を徹底したら、次の世代も、その次の世代も食うのに困らぬことは羅臼昆布が教えてくれている。秋刀魚がどうなるのか、蟹・イカ・鯖などの水産資源を枯渇させてきた水産業の前線都市として、根室市は世界に向かって言うべきことがありそうだ。
 北太平洋上で秋刀魚の漁獲をしている国全部(日本、台湾、韓国、中国)がこのままでは根室市と同じ運命に陥る。漁法、船、機械、ソナーの性能が上がって、資源を採りつくすのは60年前よりもずっと容易になっている。



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#4036 英語短期特訓開始:2時間×10回 July 17, 2019 [78-1Vivid 3短期特訓補習]

 高校2年生は数学ができるけど英語のできない生徒が多いので、毎週水曜日に10回長文読みの特訓をしてみることに決めた。放っておいたら苦手だからいつまでたってもやらない、いまやらなければ入試に間に合わない。短期間でいいから本気でやれば力はつく。
 英語が苦手の生徒たちが対象の特訓だから、教材はやさしく短いものがいいので、すぐに手に入る高3の教科書「VIVID Ⅲ」を使うことにした。初回の今日の授業には「第7章 Steve Jobs」を選んだ。中身に興味の持てる章をセレクトした。全員がスマホをもって毎日楽しんでいる。
 スティーブはアップルの創業者である、彼は生まれてすぐに養子になった。
 お母さんのクララがスティーブに毎日本を読んで聞かせている。母親が専業主婦、家にいて毎日読み聞かせをやるというのは、幼児にとって大事なことだ。1950年代は主婦の大半が専業主婦だった。働き方改革なんて言って主婦を労働力市場へ追い立てようとしているが、専業主婦で子どもの教育に力を注ぐことも外に出て働く以上に大切なことだというのが最初のページを読んでわかる。
 お父さんのかかわりも同じくらい大切で、いろんなものを分解してから組み立てて見せたのだそうだ。こんなことができるお父さんは100人に一人もいるだろうか?機械工だったからそういうことが得意だったのだろう。スティーブはこうして本に興味があり、機械いじりの好きな子供に育っていく。小学校の先生がユニークで、スティーブに大きな影響を与えるのだが、そこは来週やることになる。
 高3の教科書は分量が少ないが、若い人たちが興味をもてるような話題がいくつか載っている、昔の教科書は道徳やお説教臭い話が多く、内容に興味を引くようなものがほとんどなかったので、教科書を見て時代の変化を感じる、いい時代になった。でも、それで英語が好きになる生徒が増えたのかというとどうなのだろう。英語が苦手な生徒たちが興味をもてるような美味しいものだけ4つほどやるつもりでいる。どの章に興味があるか、そのうちに生徒たちの意見も聞いてみたい。

 今日は初回だから、ワード・オーダーも文構造も、文型も、代名詞が何を指しているかも、全文解説した。一つの文を10-30回読んでから解説した。そしてもう3度、文章の意味を頭に浮かべながら音読して次の文へと移る。ずいぶん手間のかかる授業だが、慣れたら同じ項目はだんだん説明を短くして、速度アップしていける。「はじめちょろちょろなかぱっぱ、赤子なくとも蓋とるな」、ご飯を炊くのと似た要領でいい。(笑)
 一つの文を10-30回音読させるのは、音読リズムに口と体が慣れてほしいからだ。投稿欄で英語の達人「後志のおじさん」が自分のトレーニング法を教えてくれたので、そのやりかたを踏襲している。ふだんの個別授業でこういうやり方はとれないので、休みにしている水曜日を特訓に充てることにした。文章によっては30回音読しないと英語が苦手な生徒たちはリズムがつかめない。子音の発音もついでにトレーニング、だんだん英語らしくなってくるのがうれしい。5回もやれば全部の子音の発音がスムーズにできるようになるだろう。しばらくは基礎の基礎を叩きこむことに力を注ぐのみ。
 2時間の授業を10回やれば、自分で辞書を引きながら、結構読めるようになるし、ある程度の英文も書けるようになることを期待している。よく読むことは、よく書くことに通じる。

  授業30分前にきて辞書で単語を引かせたのだが、adoptedを「採用する」や「養子」とノートに記入していた生徒がいた。-ed形なのに動詞と気がつかないで、名詞の方の「養子」を選んでいた。辞書を引き、せっかく動詞の項目を見ているのに、先頭のものを何も考えずに書き写した。それもこれもをまだ慣れないからだ。辞書を引く前に、品詞は動詞で、赤ん坊が主語だから、「採用する」は外れ、赤ん坊に関係する意味は何、と探せば、たいていの辞書には2番目にピッタリのものがある。主節のあとに来ている従属節は、主節の先行詞の補足説明だから、そこに「結婚してから9年間子どもが授からなかった」とあれもう辞書を引かずとも、「生まれてすぐに里子に出された」とか。「もらわれた」という意味に気がつく。米国ではこういう養子縁組に関して国家の補助があり、一人につき毎月5万円ほど補助金が支給されるので、ビジネスにしている人もいるらしい。10人引き受けたら補助金は毎月50万円を超える。日本では一人目は倍くらい出るようだ。人数が増えると減額になるのでビジネスにはなりがたい制度設計になっている。興味のある人は検索して、調べて投稿欄へ書き込んでくれたらいい。
 日本語のテクストなら、文脈を読んで意味を考え、その妥当性をチェックしながら読んでいるのに、英語になったとたんに文脈を読まない。日本語のテクストの先読みスキルの高い生徒は、英語を読むときにも自然に文脈のチェックをしながら、意味をとらえて読み進んでいる。だから読む速度も大きい。英文を読むときに「先読み」できるようになれば読書速度と精度が大きくアップできる。
 
 A baby boy was born on February 24, 1955.
  Soon he was adopted by Paul and Clara Jobs, who had been married for nine years but had not had a baby.


「生まれてすぐにジョブズ夫妻にもらわれた、ポールとクララの二人は結婚してから9年たつが子どもがなかった」くらいの日本語がいいだろう。自分が日常使う語彙や日本語の言い回しにまで落としたほうが訳が洗練されていい。

 主節は過去、従属節は過去完了、そのあたりも意識してもらいたいから、時間を表す直線図で解説した。数学の直線図が時間の順序を説明するには便利だ。原点0が現在、マイナス側が過去、プラス側が未来である。
 動詞の意味は主語と目的語があればセットで考えたいもの。同じ単語に名詞・動詞の両方あるものは多いから、まずはその文中でどの位置(主語・動詞・目的語・補語)にあるのか見極めて、品詞を確定してから辞書を引いてもらいたい。この場合は、赤ん坊の話が出てきて、代名詞の he が赤ん坊を指していることが分かれば、「採用された」なんて訳をするはずがない。授業の前に30分間辞書を引かせるので、次第に慣れてくる。10回の授業が終わるころには、わたしが辞書を引くのと同等のスキルになるだろう。具体的な事例を使って、トレーニングするのが一番よいのである。生徒たちは辞書の引き方すら習っていないようす。そもそも中学校で英語の辞書を使わないというのがわたしには理解できない。団塊世代は中学校の英語の授業では辞書を使っていたから、辞書の引き方を知らないという生徒はいなかった。文科省で専門家が集まって中学校の英語授業で辞書を使わない方針をずいぶん前に決めたのだろうが、専門家の議論はどこかピントが外れ、いろんなところに穴が開いてしまうものらしい。原発の専門家が、原発は安全だと言い続けて、世界史上最大の原発事故を招いたのによく似ている。


 She even taught him how to read before he started school.

  このスクールには冠詞がついていない。こういうところに注意して読むと、英語の読解力は格段に強化できる。細部をおろそかにする者は上達が遅い。He goes to school by bike. の文は自転車で「通学している」という意味である。お母さんが昨日学校に行ったは She went to the school yesterday. 行った学校が子どもが通学している学校なら、定冠詞のtheが必要だ。

 冠詞は四つある。「a、an、the、Ф(無冠詞)」、上述の文はФである。機能を表す場合には無冠詞であることに注意。Фは空集合を表す数学記号であるが、英語の授業でも数学のツールは便利がよいものだ。
 学校へは勉強しに行くということ。無冠詞の「 before started to school 」の意味は「就学前に」である。冠詞の理解と扱いは意味に深くかかわるし、英作文にもとても重要性が高い。そして日本語にない機能だから、日本人にはピンとこない。生徒たちには冠詞が精確に使い分けられるようになってもらいたいから、でてきた冠詞類は全部解説する。そこだけでも、きっと面白い授業になる。 

 3年生の教科書だから、途中で一文が5行の長いものがでてきた。こういう長い文の処理に不慣れなのである。アレルギーがあってみただけで身体が逃げているように見える。(笑)
 10回でアレルギー症状がでないように治療してあげる。

 今日来たのは四人、高1と高2の生徒である。全員へ高3の教科書をプレゼントした。もう3人いるが来週くるかな?その中には3年生も一人いる。参加するか否かは生徒自身が決める。わたしにできることは英語の苦手な生徒に短期特訓のスケジュールと目的を通知することのみ。

 ニムオロ塾で英語の特訓は初めてやる、英語のできない生徒対象で参加は自由、自ら進んでやる気のある生徒のみに参加資格を与える。毎週水曜日は休みだが、これから10回だけ生徒たちにお付き合いする。
 今日は30分予習させてから、授業を始めた。次は段落二つくらいは日本語訳を書いてきてもらう。陣の日本語訳と比べると何がまずいのか一目瞭然になるからだ。初回から私語しないで一生懸命に辞書を引いていたのでびっくり、そして嫌いな英語の授業が始まっても集中力がずっと続いていた、このまま走り切ってもらいたい。予習をしてきてしっかりやり通せば効果は小さくない。わたしが高校生なら受けたい授業を頭に描いてやっているから、中身は相当に濃い授業になっている
 体力使い切った感じがして、今夜は酒がことのほかおいしい。(笑)



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#4035 なにもなにも小さきものはみな美し:清少納言 July 14, 2019 [44-2.『枕草子』]

 『枕草子』第151段は「美しきもの」です。美しきものとはかわいいもののこと。「なにもなにも小さきものはみな美し」と書いています。小さいものはみなかわいい、雀の子も犬の子も猫の子も、もちろん子どもも孫も小さいうちはかわいいもの。これを書いているわたしだって、そして読んでいるあなただって小さくかわいい時があった。(笑)


 ひよこの可愛さを具体的に描写した後に、カルガモの卵が可愛いと清少納言はこの条の最後のところで「瑠璃の壺」と一緒に並べて書いてます。たぶん、頭の中にいま書いたばかりの鶏の雛から鶏の卵を連想して、カルガモの卵が可愛いと無邪気にはしゃいだのでしょう。今朝6時45分からのNHKラジオ番組で『枕草子』の解説を鳥内裕子さんがしていましたが「かりのこ」とあるのはカルガモの卵だそうです。「雁の子=雁の雛」だと思ってました。

にはとりのひなの、足高に、しろうをかしげに、衣みじかなるさまして、ぴよぴよとかしがましうなきて、ひとにしりさきにたちてありくもをかし。また親の、ともにつれてたちて走るも、みなうつくし。かりのこ。瑠璃の壺。

 こちらの解説では「雁の雛」となっていますから、二通りの解釈があるようです。
*原文対訳:http://www.manabu-oshieru.com/daigakujuken/kobun/makura/151.html

 こころのセンターにあるのは情緒ですが、その情緒は幼いときに両親やジジ・ババや周りの人たちから「かわいらしい」と言われたり、めんこいなと抱きしめられたりして育ちます。そのようなことをたくさん経験しなが情緒の安定した人に育っていく。


 物心がついてくると、語彙が増え言葉の重要性が大きくなってきますから、子どもに乱暴な言葉を投げるのは慎みたいものです。幼い時から、抱きしめられたことがなく、かわいらしいと愛でられることもなく、親が日常的に乱暴な言葉で接したら、その子どもの心は円満に発達できるでしょうか?荒(すさ)みそうな気がします。

 小学生から中高生にかけて、情緒の滋養になるような短歌や俳句を含む詩歌、小説、伝記、文学作品を読んでおきたいもの。それぞれ旬の時期でないと育たぬ種類の情緒がありそうです。
 清少納言は感性の鋭い人で、その表現が具体的で巧みです。教科書に載っている部分もいいですが、「おいしいところ」は「教育上の配慮」で教科書には載っていないのです。『枕草子』はあの有名な「春はあけぼの、ようよう白くなりゆく 山際…」だけではありません。そのあとが面白いのです。素敵な男とはどういうものか、ダメな男とはどういうものか、素敵な女とはどういうものか、見苦しい女とはどういうものか、男と女の仲はかくありたい、というように、具体的な事例をまな板にあげて見事な包丁さばきで料理して見せてくれます。人間観察が上手なんです。千年たっても事情はちっとも変っていないことに吃驚(びっくり)です。書いた清少納言はもっとおどろくのではないでしょうか。清少納言が書いた男女の仲は平安時代のことですから、とっても素直です、本能にも素直なのです、自然のまま、文(短歌を書いた手紙)を交換したら、夜半になってから訪れ、契りを結んで、夜が明けきらぬうちに退散して「ああ、とってもよかったよ」と後朝(きぬぎぬ)の文を書いて召使いに届けさせるのが恋愛のお作法です。「契りを結ぶ」っていい表現でしょ。「エッチする」も「セックスした」も表現が直截(せつ)的で下品です。文をもらって返歌したら、「あなたと契ってもいいですよ、どうぞ夜半になってから来てください、明け方までたっぷり時間がありますから」というサインを送ったことになります。9時から3時までとしても6時間たっぷり時間をかけて愉しんだのです。いまよりずっと契りにかける時間が長かったのです。なにせ夜が明けるまでですから、スローなセックスです、アダルトビデオなんか時間が短すぎて、犬や猫のそれじゃあるまいし、平安時代の女房殿たちに笑われます
 文に書かれた短歌が下手だったり、顔やスタイルが気にらなけりゃ、返歌しないだけ。歌が詠めない男も女も教養のある異性には相手してもらえません。だから、上手に歌を詠めるように万葉集や古今集、新古今集を片っ端から読んで学びます。恋のゲームはすだれ越しに見初めたその時からはじまり、歌を一生懸命に詠んで文にしたため、どんな返歌が来るのか想像しながら、愉しい契りのときが来るのを待つ、じつに風雅なものです。
 歌詠みが上手でいい男は掛け持ちして何人もの女のところを訪れ、もてる女も上手な歌を詠み何人も恋愛相手がいて、かわりがわり夜半に訪れるというのがお決まりのスタイルでした。だから文をかわす必要があったのかもしれませんね、バッティングしては無粋ですから。(笑)
  微に入り細にわたり、男女のやり取りを書いてます。清少納言は知識と教養があったから、モテモテでした。どちらかというとかなりの男好きのようで、恋愛経験も豊富だった。だから『枕草子』は愉しいのです

 大和朝廷が成立したことから、おそらくはもっと古代から、歌垣という性風俗もありました。宮中でも行われたようです、おおらかですね。性的開放、もっと直截的に「乱交の風習」と言わないと何のことかわかりませんね。歌垣は日本書紀や万葉集にもでてきますが、高校の授業では教えないでしょう、いけませんね。古来日本人はそちらの方面にはじつにじつにおおらかだったのです。清少納言はそういう風俗を背景として人間観察をしています。時代背景や性風俗をよく知って読んでこそ、『日本書紀』も『万葉集』も『源氏物語』も『枕草子』も合点がいくのです。
  高橋克彦著『風の陣』にも称徳天皇が宮中で歌垣を催すシーンが出てきます、どの巻だったか忘れました。
*歌垣(うたがき、かがい)
https://kotobank.jp/word/歌垣-34697
 当時は15-6歳で結婚するのは珍しくありません、20歳を過ぎたら遅いと思われてました。だから性的な経験も早かったし、「若衆宿」に代表されるような「村人の若者たちが雑魚寝する場所」がありましたから、年頃になって経験のない男も女もありえませんでした。そういう性風俗=社会システムがあったからです。それは若者の自治組織でもあったのです。鹿児島にも会津にもありました。おそらく全国津々浦々に。
 『枕草子』は高校生には興味津々の読み物でしょうね。源氏物語と違って長編ではありませんから、すぐに読み切れます。気軽に手にしてわからぬところは読み飛ばしながら、読んだらいいのです。わからないところは現代語訳を参照したらいい。
 男女の気持ちのうつろいや、いい男とはあるいはいい女とはどういうものか、『枕草子』で予習しておくのがいい。受験だってあらかじめ勉強しておかなけりゃ、手痛い目に遭います、恋愛も同じこと。(笑)
 ああ、今日は港まつり、花火大会です、高校生のカップルが会場にはたくさんいるでしょうね。高校時代はあっという間に過ぎます。3回しかない高校時代の花火大会、今年相手を見つけるチャンスを逃がした人は来年があります。3年生は卒業してからがんばってください。(笑)

 閑話休題、『枕草子』はとっても面白いから、勉強に疲れたら休憩して一部だけでも読んだらいかがですか。
 そして清少納言が喝破したように、「小さきものはみな美し」です、愛でましょう。周りを探して、小さくてかわいいものを見つけたら、小さいノートを用意して片っ端から書きましょう、きっとたくさん見つかりますよ。どのように可愛いのか、「かわいい」という語を使わずに表現してみると作文トレーニングになります。

 ところでいまハマナスの花が散りつつあります。ハマナスの赤い大輪の花は色も香りも大人の女性のようななまめかしさがあります。6月に咲いていたスズランは小さな白い花がかわいらしいことこの上なし。その香りも姿と同じくなまめかしさがありません。見た目が影響しているのでしょうね。スズランの香だって強烈ですからね。6月と7月に撮ったハマナスとスズランの花の写真を再掲します。スズランはとっくに花を落としました。ハマナスは毎朝あたりに花びらを散らし、朝起きたらせっせと掃き掃除です。

SSCN2925.JPG

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<余談-1:気持ちの切り換え>
 昨日と今日はせっせと数列の問題を解いてブラッシュアップしています。
 『シリウス数B』は難易度の高い問題が満載ですから、この問題集を高校2年生に全問やれというのはずいぶん酷だなと思ってしまいます。教科書付属問題集『WIDE』を解いてからでないと、ちょっと成績がよいくらいの生徒にはチャレンジできない代物です。準拠問題集をやっても、この問題集を全部やり切るのは至難の業。だが、進研模試で100点とりたかったら全問やるべし。
 目標点が高いのとスタート(首都圏の生徒なら4年生スタートですが、この生徒は5年生の3学期からのスタートで1.6年のビハインド)の遅れを取り返すために、いきなりこの問題集にトライさせている生徒が一人だけいます。独力で予習をして、わからないところだけ質問してます。とってもよくやっていますが、数Bも 数Ⅱの方の問題集も登山に例えるなら急勾配。「数Ⅱと数Bに比べたら、シリウス数Ⅰと数Aは楽だった」と言ってます、やっているときにはかなりきつかったはず、いまはそう思えるのでしょうね。成長したからね。(笑)
 岩にしがみつきながら腕力も使って体をもち上げていかないとなかなか登り切れません。直登のようなものですから、ときどき休憩を入れてやっていい。たまには休憩も必要です。
 全国平均が30点付近で、標準偏差が18点くらい。偏差値70が目標の生徒は、得点ではおよそ70点弱ですから、応用問題(難関大学や医学部入試過去問)はいまはパスしてもいい。「いまは」、ですよ。(笑)
 根室高校学校祭はもう終わって後片付けの最中かな。今夜は花火大会です、一緒に行く人ができたと喜んでいる生徒がいました、楽しんでください。明日からは気持ちを切り替え、勉強の方へ熱を込めましょう。期待してます。



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 この本、愛読してます。
すらすら読める枕草子

すらすら読める枕草子

  • 作者: 山口 仲美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/06/27
  • メディア: 単行本
 原文だけ読みたいときや検索するにはこれが便利です。
枕草子 (岩波文庫)

枕草子 (岩波文庫)

  • 作者: 清少納言
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1962/10/16
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 今日この本を注文してきました、週末ころに入荷予定。鳥内さんの「翻訳」で価格は1512円です。文庫本にしてはお高いですが、とっても面白そう。上巻を読んでから下巻を買うかどうか決めます。
枕草子 上 (ちくま学芸文庫)

枕草子 上 (ちくま学芸文庫)

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2017/04/10
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盆踊り 乱交の民俗学

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  • 作者: 下川 耿史
  • 出版社/メーカー: 作品社
  • 発売日: 2011/08/19
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忘れられた日本人 (岩波文庫)

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  • 作者: 宮本 常一
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1984/05/16
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リンボウ先生のうふふ枕草子

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  • 作者: 林 望
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2009/03/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 リンボウ先生訳の源氏物語はとっても品のよい和文です。

謹訳 源氏物語 一

謹訳 源氏物語 一

  • 作者: 林望
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2010/03/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
風の陣 三 天命篇 (講談社文庫)

風の陣 三 天命篇 (講談社文庫)

  • 作者: 高橋 克彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/03/15
  • メディア: 文庫

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#4034 根高学校祭野外パフォーマンス:雨で体育館開催 July 13, 2019 [87.根室の話題]

 根室高校は昨日から学校祭が始まった。
 昨日の合唱コンクールに続いて、今日は明治公園で全学年クラス対抗の野外パフォーマンスが行われる予定だった。朝からの雨で体育館へ場所の変更、狭いので、保護者も近隣の住民も見学できない。1年生の保護者は初めての野外パフォーマンスに期待していただろうな。3年生は高校生活最後の野外パフォーマンスだった。天候が悪いのは仕方がないけど、あ~あ、です。楽しんでみながら自分の子どもを応援したかった保護者のみなさんがかわいそう。これは「自然災害」ですね。

 仮装して踊るから、衣装づくりに毎年力が入る、女の生徒たちがそれぞれ作業分担し、ミシンの得意な生徒がつくる。なかには、ネットで型紙をダウンロードして、本格的に作る生徒もいる。身に着ける小道具もせっせとつくっていた。
 ダンスは蚊に刺されながら夕方明治公園で練習に励んでいた。近くに池と小川があるので藪蚊がいる。振付を決め、クラス全員が息を合わせて練習できるところまでもっていくのはなかなかむずかしい。
 同じクラスの一人一人のこころを大事にしながら、合唱、ダンス、衣装制作、催し物の準備と、みんなで協力し合うのはとってもむずかしいことだが、そういう経験が大人になってから生きてくる。だから、準備過程も大いに楽しんだらいい。今年うまくいかなかったら、来年もう一度頑張ればいい。
 3年生は来年ないね、高校生活は一度っきり、貴重な3年間だ。学校祭が終われば、自分の進路へ向けてまっしぐら、残りの半年間一生懸命勉強しよう。あ、8月9-11日の金刀比羅神社のお祭りがあるか。7月下旬からお囃子の太鼓や笛や金棒の練習が始まる。

 踊る生徒たちにも、保護者にも、そして一般の見学者にとっても今日は恨めしい雨、こればっかりはどうにもできません。
 外は雨でも、生徒たちは体育館で力いっぱい弾けたのだろう、頭の中で笑顔で踊る生徒たちを想像するしかない。来週、写真や動画を生徒たちがもってくる。
 来年は、「晴れろ!晴れろ!晴れろ!」、言霊が天に届いて、来年の学校祭は晴れだ。明治公園の芝生の上のパフォーマンスを期待したい。


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#4033 根室市役所を新築してはいけない理由 July 12, 2019 [26. 地域医療・経済・財政]

<最終更新情報>
7/13 午前0時

 市役所建物は新築の方向で決まったようです。改修か新築かの結論を出すには、その前に議論しておくべきことがあります。

 <閉鎖的な場での議論はつねに大失敗の歴史あり>
  市がやる「~市民委員会」方式での議論は大半の委員を市側で指名しますから、閉鎖的な委員会です。公募の委員が数名いて反対意見を表明することがありますが、多数決で押し切られるのが常。病院建て替えでも、明治公園再開発でも高校統廃合問題でも、小中学校統廃合でも、そういう方式で結論を出していますが、全部大失敗です。一つの例外もない。専門知識や分析能力を欠いた人たちが何人集まって議論してもダメなものはダメ。データをベースに客観的な分析もしない、だから検討不足で見落としだらけ。確認もせずに恣意的なデータを鵜呑みして判断してしまう。石垣市長は前市長長谷川氏のやり方を忠実に踏襲しています。困ったものです。


<改修否定理由は10年20年で建て替えになるから>
  いま市役所建て替えでも同じことが起きてます。今日(7/11)の北海道新聞根室地域版で市政モニター会議で改修ではなくて建て替えの方向になったとありました。理由を見たら、お茶飲み話のレベルですよ、改修しても10年20年したら建て替えしなくてはならなくなるからだそうです。
  そんないい加減な改修工事がありますか?30年はもちますよ、氷見市がやってます。弊ブログ#3259で取り上げました。廃校になる小学校や中学校を使えばいい。すでに耐震改修済みです。数億円の予算を投じて、最近数年間で耐震改修しています。もったいない。小学校か中学校を利用するなら改修に15億円かけたっていい。
 2016年3月15日の北海道新聞によれば、市側の試算では現建物を耐震改修すれば8.5億円、新築なら30億円と公表しています。詳細は弊ブログ#3258を参照してください。
 岩見沢の市議が見学して写真をブログに貼り付けています、ご覧ください。投稿欄で教えてくれた方がいらっしゃいます。
*氷見市役所庁舎見学報告:岩見沢市議平野義文さんのブログ
https://hiranoyoshifumi.jp/2016/12/22/8107#more-8107

 #3258 根室市役所新築なら30億円:坪単価200万円にビックリポン! Mar. 15, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15
 #3259 市役所庁舎に廃校を利用した富山県氷見市 Mar.16, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-16

<資料の保管方法再考や仕事のデザインが先>
 市役所内の仕事のやりかたが変わっていい。保管資料の量の調査や保存媒体検討、そして実務デザインが先、仕事のやり方で仕事量はまるで違ってきます。実務デザイン次第で10人必要だった部署も2人ですむケースが出てきます。資料の保管方法や実務デザイン次第で仕事のしかたも必要人員数も違ってくるから、改修仕様や建築仕様はその後です。段階的に市役所職員の定数をどのように減らしていくのか、具体的な数字をもたなければ、改修仕様も建築仕様も、改修にすべきか新築すべきかも決められないのです。市政モニターのメンバーのみなさんはそういう議論しましたか?

<人口減少の影響を無視>

 市政モニター会議は人口減少という肝心なこともお忘れのご様子。20年後の根室市の人口は1.5万人です、いまの規模のスペースは要らないのです。20年前は3.4万人、いま2.5万人。20年間で8000人強減少しています。市役所の仕事は市民対象のものが多いのですから、市民が4割も減少すれば、やらなければならない仕事の量も減少します。
*根室市の人口推移データ
https://www.city.nemuro.hokkaido.jp/lifeinfo/shinitsuite/toukeijouhou/2/2817.html

 現市庁舎が建てられた1973年の人口は44,856人です。建物はつくってしまえば耐用年数は50年、来年つくったとしても2070年まで建て替えがありません。2070年には根室の人口は1万人未満です。現在と同じ面積で建て替えようとしていますが、ほんとうにそんなに広い市庁舎がいるのですか?
 小学校は市街化地域に1校で十分です。郡部校は集団競技の部活ができない、「わたしたちって差別されている」と怒っている郡部の中学生もいますよ。
 廃校になる市街化地域の学校を改修して20-30年間使用し、そのあとで人口規模に合わせて新築すればいいではありませんか。20年後なら人口は1.5万人です。25年後ならおよそ半分の1.3万人です。新築するならその時がベストとは思いませんか?
 
50年間使用することを考慮してください。現在計画されている規模は大きすぎます。人口推移データを見てください、論外でしょう

 <国勢調査と人口推計データ>
 1980年 42880人
 2000年 33150人
 2010年 29201
 2020年 24461
 2030年 19610
 2040年 15190
 2045年 13210人
*https://ecitizen.jp/Population/City/01223

 推計値の見直しがあったようですね。数年前の推計では2040年は1.8万人でした。どういうわけか最近3年間は根室市の人口減少が毎年600人を超えて加速しています。藤原市長時代は年間400人前後の人口減少でした。わずか11年後の2030年には根室市の人口が2万人を割るのです。人口が激減しているのに、45年前の規模で建て替える必要はない。改修して人口の減り具合を確認してから、人口規模に合わせて25年後くらいに新築したらいい。仕事のしかたもスマートにしたらいい、おしゃれで小さな市庁舎で間に合うと思いますよ。いま業務で使っているパソコンは25年後にはスーパーコンピュータ並の性能のものに置き換わっているかもしれません。記憶媒体もまったく性能が違うものに置き換わています。つまり使用する機器がしめる空間がずっとコンパクトになります。建物の仕様がまるで違ってきます。市役所まで出向いてやらなければならない諸手続きも、市民が家からスマホのようなものでほとんどが処理できるようになります。すでに通信速度はまもなく5Gに切り替わると騒いでいます。
 この推計には年齢階層別の推計値もでています。そのデータによれば、2030年の根室市内の中学生は1学年137人、この時点で小学校も中学校も郡部校は必要なしです、市街化地域に1校に統合すべきでしょう。あとたった11年で、こういう事態が起きる。
 市街化地域に2校、郡部校は整理しない結論を出してしまいましたが、閉鎖的な場で議論するからこんなバカな結論が出てしまう。小中学校統廃合問題は急いでやり直した方がいい。2040年には中学生は1学年95人まで減少します。小学校も中学校も21年後には根室市内に1校でよい、いや1校に統合すべきだということです。そこから、いまどのように段階的に統廃合を進めるべきかを考えましょう。


<結論:重要事項がいくつも見落とされている>
 見落としだらけになっていますから、閉鎖的な場での議論で結論を出してはいけないのです。建て替え後に不都合が起きます。市庁舎建て替えは市政モニター会議のような閉鎖的で恒常的な機関ではないところでやれるような問題ではないのです。分析や検討すべきことがたくさんあるので、常設機関がなければならない。根室市の未来にかかわる重要なことですから、市民にオープンな議論が保証されなければならない。
 高校統廃合問題で学力データを分析せずに検討を行ったために、いま根室高校で大きな問題が起きています。学力低下に拍車がかかっています。地域の最高学府である根室高校生の学力レベルが低下するということは、根室の未来に赤信号が灯っているということ。いまだけでなく20年後30年後にも問題続出なのに処理できる人材がいないということになります。閉鎖的な委員会方式でやると、大きな見落としが生じ、たいていこういうことになります。
 市立病院建て替え問題では市側は市民説明会で虚偽説明をし、関係市民委員会と市議会と市民をだましていました。危うくニホロ地区に移転するところでした。あの時は北海道新聞根室支局の記者が駒場町の候補地の地主へ直接取材してくれて、市側の説明が虚偽であると事実を報道してくれました。
現地建て替えにひっくり返ったのです。市民説明会では当時の長谷川助役(前市長)はわたしの質問に傾斜地だから現地建て替えはできないと答えています。これも大嘘でした。当時の市長は藤原さんでした。藤原さんへ連絡とって、担当部長と担当課長へ2000年に首都圏で建て替えを行った300ベッド弱の療養型病院の開発申請資料の写しを差し上げました。わたしが常務理事として担当した仕事ですから、資料を渡すときに建築単価が高すぎることやゼネコンとの交渉のしかたも説明しました。市立病院は現地建て替えに何の問題もなかったのです。いま、同じ場所に建て替えられた病院があります。建て替えだけで113本のブログをアップしてますが、何も言わなければ、市立病院はニホロに移転してましたよ。市役所や市長の提案、あるいは市長の諮問委員会方式での決定でやってはいけないということです。市で行う大きな事業は市民監視が必要です。事情は#4032で書きました。URLが一番最後にあります。
 明治公園再開発は担当委員会が異例の速度で結論を出しましたが、市議会が反対したのでしょう、消えたようです。十数年前に利用されずにさび付いて放置されていたアスレチック施設を撤去しています。アスレチック施設を作ったときの子どもの数に比べると、いまはおそらく1/3です。つくったって親も子どもも利用しません。外は寒いからです。はじめから不要な委員会だったということ。
 こういう閉鎖的なやり方では常に失敗、市民自由参加のオープンな場で1年かけて議論を尽くせとebisuは繰り返し言ってます。中標津町は町のビジョンづくりを市民自由参加のオープンな作業部会でやりました。
 中標津には療養型病床があります。石田病院は療養型病床120ベッドの病院です。老人医療のための病院です。ところが根室市には療養型病床がありません、ゼロなんです。病院職員アンケートでもその必要性と何人もの人が訴えてましたし、地域医療協議会も要望を出してましたが、無視したんです。老人医療を根室市長と市役所の関係部署は切り捨てました。こんな大きな失敗、取り返しにつかぬ失敗もしています。根室市長と市役所幹部職員は病院建て替え問題で大失敗して懲りたはずですが、もう忘れましたか?性懲りなくまた同じことをやっている。

<余談:動機>
 市立病院建て替え問題だけで113本も記事をアップしていますが、なぜそこまでこだわったのか、書いておきます。商工会館で行われた説明会で、ニホロ移転と知ったお年寄りが二組、涙を流して「ニホロに移転になったら、遠すぎて病院へは通えない、なんとかしてほしい」と頼まれたからです。そして都合のよいことに、たまたま、仕事で2000年に首都圏で300ベッド弱の療養型病院の病棟建て替えを常務理事として指揮・調整した経験があったからです。

 いままで弊ブログで採り上げて来た市役所改修に関する議論をまとめてリストします。

*#3875 根室市役所新庁舎は北斗小学校を利用したらいかが? Dec. 8, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-12-08-1

*#3260 根室市役所新庁舎に廃校を利用しよう Mar. 17, 2016
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-16-1

#3259 市役所庁舎に廃校を利用した富山県氷見市 Mar.16, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-16

 #3258 根室市役所新築なら30億円:坪単価200万円にビックリポン! Mar. 15, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15

 #3241 2020年度までに市街3中学校統合 Feb. 19, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-02-19

 #3862 若い女性の流出懸念:根室市 Nov. 24, 2018 
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-11-24-2

 #3135 いい町をつくる Sep. 16, 2015
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-16

#4032 免許返上と代替交通手段の確保:ある専門家のご意見 July 11, 2019
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-07-11



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#4032 免許返上と代替交通手段の確保:ある専門家のご意見 July 11, 2019 [37. 老人介護・医療]


 先週市立病院の眼科を受診したときのことです。「10時に来てもう3時だ、いつになったら自分の番が来るんだ」といらいらして怒鳴ったお年寄りがいました。「責任者を出せ」と憤ってましたが、職員の方が15分ほど丁寧に説明していました。おそらく80代です。他にも病気を抱えて長時間待つのは辛い。2時半の予約のあったわたしが診察を終わったのが5時40分です。ドクターはまだ診察を続けてらっしゃいました。
 長時間診察を待っていたのは一人暮らしで運転免許のない方。診察カードを機械に読み込ませて受付を済ませ、それから自宅へ戻るわけにはいきません。3回タクシーを使うことになるので。来るときはバス。

 代替交通手段の問題を議論すべきだという専門家のご意見に頷きました。


https://www.msn.com/ja-jp/news/national/暴走事故で高齢者だけを悪者にする違和感/ar-AAE8Z0t?ocid=spartanntp#page=2
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まずは一つ目、高齢者の運転能力の問題から。高齢になると運動能力や判断力が落ちるのは事実だ。何の対策もしなくて良いとは思わないが、かといって問答無用で運転免許を取り上げるのが正解とも思えない。都市部に限れば、代替交通手段があるので、その人の環境によっては何とかなるだろうが、地方へ行くとどうにもならない。
 
坂道を20分も歩かないとバス停にたどり着けず、そのバス停の発着時刻表にあるのは朝昼晩に1本ずつという様な状況で、どうしろと言うのか? 家族が面倒を見られる環境ならば良いが、そうでなければ通院も日々の食料調達もままならない。
 
厚労省の統計資料「国民生活基礎調査の概況」の19ページの表組みを見ると、60代で約6割、70代以上では7割以上の人が通院を必要としていることが分かる。もちろん中には通院まで必要ないケースもあるのだろうが、当然命に関わるケースもある。
 
「高齢者が子供をはねた」という事実は重たいが、それで免許を取り上げれば、「通院できなくて死ぬ」人も出てくる。交通事故死と病死ではショッキングな印象に差があるだろうが、人の命に軽々しく軽重は付けられない。

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<市立病院がニホロに移転していたらアウトだった>
 これで思い出したのは、市立病院建て替え時のときの商工会館で一度だけなされた市側の説明です。ニホロに移転して建て替えるつもりでいました。お年寄りが、数人途中で泣いていました。
「ニホロに移転されたら通院できない」
バス路線から外れているので不便ですし、大半の市民はタクシーで片道千円を超えます。ニホロが一番安いという説明でしたが、その後北海道新聞が調べて駒場町の候補地の方が安いことが判明しました。市側は市民へ虚偽の説明をしていました。建て替えに関する市民委員会も騙されて、候補地を見学していました。上下水道や道路の引き込み工事を計算資料から除外してあったのです。説明会のときに質問しましたが、助役からの説明なし、あとで北海道新聞記者が駒場町の地主に買取価格を取材し、追跡報道してくれました。
 このときの市側の説明にはおまけがついており、現地建て替えは傾斜地なので現建物の裏側には建築不可能との説明でした。これも嘘。説明したのは前市長の長谷川氏、助役の時代でした。
 弊ブログで、現地建て替えが可能だと、理由と具体例を挙げて現地建て替えを主張しました。傾斜地で産廃の埋まった首都圏の土地で病棟建て替えを2000年にebisuはやったことがあり、岩盤が強固な市立病院現地で建て替えは何の問題もないことを説明しました。建て替えたときの開発申請資料の写しも当時の根室市役所の担当部長と課長に渡してます。お二人とも道庁からの出向組でした。市立病院はすったもんだした挙句、現地建て替えとなっています。
  カテゴリー「市立病院建て替え」だけで113本の記事をアップしてます。経営改革など関連記事も入れるとおよそ200本、よく書いたな。ふるさと根室のためと意地になっていました。(笑)
 ニホロでなくてよかったと今になって胸をなでおろしています。


*カテゴリー「市立病院建て替え」
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