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#4051 ニムオロ塾は7/30~8/11まで夏休み July 29, 2019 [B5. お知らせ]

 昨日(7/28)の31.2度が嘘のようです、今日の最高気温は23.5度、霧が太平洋側から上がってきて一気に気温が下がりました。東京オリンピックでこういう規模の霧で東京全域が覆えたら、温度は5度くらい下がるでしょうね、そして湿度は100%へ。21時の根室の気温は19.1度です。
 今日生徒たちに何時に起きたのか、聞いてみました。半数近くが9時過ぎでした。高校生は、夏は7時に起きて午前中に3時間勉強するように言ってあります。午後5時間の勉強はそうきつくありませんから、7時に起きることができたら、毎日コンスタントに8時間勉強できます。「勝負は午前中の勉強3時間」です。

 高校生は数学の宿題やっている生徒が多かった。終わっていたのは一人だけ。明日からニムオロ塾は2週間夏休みです。
 今夜も9時まで、金刀比羅神社例大祭の太鼓の練習の音が聞こえてました。地方へ出ている根室っ子たちも8月9~11日のお祭りに合わせて帰省してきます。なつかしいのです。

 釧路市立病院のオープンキャンパスに3人の塾生が行ってきました。元塾生3年生のTさんもいたようです。このうちの何人かは、将来根室の医療を支えてくれるのでしょう。市立根室病院の看護師はこの数年間で「自給自足体制」が固まりつつあります。市で出している毎月10万円の奨学金の効果が大きい。ちょっと知恵を絞れば、人が足りないというのは劇的に改善できます。
 次は医師の育成です。医学部進学者をどうやって増やすのか、根室の地域医療の長期課題です。
 毎年3人は医学部へ進学できそうな学力の中学生がいますが、育てそこなっています、もったいない。さて、その辺をどうするのか。まずは実績作りと、それを一つの育成体制にまでもっていくこと。
 成績上位層の計画的な育成は根室の中学校と、高校と、私塾が手を組んで取り組むことでなんとかなります。20年、30年の長期計画で取り組む課題です。もちろん現在進行形で試行錯誤してます。生徒を介して、根室高校との連携がスムーズになってきました。4月以降、役割分担の線引きがはっきりしてきたのです。関係している先生たち、協力ありがとうございます。

 根室の中高生の皆さん、日本一涼しい夏の根室で、しっかり勉強してください。8~10時間/日が目標値ですよ。これだけやり切れば、学力アップの手ごたえがはっきりとあります。自分の心が深いところで納得してくれます。数学やって疲れたら、英語、そして疲れたらまた数学というふうにやれば8時間続けられます。



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#4050 昨日の高温でアジサイが咲いた July 29, 2019 [A8. つれづれなるままに…]

  昨日今夏初めて気温が30度を超え、31.2度を記録した。2年前に鉢植えから庭の土に移したアジサイが1輪だけ花を咲かせた。蕾が数個あるので、これから楽しめそうだ。
 高幡不動尊(東京)の境内にはアジサイが全山に植えられている。一斉に咲き誇るのは6月初旬だったかな。ネットで検索してみたら、アジサイ祭りは6/1から7月初旬まで。根室は2か月遅れ、涼しくていい。

  根室の15時の気温 19.2度

SSCN2954.JPG

*高幡不動尊アジサイ祭り
https://iwalkedblog.com/?p=18509



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#4049 初めて30度越え:サイクリング July 28, 2019 [85.サイクリング]

 午前10時16分に最高気温31.2度を記録した。今夏初の30度越え、うれしいな。30度を超える日なんて年に数回しかないから。
 夕方4時に23.5度まで下がったので、マウンテン・バイクで航空自衛隊分屯地の周りを3周した。湿度が82%とちょっと高めだが、風が気持ちよかった。1馬力、生きてるーって実感できるサイクリング。

 走行距離 9.7㎞、
 平均時速18㎞、最大瞬間速度39㎞/h
   MTB累計走行距離 1500km

 オドメータがちょうど1500㎞になった。

  最高時速39㎞は平地走行で目一杯漕いだ時のもの、MTBはRBに比べてずっと重くタイヤの幅も太いので、速度は大きくならない。このコースには150mで高低差1.5mほどのところがるが、下りきったところが90度の左カーブだ。MTBだと時速35㎞でもセンターラインを越えずに曲がれる。RBだと時速30㎞までが危険を感じずに曲がれる限界だ。対向車が来ていないことを確認しながら走っている。斜め横断する車が多いから、センターラインを越えなくても、対向車のある時は速度を落とさないと対応できない場合がある。あとで説明するが、尻を後輪タイヤにこするくらい下げないと急ブレーキは危険、市街地走行は案外ぶっそうなのだ。

 夕方6時を過ぎたあたりから、金刀比羅神社の例大祭の太鼓練習の音が聞こえてくる。音は風に乗ってくるから、風向きでずいぶん聞こえ方が違う。第三祭典区が間に障害物がないので2㎞離れた光洋町まで届く。第一祭典区は間に建物がたくさんあるからこちらへは届かない。東部祭典区もセブンイレブンまでは聞こえるかもしれないが、そこから登り坂になっているので、音は遮蔽されるのだろう。太鼓の音がリズムよく轟いてくると心ウキウキ。
 今年は蚊が少ない、まだ一度も刺されていない、ありがたいがどういうわけだろう。

<マウンテン・バイク>
 タイヤの幅が5.5㎝あるから、路面をがっしり捉える。重さは14.8㎏あるから、ロードバイクよりもずっと体力がいる。前輪後輪共にディスクブレーキだから、あわててブレーキを握ると、ガツンと止まる。時速20㎞でフルブレーキだと、転倒必死だ。前輪を中心にきれいに一回転したことがある。だから、急ブレーキのときにはお尻をサドルから外して、後輪すれすれのところまでもっていく。時々練習していないと、とっさにできない。見通しの悪いところを曲がるときは、対抗車が進路を塞ぐかもしれないと予測して腰を後ろに引いている。
 路面が荒れていてもこのMTBなら気にならない、ガタガタせずに滑らかに走れる。前輪にさすがついているのと、タイヤが太いのでひび割れが1-3㎝ほどの罅割れだらけの道路でも、ふわふわな乗り心地である。
SSCN2946.JPG

<ようやく咲いたシャクナゲ>7/22に撮影しました
SSCN2944.JPG


SSCN2945.JPG

<大粒のグズベリー>
 滋賀県蒲郡市からもってきて移植したグズベリーで、根室のものよりも粒が大きい。直径2㎝くらいもある。
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#4048 今夏ついに根室も30度越え July 28, 2019 [87.根室の話題]

 今朝7時に24度もあった。今年はじめての30度越え。正午に30.8度、湿度57%、先ほど車庫前と庭に打ち水をした。
 地下酒蔵の室温をチェックしたら14度、酒の保管にはベストだ。
 青いボトルのYEBISUプレミアム・エールがちょうど飲み頃。

 酒の肴は、千歳の従妹・えっちゃんからいただいた地元の工場でつくっているハムと雪印のクリームチーズ。
 久しぶりに昼から飲んでいる。極楽極楽、お釈迦様も蓮池のほとりを散歩していらっしゃる。ハマナスの蕊からはいい香りがあたりに漂う、けだるい午後のことでございます。
 胃がないわたしは350mlの缶ビール一本で十分。飲んだらすぐに酔いが回り、飲み終わって小一時間で酔いがさめる。


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#4047 鳥取小学校夏休みのイベント:肝試し July 28, 2019 [87.根室の話題]

 今年初めて、朝7時から24度もある、根室に夏が来た!夏といえば肝試し!

 今回はお隣の釧路市の小学校で毎年恒例となっている「肝試し」イベント、涼しいお話です。
 公務員アォードを受賞したことのある、釧路市議大越さんのFBに標記イベントの写真が四枚アップされていた。
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校舎内での肝試し。真言寺阿部住職によるお経でスタート。今年もリタイア続出でした。
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  校舎内で、蝋燭だけを灯して、薄暗い中でお坊さんがお経をあげます。参加した生徒たちはそこへ一人一人行くのかな。あとで、校庭に集まって、線香花火で遊んだようです。
 お坊さんの協力があって、PTAと先生たち数人の協力あってのこと。なかなかユニークな企画です。
 日の照っている間は、校庭でカレーライスをふるまっている様子が写真に収められています。肝試しは夜の部、鳥取小学校が毎年やっているイベント、だれが言い出して始めたのか、知恵絞ってるな。(笑)

*釧路市鳥取小学校
http://www.kushiro.ed.jp/tottori-e/?page_id=31
 夏の肝試しイベントは、ホームページに掲載ありませんでした。


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#4046 Sapiens:page 4 July 27, 2019 [44-3. 原書講読講座 Sapiens]

<最終更新情報>
7/28 朝11時15分

 Sapiens 原書講読は、高校英語の教科書3年分を終了し、進研模試で全国偏差値が75を超えている高2の生徒の個別指導授業である。7/26日の授業で解説した文(4頁)のみをとりあげる。


(1) Animals much like modern humans first appeared about 2.5 million years ago.

  主語の訳にてこずっていたようだ。 2.5 million years ago を2万5千年前と誤読したために、文意が分からなくなった様子。年の単位は million だよというと、「あっ!」と声をあげた。論理的に読んでいるからこその躓きだった。前のページにあった文章が記憶にあるので、どういうことかと疑問がわいたのだろう。読者には何を言っているのかわけがわからないだろうから、関連部分を以下に引用する。

 Three important revolutions shaped the course of history: the Cognitive Revolution kick-started history about 70,000 years ago. The Agriculural Revolution spend it up about 12,000 years ago.  The Scientific Revolution, which got under way only 500years ago, may well end history and start something completely different.  This book tells the story of how these three revolutions have affected humans and thier fellow organism.


歴史の道筋は、三つの重要な革命が決めた。約7万年前に歴史を始動させた認知革命、約1.2万年前に歴史の流れを加速させた農業革命、そしてわずか500年間に始まった科学革命だ。三つ目の科学革命は、歴史に終止符を打ち、何かまったく異なる展開を引き起こす可能性が十分にある。本書ではこれら三つの革命が、人類をはじめ、この地球上の生きとし生けるものにどのような影響を与えてきたのかという物語を綴っていく。)柴田裕之訳


 現人類が現れたのは20万年前、そして認知革命が起きたのは7万年前で、農業革命が1.2万年前、この情報と現人類によく似た動物が2.5万年前に現れたという新しい情報はつじつまが合わない、何かおかしい、どこか理解がまちがっていると、それで考え込んでいたようだ。数字の単位の読み間違いは、思い込んでしまっているので何度見ても気がつかぬ。こういう時は思い込みを消して、虚心に文をながめることができればいいが、いったん意識が集中してしまうと、周辺部が見えなくなる。
 文脈読みして、論理的な整合性、ものごとの生起の順序をチェックしながら読んでいるのだから、こういうミスはステップアップへつながる。既読の文章を要約して脳内に次々にため込みながら、その情報といま読んでいる文章の論理的な整合性をチェックしつつ読む技を磨いている、そういう中で起きたミスだ。
 次のステップは「集中解除」のしかたをトレーニングするのだが、こちらはなかなか難しい。ヨガや座禅の呼吸のコントロールになれたら、やりやすくはなる。そんなことを教えるのは面倒だ。本人がどうしてもやりたいと言えば、教えないこともない。多分そういうことに興味がないから、この生徒には無駄。(笑)


 主語が長いことで、戸惑う読者がいるかもしれないので、補足説明しておく。likeはもちろん前置詞で、「~に似ている」である。muchが修飾しているから、「とてもよく似た」とやればいい。英語が苦手な生徒はlikeが動詞だと勘違いして、そこであえなく沈没する。余分な肉(修飾語)を削ぎ落して、骨格だけ抜き出すと、簡単な文になる。
 Animals  appeared about 2.5 million years ago.
 慣れてくると、こういう風に骨の部分がすぐに見えるようになる。animalsと読んで、それがどういうアニマルなのかと思いながらmuch like modern humansを読み、そして動詞句を読み取る。「何がどうした」と単語の並んでいる順番通りに読んでいくわけだ。
 
英語が苦手で英文を読まなければ、いつまでたっても骨の部分が見えてこない。

 さて、ハラリはここでは「ape 猿人」という用語を使わずに、「人類にとてもよく似た動物がおよそ250万年前にはじめてあらわれた」とだけ書いている。どのような系統があって現人類に至るのかはすぐに後で述べるつもりだからだろう。250万年前の東アフリカに現れたアウストラロピテクス、ヨーロッパとアジア西部に現れたホモ・ネアンデルターレンシス、アジアのもっと東に住んでいたホモ・エレクトス、インドネシアのジャワ島で暮らしていたホモ・ソロエンシスなど、後ほど次々にさまざまな種が紹介される。
 ホモ・エレクトスは200万年間も地球上で暮らしていた、お利口にならなかった
からだろう。20万年前に現れたホモ・サピエンスはお利口になりすぎて、これから先1000年後に絶滅せずに生き延びるのは至難の業に思える。人類が生き延びれば、わずかの期間に地球上のさまざまな生命の絶滅が急速に進み、生態系の単純化がある選を超えたら、人類自身が生き延びられなくなりそうだ。人類が絶滅すればまた地球は豊かな生態系を回復していくだろう。そしてまた現人類のような生物が現れ、繁殖しすぎて絶滅へと向かう。生徒はどのような読み方をするのだろう?


(2)  On a hike in East Africa 2 million years ago, you might well have encountered a familiar cast of human characters: anxious mothers cuddling their babies and cluches of carefree children playing in the mud; temperamental youthes chafing against the dictates of society and weary elders who just wanted to be left in peace; chest-thumping machos trying to impress the local beauty and wise old matriarchis who had already seen it all.

 ここは仮定法過去完了の文だと迷わず見抜いたのでちょっと驚いた。生徒がどこで判断したのかというと「might well have encountered」をみてそうではないかと思ったという。if節がないのに、仮定法だとわかったのは、条件節のない仮定法の文を何度も見ていたからだ。
 on以下の副詞句を「歩き回れば」と条件文として的確に訳していた、好いセンスしている、ほめた。

 これは仮定法の条件節が副詞句になっているめずらしいタイプの仮定法で、高校教科書の範囲を超えている。受験参考書の江川泰一郎『改訂三版英文法解説』には263頁に「(5)その他 次のような副詞句でもif-節に「相当する仮定を表せる」と、簡単な例文を挙げているのみ。
 I think that picture would look better on the wall(=if you hung it on the other wall)
  (その絵はもう一方の壁にかけたほうがもっと引き立つと思います)
 安井稔著『改訂版英文法総覧』には載っていない。if節で始めるのはいかにもいかにもで、表現がダサいということが、この文を見るとわかる。ハラリはイスラエル人であり、イスラエルではヘブライ語とアラビア語が公用語だから、外国語である英語で書いていることになる。

 castの訳に苦労していた、辞書から適当な日本語が見つけられない。こういうときは紙の辞書がいい、スクロールしないでも全部が視野におさまるからだ。生徒はシャープの電子辞書を使っている。電子辞書は薄くて軽い、そして音声が出るので、発音の確認に便利だ。英英辞書も載っている、唯一の欠点は当該項目の意味の一覧はスクロールしないと見れないということ。
 こういう時は本文のcastの前後を見る、「 a familiar cast of human characters」、名詞句になっているので、castは動詞ではなくて、名詞の項を参照して、「人間の特徴を有する見覚えのあるcast」に都合のいい日本語を探す。ジーニアス4版には「⑥様子、格好、気質;種類、タイプ」とある。「人類の特徴を有する見覚えのある光景に出くわすことになる」くらいの訳はできるだろう。
 電子辞書だとこういうケースが調べにくい。①から初めて、順に②③④⑤、そして⑥までスクロールしなければならないからだ。
 of は全体の一部分を切り取って示したようなイメージでとらえたらいい。「人間の特徴」全体からその「見覚えのある様子」の一部分を取り出して見せている。コロンのあとで具体例を六つ挙げているから、そちらを読んでからこなれた日本語の文章を再考したらいい。

 cluchesを動詞ととってしまって、そこであえなく撃沈。文章を理解するときに品詞のミスは致命的なことがある。「わからないときはそのままにして次を読め」と繰り返し言っているが、そこで停止して、アイスパンが先まで届いていない。いったん思い込んだものを消すのも慣れてきたら、意識的にできるようになる。この技は数学でも重宝する。
 自分で気がつくのがよいので並べて見せた。

a)anxious mothers cuddling their babies
b) cluches of carefree children playing in the mud
c) temperamental youths chafing against the dictates of society
d) weary elders who just wanted to be left in peace
e) chest-thumping machos trying to impress the local beauty
f) wise old matriarchs who had already seen it all


  青で示した単語が骨格部分である。これらは前の文の補足説明として、具体例を挙げただけ。それがわかればcluchesは名詞だと気がついたはずで、意味も問題なくつかまえることができただろう。ようするに 'three slices of bread' と同じ。three slices = clutches, bread=children というわけだ。生徒はclutchを辞書で引き、動詞の項目をみて珍訳をこねくり回し、数分間首をひねっていた。これも、clutchが動詞だという思い込みが外せない限り、正解には行きつかぬ。だから、「そこがわからなければ、ほうっておいて次を読め!」と繰り返し言っている。意識の集中が外れる。


 アンダーライン部は全部名詞句だ、その補足説明として~ing句や関係節がくっついているだけ。そうすると、上から順に、「不安げな母親たち、屈託のない子供たち、短気な若者たち、元気のない年寄りたち、酸いも甘いも噛み分けたたち」、ということになる。「matriarchs」とは「家母長、女家長、女族長」である。交雑する母系社会や強いオスが支配権を握ってたくさんのメスを囲い込む社会、両方があったのだろう。この部分では、ハラリは交雑する母系社会を想定して書いているようだ。
 それでclutchをもう一度引かせてみると、clutch(2)という項があり、a cluch of kids (同じ腹から生まれた子どもたち、子どもの小集団)が見つかった。

 わからない箇所を飛ばして、読むべし。そしてもう一度もどって考えると、なーんだということがよくある。こういうところは、一緒に読んで具体的な文章でスキルを伝えるのがよい。

 『サピエンス全史』の訳者、柴田裕之氏の訳を貼り付けておく。
もしあなたが200万年前に東アフリカを歩き回ったとしたら、きっとお馴染みの群像に出くわしたことだろう。心配そうに赤ん坊を抱いてあやす母親、泥まみれで遊ぶ屈託のない子どもたち、社会の掟にいら立つ気難しい若者たち、そっとしておいてもらいたがる老人たち、たくましさを誇示し、あたりに住む愛らしい娘の気を惹こうとする男たち、酸いも甘いも噛み分けた賢い女性の長老たち。

<生徒の感触>
 高3の教科書に比べるとずいぶん難易度がアップしている。ハラリは英語が母国語ではないのに、これほどの文章が書けることに生徒が驚いていた。
 テクストの難易度が上がったことが快い刺激になって、愉しいようだ。すらすら読めるところと、読めないところがモザイク状になっている。
 もう、高3教科書レベルのテクストではつまらない。教科書は語彙を制限してリライトしたものであり、いわばお子様ランチ。まともな大人の読み物にチャレンジしたら、歯ごたえが違う。離乳食のような高校英語教科書はつまらない読み物になってしまった。

 「知之者不如好之者、好之者不如楽之者」『論語』(岩波文庫)「雍也第六20」117頁
 「
これを知るものこれを好むものに如かず、これを好むものこれを楽しむものに如かず」

 
<余談>
 英語が苦手な高2の生徒5人と高1の生徒2人対象に、2.5時間×10回(水曜日)の授業を始めた。高3の英語の教科書を使っている。苦手な生徒は塾に来ても数学ばかり勉強して、なかなか英語をやりたがらないので、業を煮やしてしゃにむにやらせようというわけ。いまやらなければ受験にはとても間に合わない。何をどのようにやっているかは、次の弊ブログ記事で紹介してある。

#4036 英語短期特訓開始:2時間×10回 July 17, 2019
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-07-17

#4044 英語短期特訓授業(2nd) July 25, 2019

https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-07-25


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#4045 国と国も「売り手よし、買い手よし、世間よし」で July 26, 2019 [8. 時事評論]

<最終更新日時>
7/27 18:45

 日本人は江戸時代から、「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」という商道徳を家訓に掲げて商売にいそしむ商家が多かった。少なくはなったが、そういう伝統はいまも生きている。商売に大事なのは「信用」なのである。その信用、つまり信頼関係がなくなれば、三方よしとはいかない。取引停止ということになるのは必然、日本人にはとってもわかる理屈だが、韓国の文大統領にはわからない。
 古代には朝鮮半島に日本人が多数住んでおり、一緒に生活して価値観を共有した時代もあったが、白村江の戦い以降、朝鮮半島と大和の密接な関係が切れてしまい、文化の違いが次第に大きくなっていった。それゆえ、信頼関係の上に商取引関係が成立するという考え方は両国に共通の道徳観ではないようだ。商取引に信頼関係を重視するという、高度の倫理レベルはいまだ普遍的な道徳とはなりえていないのである。自我本能の抑制ができない大きな国の大統領もいる。トランプ大統領のように、自分の国さえよければいいと公言する人もいるのだから、国際的な関係もなかなか難しい。そういう国とは距離を置いて行くしかないのではないか。もちろん、国民同士はまた別である。そういう政治指導者にあおられて、互いを非難し仲たがいする必要はない、冷静にお付き合いを続けたらいいのである。
 以前ブログ「情熱空間」を書いていたFB友のアップした記事が的を射ているので、そのまま貼り付ける。


===========================
あなたは信頼できないので、もうお売りできません…。
そう言われたなら普通は、今までの自分の姿勢を改めるよね。
それなのに「あのやろー、売りやがらないんだよ!ふざけやがって、売りやがれ!」って、周囲に売ってもらえないウサを晴らすべく《罵詈雑言》を吐き続け、そうして売らせようとする…。あのね、品行方正で実直な我が国に商人に対して、そうしたくだらない《脅し》は通用しないんだよ。《売り手よし、買い手よし、世間よし。》これぞ日本の商道徳。商道徳の価値観があなた方とは180度違うんだよ。分かってないなぁ…。
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 文政権は慰安婦問題でも、徴用工問題でも、国と国の約束事をことごとく破り捨て、韓国と日本の信頼関係を土台から壊しておきながら、「ホワイト国から外すな」とWTOでも、米国でも吠えている、そうFB友のザッパーさんが判断した。
 日本の伝統的な商道徳では、信頼のおけない相手とは距離をおくのがあたりまえ、「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」にはならぬからだ。

 両国の信頼関係を破壊する反日教育をやめ、日本が戦後賠償をいつそしていくらしたのか、そのお金を韓国はどこにいくら使ったのか、正直に国民に語り、日本との信頼関係を再構築すべきではないのか。
 信頼関係さえ醸成できたら、韓国と日本の関係はいままでよりもずっとよいものにかわる。文政権の次の政権は、韓国・国民に戦後賠償の事実を正直に語ってもらいたい。
 韓国と日本の両国民が和解し、協力したら、世界市場の一角に中国に対抗しうる強力な経済圏が誕生する。

<余談:華夷秩序>
 ようするに中国中心主義である。朝鮮は中国と隣接していて、3000年間朝貢してきた。そんなにたくさん美人を貢いでもらわなくていいよと、断った中国皇帝がいるくらい、王朝が変わる都度、美人や朝鮮人参を山ほど献上してきた。問題なのは、朝鮮がいまだにそういう秩序の中でものごとを考えているということ。
 文明の中心の中華から見ると、朝鮮や日本は周囲の野蛮国の一つである。中国を唯一の文明国として中心に置き、その周りの国を野蛮な国、東夷、南蛮、西戎、北荻と蔑称する。朝鮮と日本は「東夷」である。東の夷(えびす)というわけだ。野蛮な国でも、朝鮮は中国により近いから、日本よりも文明国だというわけだ。実際には、秀吉の朝鮮征伐や近代になってから朝鮮より劣る野蛮な国の日本に植民地化されたということが屈辱なのだ。中国へ朝貢していたことや、属国だったことには何の痛痒も感じない。文明国で宗主国であったから、何をされても批判の声が上がらない、不思議な国だ。北から攻めてきて国を分断されたのに、中国に対しては怨みの声を聞かぬ。巨大世界帝国の元に使役されて、先兵として鎌倉時代に2度も九州沿岸に攻め入ってきて台風で海の藻屑となったのはどこの国の兵士だったのか、お互い様だろう。
 かくして、朝鮮は事実を事実として受け入れられない体質ができあがってしまった。文明国が野蛮人に蹂躙されるわけがないのだから、そういう事実があってはならないのである。戦後の経済復興が、じつは日韓請求金協定で、経済協力という名目で5億ドルが拠出され、そのお金でなされたという事実も否定さるべきものとなる。賠償には使われず鉄道網、水道、道路、電気などインフラの整備や財閥育成に使われた、これらは韓国内部の事情による。そういう事実を韓国民は知らされていないから、独力でやってきたと思っている。
 事実を知っても、3000年間も華夷秩序を大事にしてきたのだから、おいそれと韓国民の意識は変わらないかもしれぬ。大方の韓国民はいまだに、日本は野蛮な国で、文明的に韓国よりも劣る国であってほしいのだろう。
 だが、年間750万人もの韓国人が日本へ旅行する時代になって、そういう華夷秩序意識から脱皮していく国民が増えている。不買運動を声高に叫びながら、日本のアニメも見るし、レクサスも年間4.5万台も売れる(日本では同じ年に韓国車が5台しか売れなかったという)、オムツも日本製品がいい、文具も日本製品が断然いいから使うのをやめない、良いものは良いと認めているのである。日本はそういう韓国民と手を携えたらいいのだろう。
 3000年間続いた華夷秩序は崩れ始め、時代はダイナミックな転換を見せつつある。

<余談-2>
 中学生の時に、I崎という友人がいた。あるときうつむいて「実は俺日本人ではないんだ」と語った。彼にとっては国籍が深刻な問題だった。在日韓国人にはかれのように国籍の問題で悩んでいる人がすくなくないのかもしれぬ。国籍を隠していることで悩める孤独な在日だった。
 ビリヤードのお客さんで、T内さんという人がいた。北鮮系に人で、パチンコ店を営んでいた。東京オリンピックの前後だっただろう、数百万円をもって何度も北朝鮮へ行っていた。店番をしながらオヤジにそういう話をT内さんがしているのを横で聞いていた。あの当時の数百万円はいまとは価値が違う。地元で高卒で就職すれば1.8万円ほどの給料だったから2000~3000万円くらいだろう。大金をもって北朝鮮へいくとVIP待遇されていた。もちろん申告はしないから、外為法違反である。日本の警察はわかっていても取り締まらなかった。おそらく警察庁、いやもっと上の方から取り締まるなと指示があったのだろう。北朝鮮系のパチンコ店主が多額の現金を運んで、「上納」していることは当時公然の事実だった。ご馳走が並び、政権幹部に「お目見え」できるだけでなく「喜び組」がコンパニオンとしてお酌していたのだろう、うれしそうに話していた。何度も行く理由のひとつだったのかもしれぬ。
 T内さんは小太りで血色がよく、人柄は穏やか、よく笑う人だった。出玉を増やして赤字にしているときには、店にいるといらいらするので好きなビリヤードで気晴らしをしていた。いい人なのである。とっくに亡くなっているだろう。思いっきりがよくて、根室の店を畳んで釧路へ進出した。あのときに根室の未来に見切りをつけたのだろうと思う、根室の人口がピークを打った直後ではなかったか。商売人としては抜群のセンスのもち主だった。釧路へ移転してから店舗数も増やしてますます繁盛したと聞いている。たぶん息子が経営しているだろう。T内さんからも反日の発言を聞いたことはなかった。日本に住んで稼いで、北朝鮮に貢いで愉しく暮らしていたようにみえる。こういう人たちは日本人と仲良くありたいと願っている。

*#1153 『日韓がタブーにする半島の歴史』を読んで Aug. 9, 2010
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-08-09


<抜粋>
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中国皇帝(玄宗)や高官に対して「献女外交」を繰り広げたこと、そして現代においても集団で米国に「売春の出稼ぎ」にいく韓国女子大生の記事(韓国一流紙)を紹介している。オリンピックでの美女集団の応援をみても、とこか昔の「献女外交」と通底するところがありはしないだろうか?著者は戦争で降伏した後に卑怯なだまし討ちを繰り返した歴史をあきらかにしている。歴史的に見れば外交においてはまったく信用がならない国であり、北朝鮮の現体制にも「悪しき伝統」はそのまま引き継がれていると書いている。
 そして韓国及び北朝鮮が不都合な歴史的事実を歪曲する国であることに著者は警告を発している。竹島に関わる領土問題もそうした文脈で韓国の主張を捉えておく必要があるのだろう。両国の国民は相当に異なる価値観をもっているから、こちらの常識で相手の行動を判断してはいけないということのようだ。

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**#2095 おろかな領土紛争:白人支配終焉のチャンス Sep. 28, 2012
 予算面から見た日本の台湾統治
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-28


***#1375 戦時中、もう一つのベトナムと根室 Feb. 7, 2011
 1977年マニラでの国際会議の席上での韓国の日本非難に対する、インドネシア准将の反論
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-08

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 中学校の社会科の先生や高校生に読んで欲しい本、『わが愛する孫たちへ伝えたい 戦後歴史の真実』前野徹著(扶桑社文庫)から抜粋。
「1977年、マニラにおける国際会議で、韓国代表が日本を強く非難したときのことです。インドネシア人の大統領内外政治担当特別補佐官兼副長官のアリ・ムルトポ准将が発言を求めて、韓国代表をたしなめました。
「日本はアジアの光である。太平洋戦争はアジアの独立のための戦争であったゆえ、本来ならアジア人が戦うべきであったのに、日本人が敢然と立ち上がって犠牲になった」」 102ページ

 こういう見方をする隣人が少なからずいる。私たちの父の世代の功罪は両方きちんと見ておかなければ申し訳がない。罪ばかり見ていては歴史の真実には迫れぬ。著者はインパール作戦と英国からのインド独立についても、日本人の果たした役割に触れている。
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  1977年から42年たったというのに、まだ同じことを言うのでは、韓国は顰蹙を買い、アジアの国々から孤立する一方だ。大東亜戦争で日本を非難する国は、あの戦争で唯一白人の国(米国)と手を結んだ中国、そして韓国と北朝鮮以外にはない。先の大戦を白人国家の世界支配に対する有色人種の戦いという大きな構図で見ると、中国はアジアの恥だ。白人帝国と手を結び、米国のお先棒を担ぎ、白人国家のアジア支配を継続させようとした。
 日本があの熾烈な戦を戦い抜いて見せてくれたことで、独立があるとインドもインドネシアもベトナムもビルマ(ミャンマー)も感謝している。そういう東南アジアの国々と親日の中国人や韓国人、親日の在日中国人や在日韓国人と、さらに信頼関係を深めつつ、お付き合いしていけばいい。韓国の文政権とは法的対応を粛々とやればいい。



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#4044 英語短期特訓授業(the 2nd) July 25, 2019 [78-1Vivid 3短期特訓補習]

 英語が苦手の高校2年生対象の2時間×10回の授業を始めたことは前回書いた。高3教科書をテクストに使っている。やっている個所は「Lesson 7」'A lesson form Steve Job's Life'である、アップルの創業者の生涯のダイジェスト版だ。スマホに夢中になっている高校生が対象だから、食いつきのよい話題の章を選んだ。
 4:30から30分間下調べさせてから、5時授業開始は前回と同じである。家でやらせて来るのがいいのだが、まだ無理、だから授業の直前に辞書を引かせている。今回は2回目でPart 2だが、2人新しいメンバーが参加しているので、初回の部分をざっと復習してからPart 2に入った。
 ふだん紙の辞書を使っているのは一人だけ、あとは電子辞書をもっている。忘れてきたのがいたので紙の辞書を貸してあげた。はじめて紙の辞書を引くので、なかなか目的の単語が見つけられない。紙の英和辞典を一度も使ったことのない生徒がほとんどである。このあたりが、30年前とはがらりと変わったところだろう。
 英語の勉強今昔物語とでも言いたくなるほど、変化している。いい方への変化もあれば、そうでは無さげな変化もある。昔と違って中学校の英語授業で英和辞典は使わない。そんなことでいいのだろうかと思うが、文科省の審議会に偉い先生たちが集まって決めたのだろうから、ドンデモないことでも何かそうしなければならない強い理由があるのだろう。専門家が集まるとしばしば世間の常識から大きく外れてトンデモないところへ着地してしまうから、こまったものだ。

 音読30回、書き取り10回は「後志のおじさん流儀」の英語学習法だ。だから、英語が苦手の生徒たち向けの授業では、まず一文ずつ音読を10-30回やってから解説する。長いものや読みにくいものは30回だ。
 第一段落の文章をそれぞれ20回ほど音読してから、冒頭の単語のonceの意味を6人の生徒それぞれに訊いてみた。文章はこのようになっている。
 Once in school, "I really just wanted to do two things," Steve remembered.

  各人にonceの意味を訊いてみる。Aさんは「1回」、Bさんは「一度」、Cさんは「かつて」。
 準備運動を兼ねて、「2回」って英語で何というの?と訊いてみた。誰かがtwiceと答えた。それではと全員に書かせてみる。ついでに「3回」「4回」「5回」、音で知っていても書けない生徒が多い。何しろ英語は苦手でふだん勉強していないからそれがそのまま表れる。すんなり書けたのは半分いたかな。紙を渡して5回書かせる。
 「後に続いている文と関連させて単語の意味を考えよう」そう伝えた。「二つのことがしたかったとスティーブは記憶していた」。二つのことは、その後の文で説明されている。4年生の時のことだとあとに続く文でわかるから、小学校に在学中のときの話だ。意味が分かれば、あとは自分が普段使う日本語に置き換えたらいい。「ずっと前、小学生の時のことだが」「むかし学校に通っていた時に」など、なんでもいい。
 この文は倒置されていることも理解してほしい。なぜ、倒置されるかも。

 Steve remembered "I really just wanted to do two things".

 これが、倒置前の元の文である。倒置されて前に移動した部分が強調されている。新聞英語でもよく出てくる表現である。
 「....., officials said.」「複数の関係筋によれば…」
 情報ソースを補足説明しているだけの機能を担っている。大事なことは情報ソースではなくて、中身の方だよと位置を変えることで書き手がサインを送っている。
 冠詞(と無冠詞)の使い方を列挙するとつぎのようになる。

 once in school
   once in a school

   once in the school
   once in schools
   once in the schools

 それぞれ使われるシーンと意味に違いがある。英文解釈上も英作文上も冠詞や無冠詞が適切に使い分けられたらいいね。日本語には冠詞がないから、こういう風に並べて、意味の違いや使われるシーンの違いについて解説してやらないと生徒には理解できない。10回の授業が終わったときには、生徒たちは冠詞の扱いにずいぶん慣れているだろうな。大学で他の外国語をやるときに効いてくる。それも楽しみの一つ。先を見て仕込んでおく。(笑)

 意味が理解出来たら、日本語の意味を思い浮かべながら、さらに音読10回。これが、ワンセット。日本語で意味をイメージしながら音読するというのは「Hirosukeさん流」だ。彼から学んだ。

 塾へ通っていない生徒たちと、高校を卒業してからずいぶん経って、英語をもう一度勉強してもいいかなと思っている、そういうあなたのために、Part2全文を引用しておく。(笑)
(名詞句にアンダーラインした)


 Once in school, "I really just wanted to do two things," Steve remembered.
 "I wanted to read books because I loved reading books, and Iwanted to go outside and chase butterflies."  What he didn't want to do was follow instructions.
  Somehow he felt different from his classmates at school.  Some of his teachers regarded him more as a troublemaker than as a special kid.


  Then, in the fourth grade, Steve met a wonderful teacher, Imogene Teddy Hill.  Within a few weeks, Mrs. Hill sized up this unusual student.  She even offered Steve a sweet bargain: If he could finish a math workbook on his own and get at least 80% right, she would give him five dollars and a giant lollipop.


  Later Steve recalls, "I'm 100% sure that if it hadn't been for Mrs.Hill in the fourth grade and a few others, I wold absolutoly have ended up in Jail".   Mrs. Hill was indeed "one of the saints" in his life.

  段落ごとに改行を入れた。

 chaseの意味も訊いてみた。「えらぶ」って答えた生徒がいた。それって、choice(名詞)だ。まあ、似ている、かすっているからいいね、ついでに脱線してみよう。動詞はchoose。これって、中2英語の範囲の単語だよと大笑いしたところで、紙を配って基本形、過去形、過去分詞形を5回書いてもらう。「あれ、どうだったけ」なんて言ってるやつがいる。(笑)
 不規則動詞がでてくるたびに5回書かせて方がよさそうだ。
 choose⇒chose⇒chosen
 ところで、chaseはカー・チェイスにもあるように、追いかけるだ。規則動詞だから、過去形は簡単だね、chasedでいい。では最後のdの部分の発音は?[z、d、t]のどれ?正解者なし。(笑)
 いいよ、いま覚えよう。発音が[s,k,p]で終わる動詞は[t]だ。liked、stopped。これら3つの子音で終わる単語、他に知ってたら挙げてみて?
 dressed、danced、kicked
 おう、なかなか反応がいい、うれしいね、ありがと。(笑)

  第一段落の次の文、主語「Some of his teachers」に注意して日本語にしてごらん。
 Some of his teachers regarded him more as a troublemaker than as a special kid.
 「数人の先生が」「何人かの先生が」と誰かが答えてくれた。「そんな日本語使っている?」と訊く。例えば、「何人かの先生がわたしをトラブルメーカだと決めつけた」というだろうか?3分ほど考えさせてから、「先生たちの中にはスティーブを特別な才能のある子どもというよりも、もめごとを起こす厄介な子どもとみなす人がいた」、これくらいがいい。意味をつかんだら、できるだけふだん使っている日本語に言い換えよう。トラブルメーカはマイナスイメージの言葉だから、それと比較されているのはこの場合はプラスイメージである。だから、特別な才能のある子どもと訳した。


 次の文はカッコ内の語を補わないとわたしには理解できない。それともこんな用法でもあるのかしら?寡聞にして知らない、間違いだと思う。

 What he didn't want to do was (to)follow instructions.

 生徒たち6人に、例によって、followの品詞と意味を訊いてみた。「ついていく」と真っ先に言った生徒がいたので、「動詞であるのはいいとして、他動詞の意味は目的語とセットで考えろと言ったはず、もう一度よく考えてごらん」、そう問いかけた。だれかが、「命令に従うだ」と声を上げた。
 「いいね!」、そう受け取って、もう一度要点を繰り返す。「単語を辞書で引くときは、他動詞なら目的語とセットで考える、他の品詞の場合は前後の単語や文脈も考慮して意味を絞り込もう、そして意味がつかめたら、今度はふだん自分がつかっている話し言葉に置き換えてみよう」。
訳:「スティーブがしたくなかったことは他人の指示に従うことだった」
  instructionsには複数を示すsがついている。先生たちはさまざまな場面で生徒に指示を出すから、そのようなシーンをいくつかイメージすればいい。
 聞き分けのない、自我本能の強い子だったわけだ。自我をコントロールする理性の座の発達が弱い子だった。それは生涯にわたって彼の性格を強く制限していたように思える。

 受講生6人に質問してみた。
 「太字にした箇所が二つあるが、あとのほうはなぜスティーブがそう思ったのか考えてごらん?」
 「最初に太字にした文章がじつはとっても大事なんだが、なぜこういう性格になったか想像してごらん?」

 こういうところは生徒たちに議論させたい、行間を読むトレーニングである。
 授業中に本を読みたくなったり、外へ出て蝶々を追いかけたくなる生徒。先生の制止を聞かず勝手な行動をとる、とっても厄介な子ども、それがスティーブ。
 なぜそういう性格になったのか。ポールとクララは結婚して9年間子どもができなかったので、生まれたばかりのスティーブを養子にした。うれしかっただろう、クララは本の読み聞かせに夢中になった。毎日毎日ステーブにたくさんの本を読んで聞かせた。機械工のポールはなんどもなんどもいろんなものを分解して元通りに組み立てて見せた。スティーブがキャッキャと喜ぶ姿が目に浮かぶ。ほしいものは何でも与えただろうことは想像に難くない。そういう育て方をしたら子どもはどうなるか?我慢のできない、わがままな性格が育ってしまう。それが小学生になったスティーブである。
 ヒル先生に巡り合わなかったら、学校でスポイルされて、ワル仲間に入り、ドラッグ、盗みとなんでもやっただろう。同級生にそういう人間が何人かいたに違いない。
 ヒル先生に巡り合わなければ、身を持ち崩して刑務所に入れられただろうとステーブ自身が述べている。

 教訓:よい子は創業社長にはなれない。わがままな奴には、事業を起こし信念を貫いて成功へと導く資質がある。それは他人の意見を聴かずに、己の信ずるところに従ってただまっしぐらに突き進む能力だ。


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#4043 参議院選挙で勝利した者 July 22, 2019 [8. 時事評論]

 参院選挙で誰が勝利したのだろう?答えは簡単、山本太郎の「れいわ新選組」である。

 比例区に焦点を絞り、自分は三番目で落選、重度心身障碍をもつ二人の議員を誕生させた。重度心身障碍者と社会の間に大きな橋を掛けつつある、その点だけでも特筆すべきことだろう。あなただって、明日事故に遭い、頚髄損傷によって首から下が麻痺した生活を送ることになるかもしれない。明日のことは誰にもわからないからこそ、重度の心身障害をもった人の社会参加の問題は他人ごとではないのである。末尾に、事故で頚髄損傷をした上村さんが書かれた本を紹介しておくので、ご覧いただきたい。
 米国ではトランプ大統領が様々な壁を築きつつある、日本でも韓国との間に安倍総理は壁を築きつつある、そうした動きがあれば反対の動きもまた生じてほしいと願っていた。時代がそうだからこそ、山本太郎はいろんなところへ橋をかけてくれそうな気がしている。
*#1745 ドキュメンタリー映画「普通に生きる」 (1) Nov. 22, 2011
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-22


 選挙は山本太郎の狙い通りの結果になった。二人送り込めたら、政党登録ができる。得票率2%のハードルを越えるからだ。今回の選挙で集めたお金は4億円と言われているが、政党交付金の対象となり次の衆議院選挙では20人でも候補を擁立できるから、候補者発掘に忙しくなる。
 衆議院議員選挙へ立候補するには、供託金を「選挙区」は一人300万円、「比例区」は600万円積まなければならない。
*https://ja.wikipedia.org/wiki/供託金
 政党交付金には議員割と政党への交付金と二つあるようだが、議員割はwikiの事例で計算すると2300万円/人である。
*https://ja.wikipedia.org/wiki/政党交付金

 山本太郎が喜んでいるのは、政党党首として党首討論に参加できることと、テレビで政党代表として討論会に参加資格を得たことだ。これからマスコミへの露出が増える、そして言いたいことを言いたいだけ喋る。意見がまったくちがう人の意見を聴けることを、街頭演説の各場所で証明して見せた。「どうぞ、あなたの話も聞きます、話してください」とヤジに応じて見せたのである。ヤジにピリピリする安倍総理が小さく見えてしまった。
*https://johosokuhou.com/2019/07/19/16305/
 かれの消費税廃止論はなかなか説得力がある。街頭での彼の選挙演説映像*をみたらいい。実に上手で説得力がある。自分の論として消化しているし、役者の経験も活きた。消費税を廃止して、所得税の累進税率を消費税以前に戻し、法人税もまたそのようにすれば財源確保ができると主張している。
*https://www.youtube.com/watch?v=oKcZXx0mMu0

 政府は消費税を増税しながら、その分の所得税と法人税を減税し続けているから、山本太郎の政策は現実的で具体的、そして強い実願可能性をもつ。政権にとってはうるさい蠅のようなもの。ド派手、まるで江戸時代の傾奇者。
 NHKの日曜日朝9時からの政党討論会が刺激的なショーになるだろう。視聴率がどれくらいアップするのか見ものだ。
 「れいわ新選組」の政策には、とんでもないものも混じっているから、露出が増えれば時間とともに取捨選択されるのだろう。色物で終わるか、成り上がるか、しばらく注目してみたい。

 わたしは健全な保守主義が日本に根付いてほしいと思っているが、それが育つには現実的で具体的な対案を提示する野党の存在が不可欠である。
 旧民主党は実際に政権交代して、そういう能力がまったくなかったことを披歴してしまった。同じ人たちが分裂して、看板を掛け変えても、中身は変わらぬから、有権者はなかなか騙されてはくれぬ。別の何かが出現することを願っているのである。
 旧民主党が政権を取って大失敗、世論の受け皿がなくなって閉塞感が漂っていたが、面白い受け皿ができつつあるようだ。既成政党にあきたらなかった「支持政党なし」層が、次回の衆議院選挙では動くかもしれぬ。
 「れいわ新選組」はどこか漫画チックな響きがあるが、その戦略はまぎれのない大人のものだ、どの政党も油断がならない存在になれるかは、山本太郎とそのブレーンたちの力量次第。

 次の衆議院選挙では台風の目になるだろう。

<余談:拡大>
 次の衆院選挙では20人の候補者擁立が目標だろう。山本太郎自身が東京都のいずれかの選挙区から立候補して当選を決めるだろう。何人当選するかはまったく未知数だが、そうだからこそ、小選挙区の候補者たちは戦々恐々となる。衆院選にも比例区があるから、「れいわ新選組」が大きくなることは確実。そして、次の参院選挙では今回よりも比例区で今回よりもさらに多くの議員が誕生するだろう。
 数が二けたになることはもう不可避だ、つぎは何をどうやるかだ。今回選挙では重度障碍者を社会の表舞台に引き上げた、こんな発想は既成政党にはない。なにがはじまるのか、常識破りで期待させてくれる、思いっきり戦え!


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投稿欄へコメントいただいたmiopapaさんが書いた本を紹介します。

頸損晩夏―創りつづけた頸髄損傷の35年の生活の記録

頸損晩夏―創りつづけた頸髄損傷の35年の生活の記録

  • 作者: 上村 数洋
  • 出版社/メーカー: シービーアール
  • 発売日: 2017/11/25
  • メディア: 単行本

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#4042 道東のあるローカル企業創業社長の夜逃げ July 21, 2019 [8. 時事評論]

 今日(7/21)参議院議員選挙が行われた。前回を下回る低投票率で組織票がモノを言い、結果はいままで通りだ。一番大きい政党の「指示政党なし」が今回も動かなかったのは、受け皿がなく政治がつまらないからか。
 選挙速報はテレビに任せて、ローカルな話題を提供したい。

 道東にあるユニークな会社が2005年8月18日に設立されたのをご記憶の方がいるだろう。東京本社のK劇場銀行の役員待遇だった男が、事件を起こして依願退職し、地元に戻って独立・起業してつくった会社だった。わけあって、会社名は伏せておく。

 その会社の生産と営業活動の拠点は、北方領土海域での水産業を主軸とするという触れ込みだった。その方面では経営の腕がいいとはご本人の弁、我田引水ではあったが、可愛げがあるのでその言葉を信用してそこそこ社員が集まった。
 ところが8年たっても業績が振るわず、NHKを退職してオヤジの会社に入り仕事していたこのできのよい娘が会社を継ぐものだと思っていたら、娘は提携関係にあった東京本社の準大手企業M主商事へ2013年5月31日に転職した。鼻の利くオヤジは、転職させた企業が解散する前に見切りをつけて、人当たりのよい娘を最大手のAノミクス銀行へまた転職させた。娘可愛さの余りだろう、見ていて滑稽なくらい子煩悩だ。娘はかなり優秀でどの会社でも歓迎された。しかし、娘の活躍とは対照的にあいかわらずオヤジが旗揚げした会社は創業14年目に入っても業績不振にあえいでおり、ついに本人が夜逃げしてしまった。そのニュースがいま全国に流れているから、オヤジ(社長)の名を知らぬ者はいない。
 残された社員は右往左往している、もう、会社はない。根室営業所の社員たちはどうするのだろう?

 社員を置き去りにして夜逃げしたオヤジは、以前はK劇場銀行の役員待遇で大きな権限があったし、そこそこ人気があったから、人がついてきた。だが、いよいよ会社がつぶれるとなったら、なりふり構わず大阪の松井物産と交渉して、今日正式にその会社の幹部社員となったようだ。元社員たちからしたら、社長は夜逃げしたも同然である、卑怯者の誹りをまぬがれまい。
 いま路頭に迷っている元社員がかわいそうだ。オヤジを信じて担いできたのに、自分の身が危なくなったら、さっさと夜逃げしたのだから。
 元社員たちは、底抜けにお人好しなので、黙して根室営業所の後片付けをする。

 ことの顛末を見て、人間、信用がなによりも大事だとつくづく思った次第。死ぬべき時に死ぬ覚悟のない者がこれからどうなるのか、哀れとしか言いようがない。

 夜逃げ社長は1948年1月31日生まれ、苦労人である、そしてやり手ではあったが可愛げがあった。それだからこそ、もっと別の生き方、そして政治家いや実業家としての死にざまがあった気がする。胃癌を克服して長生きしたことが仇となったことになる。年齢が近いこともあり、そしてスキルス胃癌と巨大胃癌を併発して一度は死に損なったわたしには身につまされる。

 西郷隆盛のように、大将に担ぎあげられたら、兵とともに西南の役を戦い抜き、負けを悟ったら潔く死ぬ。西郷さんだからできるのであって、わたしのような凡人にはできない最後。でも、自ら負けを認め、会社を畳むことぐらいはできる。かの社長も潔く負けを認め、自ら会社を畳むことはできただろうに。
 兵を死地に置き去りにし、戦場から離脱して生きながらえてしまった。

 特攻隊による攻撃を提案して、海軍だけでも、とびっきり優秀な少年兵とベテランパイロット2900人を神風特攻隊と称して死地へ赴かせたあの大西中将と何ら変わるところがない。提案した本人はついに特攻機に搭乗することはなかった。十数年前に、大西中将の顕彰碑が計画されていると知って、特攻兵生き残りの市倉宏佑先生は心の底からお怒りになっていた。先生は同期の戦友たちが特攻機に搭乗するのを飛行場の縁路面で何度も何度も見送っている。生きていたらそれぞれの分野で日本を支える人材になっただろう若者たちが無惨に死を選択せざるを得なかった。飛べる飛行機がなく、順番待ちしているうちに敗戦となった。生き残った者の義務という気持ちで、晩年に『特攻の記録 縁路面に座って』の原稿を遺し、数人の弟子にその出版を託した。託された弟子の伊吹克己氏の好意で、弊ブログに遺稿の全文を載せてある。特攻とは実際どういうものだったのか、どのような訓練を受け、そしてどのような心情で飛び立っていったのか、先生が書き残した特攻に関する記録を、弊ブログカテゴリー『特攻の記録 縁路面に座って』にまとめてある。
 実際に特攻を命じた指揮官の中には宇垣中将のように約束通り敗戦の日に飛び立って米国軍艦めがけて突入を試み散華した者もいた。宇垣は軍令違反になるので単機で征(ゆ)くつもりだったが部下が十数機宇垣を一人で死なせまいと運命を共にした。それが日本人のこころだと思う。

 南洲翁が死して142年がたつが、いまだに彼をたたえる国民は多い。兵とともに戦って死んだからだ。「敬天愛人」は南洲翁遺訓の中にある言葉だ。天を敬い人を愛すか、人というのは自分ではなくて自分以外の人ということだ。社長の立場にあるならまずは社員である。「敬天愛人」の反対は「吐唾天愛己」、天に唾を吐いて己を愛す。

 さて、もはや老害となり果てた、あの中小企業のオヤジ殿はどういう言葉を残すのか。

*南洲翁遺訓 wikiより
https://ja.wikipedia.org/wiki/南洲翁遺訓
**ジャンケン遊び
「いちけにかけてさんかけて、しかけてごかけて橋をかけ…」これは西郷隆盛の娘が墓参りに行くという童歌、小さい時に近所の女の子たちをやって遊んだ記憶がある。おふくろが子守歌代わりに唄ってくれたような気もする懐かしい響きのある歌。ユーチューブで見つけたのでURLを貼り付ける。西郷隆盛の鎮魂歌でもあるようだ。歌の最後に、西郷さんの幽霊が出てくるという不思議な歌。
https://www.youtube.com/watch?v=rnbguaKQTpo

*『特攻の記録 縁路面に座って』元特攻隊航空兵生き残り・哲学者市倉宏祐著
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/archive/c2306180343-1


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