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#3979 長野県の試み:お試し移住 Apr.30、2019 [89.根室の過去・現在・未来]

 長野県が面白いことを始めた。IT企業の誘致をしようというのである。既存情報関連企業の長野県進出あるいは新規開業を誘うために、共同ワーキング空間を期間限定で提供するというものだ。ためしにやってみてよければ長野へ移住してきて情報関連企業の拠点を構築してもらいたいということ。お遊びではないから、厳しい条件もついているのでURLをクリックしてよくご覧いただきたい。

*長野県に“おためし”居住してITの仕事をする人を募集、コワーキングスペースや住居を提供
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1182186.html?fbclid=IwAR1c6LgrA-Bx22meoiZ69t3dpwS9tUXUmqcogYHljqOvva-katW1DlzOHpw

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長野県は、IT人材の同県内への誘致を図るための取り組み「おためしナガノ2019」の参加者を4月24日から5月27日まで募集する。

 地方で事業の実施やサテライトオフィスの設置などを考えている首都圏などのIT人材・企業に対し、長野県内に居住して仕事をする“おためし”の機会を提供するもの。具体的には、オフィス(コワーキングスペース)の利用料や移転費、県外への業務上の交通費などを補助するとともに、コワーキングスペースに徒歩で通える住居を県または市町村が無償または有償で提供する。

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 根室市でももう5年間ほど予算を確保して移住促進をやっているがほとんど実績がない。
 当たり前のことだが、企業誘致か地元企業の経営改革(オープン経営への切り換え)ができなければ人口は増えない。
 長野県内なら、新幹線もあるから、サテライト・オフィスも設置可能だ。極東の町根室は首都圏から遠く離れているから長野県とはだいぶ事情が異なるが、何かやり方を見つけたらできるかもしれない。ようは智慧があるかということ。
 IT企業誘致よりも地元企業の経営改革のほうが現実的で効果はずっと大きい。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」にはその企業で働く従業員の処遇も入っている。減少したとはいえ、根室の水産資源は豊かだ、そこが有利な点だ。根室を支える主力産業である水産業から経営改善すればいい。
 オープン化には決算情報の開示、経理規程の整備と徹底(会社のお金と個人の財布を混同しない)、退職金制度の制定や予算制度の導入などが含まれている。正直で誠実な企業、そしてオープンな経営、そういう企業にしか人材が集まらない時代になりつつある。変われない企業は消滅していくだけだ。
 人口減対策は移住促進よりも、地元企業の経営改革のほうが比較にならぬ大きな効果が期待できる

 ようするに、首都圏の標準的な中小企業よりも一歩進んだオープン化をやればいいだけ。好い就職先が増えれば、根室高校を卒業して都会に進学した子どもたちが戻ってくる地元の子どもたちですら戻ってこないような町に、移住しようと思う人が同じ数だけ現れるなんてことが幻想であることは、だれが考えても明らかではないのか

 地元企業の経営改革で人口減少に歯止めがかかる、それで十分じゃないのかね。毎年600人も根室市の人口が減少している。若い人たちが毎年150人は外に出て行って戻らない。まずはそこから改善しようじゃないか。


<余談:ある物理学者との対話>
 この長野の試みを教えてくれたのは、ある国立千葉大学の物理学の名誉教授である。長野県のプロジェクトの応援団メンバーのお一人。根室市政とのかかわり方についていくつかご提案いただいている。



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