#5291 "The movie is a bit hard to follow." Sep. 25, 2024 [49.1 英語音読トレーニング]
表題の英文は、NHKラジオ英会話9/25放送テキストに掲載されていた文です。
大西泰斗先生の解説を引用したあとに、生成英文法で解説して、比較してみたいと思います。
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The movie is a bit hard to follow □.
(この映画は、理解するのがちょっと難しいのです)
hard(難しい)、easy(簡単な)など難易を表す形容詞も、「何が難しいのか・易しいのか」についてto不定詞で説明を続けることができます。この文の特徴的な形に注意しましょう。follow(~についていく)の目的語が空所(□)となっており、その空所が主語のThe movie と一致してfollow the movie(映画についていく)という意味関係を作っています。「この映画はどういった映画なのか」に焦点が当たる文。It is a bit hard to follow the movie.と言っても似たような意味となりますが、こちらは単に「この映画についていくのはたいへんだ」。映画の性質を述べたキーセンテンスとはニュアンスがかすかに変わります。
大西泰斗先生の解説を引用したあとに、生成英文法で解説して、比較してみたいと思います。
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The movie is a bit hard to follow □.
(この映画は、理解するのがちょっと難しいのです)
hard(難しい)、easy(簡単な)など難易を表す形容詞も、「何が難しいのか・易しいのか」についてto不定詞で説明を続けることができます。この文の特徴的な形に注意しましょう。follow(~についていく)の目的語が空所(□)となっており、その空所が主語のThe movie と一致してfollow the movie(映画についていく)という意味関係を作っています。「この映画はどういった映画なのか」に焦点が当たる文。It is a bit hard to follow the movie.と言っても似たような意味となりますが、こちらは単に「この映画についていくのはたいへんだ」。映画の性質を述べたキーセンテンスとはニュアンスがかすかに変わります。
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The movie is a bit hard.「この映画はちょっと難しい」という文に、どのように難しいのかの説明であるto follow「ついていく→理解する」のがというフレーズがついているだけ。「説明ルール:説明は後ろに置く」が適用された例だという説明です。
生成変形文法で解説すると、
a. We follow the movie.
b. It is a bit hard.
c. It <we follow the movie> is a bit hard.
It <for us to follow the movie> is a bit hard.
It is a bit hard for us to follow the movie.
It is a bit hard to follow the movie.
d. The movie is a bit hard to follow.
aとbの二つの文が、五段階の文法工程を経て、dの文ができあがります。
文の意味は深層構造(deep structure)にありますから、cの4番目の文とdの文は深層構造が同じ(a+b)なので、意味は一緒です。しかし、表層構造(surface structure)は異なるので、「ニュアンスの違い」が生じます。
文法工程指数の高い複雑な、そして圧縮された文が出てきたときには、深層構造へ分解してみたら、移民取り方を間違えることが少なくなります。慣れてくれば、これくらいのものなら頭の中で瞬時に基底文(=深層構造)に分解処理できます。
チョムスキーの生成文法で説明するとこんなに面倒くさいのに、大西泰斗先生の「説明ルール:説明は後ろに置く」で解説するとずっとシンプルになります。英作文のときには、大西先生の説明の方が便利なことがわかるでしょう。
大西先生の目指しているのは、喋れる英語です。瞬時に口から英文が出るためには、決まり文句は100回音読して、丸ごと暗記してしまえと言ってます。決まり文句を集積した袋が大きくなるにしたがって、英会話が楽になるそうです。いつのことでしょうね(笑)
音読はリスニング力へ少なからぬ影響があります。昨日、録画しておいた『スノーデン』というノンフィクション映画を見ましたが、半分くらいは聞き取れました。PRISMというシステムを使って、米国NSA(国家暗線保障局)が全世界のインターネット通信を傍受している機密ファイルを暴露した映画です。スノーデンはFBIやCIA、NSAでそうした仕事に深くかかわっていた人です。 あなたのパソコンのカメラをハッキングして、いつでも起動、部屋の内部を覗くことができます。インターネットメールは全部盗聴されます。個人名を入れると、その人がSNSやメールで誰とつながっているのか、どのようなサイトを閲覧しているのか、すべて検索できます。もちろん電子決済や買ったもののリストまで、すべて検索できます。米国はそういうシステムを実際に運用していました。ドイツ政府が抗議したことがありました。各国の大統領や首相のメールや電話も盗聴されていました。もちろん日本の総理大臣も、防衛大臣も、外務大臣も、ありとあらゆるインターネット情報が閲覧・盗聴・検索可能なシステムでした。ロシアも対象でした。
憲法が禁じている個人情報の盗聴をNSAが公然と行っていること、そうした仕事に携わっていたことに憤りを感じ、マスコミを通じて、PRISMで集められた膨大な機密情報を公開したので、国家反逆罪、スパイ容疑でスノーデンは国際指名手配されています。終身刑がまっているので、米国へは帰国できません。覚悟の上での内部告発でした。NSAが憲法違反を行っていることを内部告発したら、終身刑あるいは死刑です。巨大な権力の憲法違反にたった一人で立ち向かった。高い年収と機密情報を扱うことや監視システムを開発することに関わる大きな権限、そうしたものをスノーデンはすべて棄てました。
ロシアへ政治亡命し、かつての恋人リンゼイと暮らしているそうです。
<e-mailを利用した英作文配信>
大西泰斗先生がご担当のNHKラジオ英会話を英作文問題に編集して、e-mailで月曜日と木曜日に配信しています。先ほど#1108回目を送信しました。
10月分のテキストは9/20に編集・入力を終わっていますので、#1954回、A4判で2320ページになりました。これから9年間配信を継続できますが、最後に教えた生徒たちが大学受験ですから、配信は今年いっぱいで終了します。
面白いので、#2000まではつくるつもりです。
The movie is a bit hard.「この映画はちょっと難しい」という文に、どのように難しいのかの説明であるto follow「ついていく→理解する」のがというフレーズがついているだけ。「説明ルール:説明は後ろに置く」が適用された例だという説明です。
生成変形文法で解説すると、
a. We follow the movie.
b. It is a bit hard.
c. It <we follow the movie> is a bit hard.
It <for us to follow the movie> is a bit hard.
It is a bit hard for us to follow the movie.
It is a bit hard to follow the movie.
d. The movie is a bit hard to follow.
aとbの二つの文が、五段階の文法工程を経て、dの文ができあがります。
文の意味は深層構造(deep structure)にありますから、cの4番目の文とdの文は深層構造が同じ(a+b)なので、意味は一緒です。しかし、表層構造(surface structure)は異なるので、「ニュアンスの違い」が生じます。
文法工程指数の高い複雑な、そして圧縮された文が出てきたときには、深層構造へ分解してみたら、移民取り方を間違えることが少なくなります。慣れてくれば、これくらいのものなら頭の中で瞬時に基底文(=深層構造)に分解処理できます。
チョムスキーの生成文法で説明するとこんなに面倒くさいのに、大西泰斗先生の「説明ルール:説明は後ろに置く」で解説するとずっとシンプルになります。英作文のときには、大西先生の説明の方が便利なことがわかるでしょう。
大西先生の目指しているのは、喋れる英語です。瞬時に口から英文が出るためには、決まり文句は100回音読して、丸ごと暗記してしまえと言ってます。決まり文句を集積した袋が大きくなるにしたがって、英会話が楽になるそうです。いつのことでしょうね(笑)
音読はリスニング力へ少なからぬ影響があります。昨日、録画しておいた『スノーデン』というノンフィクション映画を見ましたが、半分くらいは聞き取れました。PRISMというシステムを使って、米国NSA(国家暗線保障局)が全世界のインターネット通信を傍受している機密ファイルを暴露した映画です。スノーデンはFBIやCIA、NSAでそうした仕事に深くかかわっていた人です。 あなたのパソコンのカメラをハッキングして、いつでも起動、部屋の内部を覗くことができます。インターネットメールは全部盗聴されます。個人名を入れると、その人がSNSやメールで誰とつながっているのか、どのようなサイトを閲覧しているのか、すべて検索できます。もちろん電子決済や買ったもののリストまで、すべて検索できます。米国はそういうシステムを実際に運用していました。ドイツ政府が抗議したことがありました。各国の大統領や首相のメールや電話も盗聴されていました。もちろん日本の総理大臣も、防衛大臣も、外務大臣も、ありとあらゆるインターネット情報が閲覧・盗聴・検索可能なシステムでした。ロシアも対象でした。
憲法が禁じている個人情報の盗聴をNSAが公然と行っていること、そうした仕事に携わっていたことに憤りを感じ、マスコミを通じて、PRISMで集められた膨大な機密情報を公開したので、国家反逆罪、スパイ容疑でスノーデンは国際指名手配されています。終身刑がまっているので、米国へは帰国できません。覚悟の上での内部告発でした。NSAが憲法違反を行っていることを内部告発したら、終身刑あるいは死刑です。巨大な権力の憲法違反にたった一人で立ち向かった。高い年収と機密情報を扱うことや監視システムを開発することに関わる大きな権限、そうしたものをスノーデンはすべて棄てました。
ロシアへ政治亡命し、かつての恋人リンゼイと暮らしているそうです。
<e-mailを利用した英作文配信>
大西泰斗先生がご担当のNHKラジオ英会話を英作文問題に編集して、e-mailで月曜日と木曜日に配信しています。先ほど#1108回目を送信しました。
10月分のテキストは9/20に編集・入力を終わっていますので、#1954回、A4判で2320ページになりました。これから9年間配信を継続できますが、最後に教えた生徒たちが大学受験ですから、配信は今年いっぱいで終了します。
面白いので、#2000まではつくるつもりです。
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