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#5282 自民党総裁選挙で見た三世議員二人の感覚と論理と資質 Sep. 7, 2024 [8. 時事評論]

 河野太郎は河野洋平の長男であり、河野洋平は河野一郎(衆議院議員)の息子である。三代目の世襲議員ということになる。
 総裁立候補の際に反町理がMCをやっているテレビ番組に出て、自分の考えを述べていた。気になったのは「労働市場の流動化」と経済政策に関して述べたデジタル化による生産性アップである。民間企業のデジタル化に政府が口出す必要も余地もない。著しく遅れているのは政府です。生産性を上げなければ淘汰されるのが民間企業の世界であることすらご存知ない様子。

 非正規雇用の給与を上げるには、付加価値生産性の高い分野の企業へシフトすればいいというのが彼の意見。どうやって労働市場の流動化をするのか具体策はなかった。
 非正規雇用で付加価値生産性の高い企業の正社員にどうやったらなれるのだろう?民間企業で働いたことがないから、そんなことができるのは正社員だってせいぜい5%未満であることを知らないのだろう。

 デジタル化によって生産性をアップする事例に上げたのは、電卓を残業時間計算でした。
 電卓をたたいて残業時間の計算をしているのをコンピュータ処理すれば生産性が上がるとのたまわった。上場企業では30年以上も前にそんな実務はなくなっている。いったいどこの経済社会どこの国の企業の話をしているのだろう。民間企業の実務をまったくご存じない。こんな人がデジタル大臣をやったら、国の政策は滅茶苦茶になるのはあたりまえだなと思った。マイナンバーがそうなっています。もう一人の立候補者内閣官房長官林芳正氏(三世議員)はマイナンバーと医療保険証の統合を見直すと今日発表しています。国民の声に耳を傾けようとしているように見えます。ごり押しする河野氏とは対照的です。
 mRNAワクチン輸入契約でも製薬企業の免責事項を鵜呑みにして、半分を棄てるような実務を指揮してしまった。外国企業との契約実務に関する専門知識がなかったのです。専門書を読むとか実務に詳し人の話を聞くとかすれば、ピントを外さないで済みました。傲慢な性格が災いして専門家の意見に耳を傾けることもできない。副作用ファイザー社やモデルナ社の副作用被害を契約書で免責したために政府が救済するしかなくなりました。いまだに契約内容が公開されていません。他の国はやっていますよ。
 自分が責任をもつからどんどん打ってしまえと号令をかけて、国内で臨床治験をやらなかったので、実際に死亡事例1900例を含む深刻な副作用が多数出て、いろんなところへ相談しても埒が明かない被害者が、河野氏のサイトに書き込むと2時間でブロック。自分の意に沿わぬ意見はすべて「誹謗中傷」だとしてブロックし、「ブロック太郎」という異名がついてしまいました。そのあたりの対応は兵庫県の齊藤知事によくています。
*コロナワクチン被害者「河野太郎大臣にブロックされた」SNSで苦境を訴えた直後 法廷で証言


 もう一人の三世議員は言わずと知れた小泉進次郎氏。ああ、四代目のようです。曾祖父の又次郎も議員ですから。彼も河野氏と同じように「労働市場の流動化」を主張しています。「解雇規制の撤廃」だそうです。企業が自由に解雇できれば、職を失った人たちが労働市場へなだれ込みます。そうすることで、人手不足が解消すると嘯(うそぶ)きました。これジョークではありませんよ、本人は大真面目なのです。
 人手が足りないのは、介護、保育、外食産業などです。低賃金で非正規雇用が多いことが人手の足りない原因です。働いたことがないから、いろんな業界の実態を自分の目と耳で見聞きしたことがないのでしょう。
 一生懸命に練習したのでしょうね。出馬表明会見で演説するときに、2秒ごとにカンペを見てました。わけのわからぬことばかり喋ると巷で言われているのを気にしたようです。
 もしパネルディスカッションが開催されるとしたら、この二人はどういう議論ができるのでしょう?

 3世議員はもう災害レベルのようですね。親と同じ選挙区からの立候補を法律で禁止してもらいたい。

 民間企業も三代目が初代の苦労を知らず、無能で会社を潰すことはよく知られた事実です。わたしが勤務した企業でも1社そういうところがありました。初代はスタンフォード大卒でHP社創業者のヒューレットやパッカードと同期、その縁で戦後横川電機とHP社の合弁会社YHPができるまでは、HP社の総代理店をしていました。二代目は慶応大学大学院経済学研究科修了、三代目は東大卒。軍事と産業用エレクトロニクスの専門輸入商社でした。90年代に店頭公開して、2010年頃に業績不振で吸収合併して消滅しています。わたしが仕事したのは2代目が四十代後半のとき、1978年9月~1984年1月末日まででした。6年間仕事して、入社1か月後にできた会社の経営を左右するプロジェクト6つの内の5つを担いました。長期計画委員会・資金投資委員会・為替対策委員会・収益見通し委員会・電算化委員会、担当しなかったのは利益重点営業委員会でしたが、円定価システムを作る仕事がメインだったので、結局、担当していた東京営業所長の遠藤さんに協力要請を受けて担当しています。その結果、劇的に収益構造と財務体質が変わりました。25年は何もしなくてもこの会社は飯が食えると辞表を書いたときに思いました。その会社がつぶれたのは26年目でした。
 世襲国会議員の三世は民間機企業とは違って消滅しませんから「災害」なのです。
 選ぶ側の国民が試されています。国民がバカなら総理大臣もバカがなるだけのことなのでしょう。
 東京都がそうなっていますね。東京都の場合は、候補者が何人出てきても、実際には選択肢がないというのも事実でした。鶏が先か卵が先か、さてどうなのでしょう?

<余談-1:解雇規制>
 解雇規制というとすぐに頭に浮かぶのが整理解雇の四条件である。小泉進次郎氏はこれを廃止するのだろうか?
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「整理解雇の4要件」のポイントは、それぞれ以下の通りです。

(1)人員整理の必要性
どうしても人員を整理しなければならない経営上の理由があること(「経営不振を打開するため」は可、「生産性を向上させるため」は不可)。
(2)解雇回避努力義務の履行
希望退職者の募集、役員報酬のカット、出向、配置転換、一時帰休の実施など、解雇を回避するためにあらゆる努力を尽くしていること。
(3)被解雇者選定の合理性
解雇するための人選基準が評価者の主観に左右されず、合理的かつ公平であること。
(4)解雇手続きの妥当性
解雇の対象者および労働組合または労働者の過半数を代表する者と十分に協議し、整理解雇について納得を得るための努力を尽くしていること。
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 兵庫県庁で内部告発した県民局長を解雇処分して自殺に追い込んだのは斉藤知事と片山副知事など数人の幹部職員。民間企業の解雇規制を撤廃したら、そんなことが普通に行えるようになるでしょう。
 日本をどんな経済社会にしたいのか、小泉進次郎氏に具体的なビジョンあるのかな?


<余談-2:立憲民主党パネルディスカッション>
 党首立候補者4人によるパネルディスカッションが記者クラブで開かれていました。現代表の泉さん、国会議員になる前はデイサービスセンターで働いていたと言ってました。知りませんでしたね。松下政経塾で遊んでいて、まともに働いたことのない元総理の野田さんよりは、庶民の気持ちがわかる人のような気がしました。
 いっそ女性党首に任せてみたらいかが?
 国会議員1期目、異色の経歴の吉田晴美さんは、石原伸晃氏と小選挙区で競って勝ち上がった人でしたね。強運かもしれません。彼女の運に乗っかることができたら、立憲民主に追い風が吹くかも。
 野田氏と枝野氏はもう過去の人、どうして若い人の応援に回れないのでしょう?

 『徒然草』第151段を繰り返し読んで、身の処し方を誤らぬようにしたいものだ。
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或人の伝はく、年五十になるまで上手にいたらざらん芸をば捨つべきなり。励み習ふべき行末もなし。老人の事をば、人もえ笑わず。衆(しゅう)に交りたるも、あいなく、見ぐるし。大方、万(よろづ)のしわざはやめて、暇(いとま)あるこそ、めやすく、あらまほしけれ。世俗の事に携はりて、生涯を暮らすは、下愚(かぐ)の人なり。
ゆかしく覚えん事は、学び聞くとも、その趣を知りなば、おぼつかなからずしてやむべし。もとより望むことなくしてやまんは、第一の事なり。

 <口語訳>
ある人の言うことに、五十歳になるまで上手に至らない芸は、捨てるべきであると。がんばって練習しても見込みも無い。老人の事を、(遠慮して)人も笑えない。多くの人に交わるのも疎ましく見苦しい。大方、あらゆる仕事はやめて、暇であるのが、見た目にもよく、そうありたい姿だ。

<なってほしくない人の1位と2位に...>9/9追記
 国民の眼は案外確かなようですね。
 文春オンラインの標記アンケート調査で、総理大臣になってほしくない人の1位に河野太郎氏、2位には小泉進次郎氏の名前が挙がていました。
 別の記事では銀座での小泉進次郎氏の宣伝活動で菅前総理が全面的なバックアップを表明しています。相変わらず滑舌悪く、身体の動きも認知症の老人のようにぎこちない、あれでは応援になりません。森本総理や菅元総理の全面的なバックアップを受けて、自民党改革なんてできるはずもありません。中身の希薄な絵空事を叫んでいます。叫んでいることとやっていることがまるで逆ですから、頭の中がどうなっているのでしょうと思う人が多いことは自然の成り行きです。
 小泉進次郎氏の演説スタイルが、どこかヒットラーに似てきたと感じるのは、記事に掲載された写真左手が、「ハイルヒットラー!」の挙手に似ていたからだけではありません。短いキャッチフレーズで大衆を先導する政治活動のスタイルそのものがヒットラーに酷似してきたということ。
*石破茂でも高市早苗でもない…自民党総裁「なってほしくない人」アンケート1位は“あの世襲議員”「昔はファンでした。でも…」

**小泉進次郎氏に「日本のかじ取り任せたい」 菅前首相が応援演説

田中真紀子節:小泉進次郎をバッサリ9/9 23時追記
 テレビ番組ミヤネ屋に出演して、田中真紀子さんが次のように述べてました。

第64・65代内閣総理大臣の田中角栄氏(享年75)を父に持ち、’01年には女性で初めて外務大臣を務めた田中さん。現役時代は歯に衣着せぬ物言いで注目を集めた田中さんは、9日の『ミヤネ屋』でも本領を発揮することに。例えば27日に行われる自民党総裁選は候補者が乱立しているが、そのことについて田中さんは「いまの候補者がた、たくさん次から次に出ていらっしゃるけど、まあなんか勘違いしてるっていうか」とコメント。そして、こう続けた。 「私の今の立場で見ますとね、ヘナチョコばっかりが出たいから出てきてると。出したい人じゃなくて、この際、出とかなきゃと売名をかねてですね。与野党ともに。ふざけてますよ」 候補者を「ヘナチョコ」「売名」と吐き捨てた田中さん。さらに“真紀子節”は6日に会見を開き、正式に出馬を表明した小泉元大臣に照準を合わせた。会見で憲法改正について「戦後初めての国民投票を実施したい」などと述べ、総裁になることに意欲を示していた小泉元大臣。しかし、田中さんは「(総裁に)この方がなってもらっちゃ困りますけど、個人的には。できるわけない」と一刀両断。さらに、こう苦言を呈した。 「現実がわかってないんですよ。ライドシェアくらいはできるかもしれないけど。皆さんの声を聞いて勉強しておられない」 小泉元大臣は不勉強だと、手厳しく評価した田中さん。潔い物言いは好評なようで、Xでは賛同する声が続々とこう上がっている。


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