#5275 玉川徹さん、対話するときに「論点ずらし」はご法度ですよ Aug. 22, 2024 [8. 時事評論]
8月21日のテレビ朝日の朝の番組を見たら、玉川徹さんが、やけに感情的になっているシーンで出くわしました。たまにそういうことがあるので、今日は、彼に俎板に載ってもらいます。程度の差はありますが、類似の傾向の人がときどきいます。自分で意識することで、ある程度は防げますから、駄文の中からヒントをつかんでください。
それは、神戸市長の久本喜造(ひさもときぞう)さんとタワーマンションについて激論しているシーンでした。
神戸市はタワマン規制をしていますが、玉川さんの主張はタワマンは規制すべきではない、コンパクト・シティ造りのためにも推進すべきだという立場です。タワマン賛成派としておきます。
災害時にタワマンの上層階の住人が置き去りになると久本市長が発言すると、玉川さんは阪神淡路大震災の時に取材に入ったら、高層ビルの市庁舎の1・2階に被災者が避難していたのは、建物が頑丈なタワマンだったからだと発言しています。震災時に避難所として役に立ったという事例を具体的に挙げてました。反証事例が、経験に基づき、自分の目と耳で確認した事実なのですから、その点は立派ですよ。
ところが、市庁舎はタワマンではないわけで、住人はいません。玉川さんは無意識に論点のすり替えをしてしまいました。自覚がないようでしたね。タワマンの1・2階には住民が住んでいるわけですから、避難所として使えるわけもありません。市庁舎は「タワマン」ではなく、「オフイス用の超高層建物」で用途が違います。久元氏は超高層ビル全部を否定しているわけではないのです。オフィスビルには言及していません。話題は「タワマン」に限定されていました。
たとえば、ある企業が30階建てのオフイスビルを建てたとしましょう。50年後に解体するとすると、取り壊し費用を毎年積み立てる必要があります。企業会計原則上そうなっているのです。会社が倒産しない限り、大丈夫です。
ところが、タワマンの管理組合で、50年後の取り壊し費用を積み立てているところはないでしょう。50年後には老朽化した住むに堪えない建物が残ります。取り壊し費用の積み立てはありませんから、老朽化し、あちこち傷んでしまった資産価値の減少した建物が残ってしまい、そのまま放置されるというタワマン特有の困った問題が起きます。100mに近い、上の階から順次解体しなければならないので、解体費用は巨額になります。その費用をだれが負担するのかという問題が必ず生じます。もちろん、タワマンの区分所有者達ですが、1戸当たり1000~2000万円にもなるであろう解体費用を最後の所有者達が負担できるでしょうか?解体してしまえば、住む家はないのです。
(法律を作って、管理組合が引き出せない外部積立制度を作り、耐用年数に応じて毎年解体費用積み立てを強制するという手はあります。タワマンの販売価格が跳ね上がりますが、いずれそうしなければいけなくなります。いやすぐにもそうすべきです。)
久元さんは神戸市生まれで、阪神淡路震災をよくご存じでした。あのときにはタワマンはありませんでしたが、放っておくとニョキニョキとタワマンが中心部の三宮の周辺に建てられてしまうことに危惧を抱いています。タワマンが建つと、小・中学校が必要になりますが、すぐに不要になります。子どもたちは20年もすれば大人になってしまいます。新たに生まれる子供たちの数は20年後には激減しています。20年で不要になる学校建物にお金をかけなければならなくなるのは避けたい。その一方で、郊外の学校は生徒が減少して空き教室だらけです。廃校になり校舎が残っている地域も多いのです。地域社会全体のコストを考えるともったいないと思います。周辺地域からタワマンの林立する地域へ人口移動が起きれば、周辺地域のバスなどの交通インフラが維持できなくなる可能性が出てきます。久元市長はその点を憂慮していました。
どんな都市にしたいのか、そこに住んでいる人たちが徹底的に議論して、自分たちが住む地域のビジョンを作り、そこに向けて実現の努力をすべきというのが、久元市長の考えでしたね。
終始穏やかに、玉川さんの反論に具体的に答えてました。意見の異なる人の主張にも耳を傾け、自分の考えているところを丁寧に説明できる穏やかな人柄がよく伝わってきました。
久元市長の話し方や論理がすぐれたものに見えましたので、経歴を見ると東大法学部で、行政学と国際政治のゼミをとっています。ゼミで議論を戦わせることで、議論のお作法を身につけたように見えました。難関大学出身者でもこういう議論のできる人は100人に一人いるでしょうか?経験上からもとっても少ないと思います。
玉川さんは京大農業土木です。ゼミについての記述はwikiにはありませんでした。農業土木で京大大学院修士課程を卒業されて修了されています。理系分野の研究室は、意見の異なる人との議論の量が少ないのかなと思いました。
あの番組では、ときどき玉川さんが感情的になるシーンを目撃します。意見が対立するときに、自分の経験を交えた具体的な反論がなされますが、感情が先に立って、幼児化現象が起きているように見えます。相手の論旨を正確にとらえられなくなります。ちゃんとした方ですから、意見が対立していないときにはそんなことはありません。意見の対立する人との議論に慣れていないように見えるのです。
大学時代のゼミでの先輩や同期との議論というのは、実はとっても重要な気がします。ゼミで議論することで、議論の仕方、マナーが自然に身に着きます。議論するときには相手の主張に耳を傾け、正確に理解しようとする、そういうことをちゃんとしてから、反論をします。無意識の論点ずらしは、議論を的外れなものにし、有害無益です。
わたしも投稿欄で意見の異なる方と議論することが、たまにありますが、できるだけ相手の主張を正確に理解したくて、主張がはっきりしていないときや私に理解できないときには、どういうことか敷衍していただいたり、「こういうことでしょうか?」と確認するようにしています。
FB上でもたまに議論することがありますが、論点ずらしは滅多に見ませんが、あります。無自覚な論点ずらしはなかなか治りませんね。40歳を過ぎたら、本人が自覚して治そうとしない限り、ほとんど直らないと思ってよいようです。だから、中高生や大学生の時代に、意見の異なる人と対話することに慣れておくべきでしょうね。企業で働くときにもとっても役に立ちます。企業の中では、意見の同じ人の方が少ないのが現実です。だから、意見の異なる人とのコミュニケーション能力が要求されます。とくにプロジェクト仕事は専門分野の異なる人が集まります。相手の専門分野の専門用語くらいは承知していないと、誤解が生じます。そういう人たちを束ねるときに、コミュニケーション能力とマネジメント能力の両方が必要になります。
人格円満で、コミュニケーション・スキルが自然に身につく人は稀ですから、私を含めてたいていの人は、コミュニケーション能力を磨く場が必要です。旬の時期がありますから、それを逃してはいけません。旬の期間は短いのです、せいぜい二十歳ぐらいまでですよ。高校の学校祭のクラスごとのまとめ役、部活、校則改正など、何か責任のある仕事をするときには、意見の異なるメンバたちと調整=コミュニケーションが求められます。受験勉強だって、優秀な先生やそれぞれの科目に秀でた同級生とのコミュニケーションは不可欠です。
半数を超える人たちが大学へ進学していますが、大学や大学院で、各分野で国内トップレベルの指導教授や、数人の授業で教授や先輩、同期と議論するときには、論点ずらしは通用しません。自分で気がつく人は恥ずかしい思いをしますが、恥ずかしいから、何度もやらなくなります。たいがいは、ゼミに入った当初に先輩から「論点ズレてるよ」と指摘されます。たいていの教授はそんな野暮なことは言いません。大学生は子どもじゃないのですからね、本人の自覚を待っているだけです。自覚ができなければ、それだけの能力と見切られます。自覚の問題ですから、注意はしないのです。それも含めて教育なのでしょう。小学校や中学校、そして高校ともそういう点で、大学や大学院はまるっきり違っています。
玉川さんを俎板に載せましたが、彼はまともなほうですので...
同じ番組の出演者にはもっと頻繁に幼児化現象を起こす方がいらっしゃいます。お父様も、意見が対立するときには幼児化現象の強い人でしたね。
<余談:タワマン建物廃棄費用>
久元神戸市長は、タワマンはいずれどうしようもない廃棄物になると主張していました。理由は廃棄費用の積み立てがなされていないことと、タワマンは住民の区分所有であることの二点です。数百所帯も入るような大型のタワマンでは、耐用年数が過ぎて取り壊すときに全所帯から解体費用を徴収しなければいけませんが、高齢化した所帯も若い所帯も、巨額の解体費用を拠出するのは甚だしく困難ですし、協議がまとまらないでしょう。まとまらなければ放置されてしまいます。
東京都では昨年は150棟を超えるタワマンが新築されています。小池知事、50年後や首都圏大震災の時のことを考えているのでしょうかね。
(築地の移転問題や、東京オリンピック跡地の例に見るまでもなく、不動産デベロッパーと都政との癒着が目につきます。)
この点でも玉川さんが、1週間過ごせるだけのものを備蓄してあれば、タワマンの住人は震災をやり過ごせると主張しました。論拠は阪神淡路大震災では停電が1週間後に復旧したからだそうです。
久元神戸市長は電気だけではない、上下水道が困ると仰っていました、90日間ストップしていたと。30年前に神戸にはタワマンがなかったことが幸いでした。水道もトイレもお風呂も90日間使えないのです。どうしますか?糞尿はビニール袋に入れて室内に保管するしかありません。
25階に住んでいたら、飲み水をどうやって運ぶのでしょう?2018年9月6日の北海道胆振東部地震で3日間、北海道全域が停電しました。水道も一部止まりました。5階建ての集合住宅に住んでいる高齢者は、水の確保に困りました。塾へ来ていた女子高校生が、「無理だから、水を運ぶの手伝いました」って、笑顔で報告してくれました。これが20階まで18Lの容器に水を入れて運び上げることなら、話はまるで違ってきます。住居を放棄するしかありませんが、避難所は一軒家の人たちだけしか、想定されていません。避難所の外に、何倍もの人たちが取り残されるでしょう。電気が復旧しても、エレベータは点検が必要です。首都圏のエレベータを点検するのに何か月間かるでしょう?
仮設トイレが、外にできても、上層階から階段で降りるのは30分かかりますよ。漏れちゃいます。たいへんなことになります。汚物だらけの室内で何か月間も暮らさなければなりません。実際には不可能ですから、避難場所に殺到します。タワマンに限らず、マンション住人は、避難所には来ない前提で災害対応計画が組まれています。
首都圏で大震災が起きたら、上下水道の復旧は1年間でできるでしょうかね?腕の良い上下水道職人が首都圏にそんなにいないと思います。完全復旧にはおそらく1年以上かかりますよ。能登半島沖地震で8か月がたった現在でも、水道がいまだに普及していない地域があるようです。
首都圏大震災のときには、トイレがたいへんな問題になります。弊ブログで何度も取り上げています。行政に任せっぱなしではいけません、住民の方から声をあげないと具体的な整備がなかなかなされません。
先月7月に行われた都知事選挙で、首都圏震災時のトイレ問題に言及した候補者はいたでしょうか?
一番好いと思われる策は、内部留保を使って社員に給料を保障して、首都圏の外へ1年間避難してもらうことです。数百万人が避難できれば、復興はずいぶん効率的にできます。いまから具体的な手順を考えておき、いざ災害発生時には間髪入れずに実行できる準備をしておくことが大事です。
玉川徹さん、俎板に載せてごめんなさい。実はあなたのファンなのですが、時折感情的になる欠点も含めてのファンです。だから、今のままで結構です。変わらないでください、人間欠点があるところがかわいさでもありますから。
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それは、神戸市長の久本喜造(ひさもときぞう)さんとタワーマンションについて激論しているシーンでした。
神戸市はタワマン規制をしていますが、玉川さんの主張はタワマンは規制すべきではない、コンパクト・シティ造りのためにも推進すべきだという立場です。タワマン賛成派としておきます。
災害時にタワマンの上層階の住人が置き去りになると久本市長が発言すると、玉川さんは阪神淡路大震災の時に取材に入ったら、高層ビルの市庁舎の1・2階に被災者が避難していたのは、建物が頑丈なタワマンだったからだと発言しています。震災時に避難所として役に立ったという事例を具体的に挙げてました。反証事例が、経験に基づき、自分の目と耳で確認した事実なのですから、その点は立派ですよ。
ところが、市庁舎はタワマンではないわけで、住人はいません。玉川さんは無意識に論点のすり替えをしてしまいました。自覚がないようでしたね。タワマンの1・2階には住民が住んでいるわけですから、避難所として使えるわけもありません。市庁舎は「タワマン」ではなく、「オフイス用の超高層建物」で用途が違います。久元氏は超高層ビル全部を否定しているわけではないのです。オフィスビルには言及していません。話題は「タワマン」に限定されていました。
たとえば、ある企業が30階建てのオフイスビルを建てたとしましょう。50年後に解体するとすると、取り壊し費用を毎年積み立てる必要があります。企業会計原則上そうなっているのです。会社が倒産しない限り、大丈夫です。
ところが、タワマンの管理組合で、50年後の取り壊し費用を積み立てているところはないでしょう。50年後には老朽化した住むに堪えない建物が残ります。取り壊し費用の積み立てはありませんから、老朽化し、あちこち傷んでしまった資産価値の減少した建物が残ってしまい、そのまま放置されるというタワマン特有の困った問題が起きます。100mに近い、上の階から順次解体しなければならないので、解体費用は巨額になります。その費用をだれが負担するのかという問題が必ず生じます。もちろん、タワマンの区分所有者達ですが、1戸当たり1000~2000万円にもなるであろう解体費用を最後の所有者達が負担できるでしょうか?解体してしまえば、住む家はないのです。
(法律を作って、管理組合が引き出せない外部積立制度を作り、耐用年数に応じて毎年解体費用積み立てを強制するという手はあります。タワマンの販売価格が跳ね上がりますが、いずれそうしなければいけなくなります。いやすぐにもそうすべきです。)
久元さんは神戸市生まれで、阪神淡路震災をよくご存じでした。あのときにはタワマンはありませんでしたが、放っておくとニョキニョキとタワマンが中心部の三宮の周辺に建てられてしまうことに危惧を抱いています。タワマンが建つと、小・中学校が必要になりますが、すぐに不要になります。子どもたちは20年もすれば大人になってしまいます。新たに生まれる子供たちの数は20年後には激減しています。20年で不要になる学校建物にお金をかけなければならなくなるのは避けたい。その一方で、郊外の学校は生徒が減少して空き教室だらけです。廃校になり校舎が残っている地域も多いのです。地域社会全体のコストを考えるともったいないと思います。周辺地域からタワマンの林立する地域へ人口移動が起きれば、周辺地域のバスなどの交通インフラが維持できなくなる可能性が出てきます。久元市長はその点を憂慮していました。
どんな都市にしたいのか、そこに住んでいる人たちが徹底的に議論して、自分たちが住む地域のビジョンを作り、そこに向けて実現の努力をすべきというのが、久元市長の考えでしたね。
終始穏やかに、玉川さんの反論に具体的に答えてました。意見の異なる人の主張にも耳を傾け、自分の考えているところを丁寧に説明できる穏やかな人柄がよく伝わってきました。
久元市長の話し方や論理がすぐれたものに見えましたので、経歴を見ると東大法学部で、行政学と国際政治のゼミをとっています。ゼミで議論を戦わせることで、議論のお作法を身につけたように見えました。難関大学出身者でもこういう議論のできる人は100人に一人いるでしょうか?経験上からもとっても少ないと思います。
玉川さんは京大農業土木です。ゼミについての記述はwikiにはありませんでした。農業土木で京大大学院修士課程を卒業されて修了されています。理系分野の研究室は、意見の異なる人との議論の量が少ないのかなと思いました。
あの番組では、ときどき玉川さんが感情的になるシーンを目撃します。意見が対立するときに、自分の経験を交えた具体的な反論がなされますが、感情が先に立って、幼児化現象が起きているように見えます。相手の論旨を正確にとらえられなくなります。ちゃんとした方ですから、意見が対立していないときにはそんなことはありません。意見の対立する人との議論に慣れていないように見えるのです。
大学時代のゼミでの先輩や同期との議論というのは、実はとっても重要な気がします。ゼミで議論することで、議論の仕方、マナーが自然に身に着きます。議論するときには相手の主張に耳を傾け、正確に理解しようとする、そういうことをちゃんとしてから、反論をします。無意識の論点ずらしは、議論を的外れなものにし、有害無益です。
わたしも投稿欄で意見の異なる方と議論することが、たまにありますが、できるだけ相手の主張を正確に理解したくて、主張がはっきりしていないときや私に理解できないときには、どういうことか敷衍していただいたり、「こういうことでしょうか?」と確認するようにしています。
FB上でもたまに議論することがありますが、論点ずらしは滅多に見ませんが、あります。無自覚な論点ずらしはなかなか治りませんね。40歳を過ぎたら、本人が自覚して治そうとしない限り、ほとんど直らないと思ってよいようです。だから、中高生や大学生の時代に、意見の異なる人と対話することに慣れておくべきでしょうね。企業で働くときにもとっても役に立ちます。企業の中では、意見の同じ人の方が少ないのが現実です。だから、意見の異なる人とのコミュニケーション能力が要求されます。とくにプロジェクト仕事は専門分野の異なる人が集まります。相手の専門分野の専門用語くらいは承知していないと、誤解が生じます。そういう人たちを束ねるときに、コミュニケーション能力とマネジメント能力の両方が必要になります。
人格円満で、コミュニケーション・スキルが自然に身につく人は稀ですから、私を含めてたいていの人は、コミュニケーション能力を磨く場が必要です。旬の時期がありますから、それを逃してはいけません。旬の期間は短いのです、せいぜい二十歳ぐらいまでですよ。高校の学校祭のクラスごとのまとめ役、部活、校則改正など、何か責任のある仕事をするときには、意見の異なるメンバたちと調整=コミュニケーションが求められます。受験勉強だって、優秀な先生やそれぞれの科目に秀でた同級生とのコミュニケーションは不可欠です。
半数を超える人たちが大学へ進学していますが、大学や大学院で、各分野で国内トップレベルの指導教授や、数人の授業で教授や先輩、同期と議論するときには、論点ずらしは通用しません。自分で気がつく人は恥ずかしい思いをしますが、恥ずかしいから、何度もやらなくなります。たいがいは、ゼミに入った当初に先輩から「論点ズレてるよ」と指摘されます。たいていの教授はそんな野暮なことは言いません。大学生は子どもじゃないのですからね、本人の自覚を待っているだけです。自覚ができなければ、それだけの能力と見切られます。自覚の問題ですから、注意はしないのです。それも含めて教育なのでしょう。小学校や中学校、そして高校ともそういう点で、大学や大学院はまるっきり違っています。
玉川さんを俎板に載せましたが、彼はまともなほうですので...
同じ番組の出演者にはもっと頻繁に幼児化現象を起こす方がいらっしゃいます。お父様も、意見が対立するときには幼児化現象の強い人でしたね。
<余談:タワマン建物廃棄費用>
久元神戸市長は、タワマンはいずれどうしようもない廃棄物になると主張していました。理由は廃棄費用の積み立てがなされていないことと、タワマンは住民の区分所有であることの二点です。数百所帯も入るような大型のタワマンでは、耐用年数が過ぎて取り壊すときに全所帯から解体費用を徴収しなければいけませんが、高齢化した所帯も若い所帯も、巨額の解体費用を拠出するのは甚だしく困難ですし、協議がまとまらないでしょう。まとまらなければ放置されてしまいます。
東京都では昨年は150棟を超えるタワマンが新築されています。小池知事、50年後や首都圏大震災の時のことを考えているのでしょうかね。
(築地の移転問題や、東京オリンピック跡地の例に見るまでもなく、不動産デベロッパーと都政との癒着が目につきます。)
この点でも玉川さんが、1週間過ごせるだけのものを備蓄してあれば、タワマンの住人は震災をやり過ごせると主張しました。論拠は阪神淡路大震災では停電が1週間後に復旧したからだそうです。
久元神戸市長は電気だけではない、上下水道が困ると仰っていました、90日間ストップしていたと。30年前に神戸にはタワマンがなかったことが幸いでした。水道もトイレもお風呂も90日間使えないのです。どうしますか?糞尿はビニール袋に入れて室内に保管するしかありません。
25階に住んでいたら、飲み水をどうやって運ぶのでしょう?2018年9月6日の北海道胆振東部地震で3日間、北海道全域が停電しました。水道も一部止まりました。5階建ての集合住宅に住んでいる高齢者は、水の確保に困りました。塾へ来ていた女子高校生が、「無理だから、水を運ぶの手伝いました」って、笑顔で報告してくれました。これが20階まで18Lの容器に水を入れて運び上げることなら、話はまるで違ってきます。住居を放棄するしかありませんが、避難所は一軒家の人たちだけしか、想定されていません。避難所の外に、何倍もの人たちが取り残されるでしょう。電気が復旧しても、エレベータは点検が必要です。首都圏のエレベータを点検するのに何か月間かるでしょう?
仮設トイレが、外にできても、上層階から階段で降りるのは30分かかりますよ。漏れちゃいます。たいへんなことになります。汚物だらけの室内で何か月間も暮らさなければなりません。実際には不可能ですから、避難場所に殺到します。タワマンに限らず、マンション住人は、避難所には来ない前提で災害対応計画が組まれています。
首都圏で大震災が起きたら、上下水道の復旧は1年間でできるでしょうかね?腕の良い上下水道職人が首都圏にそんなにいないと思います。完全復旧にはおそらく1年以上かかりますよ。能登半島沖地震で8か月がたった現在でも、水道がいまだに普及していない地域があるようです。
首都圏大震災のときには、トイレがたいへんな問題になります。弊ブログで何度も取り上げています。行政に任せっぱなしではいけません、住民の方から声をあげないと具体的な整備がなかなかなされません。
先月7月に行われた都知事選挙で、首都圏震災時のトイレ問題に言及した候補者はいたでしょうか?
一番好いと思われる策は、内部留保を使って社員に給料を保障して、首都圏の外へ1年間避難してもらうことです。数百万人が避難できれば、復興はずいぶん効率的にできます。いまから具体的な手順を考えておき、いざ災害発生時には間髪入れずに実行できる準備をしておくことが大事です。
玉川徹さん、俎板に載せてごめんなさい。実はあなたのファンなのですが、時折感情的になる欠点も含めてのファンです。だから、今のままで結構です。変わらないでください、人間欠点があるところがかわいさでもありますから。
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2024-08-22 04:07
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