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#4800 映画ヒットラー最後の12日間を見た Aug. 10, 2022 [44. 本を読む]

 NHK衛星放送で「ヒトラー最後の12日間」を見ました。2時間25分、戦争の終わりが見えてきたときの人間の生きざま、死にざまがよく描けてます。
 ドイツ語の映画は初めてでした。ドイツ語は英語よりもよほど聞きやすいのですね。

 ゲッペルスの妻が睡眠薬を調合するように医務将校に命じます。フラスコに入った薬剤を5人の子どもたちに飲むように言います。一番年下の女の子に「勇気があるわ」と言いながら苦い薬を飲ませ、次々に飲ませます。最後は事情の理解できている長女ですが、彼女は飲むのを拒みます。母親は医務官と一緒に押さえつけて無理やり飲ませました。それで部屋の明かりを消して出ていきます。薬が効いている時間は4時間だと医務将校が言ってました。母親は子どもたちが眠ったころに再び部屋を訪れ、眠っている子ども人一人に青酸カリ入りの小さなカプセルを加えさせ、頭を押さえて顎を押します。「プチッ」と落ちがして、2秒くらいで子どもたちが死んでいきます。死を確認するとブランケットを顔まで引き上げます。上にずらされたブランケットから足がでます。一人一人の足をカメラが映していきます。幼い子は足の指も小さい。
 全員殺した後、母親はゲッペルスと表に出て、拳銃で夫に撃たれ、夫は自分で頭を打ち抜きます。待機していた将校3人が、その遺体にガソリンがかけて焼却します。
 子どもたちは生きていたら、殺人者の子どもとして悲惨な生活を送ることになったでしょう。意志の強い母親を演じた女優の演技は見ものでした。

 いろんな場面で出てきた登場人物たち、その一人一人に感情移入して、自分なら、どう生きるのか、どのように死ぬのか、その都度考えさせる映画でした。
 どうしてあんなに国民がナチズムに狂騒してしまったのか、ファシズムはある所からはもう抑えきれない流れになることを示してくれた映画です。

 大数学者の岡潔が、動物脳のことを「自他弁別智」と呼び、自分と他人に明確な線を引くことだと言ってます。それに対して、「平等性智」「無差別智」は自他を区別しない脳の働きだといいます。それが人間の智なのでしょう。


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