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#4289 2次不等式の問題:落穂拾い July 12, 2020 [52-2 生徒の質問]

 生徒の先週の質問から、2次不等式の問題をとりあげます。解答を見ても意味が分からないというので、GRAPESを使って、グラフの変化を見てもらうことにしました。男の生徒は、イメージで見たほうが理解が速いのです。

問題111: xについての2次不等式 x^2-2x-8<0...①、x^2+(a-3)-3a≧0...② を土王時に満たす整数がただ一つ存在するように、定数aの値の範囲を求めよ。

 ①から(x+2)(x-4)<0 より、-2<x<4が決まる。
 ②から(x+a)(x-3)≧0 より、この関数は(3,0)を通ることがわかる。aの位置が3よりも左側にあるのか右側にあるのかに分けて考えなければならない。右側にあれば、整数解は{-1, 0, 1, 2, 3}の5個になるので、不適。
 だから、左側の場合のみ考えればいい。左側にあって、一つも解を含まないのは①の整数解の左端を見たら、-a<-1、すなわち a>1であることがすぐにわかる。 

 解答には、場合分けをした後で、数直線図を使って範囲が解説されているが、これを見たピンとこないなら、グラフで②の関数を動かして見せたら納得できるはず。

<図-1>
image-Ito 20200712.jpg


<図-2>
image-Ito 20200712.jpg

 ①から、解の範囲は -2<x<4 
 ②から、解の範囲は 1<a (3<-aは解が5つになるので不適)
 図-1を見たら②のグラフの左側のx切片が-1より小さくなると、解が3のみとなることがわかる。
 図-2で、aの値を1.5から0.5刻みで-6まで変化させたグラフである。②のグラフは全部(3,0)を通っている。眼で見たほうがよくわかる。何度もこういう作業を繰り返しているうちに、頭の中でグラフをイメージできるようになり、そしてそれを動画イメージで動かせるようになる。高校数学までは脳内でイメージを動かせたら数学はできるようになる。しかし、高校を卒業して複素関数をやるようになったら話は別。複素平面から複素平面への対応はイメージできない、4次元だから。(笑)
 複素関数や数理論理学は高校数学と微かにつながりながらもまるで異分野の世界だ。経済学とは何かを問いだしたら、体系叙述の問題に行きあたる。数理論理学の分野、演繹モデルと公理の関係を研究しないと迫れない。

 図-2をパソコンのディスプレイで見ながら解説を聞いた生徒はようやく合点がいった様子だった。
「なるほど、そういうことですか、わかりました、ありがとうございます」

 生徒の笑顔がうれしい。


 看護専門学校志望の生徒から、4次関数の問題の質問があったので、次回はそれを紹介したい。『アクセス 看護医療学校受験 オープンセサミシリーズ数学1・A』から「問題89」。


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