SSブログ

#4268 面白い循環小数問題&記数法問題 June 12, 2020 [52. 数学]

 3年生の生徒が進学講習のプリントをもってきた。その中に面白そうな問題があった。

 問:ある整数の逆数をとったら、0.abcabcabc...と3桁の循環小数となった。その整数の最小値と2番目に小さい値を求めよ。

 改題して「そのときのabcの値を求めよ」と付け加えたらもっと面白くなる。

 答えは、27と37である。(a,b,c)=(0,3,7) , (0,2,7)

 この生徒、循環小数は習っていないと主張していたが、数1の教科書にあるから、やっている。見せたら「あ、ある、ほんとうだ」、忘れていただけ。ちょっとやっただけだから2年たつと普通は忘れてしまっている。そしてこういう難易度の高い問題は根室高校1年生の授業ではやっていません。忘れてたのもあるけどやっていないといった方が正鵠を射ているのでしょう。かつてやったことを思い出し、複合問題にチャレンジするには好いプリントです。
(数Ⅲをやっている生徒からは、逆関数の積分の問題の質問が出ました。このところやっている問題は特殊な問題が多いから、基本を忘れてただけ。30秒の解説で理解してました。1/14から『青チャート数Ⅲ』全問制覇をし始めて、6月末までに終了が当初スケジュールですが、1週間余して終われそうです。この生徒は意志の強さをほめたい。)

 プリントには2進数の除算問題も載ってました、どうやったらいいのか鳩が豆鉄砲を食らったような顔で質問していましたが、十進数と同じように割り算したらいいだけ。やって見せたら余りがゼロになったところでピンポーン!黒板見ないで自分でやってみて「できました!」。8進数の加算や減算問題は、繰り上がりや繰り下がりを8でやるだけ、縦に並べて計算すればすぐにできる。横計算でやると難問になる。筆算は小学校でも縦でやったでしょ。こちらも慣れておかないと、大学受験本番で出題されたら、時間を食ってしまい痛い目に合う。今年の夏休みは2週間ほどしかなく短いが毎日12時間勉強して、忘れていたものを思い出したらいい。

 20代後半(1978年)に、好奇心からマイコンの本を読み漁って、2進数、8進数、16進数の計算をしたのが懐かしい。当時はパソコンはおもちゃ同然。社内にあったコモドール製パソコンは、押しても戻ってこないキーがあったほど粗雑な造りでした。HP社のマイクロ波計測器の制御とデータ処理部に使われていたパソコンは当時200万円くらいしました。これは優れものですが、個人ユースでは買ってもらえません。(笑) 
 オフコンとワープロが仕事で使われ始めてました。1979年に三菱電機製のA4縦型のワープロを東京営業所で見積作成用に導入しましたが200万円しました。1982年10月にNEC9800シリーズのパソコンが売り出されたときには驚きでした。キーボードがコモドール製品とは比較にならぬほどしっかりしてました。スプリングの品質が違っていたのでしょう。
 中途入社してすぐに5つのプロジェクトを任され、自社の経営分析と収益構造を変える具体案を作り実行するために、かなりの量の統計計算が必要で、数日間、朝から晩まで電卓叩いて計算してましたが、そのままでは埒が明かず、どうしようかと思っていたら、HP社のHP67とプリンタ付きのHP97を入社1か月目と2か月目に関周社長が米国出張で買ってきてくれました。朝出社すると机の上に置いてある、うれしかった。秘書に尋ねると「社長がebisuさんに使えって置いてきました」。当時11万円と22万円もした高額の科学技術用プログラマブル計算機でした。一日中計算に明け暮れていたのが、プログラムを組んでしまうとデータ入力とチェックだけでいいので30分で終わってしまったのは感激でした。時間が短縮できるので統計計算量が数倍に増えました。線形回帰分析をベースに、経営分析用の25ゲージのレーダ・チャートを開発しました。組んだプログラムはテストデータでチェック済みですから、計算の確認がいらない。プロジェクト5つ抱えていても問題がなくなりました。収益構造を変えることを目標にシステム化(為替管理、円定価表システム、納期管理システム、仕入在庫管理など)をいくつかやったので、3年後には会社の売上高経常利益率が7%ほどアップしてました。これらのシステムは円定価見積レート、仕入レート、決済レートで連動していました。仕入れと営業実務が劇的に変わりました。
 
400頁の英文のマニュアル2冊を1週間で読み切り統計関係の数値プログラミングをマスターし、その後2年間の間にさらに2言語プログラミング言語をマスターして仕事で使いました。3年目には会計情報統合システム分野では国内トップレベルのSEと互角に仕事してました。5年目には為替管理や簿記や原価計算、経営分析、在庫管理、初等統計学などの専門知識がある分だけこちらが有利、国内トップレベルのSEを超えましたね。その都度一緒に仕事するソフトハウス(オービック⇒日本電気情報サービス⇒NCD社)は代わりましたが、スキルが上がるとSEたちは何でも言うこと聞いてくれました。8か月で臨床検査最大手SRLの会計情報統合システムが本稼働した後、「暇だからプログラミングやろうかな」って言ったら、「内部設計やプログラミングはわたしたちがやるので、ebisuさんは実務デザインと仕様書書いてください」って。(笑)
 コンピュータを扱えることはあたりまえ、それ以外の専門知識が大事。国語と数学と英語の勉強をちゃんとやっておけば、コンピュータ関係の専門書は必要な時に独力で読めるし、仕事で使えばスキルも短期間で飛躍的に伸びます。だから高校生のときには国語と数学と英語の勉強をしっかりやっておこう。大学では専門分野を極めよう。簡単なプログラミングはとっくにブラックの世界ですよ。雇用の安定しない非正規・低賃金です。ゲームソフトの世界も恐らく同じでしょうよ。どうか高校生の皆さんは高額報酬分野を目指して勉強してください。それには国語と数学と英語が大事です。情報の勉強なんか社会人になってからでも独学でやれます。仕事でつかえる環境があればスキルはぐんぐん伸びます。スキルの高いSEと仕事する機会があれば、技術は盗めます。一緒に仕事して見ただけでわかるんです。

 さて、高校数学の勉強の話に戻りましょう。ふだんやっている問題集に良問には「良」のマークを付け、できなかった問題には「レ点」をつけてあれば、効率的に復習できます。マークを付けた問題でも2度目にやって十分理解したら、マークに二重線を引いておけば、3度目はパスできます。こうして問題の分量を減らしていけば数分の一の時間で復習できまります。時間は一日24時間しかないから、いかに効率的に復習するかが3年次の学習効果を決定します。ふだんの勉強方式は予習方式です。これが一番効率がいい。なぜかって?習っていないところを予習してあると、どこがわからないかがはっきりしますから、学校の授業は分からなかったところに集中して聴けばいい、つまり復習になってしまうからです。そういう勉強の仕方が学力アップの効率が高い。

<余談:転職≒天職>
 1978年の大学新卒の初任給は105,500円でした。産業用エレクトロニクス輸入専門商社の関周社長が入社早々に買ってくれたHP97は22万円ですからずいぶん高い製品だったのです。
 本社は日本橋人形町、大学院卒の中途入社でした、初任給は2.5倍ほどいただいたのではなかったか。仕事は期待に応えたと思います。五年後にこの会社を辞めて、職探しにリクルート社の人材斡旋で選んだうちにフェアチャイルドジャパンがありました、経理課長職で年収850万円でした。当時の大卒初任給は135,800円ですから、年収220万円程度です。外資の半導体製造企業は日本企業に勝てそうもないのでいずれ撤退になると判断。プレジデント社とスキルの高い上場準備要員を募集していた臨床最大手SRLに絞って、5年分の決算情報をみて、両方の会社を訪問しました。プレジデント社は赤坂に事務所がありました、雑誌の編集の仕事です、経営や経済記事が中心の雑誌ですから向いていたかもしれません。
 上場準備中のSRLはシステム開発の高度なスキルが生かせます。担当できる社員がいなくて困ってました。SRLは西新宿の超高層ビル22階が本社、いまでこそ都庁の手前ですが、当時は都庁は丸の内で西新宿にはまだ移転してません。ビルと業績でSRLに決めました。高校卒業して根室から出て行って、都会で仕事ですから、超高層ビルで一度仕事してみたかった、それだけ。(笑)
 その後、横浜の療養型病院の常務理事となり、病棟建て替えをやり終え、また転職。外食産業の別の会社で経営企画次長として銀座3丁目でも仕事することになります。
 根室へ戻って来てから、東北の会社からお誘いが一度ありましたが、いくらなんでももう転職はナシです。体力がありません、そのうちにふるさとの土になります。(笑)
https://nenji-toukei.com/n/kiji/10021


にほんブログ村

nice!(0)  コメント(2) 

nice! 0

コメント 2

デルビー

小さい整数から場合分けしてa,b,cの値を求めて3桁の循環小数か確かめていくので、a,b,cの値はどのみち出していくことになりますが、それほど難しくはないと思います。
今年のセンター試験で7進数の循環小数の問題が出題され、いい良問でした、

by デルビー (2020-06-12 22:14) 

ebisu

デルビーさん

コメントありがとう。
7進数というのは珍しいですね。
コンピュータの世界では7進数は聞いたことがない。受験問題ならではのものですね。
十進数ではないということで、ひと手間増やした循環小数と記数法の複合問題、面白いと思います。
循環小数と8進数か16進数での組み合わせの複合問題のほうがわたしには自然に感じられます。
by ebisu (2020-06-12 23:41) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。