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#4232 全道一律休校というのはいかがなものか:100%の休業補償あり April 23, 2020 [8. 時事評論]

<5/6までに新規感染者発生数は減るか?>
  札幌は医療機関が院内クラスター感染で感染者が急増している。
 道内の感染者発生数の地域別分布を見ると、1月に雪祭りや流氷祭りなどの大型イベントをやった地域の感染者数が多い。その傾向は4月になっても変わらない。クラスターつぶしを一生懸命にやっていたが、それは感染者が発症する時点までしかさかのぼっていなかった。
 最近の研究では発症の3日前から発症直前が感染力が最大になることがわかってきた。これが真なら、いままでのクラスターつぶしは、一番感染力の強かった発症前の3日間をパスしてしまっているのだから、感染拡大に気がつけなかったということ。感染力の動態がつかめていなかったのだからしかたがないことだ。

 道内の公立小中高の学校は3月が休校、そして4月も、5/6に緊急事態解除が予定されているが、いまのところ新規感染者数が減る気配がない。東京は東京都医師会のPCR検査センターが都内10か所で稼働しだしたら、検査数の増大に比例して感染者数が増えるだろう。パンデミックが終息しそうもなければ、5月も6月も休校になる可能性が大きい。
  道内の「陽性患者数」グラフが載っているので、ご覧いただきたい。累計値は4/9から上昇カーブがきつくなっている。患者増加傾向が4/9を節目に加速した。よく観察すると、検査数が増えているので陽性が増加しているように見える。陽性率は10%前後で横ばいである。だから、今後も検査数が増えるだろうから、陽性数も比例して増加すると考えるべきだ。
https://stopcovid19.hokkaido.dev/?fbclid=IwAR31u-AtcR05gdfAtHp_5t9f4qNnGU3m74cFZ0mlDEiV30m9HkU3WY3iTQI

<根室市内の中学生の学力との兼ね合いを考える>
 根室市内の中学生の学力が低い、とくに数学は釧路根室管内18校中最低レベルにある。昨年9月の学力テスト総合Aでは啓雲中と柏陵中の平均点が15.8(60点満点)だった。
*#4099 学力テスト総合A18校科目別データ Oct. 11, 2019

 五科目合計点の平均も108点と111点である。4月5月と授業がなければ、今年はさらに平均点がさがるだろう。夏休み返上でも、授業時間数はすくなくなる。途中から教科書をすっ飛ばして教えることになる。

<いまやりうる対策>
 オンライン授業をやるには学校それぞれにサーバーが必要だし、サーバーを管理できるプロの技術者が必要だ。そして生徒たちにはパソコンあるいはタブレット端末とそれがインターネットに接続された環境が必要になる。そんなものを1年で整備できるはずもない。いや、ふるさと納税の資金を使えば可能だ。

 いまできることをやればいいが、それは分散授業だろう。中学校は30人以下の学級だから二つに分割して教えたら、「三密」にはならない。それに、根室は2月に感染者が出てから、4月22日になっても出ていないのである。子どもたちの学力がさらに低下するリスクを無視してまで、リトル東京と言われる札幌の学校と同じように休校する必要があるのだろうか?
 根室は3月の休校すら必要がなかったのではないか?

<最悪のケースを想定しそれに備えよ>
 3,4,5,6月が休校、12月くらいからまた新型コロナが蔓延し始め、1月・2月と休校となるのを最悪のシナリオとすると、分散授業の導入検討はできないのだろうか?中学校なら二つに分けたら15名以下であるから、教室はガラガラ。窓を開けてやったらいい。

 高1や中1年生の1学期で躓いたら、数学も英語も苦手になってしまう生徒が増える。自力で予習して勉強できる生徒は中学生なら市内1学年200人中数人である。ふだんの学力テストの分布を見たらそれが分かろうというもの。学力上位層が枯渇化現象を起こしている。300点満点の中3の学力テストで、200点を超える生徒は市街化地域の3中学校でそれぞれ数名のみ。それ以外の生徒が独力で教科書を理解して問題集にチャレンジできるとは思えない。ほとんどの生徒がわからないところを質問しないと前に進めない。

<危機のときには普段の備えが問われる>
 中高の英語の教科書の選び方に大きな問題があることははっきり書いておく必要がある。英語学習には教科書の音読トレーニングが不可欠だが、自力で新しい章を音読できる生徒は5%もいるだろうか?音源のサイトへジャンプできる二次元バーコード付きの教科書を採択すればいいだけだが、中学校のSUNSHINEも根室高校のVIVIDにも二次元バーコードは印刷されていない。4/22に高校1年生3人に英語の特訓授業をしたが、Cとseeとsheを正しく発音できた生徒はいなかった。三人とも「シー」とやってくれた。発音記号はshe [ʃiː] 、Cとseeは[si:]だから「スィー」。三人の生徒は違う中学校の出身者である。新出単語の発音記号が本文の右のページに出ているが、発音記号の説明をしている先生はいるのだろうか?
 3月4月と2か月休校になっているが、こういう生徒たちが独力で教科書を読んで学習できるわけがないとわたしは判断している。だれが選らんでいるのか知らないが、ふだんの教科書選びがこういう「緊急事態」のときに決定的な弱点となって生徒たちを襲い、学力低下を加速してしまう。
 3か月間英語の教科書を音読しなけりゃどういうことになるのか推察がつく。生徒たちには感染リスクがあるので、休校明けからはなるべく声を出して説明しない授業をやると中学校の先生たちから説明があった。道教委からの指示だろうか。授業再開になっても、教科書の音読トレーニングは授業中にほとんどなされないことになりそう。


<思考停止状態から抜け出そう>
 最悪のシナリオのもとに、根室の子どもたちの学力低下をどうしたら防げるのか、根室の教育関係者は考えてもらいたい。学校関係者とは、根室市長、根室教育長、根室市教委、根室市議会文教厚生常任委員会、学校長、教頭、それぞれの教科担当の先生たち、そして保護者のみなさんと当事者の生徒たちである。ああ、わたしも地域の教育関係者の一人だった。

 全道一律休校でいいなんて言うのは、教育関係者の思考停止としか思えない。やれることがあれば見つけてやろう。分散授業で生徒たちの受ける授業時間数が半分になっても、休んだままよりずっとましだと思うがね。
 教育は「不要不急」の分野ではない、社会の基礎を形成する重要な分野である。感染者が2か月間出ていない根室市は学校を休んでいる場合ではないと思う。緊急事態に応じた工夫をして仕事するのがプロだろう

<いまニムオロ塾でやっていること>
 他人様のことばっかり言っているように聞こえただろうから、わたしが小さな私塾でいまなにをやっているのか#4230に書いておいた。英語の特訓授業と英作文問題と解説(「英作文千本ノック」)のラインでの配信をやっている。連休明けまでは塾の授業を継続、入室時に手洗い励行、マスク着用、換気扇はつけっぱなし。もちろん、「自粛要請」に応じて塾を休んでいる生徒もいる。判断は生徒個々が、そして保護者と相談のうえで決めるように伝えてある。こういう時にこそ親とちゃんと話したらいい。根室高校の先生たちも普段から「自主性」を言っている、親に言われないと勉強しないようでは、まるで小学生だ。(笑) 休めばその期間の授業料は支払い不要。3月は2週間休んだ。
 新学期、新しい分野の勉強をどうやればいいのか、独力で予習する生徒は質問したいことがどっさりでてくる。そこを整理してやれば、数人は独力での学習が定着できるかもしれない。
 1年のスパンで考え、やれる範囲のことはやっている。
*#4230 弊塾の新型コロナ対応:半年休みになるくらいのつもりで… April 21,2020 
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2020-04-21


<高校英語教科書音声アプリ>4/24追記
 VIVIDの音声アプリが¥1000で販売されていることを投稿してくれた(早起きの)人がいます。スマホへダウンロードして使うものです。根室高校のみなさん、ぜひこれを使って徹底的な音読トレーニングしてください。画面に教科書本文が表示されます。CD版よりずっと便利です。
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VIVIDは1冊分1000円の音読用のアプリを購入すれば可能です。

http://www.daiichi-g.co.jp/eigo/soundbook/
by NV100クリッパー (2020-04-24 06:42) 
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コメント 5

zawa

オンライン授業にクラウドサービスを利用すれば各学校にサーバーは必要ありませんが、収録機器、ピンマイク、ネットワークの増強およびネットワーク機器の購入は不可欠になるので、すぐには出来ません。(根室市議会で補正予算を成立させないと駄目ですが)
by zawa (2020-04-23 20:19) 

ebisu

zawaさん
同じことですね。
サーバーをクラウドに置いただけのことではないでしょうか。

by ebisu (2020-04-23 21:57) 

NV100クリッパー

VIVIDは1冊分1000円の音読用のアプリを購入すれば可能です。

http://www.daiichi-g.co.jp/eigo/soundbook/
by NV100クリッパー (2020-04-24 06:42) 

ebisu

NV100クリッパーさん

VIVIDの音声CD情報ありがとう。スマホやタブレットにダウンロードして使うものですね、便利!
これって検索して見つけようとしても探せませんね。
根室高校生のスマホ所有率はほぼ100%ですから、このアプリを利用して、音読トレーニングしてください。

生徒は誰も知らないようです。学校の先生は教科書音声アプリの宣伝してはいけないのかな?

音声CDも販売しているようですが、サイトは4/17-5/6まで閉鎖中です、金額は確認できませんでした。

タダで、ネットでダウンロード可能にしてほしい。教科書のタブレット版が出ていて、文章をスクロールするだけで音声が聞けるものが、一部の学校で採用されています。

CD版の方のサイトを貼り付けておきます。
高3:Vivid English CommunicationⅢ NEW EDITION 音声CD
http://www.daiichi-g.jp/shopdetail/000000000071/
高2:Vivid English CommunicationⅡ NEW EDITION 音声CD
http://www.daiichi-g.jp/shopdetail/000000000067/

高1のものは検索しても出てきませんでした。
by ebisu (2020-04-24 09:50) 

ebisu

音声アプリのサイトをメールで高校生のニムオロ塾生全員に配信したので、かれら・彼女たちがラインでお友達に知らせてくれるはず。
意味のイメージ浮かべながら、同調音読トレーニングみっちりやってほしい。
定期テスト50点の人でも、3人に一人はきっと90点獲れるようになるよ。
by ebisu (2020-04-24 11:51) 

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