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#4195 「全国の学校休校要請」対「WHO報告書」 Mar. 1, 2020 [35. 感染症および自己免疫疾患]

 モスラ対ゴジラ?入国制限という基本的な措置をしないで、ピント外れの全国一斉休校、日本が世界中の笑いものになりそうです。
 WHOが2/25付の報告書を公表しています。首相官邸のみなさん、そして厚生省のみなさん、当然お読みになっているでしょう。
*https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/who-china-joint-mission-on-covid-19-final-report.pdf?fbclid=IwAR2ZXSqAucIdIwc6AkdRbBenx1MGoNL5BA9VZu7ffojYWN6hw3nrawTjWr8

 その12ページには次の記述があります。
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As of 20 February, 2114 of the 55,924 laboratory confirmed cases have died (crude fatality ratio [CFR2] 3.8%) (note: at least some of whom were identified using a case definition that included pulmonary disease).  The overall CFR varies by location and intensity of transmission (i.e. 5.8% in Wuhan vs. 0.7% in other areas in China).  In China, the overall CFR was higher in the early stages of the outbreak (17.3% for cases with symptom onset from 110 January) and has reduced over time to 0.7% for patients with symptom onset after 1 February (Figure 4).  The Joint Mission noted that the standard of care has evolved over the course of the outbreak. 
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 2/20までに新型コロナ検査陽性の患者は5,924人でそのうちの2,114人が死亡。文中にあるCFRとは流行のフェーズも地域も無視した致死率、確認された陽性患者のうちで死亡した人数を割ったもの、すなわち陽性確認症例のうち何パーセントが死亡したかという率(単純平均値)です。[CFR2]はPCR検査陽性だけでなく、検査はしていないが肺炎症状を呈した患者を分母に算入しています。
 アウトブレイクの初期段階であった1/1-10の間に発症した感染者の致死率は17.3%2/1以降は0.7%に劇的に減少しています。流行のフェーズの違いで、こんなに大きな差があります。
 日本で新型コロナウィルス感染症患者が10,000人出ても、死亡は7人です。19歳以下は致死率ゼロということになりそうです。休校措置は本当に必要なのでしょうか?

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Individuals at highest risk for severe disease and death include people aged over 60 years and those with underlying conditions such as hypertension, diabetes, cardiovascular disease, chronic respiratory disease and cancer.  Disease in children appears to be relatively rare and mild with approximately 2.4% of the total reported cases reported amongst individuals aged under 19 years.  A very small proportion of those aged under 19 years have developed severe (2.5%) or critical disease (0.2%).
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 ハイリスクグループ(重篤症状を呈するとか死亡するグループ)は60歳以上の老人で、高血圧、糖尿病、慢性呼吸器症疾患の患者、癌患者だそうです。
 19歳下の子どもは患者全体の2.4%で、そのうち重篤な症状を呈するのは2.5%(肺炎かな?)で、深刻な状態に陥るのは0.2%です。

 中国の新型コロナウィルス感染症PCR検査陽性患者55,924人を追跡調査したデータです。

 日本で1万人の感染者が出たとして、このデータをもとにして試算すると、不幸にして亡くなるのは7人です。それほ、ほとんどが基礎的疾患を抱えた老人ですから、19歳以下の小中高生が亡くなる心配はほとんどありません。それがWHOの調査報告です

 日本政府は何をやっているのでしょう?事実とデータに基づかない全国一斉の休校要請ドタバタ劇、気が違ったのかと笑われそうです
 台湾の蔡英文総統は患者が発見される前から具体的な準備を始めて1か月も前に手を打ってます。1/15に新型コロナウィルス感染症を「法定感染症」に指定1/25には立法院で新型コロナ対策法を可決成立させています。マスクの不足も生じてません。政府がメーカから全量買い上げて、健康保険カードで購入履歴を管理しているからです。週に1度だけ買えるように、健康保険カードの番号ごとに販売日を振り分けてます。購入履歴は健康保険カードに残ります。ICカードになっていて、履歴を残せるのです。関係省庁の対応も素早かった。どこで買えるか、地図にマークをつけてインターネットで公表してます。先手先手で具体策を打ってます。感染患者も39人です。中国のお隣にありながら、韓国の3150人とは大違いです。結果から見ても防疫体制が現実的でしっかりしているということ。

 日本政府はダイアモンド・プリンセス号の感染拡大に大わらわ、不手際が続出し批判が渦巻く中で、ほとんどなすすべがなかった安倍総理大臣は、何か派手に打ち上げなくてはと考えたのか、全国の小中高の学校へ1か月間の休校要請をだしました。法治国家だから、対策特別法を成立させてからでしょう。検討している時間がないなんて言い訳は通じませんよ、時間は1か月以上もあった。まだ中身がないので具体策の検討はこれから、学校も経済も大混乱。まずいところは微調整しながらやるしかない。

 選挙制度の欠陥はどうあれ、現在の制度で国民が選んだ政権であり、総理大臣なのだから、結局はkoderaさんの言うように、国民の意識レベル相応の政治がある。それが忖度政治であり、法律無視の今回の突然の全国一斉休校要請だったとしても。じゃあ、誰がいるかと問われたら、すぐに名前は出てこない。大方の国民もそうなのだろう。

 WHOのデータを読む限りでは、小中高の休校措置は必要のないものとわたしは思う。しかし、WHOの数字だけですべてが判断できるとも思わぬ。報告書を隅から隅まで読んだわけでもないから、見えていないもの、わかっていないことがある、なんとも気持ちの悪い心地がする。
 新型っていやだね。感染した19歳以下の子どもの数って本当に感染者全体の2.4%なのか?免疫が大人に比べて相対的に弱いので、症状が軽くてPCR検査の網の目から漏れているケースはどの程度なのかさっぱりわからない。わかっていないことはわからないとしておこう。中国のデータに現れた感染者数から判断するとそんなに感染力が強くないことだけはたしかなようだ。

 政治がどうあろうと、明日も坦々と仕事する。

3/2 0:28追記
*https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200228-00000078-sasahi-soci&p=1
(台湾ではすでに学校の休校は原則終了している。旧正月(春節)の冬休みを2週間延長して24日まで休みにしていたのを、現在は、教職員や生徒で感染者が1人出れば学級閉鎖、2人以上なら学校閉鎖するという基準を設け、授業を再開している。)

<社会実験のようなもの> 3/2朝8時半追記
 ベッドで朝、ラジオを聴いていた。道内の農家から大学生の春のアルバイトが集まらなくなったので作付面積を減らさざるを得ないという。春から夏場にかけて道内野菜の収穫量が減るということ。これはもうどうしようもない。聞いてみたら当たり前だが、案外こういうことは実際の状況が生まれるまで気がつかぬ。牛乳の生産農家は給食が中止になっているので、生乳を加工乳へ回さなくてはならない、当然単価は下がる。給食用は生乳消費量の10%を占めている。こうした「あたりまえの影響」がいたるところで起きる。社会は複雑根ネットワークでできている。一箇所に変化があれば、それは複雑なネットワークを介して全体に及ぶ。半年後にその結果がどうなるのか「大きな社会実験」なのだろう。
 同じラジオの解説で中国の感染症の責任者が論文を発表したそうだ。死亡した人の症例を分析したところ、入院時に発熱もない、肺炎症状もない人がかなりの割合でいたという。実際の割合が度だったか、その論文をみないとわからぬ。

 根室市内でも様々なうわさが飛び交っているが、何が本当かさっぱりわからない。濃厚接触者23人が経過観察中のようだが、噂が全部本当なら、家族を中心に数人は感染者が出ているはず。真偽の不確かな噂のいちいちは書かない。
 たしかな情報だけを書くと、公表された感染者リストの14番目に根室市の感染者(2/22PCR検査陽性判明)が載っているが、末尾が72番目、根室市の感染者は増えていない。2/16から発症していたから、すでに2週間以上経過しているが、密閉空間で生活していた家族にすら感染していないことがわかる。新型ウィルスの感染力はインフルエンザに比べるとかなり弱いと言えそうだ。
*北海道庁保健福祉部地域保健課<新型コロナ:道内の発生状況>
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kth/kak/hasseijoukyou.htm


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