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#4093 英語短期特訓授業 7th:Lessen 4 Oct.2, 2019 [78-1Vivid 3短期特訓補習]

 <毎週水曜日の英語短期特訓授業7回目>
 今日は根室高校では、1年と2年対象のスタディサポートの試験があった。ベネッセのテストで、生徒の話では難易度は進研模試レベルらしいだが、マークシート方式である。数学はできたが、英語は相変わらず歯が立たないようだ。仮定法が数題出題されていたらしい。仮定法は高校英語の最重要項目である。1年生の時の後半に習っているはずだが、4人とも手が出なかったと言っていたから、仮定法だけで2回ほど特訓の追加をすることにした。こうやって生徒とコミュニケーションしていると、弱点になっているところが具体的にあらわになるから、わたしのやるべきことも増えるのは自然なことだ。(笑)
 前回の進研模試よりはいい点数が出てくることを期待したい。

 今日の授業は高2の生徒4人が参加した。4人とも昨日は塾へ来て課題小冊子の問題を解いていた。一人が眠そうな顔をしているので、朝までやったのかと訊いたら、ほとんど寝ていないという。好い根性している。

 第4章のタイトルは”Can Cellphone Recycliing Help African Gorillas”(スマホのリサイクルはアフリカのゴリラを助けることができるのか?)となっている。
 高3の教科書をテクストに使っているが、中身の80%は中学英語である。「現在完了形+受動態」の文が二つ出てきたので俎板(まないた)にあげた。これは高校の範囲。

(1) Recently, more and more cellphones have been used around the world.
(2)  That has led to a huge increse in mining activities to get coltan, and as a result, the animal's habitat has been greatly reduced.

  10回ほど音読してから、一文ずつ文型を確認しているので、それが終わってから生徒に第何文型なのか問う。解説はその後。
 (1)は第1文型、(2)は重文になっており、前半部と後半部ともに第一文型である。
 現在完了は have+過去分詞
 受動態は  be動詞+過去分詞
 これらが合わさると、太字の部分が加算されて、「have+be動詞の過去分詞+過去分詞」となる。現在完了と受動態の和集合だ。二つの集合の席の部分が太字になっている。数学が得意な生徒たちだから、こういう説明のほうが頭に入るだろう。このように授業はつねに対象となる生徒に応じて変幻自在なのがあたりまえ。不思議だったのは中学校の数学と英語の授業、学校が違っても教え方は判で押したようにそっくりだった。8回見学してなるほどそういう授業をやっているのかと感心した。生徒の学力には関係なく、マニュアルに従って進行しているような授業だった。成績上位層がやる気を失うのは無理もないこと。成績下位層も理解不能。集団授業ではあれしか方法がないのだろうか。
 
 さて、受動態の現在完了文を能動態へ書き直してもらった。生徒の作業が終わってから解説する。

 We have used more and more cellphones around the world.
  They have greatly reduced the animal's habitat.

 なぜ最初の文はweが主語で、あとの文はtheyが主語なのかもよく考えてほしい。文脈が読めていれば理由がわかる。正解できた生徒はいなかった。いまの段階ではそれでよい。10回の特訓が終わったときにちゃんとしてればいいのだ。
 書き手は、主語には関心がないから受動態を選択して書いていることに注意。現在、過去、未来、現在完了と並べると、それぞれの使われるシーンの違いがよく理解できる。

 ① More and more cellphones are used around the world.
 ② More and more cellphones were used around the world.
 ③ More and more cellphones will be used around the world.

 ④ More and more cellphones have bee used around the world.

 日本語には現在完了形という形がないから、その用法には習熟しておいた方がよい。現在完了形は現在に関心の焦点がある。過去から継続している事象を現在に焦点をあわせた場合に用いる表現である。英文法用語を使うと相(Aspect)である、どの相を選択するかは英作文のときにとても重要なことなのである。

 だから、上記の①~④まで並べてニュアンスの違いと使われるシーンの違いを読み取ってもらった。

 次の文のほうがもっとわかりやすい。
 ① My uncle is rich.(成金ではなくて、代々続く金持ちの家柄かもしれない)
 ② My uncle was rich.(おじさんは金持ちだった、しばしば現在の状態とは違うことを裏に含んでいる。すなわち、now, he is poor)

 ③ My uncle has been rich.(おじさんは金持ちだ、(以前のあるときから、そして今も金持ちである))

 ④ My uncle will be rich.(おじさんは金持ちになるだろう⇒現在は金持ちではない)

 現在完了の文には期間をつけてみたら、そのニュアンスがもっとわかりやすくなる。
 My uncle has been rich since 10 years ago.(10年前から金持ちだ⇒10年前までは金持ちではなかったというニュアンスを含む、たとえば、2008年のリーマンショック後の混乱の中で株で大儲けしたのかもしれぬ。)

 わかりやすい例をもう一つ挙げておこう。
 I lost my wallet yesterday.(昨日財布を無くしちゃった⇒でも今朝見つけたかもしれない)
   I have lost my wallet. (I am finding it.)(財布なくしちゃった(今もない)(探してる))
  

  最初の文は「昨日財布を無くした」現在は見つかったかどうかは不明だが、現在も見つかっていなければ、現在完了文で表現するだろう。だから、過去形を使うと、いまは違う状態にあることを示唆することになる。
 形状からいうと、walletは「札入れ」、purseは小型のバックを意味している。


(3) The average lifespan of a cellphone in the U.S. is less than two years.

  気になったので、lessは比較級だが、その「原級」を訊いてみた。案の定、英語が苦手の生徒たちは忘れていた。関連単語とセットで覚えてしまおう。
  many  more  most
  much more most
  little less least
  few fewer fewest

  可算名詞につくのはlessではなくてfewerが正しいのだが、中学生や高校生の英語ではlessでもOKだろう。

 文型で難しい文があった。
(4)  Coltan is mined deep in the forests of the Congo, which are home to the world's endangered lowland gorillas.

  これは第1文型だ。deepは副詞なのだ。「コルタン(希少鉱石の一つで、スマホの部品、キャパシターの原材料に使われている)はコンゴの森林の奥地で採掘されている」、deepは場所を表す副詞句なのである。これはちょっとむずかしい。生徒に訊いたら、第2文型と答えた。次のような文なら迷わなかっただろう。
 Coltan is mined there.(コルタンはそこで採掘されている)

 thereもdeepも場所を示す副詞相当語句(adverbials)なのである。thereは頻出するが、deepの副詞はわたしも初めて見た。thereとdeepを置き換えてみるというようなことが、頭の中で臨機応変にできるようになればいいが、普通の高校生には無理だろう。

 これで7回、すべての文と節の文型を逐一検討しているのだが、このごろ4人合わせると8割ぐらい当たるようになってきた。一人一人見たら6割の確率かな。文型を手掛かりにして、別途、英作文のトレーニングを3回ほどやるつもりだ。

 現在完了形の文を使うシーンのおおよそが四人の生徒たちには理解できたら幸いである。後は参考書を読んで、問題集を自分で解いてみたらいい。そこまでやらないと知識は身についたものにならない。

 徹夜でテスト直前の夜勉強した生徒は、説明を始めると目が泳いでいた。音読を開始すると目が開いて、口がしっかり動いていた。そのうちに眠気が吹っ飛んだようだった。よく頑張った。


<余談:高1のときの英語授業>
 55年前、1964年の東京オリンピックのとき、根室高校1年生で沢井先生に1年間だけ英語を習ったが、文型の説明は1-2時間程度だった。すっと頭に入ってきた。そのあとの定期テストで先生は文型問題ばかり50問出題されたが、1問だけ間違えてしまった。それ以来、沢井先生はわたしを特別扱いした。半分以上正解できた生徒は50人のクラスに2人しかいなかったからだ。いま英語が苦手な生徒に教えてみて、文型はあんがい理解が難しいようだ。何が原因かまだわからない。学年トップの生徒には、文型の説明をほとんどしていないが、生成変形文法を用いた説明はしているから、2章分くらいの文型解説をすれば、間違えることはなさそうだ。そのうちに、暇な時を見つけて教えてみる。
 英語が苦手な生徒は文型の理解に時間がかかるが、英語が得意な生徒は簡単な解説をするだけで、ほぼパーフェクトな理解に至る、そういうことが言えそうだ。英語が得意か苦手かの「リトマス試験紙」に文型問題が使えそうだ。(笑)
 いまにして思うと、小学生の時からずっとビリヤード店のほうの店番を手伝っていたので、普段の日は勉強する時間がとれないので、興味のある科目は、授業で先生が説明したことを一つも聞き逃すまいと、集中して聴いていた。あのころにしかできない「異常な集中力」で聴いていたから、頭の中にすんなり入ってきたのかもしれぬ。授業を聴いているときの「目が怖い」といった先生がいた。真剣勝負と思って聴いていた。(笑)
 家業の手伝いに毎日時間を割かなくてもいい生徒たちに同じことを要求しても無理だから、何か別の方法を探す必要がある。

 沢井先生の英文音読は低音で、すばらしい声だった。根室高校のあと、釧路高専へ転任されたと噂に聞いた。中高大と10年間、英語を習ったが、沢井先生が最高だった。運がよかった。中高の6年間では4人の先生に英語を教えてもらった。最初の2年半習った先生は文法用語を一切使わないし文法の解説をしない人だった。3回音読して和訳したら、あとは雑談。お陰で、英語は自分で勉強しなければいけないと思い知った。数学の先生はアル中でいつも真っ赤な顔をして酒臭かったが、週に一度くらいは授業してくれた。わたしのクラスは2年間そういう先生が数学を担当していた。3年生になって担当が変わり、F田先生が毎時間ちゃんときて、黒板に図を描いて丁寧な説明をしてくれたので「神様」に見えた。F田先生が担当するまでに、自学自習の習慣がしっかりついていたので、鬼に金棒の気分だった。どんな先生もそれなりに成長を促してくれたので有難かった。

 大学3年次の時事英語の先生はお粗末だった。土曜日の授業だったが、前日のディリー毎日の社説をテクストに使った。どこかの大学院の英米文学研究科卒の先生だったと思うが、当時は為替が固定相場制から変動相場制に移行して、経済記事の社説が多かったので、手に余った。周辺知識も経済学や金融の専門知識もなかったから、受講している学生に誤訳をしばしば指摘された。文学作品ならもっといい授業ができたのだろう。
 外諸講読授業はM大学大学院会計学研究科卒の先生が担当してくれたが、専門なのにちょっとお粗末だった。会計学も英語も並の水準、ほとんど得るところはなかった。格調の高さどころか、日本語になっていないことが多くて先生の訳を参考にする必要はなかった。原価計算を担当してくれた小沢先生なら面白かったかもしれない。早稲田大学大学院商学研究科卒だった。授業が終わってから何度か話した、長引くと向ヶ丘遊園駅前の喫茶店まで付き合って議論してくれたこともあった。授業が終わった後で、1時間くらい学生相手に議論してくれる若手の先生が数人いた。経済学史の内田義彦先生のような大御所にはいくら無鉄砲な学生でも恐れ多くてやれない。(笑) 専修大学出身者で、若手のマックスヴェーバー研究者が一人いた。授業のあとで議論によく付き合ってくれたが、若くして急逝された。お名前が思い出せない。
 当時は岩波書店の英和中辞典を使っていた。持ち運びには不便、分厚くて大きくて重い辞書だったが、それでも英語の授業のときにはバッグにいれてもっていった。岩波の辞典だけでは足りないので、経済用語英和辞典も使っていた。本を買うお金を毎月送ってくれたオヤジとお袋に感謝だ。あの当時で、本代を別に1万円送ってくれた。高卒の初任給がまだ2万円弱の時代である。神田と高田馬場の古本屋街を大きなバックをもって通った。古本屋では新刊書が1割引きで買えた。オヤジとおふくろが、ビリヤード店や焼き肉屋、居酒屋をやって一生懸命に働いて送ってくれたおカネだから、だいじに使った。




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