#4091 衝撃!学力テスト総合Aでみる根室の中学生の学力:12校比較 Sep. 27, 2019 [71.データに基づく教育論議]
<最終更新情報>
9/28 朝8時半 学力テストについて東京都と連携実施のメリット追記、北海道新聞への要望追記
9/28 9:45更新 早稲田アカデミー「全国中学生統一テスト」
9/28 夜9時半 一部カット
9/28 朝8時半 学力テストについて東京都と連携実施のメリット追記、北海道新聞への要望追記
9/28 9:45更新 早稲田アカデミー「全国中学生統一テスト」
9/28 夜9時半 一部カット
9月17日に中3対象の学力テスト総合Aが行われた。12校のデータを入手できたのでご覧いただきたい。根室市内の中学校の生徒たちの学力レベルがよくわかる。地域別にこんなにはっきり学力差がでるものかね、色分けしておきました。事実をよく知ってもらいたい。かなしい。
中学校名 | 五科目合計 | 国語 | 数学 | 英語 | |
1 | 幣舞中 | 151.0 | 42.9 | 28.8 | 20.8 |
2 | 白糠中 | 145.3 | 42.4 | 25.6 | 21.8 |
3 | 遠矢中 | 141.6 | 39.5 | 24.6 | 22.6 |
4 | 鳥取中 | 137.0 | 39.9 | 21.5 | 21.8 |
5 | 大楽毛中 | 136.7 | 39.0 | 23.1 | 21.8 |
6 | 鳥取西中 | 135.1 | 40.8 | 23.6 | 20.3 |
7 | 計根別中 | 132.0 | 42.2 | 20.7 | 19.9 |
8 | 広陵中 | 121.4 | 38.6 | 18.7 | 18.1 |
9 | 川北中 | 121.0 | 39.9 | 17.5 | 16.2 |
10 | 中標津中 | 117.8 | 38.7 | 17.3 | 16.7 |
11 | 啓雲中 | 111.4 | 36.1 | 15.8 | 17.6 |
12 | 柏陵中 | 107.3 | 36.6 | 15.8 | 17.6 |
平均値 | 129.8 | 39.72 | 21.08 | 19.6 |
紫色が釧路市と白糠町、青色は釧路町、緑色は中標津町・標津町、色のないのが根室市の中学校です。
(別海中央中学校は137.6点です…9/28夜8時追記)
(中春別中146.1点、釧路三原中134.2点…10/3追記)
*#4096 学力テスト総合A:17校データ比較 Oct. 5, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-10-05
根室市内の2校は国語が最低点、数学も最低点、英語は下から3番目である。合計点では釧路市・釧路町・中標津町・別海町・標津町・根室市の2市4町で最低。根室市内の中学生は、すべての学科の学力の基礎である国語の点数が最低だというところに大きな問題があります。
昨日から、毎週木曜日、40分、合計10回の短期トレーニングを始めました。以前は中学1年生用の音読教材に使っていた斉藤孝『読書力』(岩波新書)を、高校生と中3の生徒たち3人の音読トレーニングに使っています。先読み技術の習得が目標です。希望者が多いので、これが終われば、メンバーとテクストを入れ替えて、10回の音読トレーニングを予定。テクストは『語彙力こそが教養である』を使います。音読スピードが2倍になれば、予習や復習を効率的にできます。だいじなのは学力の基礎である「読み・書き・算盤(計算)」スキルです。標準速度をクリアできると学力は伸びます。
英語の平均点もひどいね。半数が得点3割以下だ。高校生になってもそのままだから、ますますひどいことになるのは必定。数学が得意だけど英語は大嫌い、「英語アレルギー症」に罹患している高2の生徒対象に、週1で10回の短期特訓授業をしています。テクストは高Ⅲのものを利用し、すでに6回目ですから、英語アレルギーはなくなったように見えます。教える手間を惜しまなければ5人のうち3人は進研模試で全国平均点をクリアできるでしょう。いままで、英語が苦手の生徒たちに短期特訓をしてやらなかったのはわたしの怠慢でした。水曜日は休みにしていましたが、10回だけ英語特訓授業に使うことに決め、10回のトレーニングのうち、すでに6回目を今週終わっています。
昨年は根室市内の2校は五科目合計点が100点を何度か切っています。学力に関心が薄いと、こういうことになります。根室市長も根室市教育長も市教委も市議会文教厚生常任委員会もデータを見ていません。保護者も生徒たちも学力に関心が薄い。だから、いくらでも悪くなる。
柏陵中は10人ほど試験を受けていない。休んだ生徒の中には不登校や学力不信の生徒が多いから、全員受験したら平均点は100点を切るでしょう。
全国学力調査でも、同じことが起きているだろうから、根室市の平均正答率は実態よりも高く出ています。つまり、そのままでは全国平均値と比較して使えないということ。総合Aでは柏陵中の学力下位層の約15%の生徒がテストを受けていません。2校とも普段の授業は私語が多くてめちゃくちゃになっているでしょう。勉強したい生徒たちが被害者になっています。こうして学力上位層が枯渇化現象を起こし、学力中間層は下位層に転落していくのです。15年前とデータを比べると、上位層と中間層が激減しています。
半年後には全員が根室高校へめでたく「合格」します。15年前と比べたら、根室高校普通科の生徒で同じ学力を有しているのは「特設コース」の35人のみ。他の2クラスは、学力レベルから判断すると根室高校とは思わないほうがいい。
道外私大への進学者数は(平成27年度、平成28年度、平成29年度)(41人、12人、8人)、なんと2年間で1/6に激減しています。大学進学者数は(114人、80人、55人)と半減してます。
市内の就職者数は(46人、41人、29人)と2/3に減っています。
教育こそが町づくりの礎、経済諸団体(水産業界団体、根室商工会議所、根室中小企業家同友会、根室ロ
ータリークラブ、根室西ロータリークラブ、ライオンズクラブ等のみなさんは声をあげないのですか?
根室の大人たちは、こういう根室っ子の学力の実態を知らない。教育関係者、教育関係機関ですらも。
どうするかは、関係諸団体ごとに決めたらいい。なにもしないというのがいままで。これからもそうだとしたら、それが根室の大人たちの限界を示すことになる。紅鮭の養殖には関心があっても、根室っ子たちの教育には関心がない?関係諸団体の有力者の中には、自分の子どもだけは、中学・高校から都会へ「学力疎開」させて、知らぬ存ぜぬを決め込む人もいます。いろんな人がいるということ。
記憶に間違いがなければ、釧路ロータリークラブ*は、数年前に数検受験を受験料面でサポートしました。また、商工会議所青年部のメンバーは「釧路の教育を考える会」に創立時から参加しています。釧路の経済諸団体は釧路っ子の学力低下に危機感をもっています。市議会も超党派で学力アップに関する研究連盟をつくって、「基礎学力保障条例」を制定しています。
これは道内の公立中学校へ偏差値の出る学力テストを実施すれば簡単に解決できる問題なのです。全道平均に届く生徒が1割しかいないとわかれば、先生たちも保護者も生徒も危機感をもちます。偏差値も全道平均値もでない学力テストを放置してきたわたしたち大人の責任が大きい。
北海道教育局さん、ふだんの学力テストにもっとお金をかけてください。他の都府県と一緒に学力テストを実施することも考えてもらいたい。
まず、自分の住んでいる地域を良くしませんか。それぞれの人ができる範囲で努力してくれたらいいだけ、「学力疎開」なんてしなくていい町にしませんか?
<釧路ロータリークラブの算数・数学検定助成事業>
この事業は、鳥取神社の木下宮司が会長だった時にはじめられた事業でして、今年で4年目の継続事業となっています。釧路ロータリークラブは、釧路っ子たちの学力アップに真剣に取り組んでいます。
2018年11月15日付の釧路ロータリークラブ会長挨拶の中で、算数・数学検定補助事業が紹介されています。是非ご覧ください。釧路の大人たちの心意気に感動しました。
*http://www.kushiro-rc.gr.jp/meeting_report/2018_2019/18/?fbclid=IwAR1dXppYMXNCQIQcZoGQtEdiCoqAbU7nGPhNbMt8uKMIzAjhWKg3vP1SAsA
*#4086 根室高校2年数学の授業速度チェック:学力別クラス編成は効果なし Sep. 23, 2019
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-09-22
<余談:東京都の実情>
FB上で同じ問題を議論していたら、東京都のSさんから以下のコメントがありました。
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我が子(中3)の事例で恐縮ですが、東京都の公立中では、広域一斉の学力テスト(いわゆる業者テスト)は実施されていません。平成4年鳩山邦夫文部大臣、当時のミスター文部省寺脇研氏の行った「偏差値追放」の影響が根強く残っているようです。そのため、各生徒の都内など大きな集団での相対順位が分からなくなっており、学習指導、進路指導も「あてずっぽう」になっているようです。なので、大手進学塾の模試で自分の実力を試すようになっており、大手進学塾では母数を稼ぐためにひんぱんに無料で模試を実施しています。
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バカな「教育改革」をやったものです。高校でベネッセや河合塾や駿台模試の偏差値データを使わずに進路指導をするところはないでしょう。
「全国統一中学生テスト」は難易度が高いので、根室にはこれを受けて意味のある中学生は、成績上位層5%だけです。四谷大塚も早稲田アカデミーに載っているのも同じテストです。大学進学を考えている中学生は受験して、全国レベルで自分の学力がどの程度か測定してみたらいい。根室の市街化地域の3中学校で学年3番なら、偏差値50(平均)に届かない。結果票で全国レベルでの自分の学力を知ったら、それ以後の受験勉強の仕方を変えることになるでしょう。
*四谷大塚
https://www.toitsutest-chugaku.com/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=GS002_main_toitsutest-chugaku&utm_content=TXT01Q&argument=4UqKLTXR&dmai=GS00101Q00A&fbclid=IwAR2VsGHZaFOmChzH7VzStmFpq0rDQuavNKAKKEMmTFJb0jyQd9PXFZ219qM
早稲田アカデミー
*https://www.waseda-ac.co.jp/juniorhigh/exam/?fbclid=IwAR0JyfDB9YymzRSRQP9nhNGIzcscgJZKMOOvzYR8I-DQBeRvWA-BeqAFjnw
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2019-09-27 10:33
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