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#4083 路肩に繁茂する新旧のフキと画期的な経営管理システム Sep. 14, 2019 [85.サイクリング]

 曇り空。
 11時の気温は19.5度、南風6.6m/s、湿度67%
 10時46分にロードバイクで家を出た。
 高校前の一直線の道路は強い南風がときおり自転車を50㎝ほど左に押してしまう。二度目に来たときには風を感じて右に倒してバランスをとる。
 オホーツク海へ左折してから快調だ。空気圧が6.5barに下がっていたので9barに上げてきた。向かい風でなければペダルは軽い。空気圧が高いと速度が出る。下り坂では50km/sを超えた。

 海岸沿いを走っていくとラブホが海岸寄りにある。カーサという名前だが、千葉に同じ名前のファミレスがあった。SRLの子会社の千葉ラボへ新システムを導入した1991年に本社関係会社管理部から応援に3か月ほど通った。関係会社管理部でシステム開発技術と損益シミュレーション等の経営管理技術をもっていたのはわたし一人だけだったからだ。親会社から1億円ほど融資を受けて新システム導入を考えていたから、稟議書作成のために新システム稼働によって損益がどうなるか、精度の高いシミュレーションをする必要があった。生産性を3倍にして、赤字経営が続いていたのを一気に黒字へ、それも5年間で盤石の財務安定性を築くことを目標にした。予定通りに稼働して、ラボの生産性はすぐに2倍を超えた。
 自分の仕事は簡単に終わったが、現場仕事はたくさんあるから、付き合った。昼飯を一緒に食べることも、夜食を共にすることも、コミュニケーションには不可欠なのだ。そういう中で昼飯を食べに行った店の一つがCASAだった。「屯田」というファミレスもあった。茶巾ずしのおいしい店もあった。徹夜作業が何度もあったので、夜食の買い出しにも付き合った。3年たってから、練馬のラボと千葉のラボを統合した会社へ出向することになったのだから、運命は面白い。とんでもないことを考えていた。ラボを移転して、150mの平面ラインでの検体処理を考えていた。検定の受付処理・分注から検査まで、ワンフロアでやるつもりだった。東京ラボのM輪社長と構想を具体的に練り始めたところで、親会社から「呼び出しがかかって、帝人との臨床治験検査及びデータ管理の合弁会社の経営を担当することになってしまった。それがなければ、具体案をつめてから、八王子ラボを棄てて、グループ全体のより大きなラボを創るつもりだった。老朽化して耐震性が脆弱だった練馬ラボの建て替えではなくて、練馬の子会社を拠点としてSRLグループ全体の「核ラボ」建設を考えていた。SRL八王子ラボに4年いただろうか、購買課で機器担当をして、そのご学術開発本部スタッフとして開発部と学術情報部と精度保証部の仕事を兼務して、ラボ内は知り尽くしていた。最初にできた「八王子ラボ」は八王子市と日野市の境界線をまたいでつくられていた。そのご受付業務とシステム部専用の建物、3ラボ、遺伝子ラボが離れたところに建設された。増設増設で4か所に離れた八王子ラボは不便この上なしだったが、SRLは一部上場企業だから、おいそれと八王子ラボ群を棄てることはできない。慥かな段取りと損益シミュレーションが必要だった。それができるのはSRLで一人だけ。SRLであとやるとしたら、これだけ、自分にしかやれないワクワクする仕事と思っていた。あと3か月あれば、親会社のK藤社長へ具体案をもって相談に行くつもりだった。K藤さんは厚生省からSRLへ来たときには調査役だった。かれの分析と政策提案書を当時読んでいた。面白い人が来たと思った。慶応大学医学部出の切れ者だったから、具体案をもっていけば説得できると踏んでいた。運命は分からぬものだ、子会社のSRL東京ラボで社長のM輪さんからお呼びがかかったので、社長室へいくと俯いて、親会社社長のK藤さんからebisuを帝人との合弁会社に投入するむね言われた、「親会社・社長K藤さん直接の指示だから断れない」、これも運命かと受け入れた。ラボの自動化は平面のほうがずっとやりやすい。垂直方向への搬送があると運ぶのは液体だから、ジャムったらえらいことになる。病気を患っている人たちの大事な検体だから、万が一にも検体をダメにすることは許されない。その後30年間日本一のラボであり続ける、巨大臨床監査ラボの構想にチャレンジしてみたかった。実務フローと仕様書を描けばいい。検査室ごとのサブシステムはすでにあったから、それほど難易度が高い仕事ではなかった。実は原価計算システムの大幅な改造を予定していた。新規導入項目の数量の伸びと伸びに応じた項目別原価シミュレーション・システムを開発して、年次損益シミュレーション・システムにつなげて、統合的な利益管理システムを構築しようとしていた。SRLに転職した翌年(1985年)に、大まかなところはデザインしてあった。25本のゲージをもつ5ディメンションの目標管理用業績評価システムへとつながる、経営状態を総合偏差値であらわすものだった。進研模試に例えたら、25科目の総合偏差値と言えばわかるだろう。これら25科目はそれぞれ収益性・財務安定性・成長性・生産性・活動性の5群にまとめられていた。
 統合システムを立ち上げた後、暇だったから、遊びでそんなことをして、いつかチャンスが来たらやってみようと思っていた。そういう統合シミュレーション・システムは、日本にはまだない。世界中を探してもまだないだろう。80年代半ばに出来上がっていたから30年ほど先を見ていたことになる。25本の経営指標群による目標管理と総合偏差値による業績評価システムは、関係会社管理部に在籍していた時に、子会社と関係会社の業績評価に一度だけ使用した。1992年だったかな、こちらは完成品だったから。これに匹敵するシステムもまだ日本にはない。財務データや人員データをベースにしたシミュレーション・システムだから、文系と理系の両方のクロスオーバした領域だった。80年代半ばは汎用大型コンピュータの時代、そして財務統合システムは文系分野のソフト技術者、シミュレーションシステムは数値計算プログラミングだから、利用する言語やマシンに違いがあった。時代は90年代に大きく変わり、パソコンやUNIXサーバーで両方処理できるようになった。SRLへ転職した84年に、SRLの子会社「東京ラボ」にDECのミニコンがあった。受付処理システムの開発に失敗して2台が使われないまま放置されていたので、経理部長へ使いたい旨申し出たが、システム部門の所有なので手が出せなかった。1978年からHP社のプログラマブル・キャリュキュレータで数値計算プログラミングをしていたのでミニコンで数値プログラミングの経験を積みたかった。当時DECのミニコンは3000万円ほどしていた。たまたま統合システム開発のほかに固定資産および投資管理システム開発も同時並行でしていたので、種類別に分類するために、全資産を実地棚卸して自分の目でみて回った。その時に使いきれなかったDECミニコン2台を見つけたのである、もったいなかった。それまでコンピュータ言語は3言語マスターしていたので、さらに数値処理に強いC言語に習熟したかった。自分の手でプログラミングしてみたら、仕様書の書き方が違う。外部仕様書でもプログラミングを考慮した、的確でコンパクトな仕様書が書けるようになる。システム開発の試行錯誤やプログラミング工数を1/3半分以下に短縮可能である。外部仕様書はそのままプログラミング仕様書になってる。ユーザー部門でそういう仕事の仕方を1980年から5年間していた。

 海岸通りから右折して、再び原野に戻る道路は急勾配の登り坂である。いつもは18km/hくらいで駆け抜けることができるのに、10-14km/hほどしかでない。南の向かい風がキツイ。あはは。
 道端に視線をやると、路肩ギリギリのところにフキの若葉が咲き誇り、その奥に黄色く変色し、穴だらけになったフキの枯れ葉が無残なさまを見せていた。奥のほうが我、手前の若葉は塾生たちか。
「マネジメント・フライト・シミュレーター」
 今日の走行距離18km、瞬間最大速度50.6km/h、累計走行距離5221km

 風を切って、いい走りだった。オホーツクへ向かう道で追い風のときだけ。風の神様と下り坂の神様が応援してくれた。(笑)
 
「マネジメント・フライト・シミュレーター」
 千葉大名誉教授の物理学者N先生とFB上で対話していたら、取り上げていたトピックスに関連のある本『システム思考』を読んでいるという。アマゾンの著者紹介の箇所を見た。
スターマン,ジョン・D.
MITスローン・ビジネス・スクール教授/システム・ダイナミクス・グループ・ディレクター。システム思考、組織学習、企業戦略のコンピューター・シミュレーション、非線形ダイナミクス理論を研究するシステム・ダイナミクスの第一人者。複雑なシステムにおける意思決定の改善を目指し、企業及び経済システムの「マネジメント・フライト・シミュレーター」分野を開拓した。今日の組織が直面するさまざまな課題と機会について多くの文献を手がけ、IBM教授賞、アクセンチュア・ベスト論文賞など数多くの表彰を受ける
 
 原著John D. Sterman『Business Dynamics: Systems Thinking and Modeling for a Complex Worldは2000年に出版されている。

 
わたしが70年代終わりから80年代中頃までやっていた仕事も同じ「マネジメント・フライト。シミュレータ」の一つである。ネーミングがうまい。(笑)
 この分野で、ようやく若いフキが繁茂し始めたようでうれしい。

システム思考―複雑な問題の解決技法 (BEST SOLUTION)

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  • 作者: ジョン・D・スターマン
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
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