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#4036 英語短期特訓開始:2時間×10回 July 17, 2019 [78-1Vivid 3短期特訓補習]

 高校2年生は数学ができるけど英語のできない生徒が多いので、毎週水曜日に10回長文読みの特訓をしてみることに決めた。放っておいたら苦手だからいつまでたってもやらない、いまやらなければ入試に間に合わない。短期間でいいから本気でやれば力はつく。
 英語が苦手の生徒たちが対象の特訓だから、教材はやさしく短いものがいいので、すぐに手に入る高3の教科書「VIVID Ⅲ」を使うことにした。初回の今日の授業には「第7章 Steve Jobs」を選んだ。中身に興味の持てる章をセレクトした。全員がスマホをもって毎日楽しんでいる。
 スティーブはアップルの創業者である、彼は生まれてすぐに養子になった。
 お母さんのクララがスティーブに毎日本を読んで聞かせている。母親が専業主婦、家にいて毎日読み聞かせをやるというのは、幼児にとって大事なことだ。1950年代は主婦の大半が専業主婦だった。働き方改革なんて言って主婦を労働力市場へ追い立てようとしているが、専業主婦で子どもの教育に力を注ぐことも外に出て働く以上に大切なことだというのが最初のページを読んでわかる。
 お父さんのかかわりも同じくらい大切で、いろんなものを分解してから組み立てて見せたのだそうだ。こんなことができるお父さんは100人に一人もいるだろうか?機械工だったからそういうことが得意だったのだろう。スティーブはこうして本に興味があり、機械いじりの好きな子供に育っていく。小学校の先生がユニークで、スティーブに大きな影響を与えるのだが、そこは来週やることになる。
 高3の教科書は分量が少ないが、若い人たちが興味をもてるような話題がいくつか載っている、昔の教科書は道徳やお説教臭い話が多く、内容に興味を引くようなものがほとんどなかったので、教科書を見て時代の変化を感じる、いい時代になった。でも、それで英語が好きになる生徒が増えたのかというとどうなのだろう。英語が苦手な生徒たちが興味をもてるような美味しいものだけ4つほどやるつもりでいる。どの章に興味があるか、そのうちに生徒たちの意見も聞いてみたい。

 今日は初回だから、ワード・オーダーも文構造も、文型も、代名詞が何を指しているかも、全文解説した。一つの文を10-30回読んでから解説した。そしてもう3度、文章の意味を頭に浮かべながら音読して次の文へと移る。ずいぶん手間のかかる授業だが、慣れたら同じ項目はだんだん説明を短くして、速度アップしていける。「はじめちょろちょろなかぱっぱ、赤子なくとも蓋とるな」、ご飯を炊くのと似た要領でいい。(笑)
 一つの文を10-30回音読させるのは、音読リズムに口と体が慣れてほしいからだ。投稿欄で英語の達人「後志のおじさん」が自分のトレーニング法を教えてくれたので、そのやりかたを踏襲している。ふだんの個別授業でこういうやり方はとれないので、休みにしている水曜日を特訓に充てることにした。文章によっては30回音読しないと英語が苦手な生徒たちはリズムがつかめない。子音の発音もついでにトレーニング、だんだん英語らしくなってくるのがうれしい。5回もやれば全部の子音の発音がスムーズにできるようになるだろう。しばらくは基礎の基礎を叩きこむことに力を注ぐのみ。
 2時間の授業を10回やれば、自分で辞書を引きながら、結構読めるようになるし、ある程度の英文も書けるようになることを期待している。よく読むことは、よく書くことに通じる。

  授業30分前にきて辞書で単語を引かせたのだが、adoptedを「採用する」や「養子」とノートに記入していた生徒がいた。-ed形なのに動詞と気がつかないで、名詞の方の「養子」を選んでいた。辞書を引き、せっかく動詞の項目を見ているのに、先頭のものを何も考えずに書き写した。それもこれもをまだ慣れないからだ。辞書を引く前に、品詞は動詞で、赤ん坊が主語だから、「採用する」は外れ、赤ん坊に関係する意味は何、と探せば、たいていの辞書には2番目にピッタリのものがある。主節のあとに来ている従属節は、主節の先行詞の補足説明だから、そこに「結婚してから9年間子どもが授からなかった」とあれもう辞書を引かずとも、「生まれてすぐに里子に出された」とか。「もらわれた」という意味に気がつく。米国ではこういう養子縁組に関して国家の補助があり、一人につき毎月5万円ほど補助金が支給されるので、ビジネスにしている人もいるらしい。10人引き受けたら補助金は毎月50万円を超える。日本では一人目は倍くらい出るようだ。人数が増えると減額になるのでビジネスにはなりがたい制度設計になっている。興味のある人は検索して、調べて投稿欄へ書き込んでくれたらいい。
 日本語のテクストなら、文脈を読んで意味を考え、その妥当性をチェックしながら読んでいるのに、英語になったとたんに文脈を読まない。日本語のテクストの先読みスキルの高い生徒は、英語を読むときにも自然に文脈のチェックをしながら、意味をとらえて読み進んでいる。だから読む速度も大きい。英文を読むときに「先読み」できるようになれば読書速度と精度が大きくアップできる。
 
 A baby boy was born on February 24, 1955.
  Soon he was adopted by Paul and Clara Jobs, who had been married for nine years but had not had a baby.


「生まれてすぐにジョブズ夫妻にもらわれた、ポールとクララの二人は結婚してから9年たつが子どもがなかった」くらいの日本語がいいだろう。自分が日常使う語彙や日本語の言い回しにまで落としたほうが訳が洗練されていい。

 主節は過去、従属節は過去完了、そのあたりも意識してもらいたいから、時間を表す直線図で解説した。数学の直線図が時間の順序を説明するには便利だ。原点0が現在、マイナス側が過去、プラス側が未来である。
 動詞の意味は主語と目的語があればセットで考えたいもの。同じ単語に名詞・動詞の両方あるものは多いから、まずはその文中でどの位置(主語・動詞・目的語・補語)にあるのか見極めて、品詞を確定してから辞書を引いてもらいたい。この場合は、赤ん坊の話が出てきて、代名詞の he が赤ん坊を指していることが分かれば、「採用された」なんて訳をするはずがない。授業の前に30分間辞書を引かせるので、次第に慣れてくる。10回の授業が終わるころには、わたしが辞書を引くのと同等のスキルになるだろう。具体的な事例を使って、トレーニングするのが一番よいのである。生徒たちは辞書の引き方すら習っていないようす。そもそも中学校で英語の辞書を使わないというのがわたしには理解できない。団塊世代は中学校の英語の授業では辞書を使っていたから、辞書の引き方を知らないという生徒はいなかった。文科省で専門家が集まって中学校の英語授業で辞書を使わない方針をずいぶん前に決めたのだろうが、専門家の議論はどこかピントが外れ、いろんなところに穴が開いてしまうものらしい。原発の専門家が、原発は安全だと言い続けて、世界史上最大の原発事故を招いたのによく似ている。


 She even taught him how to read before he started school.

  このスクールには冠詞がついていない。こういうところに注意して読むと、英語の読解力は格段に強化できる。細部をおろそかにする者は上達が遅い。He goes to school by bike. の文は自転車で「通学している」という意味である。お母さんが昨日学校に行ったは She went to the school yesterday. 行った学校が子どもが通学している学校なら、定冠詞のtheが必要だ。

 冠詞は四つある。「a、an、the、Ф(無冠詞)」、上述の文はФである。機能を表す場合には無冠詞であることに注意。Фは空集合を表す数学記号であるが、英語の授業でも数学のツールは便利がよいものだ。
 学校へは勉強しに行くということ。無冠詞の「 before started to school 」の意味は「就学前に」である。冠詞の理解と扱いは意味に深くかかわるし、英作文にもとても重要性が高い。そして日本語にない機能だから、日本人にはピンとこない。生徒たちには冠詞が精確に使い分けられるようになってもらいたいから、でてきた冠詞類は全部解説する。そこだけでも、きっと面白い授業になる。 

 3年生の教科書だから、途中で一文が5行の長いものがでてきた。こういう長い文の処理に不慣れなのである。アレルギーがあってみただけで身体が逃げているように見える。(笑)
 10回でアレルギー症状がでないように治療してあげる。

 今日来たのは四人、高1と高2の生徒である。全員へ高3の教科書をプレゼントした。もう3人いるが来週くるかな?その中には3年生も一人いる。参加するか否かは生徒自身が決める。わたしにできることは英語の苦手な生徒に短期特訓のスケジュールと目的を通知することのみ。

 ニムオロ塾で英語の特訓は初めてやる、英語のできない生徒対象で参加は自由、自ら進んでやる気のある生徒のみに参加資格を与える。毎週水曜日は休みだが、これから10回だけ生徒たちにお付き合いする。
 今日は30分予習させてから、授業を始めた。次は段落二つくらいは日本語訳を書いてきてもらう。陣の日本語訳と比べると何がまずいのか一目瞭然になるからだ。初回から私語しないで一生懸命に辞書を引いていたのでびっくり、そして嫌いな英語の授業が始まっても集中力がずっと続いていた、このまま走り切ってもらいたい。予習をしてきてしっかりやり通せば効果は小さくない。わたしが高校生なら受けたい授業を頭に描いてやっているから、中身は相当に濃い授業になっている
 体力使い切った感じがして、今夜は酒がことのほかおいしい。(笑)



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