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#4022 日米株価比較:3年間で大きく変化あり Jun. 21, 2019 [91.経済]

 Five Year Diaryというものをつけ始めて3年目である。レギュラー項目に株価や為替レート、気象情報などがある。気象情報は毎年そう変わりがないが、日米の株価についてはこの3年間で驚くほど変化した。数字を並べるのでご覧いただきたい。

          日経平均   ダウ平均    差   
①2017年6月20日 20230.41  21467.14  1236.73 
②2018年6月20日 22555.43  24657.80  2102.37 
③2019年6月20日 21462.86  26773.04  5260.17 
④=③-①     1232.45   5305.90  4023.44

  為替相場の推移
 ①111.41/$ ⇒ ②110.30/$ ⇒ ③107.33/$

 日本の株式市場は2年間でわずか1232円しかアップしていないが、米国の株式は4023.44ドル・アップしている。「日米の株価の差」に注目すると、1236.73から5260.17へ4023.44ポイントも拡大してしまった。

 GAFAの株式の影響が大きいのではと思って検索してみたら、2018年データでそのシェアは11%である。

 日本政府は異次元の金融緩和と称してマイナス金利にまで踏み込んでいるが、経済の実態には何の効果もないどころか、このデータを見ると経済の足を引っ張っているようにしか見えない。政府の経済成長戦略には中身がないということ、それどころか、事実は政府財政破綻リスクを大きくしただけである。

 この株価水準も異常なバブルである。GPIF(年金機構)と日銀の株保有増大によって、すでに日本の株式市場の1割が「国有」と言ってよい状態にある。GPIFは年金支払いのために保有株式を売却しなければならないし、日銀も24兆円も上場株式を購入したから、株価下落による巨額債務超過が迫っている。だから、何が何でも株価は維持しなければならない。金融庁が老後資金2000万円をいいだし、自己責任で株式投資をするように誘導しているが、すでに挙げた理由により長期的には株価が下落するのである。その損失を老後資金で補填しようという狙いが金融審議会の報告書に透けて見える。
 GPIFと日銀は老後資金で株式投資しさせて、売り逃げようというわけだ。政府と日銀による前代未聞の巨額詐欺事件と言ってよい。素人の個人投資家がもうけを出せるほど株式市場は甘くないのである。ご用心。

 GPIFが株価下落によって巨額損失を出せば、年金支給額を減額せざるを得ないし、日銀が巨額債務超過となれば通貨としての円への国際的な信用が下落し、世界中で円売りの嵐が起こり、極端な円安となり、物価は暴騰する。
 もうじき参議院選挙があるそうだが、こういう金融・経済政策を論議して、衆議院解散もしてもらいたい。国難が迫っており、東京オリンピックに浮かれている場合ではないとわたしは感じている。

 さまざまな人たちが日本列島に居住して、縄文時代から数えると1.2万年の文化的伝統の上にわたしたちの暮らしがある。長期にわたる人口減少と、長寿命と急速な高齢化という激変の時代で、経済成長なんてありはしない、あるのは人口減少と急速な高齢化による経済縮小である。そういう前提で、経済政策や金融政策を考えるというのが健全な保守主義というものだろう。
 江戸期の日本の人口は3000万人と言われている。人口が激減すると言っても、江戸期の人口に比べたら2倍以上である。人口縮小とそれに伴う経済縮小、そういう状況下も豊かな経済は成立する。

 どうして自民党内部からこういう意見がまったく出てこないのだろう?現在の政権が、健全な保守主義とは対極にある急進主義=過激派であると考えると合点がいく。玉石混交であるのを振り分けもせず、米国の対日要求のままにさまざまな規制を外すことによって、倫理レベルの低い米国流の経営哲学や価値観に染まる、愚かとしか言いようがない。
 米国は1,000年後に日本人が育て上げた商道徳、「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」にたどり着くのである。
 年間の報酬額が10億円を超す役員がいるとか、1億円を超す取締役がずらりと並んでいるとか、自分だけがよけりゃいい、社員の待遇はそのまま、非正規雇用を増やして利益を増やそうなんて下劣の極み。米国企業は、いまは「猿の時代」と言ってよい。そんなものをなぜ真似るのか?取締役であるか執行役員であるかを問わず、役員へは年間報酬3000万円以上はだしませんと宣言する一部上場企業があっていい。「売り手よし、買い手よし世間よしの三方よし」という伝統的な商道徳を守るなら、利益を役員の報酬を法外に上げることに使うのではなく、消費者と従業員へ回すのが筋。高額報酬につられてくるようなCEOは、報酬アップのためならなんでもやりかねない。カルロス・ゴーンと西川日産社長がいままさに証明してくれているではないか。

*#4016 老後資金2000万円:なぜいまのタイミングで… Jun. 13, 2019
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-06-12-1





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