#4021 異分野の四人の対話 Jun. 18, 2019 [10. 理系分野の方たちとの対話]
FB上で分野の異なる方と様々な議論をしている。その中から今日は一つ取り上げてみる。対話をしている四人のバックグラウンドを素描してから、議論の内容を紹介したい。
やっているほうはじつに愉しい。内容がお気に召すかどうかは読者個々人の判断、異分野コミュニケーションは読んでもおもしろいかも?
エンジニアのSさんは土日に各地で小中高生対象に科学実験授業をしています。その中の一つ、今回は珍しくデンソー学園で先生たち対象の授業のツボの講演をしたときの様子を写真とともにアップしてくれました。半袖Tシャッツに首にタオルを巻いての笑顔いっぱいの講演、他の人には真似できません、その講演写真を眺めながら議論が始まります。
(デンソーはトヨタ系列の最大の自動車部品会社で、連結決算ベースで5兆3628億円の売上規模の巨大会社です。技術者を育てるためにデンソー学園という学校をもってます。)
*https://www.denso.com/jp/ja/about-us/facts-and-figures/
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物理学者 そういえば、デンソーさんは「リバネス」の研究展開(という教育)活動にも協力されています。
*リバネス事業概要:https://lne.st/about/
エンジニア 真っ当に儲かってる会社は社会貢献にも熱心ですね!
ebisu 民間企業は儲けなければ本業以外での社会貢献ができませんからね。社会貢献に熱心な民間企業は儲かっているということ。マネジメント次第です。
物理学者 実情に疎いものですが、社会貢献と儲けをわけずに、社会貢献が儲けとはならないものでしょうか?リバネスのいろんなイベントはそれを目指しているように思えます。
ebisu 社会貢献が儲けとなるなら、リバネス型の企業が増殖するでしょう。リバネス型の事業モデルの企業がニョキニョキ出てきます。特殊な例で終わるのではないかと感じます。特殊な例でも巨大企業に成長すれば話は別ですが、さてどうでしょう。
儲かっている企業は、合理的な理由があれば、社内手続きに従って利潤の中からお金を拠出できますから、担当部門が稟議書を上手に書けばいいだけ。そういう一部上場企業は世の中に1700社あるし、出せる金額の桁が違います。
企業の社会貢献活動を運動として担う機関ができれば広く浸透するでしょうね。
(CSRに力を入れている企業は多い。たとえば、釧路のアイスホッケーチームがスポンサーがいなくなり消滅の瀬戸際にあったが、パチンコひまわりなどのCSRに熱心な企業が応援して、何とか存続できるようになっている。)
*https://kotobank.jp/word/CSR-3863
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CSR 企業は大規模になるほど、株主の私的所有物から社会の所有物、すなわち社会的存在という性格を強める。このことから、企業は株主ばかりでなく、顧客、従業員、取引相手、さらには地域住民といった利害関係者の利益を実現することが求められるようになる。従って、経営者は企業をそうした社会的存在として運営していく責任、すなわち経営者の社会的責任を負っている。単なる法令順守という意味以上に、様々な社会のニーズを、価値創造、市場創造に結びつけ企業と市場の相乗的発展を図ることがCSRである。CSRは企業の信頼構築、競争力を向上させるほか、株価の上昇にも影響を与える。
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工学博士 社会貢献(社会課題の解決)をビジネスにすることを、私がたずさわっている「日本生産性本部イノベーションデザインコース」は狙っています。詳しくは「」内の言葉で検索(出来の悪いCMみたい)。
やっているほうはじつに愉しい。内容がお気に召すかどうかは読者個々人の判断、異分野コミュニケーションは読んでもおもしろいかも?
さて、各人のバックグラウンドの紹介から行こう。
「スーパーコンピュータ京」の空調設備を設計した理化学研究所勤務の優秀なエンジニアSさん、物理学者で首都圏の国立大学名誉教授Nさん、MARCHのある大学で経済学を教えている東大工学博士の現職教授Kさん、そして経済学と会計学が専門分野で、数社の上場企業で経営企画・管理をやってきたebisuの四人による異分野コミュニケーション(FB上の対話)です。根室でこういうメンバーでパネルディスカッションできたら高校生にはごちそうかも。(笑)
「スーパーコンピュータ京」の空調設備を設計した理化学研究所勤務の優秀なエンジニアSさん、物理学者で首都圏の国立大学名誉教授Nさん、MARCHのある大学で経済学を教えている東大工学博士の現職教授Kさん、そして経済学と会計学が専門分野で、数社の上場企業で経営企画・管理をやってきたebisuの四人による異分野コミュニケーション(FB上の対話)です。根室でこういうメンバーでパネルディスカッションできたら高校生にはごちそうかも。(笑)
エンジニアのSさんは土日に各地で小中高生対象に科学実験授業をしています。その中の一つ、今回は珍しくデンソー学園で先生たち対象の授業のツボの講演をしたときの様子を写真とともにアップしてくれました。半袖Tシャッツに首にタオルを巻いての笑顔いっぱいの講演、他の人には真似できません、その講演写真を眺めながら議論が始まります。
(デンソーはトヨタ系列の最大の自動車部品会社で、連結決算ベースで5兆3628億円の売上規模の巨大会社です。技術者を育てるためにデンソー学園という学校をもってます。)
*https://www.denso.com/jp/ja/about-us/facts-and-figures/
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物理学者 そういえば、デンソーさんは「リバネス」の研究展開(という教育)活動にも協力されています。
*リバネス事業概要:https://lne.st/about/
エンジニア 真っ当に儲かってる会社は社会貢献にも熱心ですね!
ebisu 民間企業は儲けなければ本業以外での社会貢献ができませんからね。社会貢献に熱心な民間企業は儲かっているということ。マネジメント次第です。
物理学者 実情に疎いものですが、社会貢献と儲けをわけずに、社会貢献が儲けとはならないものでしょうか?リバネスのいろんなイベントはそれを目指しているように思えます。
ebisu 社会貢献が儲けとなるなら、リバネス型の企業が増殖するでしょう。リバネス型の事業モデルの企業がニョキニョキ出てきます。特殊な例で終わるのではないかと感じます。特殊な例でも巨大企業に成長すれば話は別ですが、さてどうでしょう。
儲かっている企業は、合理的な理由があれば、社内手続きに従って利潤の中からお金を拠出できますから、担当部門が稟議書を上手に書けばいいだけ。そういう一部上場企業は世の中に1700社あるし、出せる金額の桁が違います。
企業の社会貢献活動を運動として担う機関ができれば広く浸透するでしょうね。
(CSRに力を入れている企業は多い。たとえば、釧路のアイスホッケーチームがスポンサーがいなくなり消滅の瀬戸際にあったが、パチンコひまわりなどのCSRに熱心な企業が応援して、何とか存続できるようになっている。)
*https://kotobank.jp/word/CSR-3863
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CSR
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物理学者 皆さん貴重なご意見をありがとうございます。リバネスの強みは最優秀な人材集団を持っていることだと思います。簡単に増殖するほど最優秀人材はいないように思います。----というか、物理学専攻理学博士、分子生物学専攻理学博士のような最優秀の人材を大切にする社会になってほしいです。
物理学者 優良企業からの資金調達の仕事に適した人材というのも不足している気がします。経済・経営学・法律から理工系物理学分野にまで明るくないといけません----準ビルゲイツ級かな?
エンジニア ぼくは、真っ当に儲ける=社会貢献、とシンプルに考えています。社会貢献=freeは誤った考えだと思います。
物理学者 はい、そう思います。社会貢献=freeは誤った考えです。そこで、社会貢献=真っ当に儲ける、という面はどうでしょう。千葉ソゴーデパートが長年の実績があった「ソゴー美術館」を閉鎖する、ときいた時、「(特に用のない人をデパートの最上階まで誘いこむという)大変うまい儲けの道を閉ざすことになる。『社会貢献こそ儲けだ』」と言ったのですが。閉鎖になりました。そして、どんどん客数を減らしていきました。-----現場に疎いものの意見ですみません。
エンジニア 直接的利益にならないようなことを無思慮に切り捨てることほど、現場に疎いってことですよねえ。
物理学者 デパートには不思議な体験があります。京都駅構内伊勢丹。駅に着いて、電動ヒゲそりを忘れたことに気がついた。どうせ、伊勢丹が駅のコースに向かって旅行用品小物コーナーを作っているだろうからそこで買おうと思いました。でも、念のためホテルから伊勢丹へ電話して場所をききました。ところが、全然わからず、30分も経ってやっと返事があって、奥の方の片隅の売場に6千円のものが一つありますということ!驚いた。
伊勢丹の方の反論、歓迎です。
★デンソーサイエンススクールの話からすっかりそれました!すみません。
ebisu 臨床検査会社のSRLでは毎日3000項目の検査をしていますが、そのうち儲かっているのは1割以下の200-300項目です。残りの2700-2800項目は不採算ですが、ニーズがあります。儲かっている会社は儲かっていない商品を社会的ニーズにこたえるために売って毎日損しています。だが、200-300項目のもたらす利益で他の十数倍の項目が出す損失をカバーして余りあります。
原価計算システムが検査項目別の採算資料をアウトプットしてくれますから、どの項目が不採算かは一目瞭然です。不採算項目を次々に切っていったら、採算項目の受注量は確実に減り、全体が赤字となります。
原価計算と利益の関係に疎い人が社長をやると、利潤を増やしたくて不採算項目を切り始めます。結果は夏目先生ご指摘の通りとなります。これでつぶれる企業は案外多いのです。経営している人が何が何だかわからないうちにダメになります。
儲かっている企業は本業でもっとも大きな社会貢献=不採算項目の受注をしています。
ebisu 何が言いたかったかというと、本業で社会貢献しているのはリバネス型のニュービジネスだけではないということです。
物理学者 わかってます。わかっていないのはマスコミかも----富士通がコンピュータシステム導入で「一円入札」をした時、「けしからん」と報道しました。広く社会貢献しておいて、最後の一部を将来の利益にする、ことをマスコミは理解出来なかったのです。
ebisu なるほど、わたしもその件は記憶にありますが、社会貢献とは思っていませんでした。ユニークな事例を挙げてくれました。商売のことをよくご存じな稀有な物理学者です。(失礼しました)
物理学者 はい、本当は「社会貢献」だけとは言い切れません。ある地方自治体で実績を作ると、他の自治体の役人の「無難に済ませたい」という意識で、同じものを選んでくれますから。
ebisu なんといおうかな、この呼吸が楽しい。(笑)
物理学者 うーん、地方で水道工事店という零細企業をしていた父親と話をしている感覚です。
ebisu 工学博士のKさんへ:検索してみました。その中に「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」、必要な能力を三つにまとめた図がありました。
その通りだと思いますが、こういう能力は講習会ではえられないと思います。その人自身が企画したプロジェクトをやらせてあげる、あるいはこれらすべての能力が必要なプロジェクトを目標を明確にしてすべて任せてやらせることでしか、能力が身につかないのではないでしょうか。
というのは、法隆寺最後の棟梁の西岡常一さんが、弟子の小川三夫を育てるときに、あるていど技倆がついたところで、依頼のあった仏閣の建立をまるごと任せたことが書いてありました。できなければ仕事を受けた西岡棟梁の責任です。そういう重い仕事を、何も注文つけずに弟子に丸ごと任せる。弟子の小川三夫ははじめての経験ですから自分にこの仕事をやるだけの能力があるか否か自問自答しながら仕事をやり遂げます。西岡棟梁が任せてくれたのだから、自分に必要な力はあるはず。やり遂げることで自信もつきます。いい仕事を一つまた一つこなすことでしか、全体をマネジメントする能力が育たないから、大きな仕事をやれせて能力が開花するのを待つ。
こうしたよい仕事を抜きにして、講習会で人が育つという考えには危うさを感じます。現場に出したらアウトではないでしょうか。
わたしは松下政経塾にも同じものを感じていました。30代で責任のある仕事を任されてやり遂げないと三つのスキル「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」は身につけられないというのはわたしの仮説にすぎませんがいかがでしょう。
参考にしたサイト:
https://k-academy.jp/
工学博士 検索ありがとうございます。実は、耳慣れないキーワードだなあと思っていましたら、「経営アカデミー」の方ですね。私たちの「イノベーションデザインコース」は経営アカデミー内にあることになっていますが、このコースだけ組織内異分子です(笑)。それはともかく、コースでは、関口さんが子どものサイエンス教室に原則として保護者を同席させるように、派遣元の関与を重視しています。特に熱心なのが日立で、コース全般に行動を共にし、コース終了後、受講者が社に戻ったあとフォローアップし、しかるべきプロジェクトをプロデュースさせます。現在、「イノベーションデザインコース」のプログラムコーディネーターのひとり東氏は、JTから派遣された第一期生で、社内で活躍されたあと、現在では独立しています。
ebisu 工学博士のK さん:そうでしたか。派遣元企業は大企業ですね。
それぞれ赤字の子会社・関連会社がたくさんありますから、そこへ有望な人材を投入してすきかってに業務改善させてみたらいいのです。現場はそれぞれ事情も課題も違いますから、課題と具体的な改善案を創り上げるまでが第一段階、実務を理解したうえで、柔軟な思考が試されます。たとえばシステム能力や実務デザイン力がなければ実務の改善はできませんし、簿記や経営管理の専門知識がなければ、経営分析に基づく財務構造の改善や収益性の向上という具体的な目標設定ができません。製品ラインの理解や新製品の開発、ものを作っていたりサービスを提供しているなら、それらにかかわるルーチン業務の理解も大事な項目です。
その次に要求されるのはリーダーシップでしょうね。社長や管理職そして社員をまとめて引っ張っていけるかどうかやらせてみたらいい。これらの能力はどれも受験勉強の対極のもの、あるいはまったく別の能力です。これらの能力には職位はまったく関係ありませんから、社長が必要な権限を付与してやれば平社員にだってやれます。
講習会では永遠に身につかぬもの。だから、派遣元企業は講習会のあとでスキル養成のために社内プロジェクトを用意する。
みなさん分かっているのですよ。現場投入してやらせるのがベストであることは。でも、それでやり切れる人材は限りなくゼロに近い、だから、こういう講習会をやるのでしょうが、松下政経塾のように、同じ理由で効果はない。勘違い人間を増やすだけ。
企業のマネジメントスキルは、実際にマネジメントをすることでしか磨けないのです。赤字の子会社を任せるのが手っ取り早い。
ほんとうは親会社の経営改善が一番大きな課題です。日立だって、ソニーだって、東芝だって同じことです。
そういう複合スキルをもった人材が親会社本社エリートのなかにすら稀です。だから、どの企業も業績がじり貧になっています。
以上はわたしの独断と偏見に基づく日本企業感です。(笑)
ebisu 受験勉強では培うことのできない三つの能力「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」が必要なのに、日立もソニーも東芝も本社エリートは難関大学出身者という受験エリートがほとんど、だから日本の大企業がダメになるのはモノ道理。
「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」の高い人材をみつける方法も、育てる方法もわかっていないのかも。
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大企業は本社管理部門に一流大卒ばかり取らずに、2流3流大学のトップレベルからも半分は人材を採用すべきです。中高生の時代に受験勉強ばかりしていたのでは、これからの時代に必要な「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」の三つの能力は身につきません。大学生になってからとか社会人になってからでは遅いのです。こういう能力は中高生の時代に出来上がってしまいます。その育て方がわからない、それぞれ特殊な環境下で育つことだけはたしかですが、共通項が見えてきません。ハラリの『ホモデウス<上>』から拾ってあえていえば、「霊的な旅」を経験した者の中にこれら三つの能力を兼ね備えた人材がでてきます。
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ほとんどに人にとっては学業は霊的な旅ではなく取り決めだ。なぜなら、年長者や政府や銀行に承認された、あらかじめ定められた目標へとわたしたちを導くからだ。「四年間勉強して試験に受かり、学士号を取得して、給料のよい職を確保しよう」という具合に。ただし学業は、途中で出遭った大きな疑問のせいで道を逸れ、最初はろくに想像すらできなかった予想外の目的地へ向かうことになれば、霊的な旅にかわりうる。同書227頁
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受験勉強を放棄して道を逸れてしまう中高生がいます、霊的な旅にでてしまうのです。そういうなかにこれら三つの能力を揃えた人材が現れます。
四人の年齢の関係を記しておきます。
工学博士の大学教授<優秀な現職エンジニア<ebisu<元国立大教授の物理学者
50、60、70、74くらいかな。
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エンジニア ぼくは、真っ当に儲ける=社会貢献、とシンプルに考えています。社会貢献=freeは誤った考えだと思います。
物理学者 はい、そう思います。社会貢献=freeは誤った考えです。そこで、社会貢献=真っ当に儲ける、という面はどうでしょう。千葉ソゴーデパートが長年の実績があった「ソゴー美術館」を閉鎖する、ときいた時、「(特に用のない人をデパートの最上階まで誘いこむという)大変うまい儲けの道を閉ざすことになる。『社会貢献こそ儲けだ』」と言ったのですが。閉鎖になりました。そして、どんどん客数を減らしていきました。-----現場に疎いものの意見ですみません。
エンジニア 直接的利益にならないようなことを無思慮に切り捨てることほど、現場に疎いってことですよねえ。
物理学者 デパートには不思議な体験があります。京都駅構内伊勢丹。駅に着いて、電動ヒゲそりを忘れたことに気がついた。どうせ、伊勢丹が駅のコースに向かって旅行用品小物コーナーを作っているだろうからそこで買おうと思いました。でも、念のためホテルから伊勢丹へ電話して場所をききました。ところが、全然わからず、30分も経ってやっと返事があって、奥の方の片隅の売場に6千円のものが一つありますということ!驚いた。
伊勢丹の方の反論、歓迎です。
★デンソーサイエンススクールの話からすっかりそれました!すみません。
ebisu 臨床検査会社のSRLでは毎日3000項目の検査をしていますが、そのうち儲かっているのは1割以下の200-300項目です。残りの2700-2800項目は不採算ですが、ニーズがあります。儲かっている会社は儲かっていない商品を社会的ニーズにこたえるために売って毎日損しています。だが、200-300項目のもたらす利益で他の十数倍の項目が出す損失をカバーして余りあります。
原価計算システムが検査項目別の採算資料をアウトプットしてくれますから、どの項目が不採算かは一目瞭然です。不採算項目を次々に切っていったら、採算項目の受注量は確実に減り、全体が赤字となります。
原価計算と利益の関係に疎い人が社長をやると、利潤を増やしたくて不採算項目を切り始めます。結果は夏目先生ご指摘の通りとなります。これでつぶれる企業は案外多いのです。経営している人が何が何だかわからないうちにダメになります。
儲かっている企業は本業でもっとも大きな社会貢献=不採算項目の受注をしています。
ebisu 何が言いたかったかというと、本業で社会貢献しているのはリバネス型のニュービジネスだけではないということです。
物理学者 わかってます。わかっていないのはマスコミかも----富士通がコンピュータシステム導入で「一円入札」をした時、「けしからん」と報道しました。広く社会貢献しておいて、最後の一部を将来の利益にする、ことをマスコミは理解出来なかったのです。
ebisu なるほど、わたしもその件は記憶にありますが、社会貢献とは思っていませんでした。ユニークな事例を挙げてくれました。商売のことをよくご存じな稀有な物理学者です。(失礼しました)
物理学者 はい、本当は「社会貢献」だけとは言い切れません。ある地方自治体で実績を作ると、他の自治体の役人の「無難に済ませたい」という意識で、同じものを選んでくれますから。
ebisu なんといおうかな、この呼吸が楽しい。(笑)
物理学者 うーん、地方で水道工事店という零細企業をしていた父親と話をしている感覚です。
ebisu 工学博士のKさんへ:検索してみました。その中に「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」、必要な能力を三つにまとめた図がありました。
その通りだと思いますが、こういう能力は講習会ではえられないと思います。その人自身が企画したプロジェクトをやらせてあげる、あるいはこれらすべての能力が必要なプロジェクトを目標を明確にしてすべて任せてやらせることでしか、能力が身につかないのではないでしょうか。
というのは、法隆寺最後の棟梁の西岡常一さんが、弟子の小川三夫を育てるときに、あるていど技倆がついたところで、依頼のあった仏閣の建立をまるごと任せたことが書いてありました。できなければ仕事を受けた西岡棟梁の責任です。そういう重い仕事を、何も注文つけずに弟子に丸ごと任せる。弟子の小川三夫ははじめての経験ですから自分にこの仕事をやるだけの能力があるか否か自問自答しながら仕事をやり遂げます。西岡棟梁が任せてくれたのだから、自分に必要な力はあるはず。やり遂げることで自信もつきます。いい仕事を一つまた一つこなすことでしか、全体をマネジメントする能力が育たないから、大きな仕事をやれせて能力が開花するのを待つ。
こうしたよい仕事を抜きにして、講習会で人が育つという考えには危うさを感じます。現場に出したらアウトではないでしょうか。
わたしは松下政経塾にも同じものを感じていました。30代で責任のある仕事を任されてやり遂げないと三つのスキル「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」は身につけられないというのはわたしの仮説にすぎませんがいかがでしょう。
参考にしたサイト:
https://k-academy.jp/
工学博士 検索ありがとうございます。実は、耳慣れないキーワードだなあと思っていましたら、「経営アカデミー」の方ですね。私たちの「イノベーションデザインコース」は経営アカデミー内にあることになっていますが、このコースだけ組織内異分子です(笑)。それはともかく、コースでは、関口さんが子どものサイエンス教室に原則として保護者を同席させるように、派遣元の関与を重視しています。特に熱心なのが日立で、コース全般に行動を共にし、コース終了後、受講者が社に戻ったあとフォローアップし、しかるべきプロジェクトをプロデュースさせます。現在、「イノベーションデザインコース」のプログラムコーディネーターのひとり東氏は、JTから派遣された第一期生で、社内で活躍されたあと、現在では独立しています。
ebisu 工学博士のK さん:そうでしたか。派遣元企業は大企業ですね。
それぞれ赤字の子会社・関連会社がたくさんありますから、そこへ有望な人材を投入してすきかってに業務改善させてみたらいいのです。現場はそれぞれ事情も課題も違いますから、課題と具体的な改善案を創り上げるまでが第一段階、実務を理解したうえで、柔軟な思考が試されます。たとえばシステム能力や実務デザイン力がなければ実務の改善はできませんし、簿記や経営管理の専門知識がなければ、経営分析に基づく財務構造の改善や収益性の向上という具体的な目標設定ができません。製品ラインの理解や新製品の開発、ものを作っていたりサービスを提供しているなら、それらにかかわるルーチン業務の理解も大事な項目です。
その次に要求されるのはリーダーシップでしょうね。社長や管理職そして社員をまとめて引っ張っていけるかどうかやらせてみたらいい。これらの能力はどれも受験勉強の対極のもの、あるいはまったく別の能力です。これらの能力には職位はまったく関係ありませんから、社長が必要な権限を付与してやれば平社員にだってやれます。
講習会では永遠に身につかぬもの。だから、派遣元企業は講習会のあとでスキル養成のために社内プロジェクトを用意する。
みなさん分かっているのですよ。現場投入してやらせるのがベストであることは。でも、それでやり切れる人材は限りなくゼロに近い、だから、こういう講習会をやるのでしょうが、松下政経塾のように、同じ理由で効果はない。勘違い人間を増やすだけ。
企業のマネジメントスキルは、実際にマネジメントをすることでしか磨けないのです。赤字の子会社を任せるのが手っ取り早い。
ほんとうは親会社の経営改善が一番大きな課題です。日立だって、ソニーだって、東芝だって同じことです。
そういう複合スキルをもった人材が親会社本社エリートのなかにすら稀です。だから、どの企業も業績がじり貧になっています。
以上はわたしの独断と偏見に基づく日本企業感です。(笑)
ebisu 受験勉強では培うことのできない三つの能力「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」が必要なのに、日立もソニーも東芝も本社エリートは難関大学出身者という受験エリートがほとんど、だから日本の大企業がダメになるのはモノ道理。
「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」の高い人材をみつける方法も、育てる方法もわかっていないのかも。
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大企業は本社管理部門に一流大卒ばかり取らずに、2流3流大学のトップレベルからも半分は人材を採用すべきです。中高生の時代に受験勉強ばかりしていたのでは、これからの時代に必要な「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」の三つの能力は身につきません。大学生になってからとか社会人になってからでは遅いのです。こういう能力は中高生の時代に出来上がってしまいます。その育て方がわからない、それぞれ特殊な環境下で育つことだけはたしかですが、共通項が見えてきません。ハラリの『ホモデウス<上>』から拾ってあえていえば、「霊的な旅」を経験した者の中にこれら三つの能力を兼ね備えた人材がでてきます。
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ほとんどに人にとっては学業は霊的な旅ではなく取り決めだ。なぜなら、年長者や政府や銀行に承認された、あらかじめ定められた目標へとわたしたちを導くからだ。「四年間勉強して試験に受かり、学士号を取得して、給料のよい職を確保しよう」という具合に。ただし学業は、途中で出遭った大きな疑問のせいで道を逸れ、最初はろくに想像すらできなかった予想外の目的地へ向かうことになれば、霊的な旅にかわりうる。同書227頁
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受験勉強を放棄して道を逸れてしまう中高生がいます、霊的な旅にでてしまうのです。そういうなかにこれら三つの能力を揃えた人材が現れます。
四人の年齢の関係を記しておきます。
工学博士の大学教授<優秀な現職エンジニア<ebisu<元国立大教授の物理学者
50、60、70、74くらいかな。
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