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#4013 根室の小中学校の統合をコスト面から考える Jun. 8, 2019 [89.根室の過去・現在・未来]

 #4012で光洋中学校と啓雲中学校の2021年統合スケジュール公表について書いた。
*#4012 啓雲中と光洋中が統合 Jun. 6, 2019
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-06-06


 モノの道理として、高校統廃合の前に中学校の統廃合が、そしてその前に小学校の統廃合があるべきだが、順序がまったく逆になっているのはどうしたことか?
 生徒の人数が減りだすのは小学校が高校よりも9年も前であるから、高校統廃合の9年前には小学校の統廃合が完了していなければならない。そんなことは小学生でもわかるモノの道理だ。
 今回の光洋中と啓雲中の統廃合記事には小学校の統廃合がまったく載っていない。どうしたことだろう。根室西高校は今年3月に廃校になったから、小学校の統廃合は9年前に終わっていなければならない。

 中学校の適正規模を根室市の「小中学校適正規模及び配置に関する基本方針」では1学年3-6学級としているので、郡部を含めて1校体制が可能なはず。なぜ避けて半端な統合案をまとめたのか?市側で作成した基本方針通りになぜやらない。
 いずれ2040年には生徒数が1学年110人程度に縮小するので小学校も中学校も1校にならざるを得ない。建物を増改築すれば数億円がかかるが、2段階でなく1段階でやればコストが大幅に削減できる。統廃合を条件に通学バスの無料化を道や国と話し合えばいいが、資料を見てもそういう検討をした形跡がない。校長の数は激減、教員の数も減るのだから、交渉の余地ありだろう。困難な課題をいくつかパスしてしまった。

 コスト面からの検討も見過ごされた課題の一つだろう。
 大雑把な計算で確かめてみよう。生徒数30人の小規模小学校を考えてみよう。1学年5人だから複式学級にすると担任の先生が3人、校長が一人必要となる。いくらなんでもこんな規模に教頭は不要だろう。だから事務職員1人、合計5人の職員構成となる。公務員給与の平均額を600万円を適用すると、人件費だけで3000万円、それに学校校舎建物を10億円とし50年の減価償却で年間2000万円かかる、そのほかの経費を1000万円とすると合計6000万円/年であること。生徒数30人で割ると生徒一人当たり200万円/年のコストがかかる。小学校6年間だけで生徒一人に1200万円ものお金がかかっていることになる。べらぼうな話ではないか?
 生徒数45人の中学校はどうだろう。教科担任制だから先生の数は8人、教頭と校長で10人、それに事務職員が一人で職員数合計は11人。年間人件費は6600万円である。減価償却費を2000万円、その他の経費を1000万円とすると、費用の合計は9600万円となるから、生徒一人当たり213万円である。小規模校では小学校から中学校を卒業するまでに生徒一人当たり1800万円もかかることになる。元は全部税金である。
 1学年6クラスの中学校(生徒数180×3=540人)を想定すると、先生の数50人、事務職員4人、減価償却費4000万円、その他経費2000万円とすると、生徒一人当たり71万円である。
 郡部校の維持にはおよそ3倍のコストがかかっているのだが、そういうコストを考慮していない。学校関係者の議論はいつもコストが欠落している、どうしてコストを考えないのだろう?
 小学校も中学校も1校に統合すべきではないのか?

 小学校や郡部校の統廃合を検討から除外した「検討委員会」は実にイージーな作業をしたようにみえる。閉鎖的な委員会方式による検討はつねにこういうことになる。市立病院建て替えに関する委員会、明治公園再開発に関する委員会、高校統廃合に関する委員会、他にもいくつかあった。市の総合文化会館会議室を使い、毎月2回日曜日をつかって市民の自由参加でオープンにやるのがいい。市長が変わってもやり方は変わらぬ、いつまでこんなことを繰り返すのかね?
  魅力的な町ははどうしたらつくれる?魅力的な地元企業と魅力的な行政のあることが必要条件だろう。閉鎖的ではどうにもならぬ。地元企業も地方行政もどちらもそこに住む人々が支えている。面倒な仕事を避け、十年二十年後三十年後を見ないでどうする?

*根室市立小中学校の適正規模及び適正配置に関する基本方針
https://www.city.nemuro.hokkaido.jp/material/files/group/31/66547559.pdf




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