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#3966 学力別クラス分け編成:根室高校2年生 Apr. 19, 2019 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 根室高校2年生は数学と英語を学力別にクラス分けしている。数学の成績上位クラスはガンマ1とガンマⅡにわかれた。それとベータとアルファクラスの4クラス編成のようだ。数Bが選択科目になっている。1年生の時はアルファⅠ、アルファⅡ、ベータⅠ、ベータⅡ、ガンマの5クラス編成だった。

 四月から塾へ来ている生徒が「先生、数B教えてください」というので、理由を訊いた。看護学校志望の生徒だから数Bは選択していない。7月の進研模試の結果でクラス編成を見直すと言われ、焦っていた。
 2年A組が特進コースだから、このクラスに在籍するのと他のクラスでは学習環境に違いがでる。他のクラスは授業中騒がしいし、ときどき先生の説明が聞こえない。やる気がなくて寝ている生徒はまだましかもしれぬ。柏陵中学校で10年ほど前に、数人が授業中に私語するようになり、学級崩壊状態が発生した。2年になってクラス替えすると、それがほかの2クラスへ広がってしまった。3年になったときには、前年まで五科目平均点が140-165点だったのに、100-110点台へ急降下してしまった。授業中の私語が増えると、説明が時々聞こえなくなり、真ん中よりも上の生徒すら、聞こえなかった部分を推測できずに、まるごと授業が理解できない事態が起きた。こうして成績上位層が以前の1/4となり、成績下位層の肥大化が進んでしまった。それがいま根室高校で起き始めている。
 根室高校では高校の統廃合で普通科の7割はすでに根室西高校生の学力である。10年前の根室高校普通科の学力の生徒は、A組、特設コースの35人のみと考えてよい。このクラスでも下のほう5人程度は10年前の根室高校普通科に合格できない学力レベルだ。

 習っていない(選択していない)数Bが7月の進研模試に出題されるので、看護学校志望の生徒が困っていた。数Bを選択しなかったばかりに特設コースに居られなくなる。そうした影響があるなら、学校、とくに進路指導室は看護学校志望の生徒たちに事前に説明しておくべきだった。四月になってからの通告では生徒がパニックになるのも無理ない。

「教えてもいいけど、簡単な話ではないよ、数Bだけで週に2回来ないと進研模試の問題を解けるようにはならない、難易度が学校の授業よりもずっと高いからね、数B2回、それとレギュラーの2回、合計4回塾へ来れる?」

 そう伝えた。個別指導だから、週に4回くればなんとかできる。勉強に熱心な生徒は授業料はそのままで来る回数を増やしてあげているから、彼女にもそういう扱いをすることはできる。あとは本人次第である。
 習っていない分野も出題される全国模試でクラス分けするなら、Aクラスには看護学校志望の生徒は要らないというに等しいから、それはあまりに酷だし、そんなことをしたら特設コースのクラスから成績上位層の生徒が数名抜けてしまうので、根室高校にとってもよくない。いまや成績のよい生徒は希少価値がある、ほどんど絶滅危惧種と化してます。

 「担任の先生に事情を話してよく確認してみたほうがいいよ、学校の方だって試行錯誤して困っているはずだから、考え直してくれるかもしれない」

 学年主任と各クラスの先生たち、一度話し合ってくれませんか?52年前の根室高校卒業生の一人からのお願いです。1/350です、同期は350人いました。あのころは男子校だった根室商業の伝統が残っていたので、商業科の入試倍率は2倍を超えてました。いまからは想像できません。根室商業高校が男子校時代は釧路湖陵高校よりも格上だったことがあります。

 高校統廃合が、中学生の学力分布を無視してなされたので、弊ブログで予告した通りの惨憺たる結果になっている。ふだんの学力テストデータを持ち寄って、統廃合検討作業部会のメンバーが分析したら、統合のしかたは違っていただろう。ふだんの学力テストデータをモニターしていない根室市教委も悪いよ、こういう大事な時にデータの提供すらできていない。仕事の能力のないバカばかり集め閉鎖的な委員会方式で検討したってたってろくな仕事にならぬ。高校統廃合検討委員会の大きなミスの尻拭いを、いま根室高校の先生たちがしている。そして一番の被害者は根室高校普通科に通っている生徒たちである。

 英語の学力別クラス編成の話をしよう。特設コースのクラスの英語も学力別に2クラスに分けられたようだ。上位クラスは10名だから、下位クラスが25名ということだろう。塾生で英語が上位クラスは1名だけだ。みなさん数学の勉強はするが、英語は嫌いでなかなかやらぬ、極端な偏食、食わず嫌いが多い。数学も英語も突き詰めると勉強法は共通した部分が多いのだが、やらないから気がつかぬ。そこで次のように宣言した。

 「これから1か月が勝負だ。短期間集中的に勉強しないと、君たちの英語嫌いはかなり重症だからその状態から抜けられない。5月下旬の前期中間テストが終われば学校祭の準備期間に入り、7時過ぎまで学校祭準備に縛られるから英語の勉強なんてできやしないよ、昨年でわかっているだろう?いまだよ、いましかやるときはないんだ。もう高校2年生、いま集中的にやらなきゃ時間切れ、アウトだ。いう通りに勉強すれば全国偏差値60までアップ可能だ、さあ、やるのかやらないのかはっきりしろ、やる気のある者は英語だけ別に週に2回増やしていい」

 そうけしかけた。
 ずっと英語嫌いのままで放置してきた生徒たちだから、それを変えるというのは大きなエネルギーがいる。最初の一転がしがたいへんだが、ゆっくりでも回り始めたら、あとは少しの力で転がっていく。
 
高校生は大人扱いしている。大人は自分の意志で決断し、行動するものだ。さて、全員が期待に応えてほしいが、何人クリアできるのかは塾生自身のやる気と行動力次第である。
 

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コメント 5

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科目の数学ⅠAⅡBではなくて、進研模試の数学AとBのことではないでしょうか?
by お名前(必須) (2019-04-22 08:39) 

ebisu

高2生徒からは、数Bが7月の進研模試で出題されるのでやっておきたいという申し出がありました。
高校の先生がそういう説明をしたのだと思います。

そこから推測すると、特進コースの生徒たちは進研模試のBのほうを受験するということでしょう。
進研模試のAには数Bがありませんから。
by ebisu (2019-04-22 10:24) 

2012

高2の進研模試の数学は「数学A」と「数学B」があり、7月実施の試験範囲は以下の通りである。

「数学A」は数Ⅰ必須、数Ⅰの範囲、高次方程式と式の証明、場合の数と確率の3題から2題を選択

「数学B」は数Ⅰ・A必須、高次方程式と式の証明、図形と方程式、三角関数、ベクトル(空間ベクトルを除く範囲)、数列(漸化式、数学的帰納法を除く範囲)の5題から2題を選択

高2の進研模試の「数学B」を受験する場合でも、数Ⅱ2~3題、数B2題の計4~5題から2題を選択となっているので「数B」を履修していなくても問題ない試験範囲になっています。

「数学A」は商業科、工業科、体育科などの科に対応して設定されています。


by 2012 (2019-04-22 12:54) 

ebisu

by 2012さん

ありがとうございます。
根室高校2年生で数Bを選択していない生徒は、学校の授業で7月までに終わるのは、数Ⅱの好次方程式と式の証明、図形と方程式のみですから、2分野選択ならこれら二つで間に合いますね。
by ebisu (2019-04-22 15:12) 

ebisu

数Ⅱは7月までに「第1章 高次方程式と式の証明」までしかできませんね。
「第2章 図形と方程式」は学校の授業ではやらないので、やはり数Bを履修していない生徒はハンディになるようです。

来年は特設コースの生徒は数B履修を義務付けたらいい。

ところで選択科目で他のクラスの生徒が混じると、前のほうで後ろを向いて雑談したりする生徒がいるので、勉強したい生徒たちが迷惑しているようです。
この問題は解決案が思い浮かびません。そういう選択科目のクラスは平均点がはっきり落ちます。
おそらく先生たちも困っているのでしょう。学力に極端な差がある生徒を選択科目で一緒のクラスにすると、聞いていてもわからないから、「学級崩壊状態」になりがちです。

by ebisu (2019-04-22 20:55) 

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