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#3961 恒例の九人会どんちゃん騒ぎ:川湯温泉 Apr.15, 2019 [A9. ゆらゆらゆ~らり]

 今日は久しぶりに雨が降っている。屋根を伝って落ちてくる雨水を受けるバケツが二つともあふれている。午前9時の気温は5.1度だから、暖かい、春だなあ。

 高校の「三年G組同級生+アルファ」がメンバーの九人会というのがあり、毎年、川湯温泉でお酒を飲み地元の魚貝類に舌鼓を打って大騒ぎをする。今年も土曜日(4/13)に行ってきた。
 プラスアルファと書いたが、一人は高校の同級生ではないが光洋中学3年10組の同級生で親友のYである。担任の冨岡先生があるときⅢ-Gクラス会にいたYをみつけ「だれ?」と訊いてメンバーとして認めた。九人会メンバーがⅢ-Gのクラス会に連れて行ったのだろう、中学生の時の同級生の女子も数人いるからすっかり溶け込んでいたらしい。人柄がいい不思議なやつだ。
 担任の冨岡先生は定年前、50歳のころに東京大田区に住んでいた両親の面倒を見るために高校をおやめになった。それから東京で開く同窓会に必ず出席してくれた。あるとき「ebisu、見知らぬ男がいるので誰だと聞くと、ebisuの友だちだとYが胸を張って返事したのでⅢ-Gのメンバーとして俺が特別に認めた」と笑いながら話してくれた。みんなが認めているので正式に追認してくれたのだろう、空気の読めるいい先生だった。
 高校2年生と3年生の2年間お世話になった冨岡先生との思い出話を書き始めたら新書1冊の分量くらいの話題がある。癌が転移して何度か手術をされたが、数年前についに逝ってしまわれた。最初の手術をしてから二十数年たっていた。オヤジと同じくらいの年齢だったはずだから、長生きされた。鰈(かれい)釣りの穴場(東梅≒道の駅スワン44の手前3㎞あたり)を懐かしそうに繰り返し話していた。その時のうれしそうな表情がいまもありありと脳裏に浮かぶ。


 川湯に土曜日午後2時半ころ着いた。羅臼や釧路、浜中から集まるものもいて、10人全員が揃ったのが3時少し前だった。温泉へ浸かってのんびりしてから、調達してきた魚貝類を並べて「プレ宴会」がはじまった。アルコールは缶ビールといただいた北の勝「搾りたて」である。平成16年ものを地下蔵で貯蔵しておいた。夏でも地下室の温度は20度以上にはならないので酒の保存にいい。

 北大病院でオプジーボの投与を受けているメンバーが直前になって治療スケジュールが変わり、参加できなかったのが残念である。かれは北の勝の酒造、碓氷商店の番頭さん。背がでかくていかついが、じつは繊細な人。かれも実直で、まっすぐな性格。ずるいことは決してしない人だ。オプジーボが効いてくれることを祈っている。PD-1遺伝子がコーディングするPD-1タンパクと癌細胞にあるPDL-1タンパクが結合すると、癌細胞が増殖するので、その結合をブロックするのが分子標的薬であるオプジーボである。正常な人にはPDL-1タンパクがないから、副作用はゼロだ。だが、癌抑制遺伝子であるPD-1由来でない癌には効かない。25-30%に人に有効だという。万能の免疫賦活剤ではないのである。

 メンバーは全部で11人、11人なのになぜ九人会なのかは理由がある。わたしが古里根室へ戻ったときに10人となり、会の名称が議論になったという。10人に増えるのだから「十人会」という意見が出たが、もともと9人で始まったのだから、その成立のいきさつを大事にして名称はそのままにしようじゃないかということに収まった。その後、浜中町在住のNが「メンバー申請」をして受け入れられて2年前から参加している。だれでもOKなのかと思ったら、「厳格な審査がある」という、初耳だった。申請を受け付けるのは誰でもいいが、他のメンバーに話して色よい返事があればOK、そうでなければそのままになるという。阿吽の呼吸できまるようだ。
 わたしがすんなりメンバーとして受け入れられたのは理由がある。高校卒業してまもなく、お袋がやっていた居酒屋酒悦に数人が毎月集まって飲み会を始めた、「酒悦会」という名前がその内についた。その後酒悦は名前はそのままで焼き肉が主体の店となった。オヤジもお袋も息子が東京へ行ってしまったので、同級生が店に来てくれるのはうれしかったのである。「酒悦会」が宴たけなわになると、「オヤジさん、電話していいかい?」「いいよ」と店の黒電話でよく東京へ電話をかけてくれた。30分ほどもメンバーが交替で話をしてくれた。酔っ払いばっかりだから、話にとりとめがない、にぎやかだったな。そのたびに古里が懐かしくなった。
 メンバーたちは結婚して子どもができると、子どもも参加して野外でバーべキューしたり、Nのところに集まって新年会をするようになった。光洋町に自宅を建ててからお袋は店をやめた。会の名前も九人会となっていた。そうした長い52年の歴史がある。だから新メンバーを加えるときにはみんなの同意がいる。ぎくしゃくしたくないからだろう。過去には色よい返事が返ってこなかった数名の同級生がいたらしい、きっと面白くなかっただろう。すまない。
 N田のときは、小学校の同級生でもあったわたしに彼から相談があったので、伝えるとみなさん快く承諾してくれた。N田は浜中町にある漁業組合で仕事をしていたが、そろそろ引退ということで、高校時代の仲間が懐かしくなったようだった。そうした思いが伝わったのだと思う。
 ホテルには6部屋確保してあった。二人ずつ5部屋と、プレ宴会用の一部屋である。わたしはN田と同室になった。部屋割りは羅臼のDがやってくれた。ちなみに根室組合に勤めていたE藤とも花咲小学校の同級生である。

 湾中でとれたホタテを昨夜殻から外して一晩冷蔵庫で寝かして熟成させたものを、出発直前に切って保冷剤をいれて車に積んできたから、うまいのなんの、言うことなし。手間がたっぷりかかっている、YさんとYさんの奥さんありがとう。
 Mサイズのエビも2パックあったが、Sサイズのものが混じっていた、味も悪いと水産関係に勤務していた者の意見だった。浜中町のNが、浜中やや厚岸では品質管理が厳しいので、MサイズのパックにこんなにSが混じることはない、根室は品質管理基準が甘いと断じていた。こういう販売のしかたをしていたら、ブランドに瑕がつき、信用されなくなると心配していた。ふるさと納税の返戻品でもそういうことが問題になっている。

 水産関係に勤務していたメンバーが半数以上なので、いろいろ教えてくれる。関係者に迷惑がかかるといけないのでこれ以上書かない。不都合な情報ほど、改善すれば地域ブランドの信用を堅固なものにできる宝の山なのだが、根室人はそういう話題を避けたがる。だれかが、いまでは根室組合よりも歯舞組合のほうが取扱高が多いと発言していた。根室組合が60億円、歯舞組合は100億円と聞いたきがする、驚きである。根室漁業協同組合の取扱高は平成20年には120億円を超えていた。酔っていたので数字は不確かだが、理由については具体例を挙げてはっきり言っていた。要するに人と組織の問題があるということ。弊ブログでも何度かとりあげた。
 中標津と根室の人口問題も根っこのところは同じだろう。50年前のデータと比べたいのだが、検索したら1970年と2018年の住民基本台帳データがあったので、48年間の変わりようをご覧いただく。
 中標津町 17090人 ⇒ 23485人
 根室市  47589人 ⇒ 25953人
 根室市の最近数年間の人口減少は年間600人だから、あと5年もしたら中標津町の人口が根室市を超えるだろう。歯舞組合と根室組合の取扱高に起きた変化と同じだ。
 歴代トップの能力が低いとか、それを支える政策集団のスキルが低かれば、長期にわたって衰退を招くということだ。歴代トップと組織と人事の問題が市役所と根室漁業協同組合に共通して横たわっている。根室はいつまでたっても是正できない。できなければ悪くなるだけ。両方の分野で改革意欲の大きい若い人が名乗りを上げてもらいたい。

 九人会メンバー全員が4月13日の時点で満70歳だから、それぞれ身体がポンコツ化しつつある。すこしボケが混じってきてたまに自分がどこにいるのかわからなくなり始め不安にかられている人、最近慢性骨髄性白血病を宣告された人、メラノーマが肺転移しオプジーボで治療中の人、長年の喫煙が祟って、呼吸音がひゅうひゅうなるようになり、肺機能が落ちてついに煙草をやめたK、糖尿病で薬を飲んでいる人も数人いた。病院に通わず、薬の世話にもならずにすんでいるのは看護師さんが嫁さんのH谷のみ。
 70歳になったら記憶がたまに飛ぶのは当たり前、身体のどこかにポンコツ症状が現れるのも当たりまえ、ケセラセラ。釧路から来たH谷が一番元気がよさそうだった。朝食をおいしそうにバクバク食べて、乗ってきたベンツを運転して帰っていった。神経も図太くなったようだからあいつは百歳まで生きそうだ。(笑)
 ついでだから、慢性骨髄性白血病の分子標的薬について書いておく。こちらは20年ほど前にノバルティスファーマが商品名グリベック(Gleevec)という分子標的薬を開発して売り出した。90%の慢性骨髄性白血病に有効である。発病してから投与すればいい。この病気は9割以上の患者に9番と22番の染色体の転座が認められる。9番の染色体にABL、22番の染色体にBCRという遺伝子があり、それが入れ替わってしまい、それらが近いところにあることでBCR-ABL(BCRエーブル)蛋白(チロシンキナーゼ)ができてしまう。これが慢性骨髄性白血病を起こすのである。BCR-ABLは正常な人にはないタンパク質だから、それを標的にする薬剤は正常な人には何の作用もない。グリベックはBCR-ABLタンパクだけを阻害する薬剤である。本人は発病するまでに何年かあるし、治療の方法もあると担当医から言われている、それよりも脳出血のほうが怖いと笑っていた。
 子どもを三人とも国立大学へ進学させた、根室では珍しい典型的な教育パパ。小学生の勉強の躾には経験に基づいた有効な方法論をもっている。A野が小学1年生の親を集めて、家庭学習の躾のしかたに関する講習会を毎年開催してくれたら、根室の子どもたちの学力は飛躍的にアップする。根室市教委さん、A野を講師に招いて講演会をやらんかね。先生たちには受けるかもしれません。かれは共産党員ですから。少し前まで選対本部で選挙を仕切っていました。九人会にはいろんなやつがいるから面白い。

*グリベック
https://www.anticancer-drug.net/molecular/imatinib.htm
**慢性骨髄性白血病(CML)の原因と診断
https://ganclass.jp/kind/cml/cause/cause.php


 根室のある町内会も同じホテルに団体で来ていた。その中の一人をYが「あれは光洋中学の同級生のM沢さんだ」と教えてくれてから声をかけた。「(ラウンジ)に入って来た時から、いると知っていたよ」とM沢さんがいう。中学校を卒業した年に1度だけクラス会をやったことがあるから、お目にかかるのはそれ以来だ。髪型は中学生の時と一緒だった。Yが中学同級生のebisuだと紹介してくれたが、「だれ?知らない」という顔をしていた。印象が薄かったようだ。(苦笑)

 8時半に宴会が終わってからコンパニオンを派遣してくれた川湯温泉のカラオケスナックに出かけた。11時過ぎまで歌って騒いた。若いころに地元羅臼で劇団を組織したDが、「人情松の廊下」と7分間の長い曲「浪曲俵星玄番」をうたってお開きとした。
 アマチュア劇団の元エースは、浪曲のせりふ回しがすばらしい。77歳のママさん、死んだ兄が歌っているようだと喜んでいた。
 根室についてから2時間ほどぐっすり眠った。四度温泉に浸かって疲れていたのだろう。

<余談>
 メンバーには水産業界関係者が多いと書いたが、わたしが東京から戻ってきた2003年(54歳)のころは、みなさん現職だったから、朝水産市場で買い付けた鮮度の思いっきりいい魚やマツブやエビを大きな発泡スチロール二つに詰めてホテルへもってきた。料理長に頼んですぐに調理してもらいプレ宴会の酒の肴にしたのである。料理はプレ宴会のほうがずっとすばらしかった。広尾産のマツブはとっても美味しかった。魚は高級品の大きなものをその都度市場で選んで買い付けてくれた。歯舞組合と広尾組合、水産物に関してはかなりの目利きだから品選びはたしかだ。
 一度だけ、買い付けて運んだ高級魚を料理長が間違えて他の客の宴会に運んでしまった。申し訳ないと代わりにでてきた魚は比較になるはずのないものだった。買い付けた本人ばかりでなくみんながっかり。長い間にはそういう手違いもあった。食べた客は大喜びだっただろう(笑)
 プレ宴会用の食材と酒の仕入れに、幹事さんが40000円ほど別に予算をとっている。今年の幹事はYさんだった。毎年そうだったかな、さだかでない。

<余談―2:福島第一原発と遺伝子の傷害>
 福島第一原発ではいまだに放射能が出続けている。汚染土も処理の使用がなくてプラスチックの袋で包んで野積みされている。高濃度のトリチウムを含んだ汚染水タンクは福島第一原発の敷地全域に広がり、いずれ満杯になる。これも費用が高すぎて処理できない。海へ放出すれば太平洋がトリチウムで汚染されてしまう。
 放射能は遺伝子を傷害する。遺伝子が傷害されれば、それがコーディングしている蛋白も変異を受ける、変異した蛋白質が癌を起こすことはすでに肺癌と慢性骨髄性白血病の分子標的薬のところで見たとおりである。
 老人でも炎症は起こす。胃炎だって炎症の一つで、傷んだ細胞を修復するために細胞分裂が盛んになる。その時にDNAの複製がなされるが、放射能はそのときこにミスを起こすのである。
 だから、福島県に住んで危険なのは細胞分裂が盛んな胎児や子どもたちだけではない、なんらかの炎症を身体に抱えている老人も細胞分裂が盛んになるので、癌リスクが高くなる。遺伝子異常で起きるのは癌だけではない。遺伝子がコーディングする蛋白質や酵素(酵素は蛋白質である)、ホルモンのなかでもアミノ酸でできているペプチドホルモン(ペプチドホルモンのpeptideはアミノ酸重合体という意味だからやはりDNAがコーディングしている)が影響を受けるから、ありとあらゆる身体や精神の異常がありうるのである。
 福島第一原発事故で撒き散らされた放射能による小児癌の増大はないという医学者がいるが、癌が起きる基本的な仕組みを知っていれば、そうしたバカげた主張がインチキであることはすぐにわかる。細胞分裂の活発な子どもたちに小児甲状腺癌が多発しているのは事故によってばらまかれた、そして今も放出がある放射能に関係があるが、その因果関係は科学的には証明不可能なのである。
 福島第一原発からいまも出ている放射能は福島県に住む子どもたちの遺伝子を傷害し続けており、それが将来あらゆる種類の癌を発生させ、ホルモン異常に起因する精神病を引き起こす可能性が大きい。かように原子力発電所の大規模な事故は取り返しがつかぬ。北海道電力泊原子力発電所で同様の事故が起きたら、190万人の札幌市は廃墟になるだろうし、放射能は日高山脈を越えて十勝平野と根釧原野に降り注ぎ、農業と漁業が壊滅的な影響を受ける。
 生乳は道内産が50%を超えているから、供給不足で価格が暴騰するだろう。玉葱などの農産物の価格もどうなるかしれたことではない。食料品を中心に大幅な物価上昇と供給不足は避けようがない。
 その反面、石狩平野も十勝平野も根釧原野も放射能汚染の被害を知らぬ野生動物が自由にはねまわる楽園となるだろう。放射能の害を知っている人間たちだけが逃げ出す。
 

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