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#3951 定期テストで学年トップを競ってはいけない Mar.14, 2019 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 成績上位層の内でも学年トップレベルの生徒には、定期テストで学年トップはどうでもいいとふだんから言っている。

 難易度の低いテストでトップをとっても意味がないからだ。難易度の低いテストでは成績トップ層の得点分布は高いところで団子状になる。高得点層の分布の範囲が狭くなるのである。500点満点なら450点以上のところに集中する。ケアレスミスがすくない生徒が学年一位となるだけで、学力とはあまり関係がない。「神経戦」で消耗するのは生産的ではない、トップレベルの生徒たちの学力の差は難易度の高い問題をやらせたときにはっきりと点数に現れるから、そういう場裡での戦いに力を注ぐべきだ。
 たとえば、道立高校入試問題で9割得点できても、東京都立高校入試問題では8割程度の得点となる。ましてやさらに難易度の高い有名私立高校入試問題では7割の得点だっておぼつかぬ。だから、ケアレスミスの有無はほとんど関係がなくなる。トップ層の得点分布が広がるから、難易度の高い問題が解けるか否かで勝負がつく。標準問題を高速で解き、新傾向の難易度の高い問題に時間を割く、そういう戦術も大事になってくる。
 英語の問題は道立高校裁量問題の3倍量の長文問題が出題されるのがあたりまえで、語彙の難易度もずっと高くなる。時間内に読み切るためにはしっかりトレーニングを積む必要がある。道立高校入試問題レベルとは世界が違う。
 たとえば、都立高校進学校の入試問題は3000語ほどになっている。道立高校裁量問題の3倍ある。数学については昔、桐朋高校がいい作問をしていた。
 開成や慶応や早稲田高等学院は言うに及ばず、難関大学入試は都立の進学校やこういう私立の有名高校のトップレベルの生徒たちとの競争なのである。

 1月半ばに入塾してきた中1の生徒が、学年2位がチャンピオンデータだと言っていた。入塾の目的は学年トップになりたいからだろう、抜けない生徒が一人いると聞いた。四月の学力テストで学年トップになるために、難易度の高い問題集にチャレンジしている。短期間でも一生懸命に勉強する生徒の学力はアップしてしまうから、学年末テストでは学年トップといい勝負になると踏んでいたら、一昨日表情がよさげなので、結果を訊いてみたが、五科目485点で学年2位、トップとの差は1点。以前抜けなかった生徒を抜いてしまった。学年トップが入れ替わったのだ。
 予想したよりもいいできだ、四月の学力テストでは予定通り学年トップに躍り出るかも。学力テストでは学力差が点数にはっきりでる。(笑)
 なかなか負けん気の強い生徒である。当面の目標は四月の学力テストで450点を超えられるかどうかが勝負どころだ。そこをクリアできたら学年トップ、「ニムオロ塾プログラム」で2年生の内には480点台へ飛躍できるだろう。誰もがやれるプログラムではない、やる気があって基礎力がしっかりした者でなければ登ることのできない険しい山道に挑むのである。最優先すべきは先取り学習である、大学受験の1年前に数英国は終わらせておかねばならない。中学校の内に数ⅠAを終了しておかないと、大学受験がきつくなる。英語は何とでもなる。
 最近は学年によっては学年トップの五科目合計点が400点を超えられないケースがでている。十年前と比べると学力上位層の数が激減して、枯渇化現象を起こしている。根室の市街化地域の3中学校では、いまや学力上位層は絶滅危惧種なのである十数年前の1/10に減ってしまった
 学力テストの五科目合計点が400点以下では学校の定期テストでいくら高得点をとっても、高校生になって受ける進研模試の偏差値は50以下(公立高校普通科の全国平均点)である。

 この生徒も難関大学への進学を考えているので同級生と競っても意味がない。全国区での勝負ができなければならない。高校1年生になって進研模試を受けたときに全国偏差値が75を超えられたらいい。そのあたりを目標にして数学と英語を教えている。負けん気の強い生徒は学力に応じた難易度の問題集をやることで学力が伸びる、わたしは生徒のさまざまな質問にその都度答えることで背中を押すだけ。質問への答えは生徒の好奇心と学力に応じたものとなる。最終目標は独力で学習できるようになることだから、塾への依存心が起きないように注意して教えている

<余談:進研模試偏差値70超の生徒数>
 首都圏と同じように小学4年生から鍛えればの話だが、市街化地域の3中学校だけで、2~6人毎年そういう能力の生徒がいるようだ。同じ中学校で3~5人同時に出現するケースもある。郡部を合わせると3~8人というところだろう。
 今年の高校1年生で見ると全国偏差値70を超えている生徒は2人のみ。2~6人育てそこなった、もったいない気がする。そんなに偏差値70以上の生徒がいれば、医学部に進学する生徒が毎年いても不思議ではない。こういうレベルの学力で心根が真っすぐな根室っ子が東京でしばらく働いてから根室へもどってこれるようになれば、根室の町もずいぶん違ったことになる。
 たとえば、市立根室病院の常勤医不足は長期的にとりくめば解決できる問題なのである。医学部進学の生徒がが毎年でるようになれば、そのなかから戻ってきて地域医療を支える人がかならずでてくるし、優秀な人材が戻ってくれば市役所もまともな総合政策が立案できるようになる。
 子どもたちの学力低下問題や地元企業の経営改革という基本的な問題に目を背け、目先のことばかりに追われていたら市の政策を誤ることになります。現にそうなっているじゃありませんか。




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