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#3929 VENONA文書と北方領土:四島一括返還の戦略 Feb. 13, 2019 [21. 北方領土]

 VENONA(ヴェノナ)文書の存在を最近知った。FBIが盗聴した暗号解読の公文書が50年たって公開された。その内容は大東亜戦争と東京裁判の見直しを迫る驚くべきものである。

 ルーズベルト大統領の側近に何人もソ連のスパイがいて、日米開戦を画策していたという。ハルノートの原案もソ連スパイ(ハリー・デクスター・ホワイト 財務次官補)の手になるものだった。中国も南京虐殺をでっち上げ反日キャンペーンを米国で繰り広げ、米国世論を反日へ誘導したことが、これらの公文書公開でようやくわかるようになってきた。誰がどこからの指示でどういう機関や組織を作り何をしていたのかが明らかになっている。
 ルーズベルトの前任者のフーバー大統領は、ソ連の拡大をとめるために、日本と協力すべきだと主張していた。当時の米国の保守主義勢力は、共産主義の拡大を防ぐために日米の協力を模索していたのである。

 ルーズベルトは1929年の大恐慌のあと景気低迷と失業者があふれた状況を何とかするために、政府内部に何人もいたソ連スパイの提案を採用して日米開戦の準備をしていた。1941年11月26日に日米交渉で示された「ハルノート」は日本を戦争に踏み切らせるための踏み絵だった。1941年の開戦で米国は1200万人の失業者が職を得、空前の好景気に沸いたのである。見事なものだ。ソ連と中国共産党は戦略という投網を打っておいて、時節の到来をじっと待つ。
*https://ja.wikipedia.org/wiki/ハル・ノート

 ソ連はマンハッタン計画もスパイから情報を入手して、広島に原爆が落とされる日まで知っていた。原爆投下に合わせて開戦すべく、その半年も前からヨーロッパ戦線から軍隊を引き揚げて、10万人も樺太へ集結させていた。そして広島に原爆が落とされた3日後の8月9日に北方領土と樺太そして満州に一斉に攻め込んだのである。ソ連は20年もかけて領土拡張の戦略を練り、米国や日本にスパイを送り込み実行し、まんまとやり遂げた。
 ルーズベルトはスターリンや毛沢東と組んだ、ヤルタ協定は元大統領のブッシュも恥ずべき政策だったと誤りを認めている。米国の保守主義は日本の核武装を歓迎するだろう。米国議会はヤルタ協定はルーズベルト個人が結んだもので、米国政府が正式に認めたものではないとまで決議している。だから、日本は北方領土と南樺太の領有権に関して米国議会と協力できるのである。

 ルーズベルトは第2次大戦で国境を変更しないと明言していたが、ヤルタ協定でスターリンと取引した。東欧や満州をソ連にくれてやる約束をしたのである。旧満州はソ連と中国の切り取り放題を認めた。ポーランドとバルト海三国、ラトビア、リトアニア、エストニアはこうして戦後ソ連に組み込まれた。中国は1951年にチベットへ軍隊を送り併合した。チベットはいまでは中華人民共和国の一部になってしまった。かつての大帝国モンゴルも中国の属国化が進む。元横綱朝青龍がモンゴルに急激に漢人が増えて困ると悲鳴を上げている。チベットの向こう側のウィグル自治区にも中国はたくさんの強制収容所をつくりウィグル人の人権を蹂躙している。これらの発端がヤルタ協定であり、ソ連と中国共産党の戦略の結果である。チベットを併合しただけでは気がすまず、中国はその版図を広げようと「一衣帯水」と称して現代のシルクロードをつくりあげ、モンゴルやその向こうのウィグルにも触手を伸ばしている。あくなき領土拡張の欲望が中国共産党を動かしている。米国の保守主義者はほぞをかんでいるだろう。戦略での負けは取り返しがつかぬ。

 明確な戦略をもって20~30年の歳月をかけて布石を打って、領土拡張を図ったソ連と中国、ソ連は米国政府内部にまでスパイ網を構築して米国と日本を対立に持ち込み、戦争に追い込んだ。中国が米国内部で南京大虐殺のキャンペーンを組織した。関係のない写真をばらまき反日宣伝をおこない米国国民を対日戦争に誘導した。日本が真珠湾を奇襲した12月8日の翌日に、中国共産党は「これで対日包囲網が完成した」とアナウンスしている。米国と日本は見事にしてやられたのである。

 戦略のない外交がいかに脆弱なものかはソ連と中国の領土拡張の歴史を見ればよくわかる。安倍政権は戦略なしに、北方領土問題をロシアのプーチン大統領と話し合うという。詰将棋が詰んでしまってから形勢の挽回をしようとするようなもの。日本外交はまるで子ども、幼児性がいまだに抜けぬ。
 適切な戦略があれば北方四島返還はできるのだよ。

 千島歯舞居住者連盟のみなさん、根室高校北方領土研究会のみなさん、そして日本共産党のみなさんもVERONA文書に関心をもってください。ヤルタ協定は無効です、それが米国議会の正式見解ですから、北方領土返還運動で日米は協力できます。

*#195「少し過激な北方領土返還論」:MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
⇒ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07


 ところでこの文書は2010年に翻訳①が出ているのだが、値段が3万円以上もする。原著で読もうと思ってamazonで調べたら、代金引換やコンビニ決済が利用できない区分になっている。ネットで銀行口座を入力するのは危なくてやる気がしない。さて、どうしたものかの。amazonはどういう基準で代金決済に制限をかけているのか、ご存知の方がいたら教えてほしい。
 東京で書店回りをする体力があるかどうか。電車に乗って洋書のある書店へはスキルス胃癌の術後は一度も行ったことがない。混んでいる電車で立っているのは辛い、無理だろうな。あんなに本屋を回るのが好きだったのに…

 これらの本は暗号が誰宛てなのか、だれが発信した者なのか、歴史と照らし合わせて個人を特定している。
 ③の本が2014年の出版で一番新しい。解析がさらに進んでいるようなのでこちらを読みたい。大東亜戦争への見方ががらりと変わる。ルーズベルトは米国政府内部に構築されたソ連スパイ網でいいように踊らされていたのだ。

 なお、ウィキペディアは米国政府内部に構築されたソ連スパイ網の実名リストを挙げている。
*https://ja.wikipedia.org/wiki/ベノナ


ヴェノナ

ヴェノナ

  • 作者: ジョン・アール・ヘインズ
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2010/01/30
  • メディア: 単行本
Venona: Decoding Soviet Espionage in America (Yale Nota Bene)

Venona: Decoding Soviet Espionage in America (Yale Nota Bene)

  • 作者: John Earl Haynes
  • 出版社/メーカー: Yale University Press
  • 発売日: 2000/08/11
  • メディア: ペーパーバック
The Venona Secrets: The Definitive Exposé of Soviet Espionage in America (Cold War Classics)

The Venona Secrets: The Definitive Exposé of Soviet Espionage in America (Cold War Classics)

  • 作者: Herbert Romerstein
  • 出版社/メーカー: Regnery History
  • 発売日: 2014/12/08
  • メディア: ペーパーバック

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