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#3851 無限級数:『πとeの話』Nov. 11, 2018 [44. 本を読む]

 11月11日、ぞろ目の日ですね。昨日一日中降り続いた雨があがって快晴です。サイクリング日和、走ってこようかな。

 わたしの専門は会計学や原価計算、そして経済学です。学部と大学院は文系ですから、理系分野の専門家ではありません。コンピュータシステムについては仕事で経営情報系統合システム開発を担当していた時期があるので、その分野では当時国内トップクラスのSEの専門知識と経験がありますが、やはり根っこは「文系」です。   
 どういうわけか大きな本屋に行ったときに探すのは数学専門書コーナー。(笑)
 もともと好きなんでしょうね。複式簿記は特殊数学の分野の学問で、美しい体系をもっています。高校時代は簿記が大好きでしたから、そこを入り口に公認会計士2次試験参考書(当時は7科目、簿記論・会計学・原価計算・商法・経済学・経営学・監査論)をつかって勉強してました。教えられる先生がいませんから、独力でやるしかありません。勉強しながら、その体系が美しいと感じるこころはどうしようもありません。公認会計士二次試験講座の経済学は近代経済学でしたから、バランスをとるために高校2年生の時に読んだマルクス『資本論』はその体系の仕組みがさっぱりわかりませんでした。これだけは歯が立たなかった。(笑)
 マルクス資本論体系を理解し、それを超えること、それが大学院へ進学する動機になりました。学問(数学)の最初の体系的な叙述であるユークリッド『原論』は美しくてまぶしいくらいです。20代のころはまさか、『資本論』と紀元前に書かれたギリシアの数学書である『原論』がむずびつくとは思っていませんでした。世界中の経済学者はだれもそんなこといいませんが、演繹的な体系叙述という点で共通しています。(笑)

 10月下旬に東京へ行ったついでに、ワンフロアでは日本一広い売り場の多摩センターの丸善を覗いてみたら、面白い本がみつかりました。『π(パイ)とeの話』という本です。
 πが何種類もの無限級数で表現できることに数字の魔術を見る思いがします。π/2(ウォリスの等式)、π/3(ウォリスの等式)、π/4(マシーンの等式)、π/6、π/8、π/12、π/24、それぞれの無限級数と証明が載っています。
 ウォリスの等式は「(sin x)/x」から導かれる。


 指数関数も三角関数も無限級数で表すことができるので、指数関数を三角関数で表すようなことが可能になります。
   e^iΘ=cosΘ + isinΘ

 オイラーの公式と呼ばれているものです。美しいでしょ。
 このように無限級数は指数関数と三角関数の最大公約数のような役割を果たします。両方の分野にかけられた橋のようなもの。
 高校数学の数Ⅲ「数列」の章の最後に無限級数がちょっとだけ顔を出しますが、関数の無限級数展開は数Ⅲの微積分でも扱われません。好奇心の強い高校生用になんとかならないものかと思います。

 ところで、π(パイ)と並ぶもう一つの代表的な無限小数であるネイピア数eについてはシグマ記法を用いたものが14通り掲載されています。
122-123頁にはe級数が24通り載っていますが、最後のものは「オイラーの恒等式」です。シンプルで美しい。オイラーってどういう頭していたんでしょ、会って話をしてみたい気がしますが、タイムマシンがなければ無理ですね。

   e^iπ-1=0

 さて、どうしてさまざまな無限級数がπやeに収束するのでしょう?
 無限級数の世界は美しい、宝の山かもしれません。



πとeの話―数の不思議

πとeの話―数の不思議

  • 作者: Y.E.O.エイドリアン
  • 出版社/メーカー: 青土社
  • 発売日: 2008/09/25
  • メディア: 単行本


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