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#3822 避難所への電気の供給:政治の役割 Sep. 15, 2018 [12. 自然災害への備え]

 秋晴れ、8時の気温17.9度、北北東の風1.6m/s、湿度85%、いい天気だ。

 こんなにいい天気でも、四百年に一度の千島海溝を震源とする巨大地震が近づいている、明日起きても不思議はない。7月初旬の西日本の水害や9月の北海道胆振東部地震はいろんなことを教えてくれているのではないだろうか。

 その中の一つが避難所の生活の質の問題である。水と下水とトイレ、そして電気が確保できていれば避難所生活の身体的・心理的なストレスが小さくできるだろう。水が使えなくても下水が使えなくてもトイレは糞便で溢れ、周囲に悪臭を放つ。真っ暗闇の中で情報がないのも困る。テレビで周囲の様子を確認出来たら状況が的確に把握できる。
 携帯電話の電源確保も欠かせない。わたしのところにも安否をメールで確認してくれたS君やT君がいた。T君からは20年ぶりの音信で思いがけないことだった。1週間電気が止まりそうだったから、携帯電話の電源を落として節約し、申し訳ないと思いながら返信は簡単に済ませた。
 地震翌日に前期期末テストが予定されていた柏陵中学校の生徒から連絡があり、定期テストが月曜日に延期になったというので、金曜日は時間を早めて3時から4人の生徒に授業をしたが、4時半ころには暗くなり蝋燭をともして授業をした、それはそれで楽しいものだった。そんな話を後でしたら、高校3年生が「ろうそく授業、わたしもいけばよかった」そう言っていた。一生に一度のチャンスだっただろう。(笑)

 話を元に戻そう、避難所だが、幸いに、根室は少子化が進んで、小学校や中学校がすでに廃校になったところやこれから次々に廃校になるところが目白押しである。そしてこの5年ほどで耐震改修済みの施設が多い。災害の際にはこうした施設が避難所になるのだろう。
 学校だからグラウンドがあるし、周辺に空き地もあるから、そこに小型の風力発電数基と太陽光パネルを設置すれば非常時に最低限の電気を自給できる。成央小学校は元「色媛」(造り酒屋)の水源だから、井戸を掘れば良質の水がでる。汲み上げる電動ポンプが必要だ。

 普段から、小型風力発電や太陽光発電の電力を使用していれば、災害時にもスムーズに電力供給できる。余った電力は平時は北電に売電すればいい
 北電はこうした余剰電力の購入に制限をかけているが、そこは政治の出番だ。電力供給の安全のために避難所予定の施設からの余剰電力については強制的に買わせるように制度を換えたらいい

 根室市長が北海道庁あるいは北海道知事そして政府にオフィシャルに働きかけたらよい。根室管内1市4町で共同で働きかけたらもっと良い、被害が予想される根室釧路管内こぞって広域で働きかけることができたらもっと素晴らしい。四百年に一度の巨大地震と津波は道東太平洋岸に甚大な被害をもたらすから、道東太平洋沿岸地域に共通の死活問題であり、被害が予想される地域がこぞって考え対策を用意したいものだ。
 ようするに、自分たちでやれる努力をふだんからひとつひとつ積み重ねることが大切なのだろう。自然災害は避けようがないが、具体的に手を打った分だけ被害は小さくできる。

<余談>
 9月6日午前3時の地震で、エレベータのない住宅の3階や4階は水道が止まり、トイレに水を流すのに困った。幸い水道局の人が来て1Fの外に蛇口を二つつけてくれたという。生徒の一人はせっせとポリタンクで水を運んだ、「とってもたいへんだった」という。若い人がいる家はいい、根室の人口は26000人、そのうち老人はおよそ8000人、老々介護の家が増えている。水を運べただろうか?災害時には近所の助け合いが必要だ。
 民生委員の方が地震の後で、老人が住んでいる家を戸別訪問をして、調査票に記入していた。地震をきっかけに具体的な調査を実施し、それに基づいて具体的な災害対策を練ることは結構なことだ。市役所のホームページで調査結果と具体的な対策をアナウンスしてもらいたい。
 石垣新市長はオープンな市政へと方向転換できるだろうか、マネジメントの力量が試されている。



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猩覚

太陽光発電設備も風力発電設備も、発電した電力を「売電」の形で、「北電の送電網を利用」しているんじゃ。

今回のように完全に停電すると、送電網が利用できなくなるんじゃ。

それに、太陽光、風力、ともに「屁の突っ張り程度」しか発電していませんので、今回のような時には、何の役にも立ちませんね。

個人宅や個々の企業で、「発電した電力を、独自で利用」しているのであれば、「電力供給を切り替える」だけで、電力確保は出来るので、発電設備を所有していた方々は、ある程度ですが、どうにか電力確保を出来ていたようです。
企業の自家発電も結局化石燃料の灯油や軽油を利用するので、燃料確保問題がでてきます。

太陽光だけで火力発電所の代替えをするなら、「天候に関係なく発電できること、火力と同等以上の発電量」と、夜間に火力発電所で発電している量の、「夜間に送電できるだけの蓄電設備と、蓄電できるだけの余力」が必要になります。

はっきり言って、「現状では、不可能」。
太陽光パネルを成層圏にでも設置しないと無理です。それが可能になったら、ガンダムのようにコロニー移住になる。

もし、太陽光と風力で今の火力発電が発電している量を作り出す場合、「北海道のどこに行っても、どこを見ても、風車と太陽光パネルが存在する状況」にしないといけません。それは住民とほぼイコールの設置規模になるので現実的に困難。

だいたいにして、現状でも太陽光発電や風力発電で、「自然環境、生態系への被害」が出ているのはご存じないのでしょうか?
風力発電で砂漠化が進行という論文や太陽光発電のパネル設置で自然が破壊という論文もある。
結局、人間が携わるものに必ず弊害があり、それと共存する力が個々に必要。
by 猩覚 (2018-09-15 09:55) 

ebisu

猩覚さん
「屁の突っ張り程度」の発電で十分です。
避難所だけのクローズドの世界のことですから。それも常時供給されてなくてもOKです。一日数時間発電できるだけでも役に立ちます。

災害時には北海道電力の送電網がとまるのは当然でしょう。だからこそ、避難所だけ独立で電力供給できればいい。
浄水場も小規模風力発電や太陽光で数時間発電できるだけでも一日数時間は全家庭に飲料水やトイレの水が供給できます。そんな程度でいいのです。災害時に北電の送電網を使う必要のないシステムになっていればいいのです。
ふだんは、余った電力を送電網に流すだけ、平時は送電網が生きてますから大丈夫です。
下水処理場が一番電気を食いそうです。幸いなことに下水処理施設は住宅街から離れたところにあるので、小規模風力発電装置を何基か取り付けることに問題はなさそうです。太陽光パネルもね。
平時に使っていないと災害時には動かないと考えたほうが安全です。

いま消費している電力を全部再生エネルギーで代替しろという話ではありません。避難所や浄水場、そして下水処理施設に限定しての話です。

もちろん太陽光発電パネルが30年で産業用廃棄物になるのは承知していますよ。大型風力発電がバードストライクや低周波公害を起こすことももちろん承知しています。だから「小型風力発電」と書きました。
サイクリングに行くたびに、大型の風力発電所が目に入ります。回転がゆっくりのようでも先端部分は時速百キロを超えるような速さで回っています。

エアコン室外機ですら低周波公害の原因になりえます。下のフロアの人が天井から吊り下げタイプの室外機を使っていると、古くなると上の階の床面に低周波騒音が伝わります。他人によって聞こえたり聞こえなかったりしますが、聞こえる人にはたいへんなストレスです。

根室市が消費する全電力を再生可能な自然エネルギーにしろという話ではありません、ずっとスケールの小さい話です。
災害時のリスクをいかにして減らすか、30年に一度避難所や下水処理施設の周囲に設置した太陽光パネルを交換するのは許容範囲のコストと考えましょう。
その処理コストも、「災害対策積立金」として、毎年の予算の組み込んで積み立てていけばいいだけではありませんか。

by ebisu (2018-09-15 10:31) 

猩覚

>風力発電で砂漠化が進行という論文
これ間違えじゃ。わしの勘違い。
すまんのう
風力発電が砂漠の緑化に貢献するという研究報告もある。
自然にとってはありがたい発電ですじゃ。
by 猩覚 (2018-09-15 10:33) 

ebisu

災害時に送電網がストップするので、下水処理施設に一番近い既存の風力発電所から電線を引くことを検討してみたらと弊ブログで以前書きました。間にあるのは原野や牧場ですから物理的には問題がなさそうです。コストがいくらかかるのか試算してみたらいい。そのうえでやるかやらないか決めたらいいのだろうと思います。
センター(苫東火力発電所)がとまれば、ペリフェリ(辺縁部、たとえば根室)への電力供給が100%ダウンしてしまうというシステム上の問題があるということが北海道胆振東部地震の教訓です。
災害時に必要なインフラを動かす最小電力を地域単位でどのように確保するかという問題意識を持つべきでしょう。

小規模でも、各地域が独立して電力供給ができる体制をつくっていくということも、災害に強い町づくりにはかかせないことです。そのことに異論のある人はほとんどいないとおもいます。

できない理由をたくさん挙げて何もしないのでは意味がありません、何が可能か棚卸して、できるところから手を付け、長期にわたって取り組むべき課題をはっきりさせて、それはそれで着実にことを進めたらよろしいのではないでしょうか。

by ebisu (2018-09-15 10:44) 

ebisu

猩覚さん

風力発電は砂漠化の問題はなくなりましたか、訂正投稿ありがとうございます。そうすると低周波騒音とバードストライクだけですね。小型風力発電だとバードストライクの心配がなくなります。

何かの論文を参考にした場合は、その論文が掲載されているURLを表示いただけたらありがたい。
by ebisu (2018-09-15 12:06) 

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