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#3808 成績上位層がスポイルされている Aug. 20, 2018 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

  #3809「成績下位層もスポイルされている」とセットになっているので、併(あわ)せてお読みください。

 議論の前提として、成績上位層を上位10%と定義しておく。根室高校1年生は175人、このうち普通科が115人である、7月の進研模試で全国偏差値50(平均値)は16番。つまり、根室の場合は学年上位10%は進研模試偏差値でいうと全国偏差値50以上の生徒ということ、商業科や事務情報科にも数人くらいはこのゾーンの生徒がいるかもしれないが、議論を普通科だけに絞る。
 問題は大きく分けて二つある。一つはこのゾーンの生徒の学力を伸ばす授業やシステムの提供二つ目は大学進学後に根室に戻ってくるための受け皿作りである。

 現在の高1の生徒たちが中3の時の学力テスト数学の点数を見ると、総合Cで10点以下がBC校114人(56+58)中43人(25+18)、37.7%いる。平均点がB校14.5、C校10.9だから、問題の難易度がめずらしく高かったようだ。2月の模試では17人(6+11)、14.9%いた。

(根室の市街化地域のBC両校の五科目合計点は釧路市内の14校、別海中央、中標津の中学校のなかで最低レベルである。)
 おおよそ、1/4は中1程度の計算能力に問題があると推定される。「大問1」は計算問題と短文章問題で18点の配点があるが、そこで半分得点できたら9点だ。

 数学の成績上位層を60点満点で41点以上と定義すると、学力テスト総合Cでは2人(1+1)、2月の模試では5人(3+2)にすぎない。多い方でとっても5%未満である。模試31点以上は26人(16+10)で22.8%である。
 20点刻みで2月2日模試数学を3階層を分けると、上位が5人で4.4%、中位が51人(26+25)で44.7%、下位が57人(27+31)で50.0%である。数学は成績下位層が上位層の11倍いる。

  英語のほうも見ておきたい。2月2日実施の模試英語ではBC両校の41点以上は9人(5+4)で7.9%、20点以下は51人(23+28)で44.7%、10点以下は10人(4+6)で8.8%となっている。
 英語の得点を20点で階層を3つに区切ると、上位が7.9%、中位が47.4%、下位が44.7%英語は成績下位層が上位層の5.7倍いる。

 成績上位層の枯渇化現象成績下位層の肥大化現象同時進行している。英語よりも数学のほうがその程度が激しい。

 表にまとめておく。
       2月模試数学                 英語
41-60点   5人(3+2)      4.4%    9人(5+4)      7.9%
21-40点 51人(26+25) 44.7%  54人(28+26) 47.4%
0-20点   58人(27+31) 50.9%  51人(23+28) 44.7%

 合計      114人(56+58)              114人(56+58)

 学年トップ10%の成績上位層の生徒たちはふだんの授業に飽き飽きしているだろう。数日前にyouTubeである先生の数学の講義を見た、剰余系のところだったが至れり尽くせり、とても丁寧なビデオ授業だった。集団授業では先生たちは授業計画をつくり、事前に調べ、授業案を練り、予定通りの丁寧な授業を心掛ける。そうした授業は根室高校普通科でいえば、『数Ⅰ Standard』『数A Standard]』及び準拠問題集『WIDE数学Ⅰ+A4』は中学時代の60点満点の学力テストで得点30点以上の中上位20%くらいの生徒たちに焦点を合わせた教科書と問題集であり、学力別に5段階編成クラスにはなっているが、どれも同じ教科書を使用しているので、授業内容もそれほど差がないから、最上位層の5%と30点未満の75%の生徒たちに焦点があった教科書・問題集とは言い難いのではないだろうか。
 学年全体を見渡せば、おおよそ1/4の生徒が中1程度の数学の計算問題になんらかのトラブルを抱えているから丁寧な授業でも、中1にさかのぼって分数や小数の計算からやり直さないと理解できない。高校数学を何とか理解できるのは60点満点の学力テストで30点以上を得点できた者たち、それは26%に過ぎないから上位1/4の層である。そして最上位の5%には実に退屈なのだ。成績上位層に手とり足とり風な解説はいらない、大事なことだから具体例を引きながら理由はおいおい明らかにする

 上位5%に焦点を合わせた集団授業なんてありえないし、無理な注文であるだが、トップ10%の学力層の育て方次第で、根室の地域医療の30年後はまったく違ったものになるだろう。

 さて、問題はこの枯渇化現象を起こしている成績上位層の生徒たちを①地域の担い手としてどのように育てるか、そして②成績上位層の子たちが古里に戻って来たいと思えるような企業を根室にどのように作り上げるかということである。片方だけでは地域の未来がしぼむ、両方揃って一つの完結したシステムとなる。

 カテゴリー「成績上位層にかかわる諸問題」というタイトルで区分を設定したので、順次アップしていきたい。


#3684 根室高校入試倍率:定員240人に対して出願者数175人 Jan. 29, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-01-29



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