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#3780 アリとキリギリス:西日本豪雨災害⇒死者203人、不明50人近く July 14, 2018 [12. 自然災害への備え]

 今朝(7/14)の北海道新聞一面の見出しによれば、西日本豪雨で死者203人、行方不明50人近く、避難者5800人と出ている。地震でもない、台風でもない、それなのにこの甚大な被害である。浄水施設が土石流で埋没し、1年先でも水道復旧の見通しの立たぬところもある。道路、水道、電気などのインフラが途絶してしまえば、もどって生活が成り立たないから無人地帯になるしかない。

 わたしがこのような災害に遭えば、どうしようもない。スキルス胃癌を患い胃の全摘、胆嚢切除、大腸一部切除手術をしているから、体育館で避難生活をしたら急速に体力を消耗するだろう。水道が止まればトイレの使用が制限されるから食べる量を減らすしかない。血糖値は下がるし、血圧も普段から50-90程度しかないから、生きているのがたいへんだ、まあ、これまでか、しかたなしとあきらめればいいだけ。若い人たち、とくに子どもたちが気の毒だ。

*読売オンラインニュース
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180713-OYT1T50127.html?from=ytop_main3

*平成最大の豪雨災害 被災前後の写真で見る爪痕(日経新聞)
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/disaster-map/?n_cid=DSPRM1489

 一月以上も体育館での避難生活があたりまえとなっているようにみえるが、世界第3位の経済大国であり、産業の技術水準も高いのにどうしたことだろう。ほんとうに改善できないのだろうか?民間企業は日々仕事の改善をして仕事のレベルを上げているが、公的セクターは改善が下手なように見える。他の地域の失敗に学ばないからだろう。

<スフィア基準>
*https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0501.html
「スフィア基準」は、アフリカ・ルワンダの難民キャンプで多くの人が亡くなったことを受けて、国際赤十字などが20年前に作りました。
居住空間:「1人あたりのスペースは、最低3.5平方メートル確保すること」
トイレ設置基準:「20人に1つの割合で設置」「男性と女性の割合は1対3」
2年前、大地震が起きたときのイタリアの避難所。発生から72時間以内に、家族ごとにテントやベッドが支給され、衛生的なトイレも、整備されたということです。」、日本もそうありたい。
海外では、被災者の置かれた環境が悪いことを人道的な問題ととらえている

<イタリアの災害対策事例>
 イタリアは災害があれば被災地へ三つのものが届くそうだ。
トイレ
キッチンカー(千食調理できる)
プライバシーが確保できるベッド及びテント
 
テントにはダクトで空気を送るようになっている。それぞれが被災者の窮状を緩和するためにグレードが高い。食事は1週間後にはフルコースへと変わる。
 URLを添付しておくので写真をご覧いただきたい。

 普段から準備できるものばかりだ。道路が途絶したときのことを考えて、輸送機器を開発しておけばいい。物資を被災地へ運ぶのと被災地から被災者を救い出すための輸送機器の両方を。
*イタリアの避難所に真っ先に届く三つのものとは
https://diamond.jp/articles/-/171495

  学術論文では次のような研究があります。
*イタリアにおける大規模災害と公共政策 −2009年アブルッツォ州震災の事例を中心に−
http://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/19954605.pdf


<数百年に一度あるいは千年に一度の巨大災害>

 東南海連動型巨大地震と津波過去5500年間に15回起きている四百年に一度の根室沖巨大地震は道内太平洋沿岸各地に20mの津波を生じる、関東大震災からすでに95年がたったから次の首都圏直下型地震、富士山大噴火、これらは明日起きても不思議ではない。九州鹿児島湾内の巨大カルデラ火山噴火はいまのところは確率が低いが起きたら未曽有の大災害となる。
 
こうして列挙すると日本列島には大災害は目白押しだが、わたしたちに準備はできているだろうか?

<まず、小さなことからやろう>
 根室市はふるさと納税で潤っている、浮かれてそのお金は使っている余裕があるだろうか、災害に備えて全額備蓄すべきだ。根室沖巨大地震が30年以内に起きる確率は78%で全国でもトップクラスの高さだ。広報根室によれば13億円も使ってしまうという、イソップのキリギリスそのもの。
 成央小学校のところは昔、「北の勝」とは対照的な「色媛(いろひめ)」という甘口の酒の酒蔵の水源であった。そこから現在のヒシサンのところまで湧き水を引いていた。わたしの家では、小学生のころまでその水を汲んできて飲み水にしたりお茶を淹れて飲んでいた、まろやかでおいしい、なによりカルキ臭くない。災害に備えて井戸を掘って蛇口を20個ほど用意しておいたら、ずいぶん助かるだろう。災害用の井戸には自家発電設備も必要だ。落石地区にも歯舞地区にも納沙布にも井戸が用意してあれば、災害時に水道管が断裂してもしのげる。水があれば水洗トイレも使える。
 耐震改修済みの小中学校がまもなく4校廃校になるから、その教室を簡易パーティションで仕切れば体育館よりはましだろう、組み立て用の部材を備蓄しておけばいい。教室もいくつかを食堂にできるから、これもテーブルや食器などの備蓄があればスムーズにいく。みんなで英知を集めたら、自助努力である程度の備えはできる。そうする意思があるかないかが問われている。
 根室沖巨大地震と津波が起きたときに備えて何ができるのか、市民自由参加で月2回日曜日に市総合文化会館の一室で議論したらどうだろう?閉鎖的な「~委員会」はつねに判断を誤ってきたのではないか。災害が起きたときの具体的な行動計画や被災地域の具体的な復興ビジョンが用意してあればただちに実行できる。
 根室だってやり方次第で有効な災害対策は立てられる、では国はどうだろうか?

<備えあれば患いなし>
 60兆円しか歳入がないのに毎年百兆円の歳出予算を組む政府、ここにもイソップ童話のキリギリスがいる。借金を増やし続けることに一生懸命で、災害への備えがまるでない。災害対策の半分は災害が起きる前に備えておくのが本来のやりようだろう大災害が起きてからでは間に合わない、後の祭りのことがいくらでもある、東北大震災による福島第一原子力発電所の3基の原子炉メルトダウン事故でも、今回の西日本豪雨でもはっきりした。
 泊原子力発電所でメルトダウン事故が冬の西風の吹いているときにあったら、190万札幌市民の大半は避難できない、ただ被ばくするのみだ。放射能は日高山脈を越えて十勝平野と根釧原野を汚染する。そして降り注いだ放射能はいずれ川を通じて豊かな漁場を汚染していく。地元でとれる農産物や水産物が食べられないという状況が生まれる。農産物も水産物も北海道からの供給がとまれば価格が暴騰するから、首都圏の消費者も他人事ではない。そういう事態を招かぬためにいま何をすべきか、原子力発電所に関しては論を俟(ま)たないだろう。即時廃炉である。

 アリさんはせっせと働き備蓄をする、その備蓄は何かあったときに取り崩すことができる

 異次元の金融緩和で金利をゼロにして借金の山をさらに膨らませたところへ、大災害が二つ立て続けに襲ったら、どうなるのだろう?
 ない袖は振れないということになる
 千数百億円の国民の金融資産がゼロになる危機が迫っている。終戦前後に2度、大蔵省令で預金凍結措置がとられ、預金はパーとなった。あの悪夢を知っている人たちのほとんどがすでにこの世にいない。
 返さなくてよい借金などないのだよ、政府の借金だからと油断していると、政府が払えなくなれば、国民の金融資産を凍結して贖うことになる。
 円からドルやユーロの外貨資金へ転換しておいた方がよさそうだが、海外の銀行はよくつぶれるから信用できない。ほとんどの国民はなすすべがないだろう。座して大災害をまつことになる。

<koderaさんの提案>
 koderaさんが面白いことを書いている。災害救助やその後の復興活動という大きなニーズがあるから、ビジネスチャンスだというのだ。内需拡大というやりかたで日本の産業界が目指すべき方向を示している。今回はkoderaさんのブログとのアンサンブルだ。

*災害対策こそニーズ
https://blog.goo.ne.jp/badmintonmusume/e/e3f35ba4386c6d07da7d3651a41694f4

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 豪雨災害のニュースを見るたび、もう少し自衛隊の装備を近代化できないものかと考えてしまいます。無限軌道のバス水陸両用に創れば避難は楽。山間の農村をGPSと小型無人ヘリで誘導し、犬ロボットで先導すれば被害は最小にできるかも

 駆逐艦級の病院船を創り、海の有る都道府県に停泊させておく、自衛隊の海外派遣もこの病院船に活躍してもらう。きちんと赤十字のマークを付け、敵兵でも手当てする。救急車の創設者のように、ナポレオンがワーテルローの戦いで敗れても、感謝されていた敵から保護されることもある。

 上陸用水陸両用車を創り、津波や土砂の災害に迅速対応できるようにしておく。井戸を半日で掘る機械を創り、アフリカやイスラムの国を支援する。それは水に困った被災者に役立つはず。川沿いの市なら、どこでも水脈はあるだろう。水脈感知犬ロボットなど役立つはずである。

 日本なら3キロほど掘れたらどこでも温泉は湧くだろう水さえあれば、エンジンでお湯も沸く電気も発電できるだろう。ヘリコプターで固体リチウム電池を運び、避難所に電気を配達し、クーラーを使ってもらう

 日本は技術立国で生きるのが当面の策だろう。高齢者が多く、天災が頻繁する国だから、ニーズ分析で市場を創出できるはず。お金がかかる、素粒子研究や宇宙探索はアメリカや中国に任せ、弱者のためのロボット研究に集中すべきと高齢者のヨイヨイは考えてしまいました。
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 イソップ童話のキリギリスは夏の間歌ってばかりいたから、食べるものがなくて飢え死にするのだそうだ、アリさんはキリギリスを助けない。冬支度もせず夏の間に歌って遊んでばかりいたら、だれも援けてくれる者はいないというのがこのお話の本来の教訓、本当は怖いイソップ物語。

*#3782 アリとキリギリス②:水とトイレの災害対策 July 16, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-07-16


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ウソップ

アリのようにどいつもこいつもようわからん、変わりがナンボでもいてる様な生き方より、生を謳歌して得意分野の自慢の歌を競い合うキリギリスの様な生き方がええな。
by ウソップ (2018-07-14 22:47) 

ebisu

食べるものがなくて飢え死にするのが生を謳歌することになるのかな?
イソップ童話で生を謳歌しているのはアリさん。

でも冬に飢えることを覚悟で夏の間に歌をうたって暮らすなら、それも一興。ルバイヤートの四行詩に出てくるような高尚なキリギリスですね。(笑)

検索したらいいのがヒットしました。
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神よ、そなたは我が酒杯を砕き、
愉しみの扉を閉ざして、
紅の酒を地にこぼした、
酔っているのか、おお神よ。
右手に教典、左手に酒杯、
ときには如法、ときには不如法、
我らは紺碧の大空のもと、
まったくの異教徒でなし、回教徒でなし。
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https://ja.wikipedia.org/wiki/ルバイヤート
by ebisu (2018-07-14 23:12) 

ウソップ

つまらん生き方。
人、特に子供達に幼少期からそのつまらん生き方を強いてはあかんで。
童話は童話として万人が各々の解釈をさせるのが童話やないかい?
一方向に持って行くのはあかんで。
「歌って遊んでばかりいたら、だれも援けてくれる者はいないというのがこのお話の本来の教訓である」?
逆や並列も真なりとちゃうか?
「流されて働いてばかりいても、だれも援けてくれる者はいない」結局みんな個々の利益に執着するだけや。つまらんわいな。
そばでキリギリスが綺麗な歌を披露してくれてるのに恵銭も出さん、いや、出せへんのとちゃうか。貧乏暇なしや。
歌のない人生、ゆうて見たら楽しみのない人生に何の価値があるんかいな。
また、それぞれに特性があるんや。キリギリスは歌を歌うのがその特性やし、アリは機械の様にただ黙々と同じことを繰り返して行くのが生きがいや。
一方的に解釈するのはかまへんが、一方的に解釈させようとするのはようないな。
「食べるものがなくて飢え死にするのが生を謳歌することになるのかな?」と言うけど、
「歌や余興もなくただ自分(自分等)の食のためだけに働くのが生を謳歌することになるのかな?」と問うこともできるやろ?
童話からそれぞれがそれぞれの解釈したらええ。
それが童話や。じゃなかったらハナから小難しい教訓本か哲学書書くやろ。色々な含みを持たせることで芸術・文芸としての童話があるんや。
それに、そもそも、この童話買いとるヤツ等もキリギリス的とちゃうんかい?
まあ、個人のブログやから、個人の解釈を書くのも勝手やし。ただ子供達に一方的な解釈を植え付けるべきではないと、こちらの意見を述べるのも勝手やから、言わしてもろた。
by ウソップ (2018-07-15 09:44) 

ウソップ

訂正や
X 童話買いとる → ◯ 童話書いとる
by ウソップ (2018-07-15 09:50) 

ebisu

話がずいぶんそれているようで…
もとの記事をもう一度お読みください。
これから日本列島を襲う大災害が目白押しです。

そういう前提条件のうえで、最初にコメントしたように、ルバイヤートの主人公のような生き方も一興、それ相応の覚悟でね、と書きました。

あなたの生き方をとやかく言うつもりはありません、それはそれで結構ですが、公的部門がキリギリスでは困るという話です。
by ebisu (2018-07-15 10:38) 

ウソップ

ややこしこっちゃ。
記事の本質にそぐわん例え話入れるさかいや。

世のブロガーさんらの似てはるとこは、どちらさんも強情っぱりなとこやな。
by ウソップ (2018-07-15 21:38) 

ウソップ

そっか、わての生き方にとやかく言うつもりないんなら、何で皆のことああじゃこうじゃ言うとるんかいな〜?
わても皆んなの一部やで。
by ウソップ (2018-07-15 22:01) 

ebisu

なんだかわがままな子どもを相手にしているような気分ですが、も少しお付き合いします。(笑)

わたしのアップした内容を理解していると仮定します。
論旨に反対なら、大災害に対して公的部門はあらかじめ対策を講じる必要がないという意見でしょう。災害が起きてから対応すればよい。
それはそれで結構ですが、そういう意見ですか?

そうでないとしたら、あなたはわたしの書いていることの大きな筋=論旨を読めていないということになります。これは論理学的に真です。

あなたがそういう意見でないとしたら、公的部門は災害に備えて手を打っておくべきだという意見だとしたら、わたしの主張とは齟齬がありません。

ついでだから、トイレの問題に絞ってもう一本追加アップしておきます。事前の準備のあるのとないのでは大違いです。
by ebisu (2018-07-16 08:20) 

とんとろ

ebisu先生お久しぶりです。今日新聞を読みましたら、根室市で液体ミルクを備蓄するそうですね。少しづつ備えて頂けると助かりますね
by とんとろ (2020-04-03 17:08) 

ebisu

とんとろさん

「液体ミルク」は初耳でしたので、検索してみました。災害時にそのまま乳児に与えることのできるミルクですね。用意があるとないでは大違いですね。グッドニュースです。
近隣にも分けてあげられるぐらい備蓄したらいい。根室市はふるさと納税が多いですから。
明治乳業の液体ミルクのサイトを見つけました。雪印や森永もあるのかな?

https://www.meiji.co.jp/baby/hohoemi/?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=konamiruku2&utm_content=baby&yclid=YSS.1000326307.EAIaIQobChMIy_jizLXM6AIVgqqWCh1YeAozEAAYASAAEgIGgvD_BwE

成央小学校のあたりは昔あった造り酒屋「色媛」あったの水源でしたから、井戸を掘って自家発電で水が供給できるようにしておいてもらいたい。
20mの津波が襲うような地震があったときには水道が断水するでしょうから、そのための備えが必要ですね。お酒の仕込みに使っていた水ですから、そのままとってもおいしく呑めます。設備にたいしたお金はかからない。カランを10個ほどつけてあったらいい。
by ebisu (2020-04-03 23:09) 

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