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#3759 ブロック塀倒壊と圧死について:無関心と想像力の欠如について: Jun. 19, 2018 [8. 時事評論]

<大阪北部を震源とする直下型地震で塀が倒壊>
 M6.1、震度6弱の地震でブロック塀が倒壊し小学生が圧死した、なぜ?

 無関心と想像力の欠如、過剰なコスト意識の三つが招いた人災といってよいのだろう。

 昨日(6/18)道新夕刊の1面に倒壊現場、高槻市立寿栄小学校プール脇のブロック塀の写真が載っていた。2mほどのコンクリート塀の上に8段のブロック塀がつぎ足されていたようだ。塀の高さは3.5mある。建築基準法違反だそうだ。
 グリーンで舗装された歩道に覆いかぶさるようにつぎ足されたブロック塀が倒れているが、ブロック最下段には10㎝ほどの長さの鉄筋がたくさん見えている。既存の鉄筋コンクリート塀に穴をあけて鉄筋を埋め込みその上にブロックを載せて工事したのだろう。おそらくその鉄筋はブロック最上部まで延びている。わずか10㎝、既存の塀の上部に穴をあけて鉄筋を埋め込んだだけで地震があったらもつわけはないことは、施工業者も発注した側も、当時の小学校の先生だって朝工事現場を通って校門をくぐるのだからわかったはず。なのに、だれも指摘しなかった。
 まともなことを指摘するとヘン奴と思われかねない風潮があるのは事実だろう。しかし、ほんとうのところは、だれもそうした地震による倒壊と自分のところのブロック塀を関連付けて考えなかった、最悪の事態を想像できなかったということではあるまいか。そして安く済ませようとした

<鉄筋コンクリート製の頑丈な塀にした経緯>
 30年前にオヤジが家を郊外に建てた。店舗と住宅を別にしたいとおふくろの従来からの希望だった。
建てたのはいいが、角地だから庭を中学生や高校生が横切って歩くので、オヤジが塀を回すという。たまたま東京から帰省した時にそんな話をするので、通学路なのでブロック塀は地震に弱くて危険だからダメという話をした。地震でブロック塀が倒壊したというニュースを何度か目にしていたからである。オヤジも知っていた。
 オヤジはすぐに聞き入れてくれて「鉄筋コンクリート製の倒壊しない丈夫な塀」を大工さんに造ってもらった。高さ140㎝の塀だが、下に同じくらいの深さまで基礎が埋まって太い鉄筋が縦横にしっかり入れてある。家が倒壊しても塀は大丈夫だ。もちろん相応のお金をかけた。こういうところをケチってはいけない。家は中学校の前、小学生の通学路にもなっている。

<小中学生へのオヤジの特別な思い>
 元落下傘部隊員だったオヤジは還暦を迎えて一輪車に乗り始めた、本を取り寄せて独習して乗りこなせるようになり、孫たちや小学生に教え始めたが、体協の資格がないとダメと言われて、試験を受けて体協指導員の資格を取った。数人の先生たちが応援してくれた。市街化地域の2小学校にそれぞれ一輪車を十台くらいずつ寄付して、子どもたちに一輪車の乗り方を教えたようだ。
 だから、「通学路だから地震に弱いブロック塀はダメ」というわたしの意見ににっこり頷いて、すぐに大工さんに手配したのである。他人(ひと)にはやさしいオヤジだった。祖父が飲む・打つ・買うの三拍子で、明治の終わりごろに50万円もあった財産を使い果たした。そして住む家さえ失い、長屋住まい、貧乏のどん底で苦労したからだろう。苦労は人を磨く。

<四百年に一度の根室沖巨大地震と津波は明日かもしれない>

根室は四百年に一度の大津波を伴う地震の危険期間に入っている。根室沖を震源とするM9クラスの地震がいつ来ても不思議ではない。
 大阪で直下型地震、高槻市の小学校のプールの塀が歩道側に倒れて、小学生が下敷きになり心肺停止状態、なんと悲しいことよ、予防は可能だったはず、抜いてはいけないところの手を抜くからこういうことになる。事故でも天災でもない、人災である。
 こうしたことが根室沖巨大地震ではないことを願う。

<ふるさと納税は全額災害に備えて積み立てよう>

 ふるさと納税はあぶく銭である。根室沖巨大地震はいずれ起きる。その時に備えて資金をためなくてはならない。1円も使ってはならぬ。9月に市長選挙があるが、災害に備えて全額備蓄するという候補者があれば、応援したい

*「大阪震度6弱:ブロック塀危険性 外部専門家が2度指摘」6/22
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/大阪震度%EF%BC%96弱ブロック塀危険性-防災教室講師が%EF%BC%92度指摘/ar-AAyZiDn?li=BBfTvMA&ocid=spartanntp#page=2


 *写真はポインターを写真において、左クリックしたまま左右どちらへ引っ張っても全画面がでます。

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コメント 2

tsuguo-kodera

 先生らしい記事ですね。私は見栄えだけの安普請の理由は袖の下のためだと思いました。
 以上が無いかの検査などしたとは思えない。経費を安くして、体裁を繕うのが、小童役人。水戸黄門の時代からです。
 ebisu先生とお父様は例外の人。もちろん、例外の人は他にもいるでしょうが、多くは我関せず、だから小童役人が良い思いをするのです。
 人はダメな生き物だと、最近つくづく思います。松戸の渋谷被告は凄い。自分の欲望のために、あんなことをしたとは。ネットの情報や週刊誌の記事など紹介することすら、出来ません。
 オール根室もオール松戸も同じです。今の自分に利益があるなら、後世など関係ない。大企業の資材部でもありました。アウディの会長すらそうなのでしょう。
 人に未来はない、自分もその一員。本当に情けないです。
by tsuguo-kodera (2018-06-20 13:22) 

ebisu

koderaさん
視点の違うご意見、なるほどそういうこともあるかと頷いています。
「経費を安くして、体裁を繕うのが、小童役人」

大企業の資材部の話は、わたしのいた会社でもありました。取引額が大きいのでありがちです。わたしが購買課にいたときも2人いました。それが理由かどうかは定かでありませんが、二人ともまもなく会社にいられなくなってます。
業務部でもありました。外注が絡むと1社だけで年額10億円もの取引額になるケースがあります。毎月150万円受け取っていた社員がいました。所得税がかからないから月収200万円相当額です。こういうことが簡単にできてしまいます。よほどしっかりしていないと、権限が大きいので危うい。自分さえよければと思って仕事する人はすぐに付け込まれます。

高槻市教育委員会はいまごろ慌ててチェックして回っているのですから、あきれてものが言えません。いままで何してたんでしょ。業者へだれが仕事を発注したのか、だれが決裁印を押したのかまで調べないでしょうね、歴代教育長も学校教育部長もちゃんと仕事してなかったという不都合な真実が次々に明らかになるでしょうから。
大げさな話ではありません、それぞれの関係者がひとりでもちゃんとした仕事をしていたら、防げた事故です。
自分の子どもが、自分の孫が犠牲になるのではないかと考えて仕事してもらいたい。

by ebisu (2018-06-20 13:51) 

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