#3756 複素関数(1):e^iΘ=cosΘ+isinΘ June 17, 2018 [53. 数学四方山話]
e^iΘ=cosΘ + isinΘ
言わずと知れたオイラーの公式である。指数関数が三角関数で表現できる、橋渡しをしているのは無限級数である。こういうことは高校数学では習わないが、高校数学を一段高い地平から眺めて、統一的な視点を確保するのは無駄ではない。なにより、このオイラーの公式は美しい。オイラーという人は無限級数オタクだったのではないだろうか。
複素平面を使ったオイラーの公式の解説図を見つけたので、以下のURLをクリックしてご覧ください。
*https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/71/Euler%27s_formula.svg
この公式の両辺を2乗すると、三角関数の2倍角の公式が簡単に計算できる。高校2年生はオイラーの公式を知っていれば2倍角の公式を暗記する必要はないのだ。
以下、『なっとくする複素関数』17ページより引用。
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左辺に再びオイラーの公式を適用すると
左辺=cos2Θ + isin2Θ
右辺=cos^2Θ - sin^2Θ + 2isinΘcosΘ
これら二つの式は等しいのだから、実部同士、虚部同士がそれぞれ等しくなければない。その結果として、倍角公式
cos2Θ=cos^2Θ - sin^2Θ
sin2Θ=2sinΘcosΘが得られる。
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暇なときに思い出して、紙に書きだしてみたらいい、3回もやれば手順が自然に頭の中に入ってしまう。この方式の面白いところは、拡張性が保証されていることで、3倍角も4倍角も計算の労をいとわなければ同じやり方で計算できることにある。
数Ⅲで「複素数平面」がでてくるが、数学の中でその位置づけがよくわからなくてストレスだった。
実数の世界から複素数の世界へ数が拡張されたらどんな世界が見えるのだろう?
これがわたしの素朴な疑問だった。
学部は商学部会計学科、大学院での専攻は経済学、いわゆる「文系」である。マルクス資本論の体系構成に問題関心があったので数理経済学の素養はない、仕事は文系と理系両方の分野を行き来し、クロスオーバーする複合分野の仕事が多かったように思う。10代の後半にもっと幅広く勉強しておくべきだった。
それでいまさらながらという感がぬぐえないのだが、複素関数論の本を読み始めた。
①『なっとくする複素関数』小野寺嘉孝 講談社
②『道具としての複素関数』涌井貞美 日本実業出版社
②の本によれば、量子力学は複素数の世界だという。著者はシュレディンガー方程式を例に挙げている。そこにはプランク定数も使われている。読みながら物理学者のN先生が数日前のFBに物理定数が揺らぐ可能性があると書いていたことを思い出した。
物理学者の視点が面白い。
「物理学では波動を扱うので、位相が互いに違う波を表記出来るのはとても便利」
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