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#3742 一家団欒の風景:道の駅コンキリエ Maay 20, 2018  [44. 本を読む]

<最終更新情報:5/21朝8時15分>

 釧路からの帰路、2時ころ厚岸の道の駅コンキリエによった。気温11度で外は少し寒い。入り口を入ると左側で蒸し牡蠣を実演販売していた。厚岸の牡蠣も独特の味でとっても美味しい。

 テーブルについて釧路のイオンで買ってきた天むすを食べた。隣の席にお母さんと子供三人が座っていた、お母さんはスマホ、子どもたちは同じくらいの大きさのゲーム機とやはりスマホをずっと操作していた。子どもたちの年齢は小学生と中学生だろう。終始無言で、四人四様小さな画面に向かっていた。二人はイヤホンをつけていた。

 日本語全体の1割が日常会話などの話し言葉で、9割が文章語だと斉藤隆の『子供の語彙力を伸ばすのは親の務めです』(角川書店、2017年刊)15頁に載っている。
 日本語語彙は水の流れと同じで、語彙レベルの高い方から低い方に流れる、だから子どもの語彙を豊かにするためにはと生活を共にする大人=親の役割が大きい。豊かな語彙をつかって会話できる親や周囲の大人に恵まれた子どもの日本語語彙が豊かなのは当然である。日本語語彙には日常会話で使われているものと文章語の2種類あり、語彙の豊かな大人は会話に文章語の語彙が増える。
 9割を占める書き言葉は本を読まなければ身につかぬことは当たり前語彙力が爆発的に増大する季節は小学生高学年から中学生のだろう。この季節に、本を読まず、文章語がほとんど身につかないとしたら、コミュニケーション能力や学力向上へ大きな妨げになるだろう。教科書を読んでも理解できない、相手の言うことが理解できない、自分の感情を細やかに表現できない、言うべきことを整理して適切な語彙を用いて伝えられないとしたら、人間関係はどうなる、そして社会に出たらどういう仕事が待っているだろう?
 中3で教科書が理解できないレベルの生徒が、根室市内の中学校ではすでに1/4から1/3も存在している。国立情報学研究所の最近の調査でも1/4程度が教科書を読んで意味をつかむことのできない学力層だという。
 ニムオロ塾では2004年から日本語音読指導を15年間継続しているが危機感を感じている。いままでは強制参加方式でやっていたが、昨年から自由参加形式に改め、水曜日に90分間の音読授業を月に2回実施している。これはボランティアである。私塾を根室でやっているので、社会的責任の一つと思っている。

 釧路の本屋「コーチャンフォー」によって根室半島の1/25000の三色刷りの地形図を三枚本を二冊買ってきた。地図を広げてみたら、「友知」が抜けていた。サイクリングコースをカバーしたい。サイクリングコースではないが、「東梅」や「風連」「落石」「別当賀」も必要だ。調べたいことがある。

 今日購入した斉藤孝の本は戻ってからすぐに読み終わった、ついでだからもう一つも紹介しておこう。『魔法の読み聞かせ』、この著者の主張、「自由読書」にはわたしは異論がある。日本の現実とりわけ根室の現実はもうそういう段階を通り越している。自由に読ませても字面を追っているだけで、半数以上の生徒たちが読めていない、つまり意味を理解して読んでいないのである。読めない漢字は飛ばし読みするし、見慣れない文章語が出てくれば瞬時に知っている日常会話での語彙に置き換わってしまうこんなことが読解力のない生徒の頭の中で頻繁に起きるから、文章の意味や文脈が読めない朝読書=自由読書では半数以上がただ字面を追っているのである
 適切な音読トレーニングをしなければ、ほとんどの生徒が年齢相応の読書力が身につかない、そういう時代であるスマホ使用時間の増大が読書時間を侵食して読書習慣育成の障害になっている、この傾向は7年前から中学生のスマホが普及し始めたころから顕著になった。生徒たちの日本語能力が急激に低下している。そのことは早晩、生徒たちの大幅な学力低下を招くことになる。低学力層がさらに厚くなり、高学力層の枯渇化がさらに進む。13年前には五科目300点満点の学力テストで200点以上の生徒が市街化地域の3中学校では10-15人ほどいたのだが、今年四月のテストではB校で2人C校で1人しかいない。得点が20%未満の60点以下はB校13/55(23.6%)、C校10人/45人(22.2%)もいる。10年前は数人のレベルだった。昨年のデータでは200点以上はB校1人、C校2人である。60点以下はB校は階級値の幅が50点となっているので不明だが50点未満が4人いた。C校は7人である。高校入試が根室高校1校となってから、学力下位層がまったく勉強しなくなったのではないか、低学力層の底が抜けたかのようなデータである。昨年よりもさらに進行しているようだ。根室市教委は全国学力テストデータを分析して、根室の子どもたちの学力が上がっているかのようなデータの読み違いをしている。全国平均正答率と根室の子どもたちの正答率の差は拡大を続けている。普段の学力テストデータを見ていないから、そういうことが起きる。根室市の教育長はコメントを公表する前にデータを確認してる?組織として問題アリだよ。

  読書は語彙を増やし読解力を育てるだけではない、名文を読むことで心のセンターの情緒を育み、精神的な成長を促す効果がある。そこが一番常用ではないのか。情緒がしっかりしてくると、心が安定する。人の心の襞も感じ取れるようになるし、自分の感情の細やかなところも人に理解してもらえるような多様な語彙を用いて表現できるようになる。高度なコミュニケーションが成り立つのである。

 親が新聞も本も読まない、そして身の回りに読むべき本がない、そういう環境要因は読書習慣育成の妨げになっている。一家に6段の本棚一つ分くらいの本は置いておきたい。願わくば、家族一人につき、6段の本棚一つくらいの分量の本をそろえてもらいたいというのは斉藤孝先生のご意見である。ほかの本のどこかで書いておられた。読書環境が劣悪なことも子どもたちを読書から遠ざけている。たとえば新聞を定期購読している家庭が減少し続けている。それでもまだ根室市内は2/3くらいの家庭が新聞を定期購読している。
 身の回りにすぐに手に取れる本があるという環境は親が用意してやる必要がある。値段の高い単行本でなくて文庫本や新書版の本でいい。百冊買っても80000円前後である。子どもが可愛ければ、それぐらいの教育投資はしてやろう。塾を半年休んで授業料を充当したっていいのだ。
 年に一度、五月の連休に市民ボランティアの皆さんが、市立図書館で古本市を開催してくれているが、そこで購入すれば、定価の1割で買える。業者が欲しがるほどの安値で品質の良い本も中にはあるので、利用してもらいたい。読み終わって邪魔になったら、翌年の古本市に寄付したってよい。こういうリサイクルが成立していることは根室の読書人を育てる力となっている。わたしたち一人一人の努力次第で状況は変えられるのである。

 別保公園の桜がきれいだった。細い枝にピンク色の桜の花がたくさんついていた。それから、浜中町茶内のJAショップ内で販売されているソフトクリームがとってもおいしかった。コーンがあっさりしているのとアイスクリームが濃厚な味、その組み合わせが絶妙。乳脂肪が高めのソフト、隣にあったのは高梨牧場、もちろん製造元も高梨である。よく育てた牧草を食べ健康な牛から絞られる生乳を原料としているアイスクリームはとってもおいしい。でこののソフトクリームはオイコスの森川さんが絶賛していた。
 住所と電話番号が載っているURLを貼り付けておく。
 厚岸郡浜中町茶内栄61 0153-65-2123
https://www.jabank.jp/ja/shops/index/3335000


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