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#3740 五分咲きかな?:根室でも遅めに咲く May 16, 2018 [A8. つれづれなるままに…]

 ようやく五分咲きかな、桜の咲くのが遅い根室でも、この桜はさらに少し遅めである。もっと遅いのが「アッツ島の桜」、択捉島生まれのお袋が「アッツ島で兵隊さんがたくさん亡くなった」と自分の手で25年ほど前に庭に植えた。満州で進行してきたソ連軍と戦って亡くなった兄への鎮魂の思いからの共感だっただろう。
 アッツ島は根室から1500北東の太平洋上にあり、現在は米国領だがアッツ島も北方領土のひとつに数えられるだろう。
 1943年5月12日に米軍が上陸し、17日間の戦いで、山崎保代大佐の率いるアッツ守備隊2600名が12000名の米兵と戦って文字通り玉砕している。生き残った兵士は戦えなくなった傷病兵十数名のみ。自分の生まれた古里を守るため、親や子や兄弟姉妹や友人たちを守るために為すべきことは果敢に戦い死んでいくこと、弾薬も尽きてもうこれまでと、300名の兵士が機関銃の弾が飛び交う中を軍刀を振りかざして敵司令部へ攻撃を敢行した。米兵はこの「クレイジー」な玉砕攻撃に恐慌をきたし、後に精神障害を起こした者が続出したという。司令部近くまで攻迫ったが、玉砕。
 近くのキスカ島にいた守備兵6000名は同年7/29に潜水艦3隻で救出された。この戦いで、米国は北からの侵攻作戦を見直した。わずか2600名の兵士の頑強な抵抗に遭遇し、自軍の犠牲が大きすぎると判断したのだろう。北からの侵攻作戦をあきらめ南方からの侵攻作戦が選択されたようだ。北東の果ての離島であるアッツ島守備隊の激烈な戦いに遭った米軍は2年後に沖縄上陸作戦を実施することになる。沖縄県民は甚大な犠牲を払うことになった。アッツ島守備隊の戦いがなければ、沖縄上陸作戦は存在せず、沖縄の戦争犠牲者の数倍、北海道民に多大な戦死者がでただろう。
 アッツ島の桜はまだ咲かない。あと半月ぐらいしたら、二十輪ほど可憐なピンクの花をつける。玉砕した2600名の魂よいまは安らかに眠れ。アッツ桜が可憐な花をつけるたびに当時のあなたたちの激烈な戦いに思いをはせ、わたしは感謝を新たにしている。ありがとう。

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 いま、音読トレーニング授業で塾生4名と藤原正彦著『日本人の誇り』(文春新書 2011年刊)を読んでいる。今日は83頁から123頁まで40頁輪読しました。中高の社会科担当の先生たち、そして中高生の皆さんはぜひ読んでください。

 第一章 政治もモラルもなぜ崩壊したか
 第二章 素晴らしき日本文明
 第三章 祖国への誇り
 第四章 対中戦争の真実
 第五章 「昭和史」ではわからない
 第六章 日米戦争の語られざる本質
 第七章 大敗北と大殊勲
 第八章 日本を取り戻すために

日本人の誇り (文春新書)

日本人の誇り (文春新書)

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/04/19
  • メディア: 新書

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