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#3716 経営面から見た「北野オフィスお家騒動」 Apr. 5, 2018 [8. 時事評論]

 北野オフィスからビートたけしが去り、「たけし軍団」が残された。森社長とビートたけしの喧嘩別れのようで、毎日のようにテレビ報道で採り上げられている。
 この数年間の売上規模は24-25億円だが、初めて赤字を計上したらしい。ビートたけしにしてみれば、こんなに稼いでいるのに何で赤字なんだ、経営がヘンだ、そういう思いだったようだ。
 映画のイベント用のNPO法人の代表を社長の森氏がやっており、年間4000万円がそちらに流れているという。社長の役員報酬も多すぎるとか、株がいつの間にか森社長が6割握っていたなど、不信の種が多いようだ。

 売上規模が20億円を超えたら個人経営から会社経営に切り換えなければならない。経理規程や業務規程、給与規定、退職金規程などの基本諸規程を整備して、規定通りの運用をやり、決算を社員に公表するようなオープン経営に切り換える時期である。閉鎖的な経営は利害関係者に不信を生む基本諸規定を整備し、会社経営に切り換えができれば、売上規模が100億円になっても経営は健全に行える
 この時期に会社経営に切り換えられない企業のほとんどが、規模拡大とともに経営がおかしくなり、経営破綻に追い込まれる

 森氏はADの出身だから、会社経営は素人。芸人のたけしとウマが合って規模が小さいうちはいいが、規模が大きくなれば、そうはいかなくなる。いくら稼いでも(社長の森氏に)赤字と言われたら、「それはないだろう?なにかおかしい」(ビートたけし)とこうなる。
 社長の森氏がNPO法人の代表を務め、そこに4000万円ものお金を毎年流せば、「利益相反取引」に該当することは経営の常識である。所定の手続きにしたがって、事前に取締役会にかけて、株主総会の承認をとっておかなければならない。経営のイロハだが、そんなこともご存じなかったようだ。

 わたしはSRLに16年間勤務したことがあるが、学術営業部長だった窪田氏が会社を辞めて起業し、一度目は失敗、二度目に成功している。ペプチドリームという創薬に関係したベンチャー企業だが、東証一部上場を果たし、健全経営をしている。彼に経営の才能があったとは思わないが、あの会社には経営能力に秀でた人材がいるようだ。自分にない才能で必要不可欠なものは探せばいい、必要な能力をもつ人材を採用できたら会社経営は安泰だ。
 平成18年の創業、従業員数67名、昨年度の売上48億円。東証一部上場企業でこんなに売上規模の小さい会社は他にはない。小さくたって、いい企業はいい。
*ペプチドリーム
http://peptidream.com/index.html

 1970年代はアパレル関係ベンチャー企業の勃興期であった。売上規模が20-30億円規模に達したときに、個人経営から会社経営に切り換えられなかった有力なベンチャーが、売上規模拡大が急速過ぎて資金が追い付かず経営破綻する例が多かった。基本諸規程を整備してオープン経営に切り換えられた企業は100億円を超す企業へと成長を果たしている。

 個人経営からオープンな会社経営へ、こういうことは業界を超えていまでも同じだ。売上規模が20億円を超えるようになったら、オープン経営への切り替えを急いだほうがいい。会社の基本諸規定を整備して、予算や決算を社員に開示すべきだ。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」を旨として経営しよう。もちろん、「従業員よし」も入っている。
 ようするに「ホワイト企業」を目指せということ。閉鎖的な会社は経営破綻のリスクを大きくするだけだ。

<類似の暗部は根室市政にもある>
 民間企業ではないが根室市政も閉鎖的で「ブラック」だ。一民間喫茶店のサテンドールの維持に700万円を超える補助金を交付するのだから、あきれてものがいえぬ。「ジャズは根室の文化遺産」、どんなに理屈をつけても屁理屈は屁理屈、一部の者たちが市政を壟断*(ろうだん)している。
 残念だがこういう例は枚挙にいとまがない、弊ブログで具体例をいくつも取り上げている。もう10件以上になるのではないか。
 こういう恣意的な市政を一つ一つ改めなければ、根室の町の活性化はないし、高校を卒業すると若者たちは都会へ進学し、そのまま就職して故郷に戻ってこない。このままだと、22年後の2040年には根室の人口は現在の2.6万人から1.6万人にまで減少してしまうだろう。
 今年9月に行われる根室市長選挙が試金石だ。この選挙で具体的な政策を掲げた新人が出てこなければ、なるようになるだけ。

*壟断(ろうだん):①丘の高く切り立ったところ ②〔ある男が丘から市場を見まわし、品物を売るのに適した場所を探して利益を独占したという「孟子 公孫廿下」の故事から〕利益を独り占めすること。 『大辞林第三版』より

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