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#3638 学力テスト総合C:顔で笑って心で泣いて Nov. 11,2017 [55. さまざまな視点から教育を考える]

<最終更新>
11/17 朝8時 「日本語読解力=読みの正確度×読みの深さ×読む速度」を追記

  木曜日(11/9)に学力テスト総合Cがあった。数学の問題にむずかしくて手が付けられなかったと生徒がいうので、問題を見た。「どの問題ができなかった?」と問うと、大問が6題あり、「大問3」の2次関数の(2)は放物線上の四点を結んでできる正方形1辺ABの長さを出す問題と「大問5」の正三角形とその内部にできた三角形の面積比問題を指さし、「この二つです」と自信喪失の体(てい)
  なぜ「大問5」の図形問題が解けなかったのだろう、どうやったのか聞き、原因を探っておく必要がある、どちらも標準レベルの問題にすぎない、こんなレベルの問題をミスる生徒ではない。五科目合計点で1年生の時からずっと学年トップ、数学でトップをとれなかったことは初めてかもしれぬ。五科目合計点の目標値は270点超だった。3回とも260点台で270点には届いていない、手を伸ばせば届く位置にいたのだが、自分で立てた目標に届かなかった。学年一番だけでは気が済まない、彼にとっては自分が立てた目標値との勝負なのである、それに負けた。精神面の弱さが出たことが原因であることは自分自身が一番よく分かっている。だから顔で笑って心で泣いている、なにより眼がモノを言っていた。悔しくないはずがないし、不甲斐ない自分に腹を立てている。
  悔しくて悔しくて、大泣きするぐらいだと、それはそれで将来がとっても楽しみなのだが…

<できなかった問題は平凡なものだった: なぜ?>
  2次関数は類似問題がシリウスにも載っているし、いま数1問題集の2次関数の最後のほうの問題をやっているから、簡単なはず。問題集はシリウスの標準を使っているから難易度はセンター試験レベルである。中3の問題集も『シリウス』だった。難易度は首都圏で標準レベルだろう。『シリウス発展編』の難易度を知りたくて調べるために取り寄せてみたが、難易度の高い問題のオンパレード。発展編の問題集は無理と判断し、標準問題集を採用した。『シリウス発展編』は数1を始めて勉強するのに難関国公立・私大受験用の『赤チャート問題集』を使うようなもの。出版元の営業マンに電話で聞いてみたら、道内の塾でこの問題集を使っているところはないそうだ。
  ようするに、いままでやってきた問題集のレベルは北海道の学力テストよりもレベルが上のものということ。

  具体的に見ていきたい。「大問3」の2次関数は次のような問題だった。これは標準レベルで、ありきたりのもの。

  大問3: y=1/4 x^2 と y=-1/2 x^2 がある。それぞれの放物線上に左上から反時計回りにABCDと点をとるときに、四角形ABCDが正方形になるとき、線分ABの長さを求めよ。

  B(t、1/4t^2)として縦横の長さを t を用いて表し、等号でつなぐと t に関する2次方程式になるから、お定まりの基本問題である。何の変哲もありゃしない。この生徒は t は解いたのだが、答えが分数になったので間違っているかもしれないと思い、どうしようかと逡巡している間にベルが鳴り、時間切れ。線分ABの長さは放物線が y軸に対して線対称だから、t の値を2倍すればいいだけ、そこに気がつかなかった。
  こういうときは「とりあえず答えを書いてから考える」と指導している。座標平面上に2つの2次関数が描かれているから、そこに正方形になるように3回書きこんでみたらいい。3回目にはだれでも十分な精度で程よい位置に正方形を描くことができるだろう。バイナリーサーチの応用である。システム技術の一つだが、黒板を使えば簡単に説明できる。描けたら点Bのx座標がどれくらいになるか読み取り、答えの分数がそれに近ければ正解と考えてよい。あるいは出た答えに近い点を記入してみる、そこを起点に正方形になればOKだ、こういうやり方は適用範囲が案外広い。計算のし直しではチェックのできないことがある。チェックは違う方法でやるのがいい。ある情報の信頼度を判断するには、まったく異なるソースあるいは経路からの情報とぶつけてみる。一致していたら信頼性が高い。重要な仕事はこういうふうにして確度を上げる。勉強の仕方は社会人になった時に仕事に通じるものだ。

  あまり簡単なので、解説を聞いてショックだっただろう。むずかしい問題ならともかく、典型的な標準問題だし、最近やっていた過去問でも放物線の外側に正方形のできる問題があった。それは一次関数との複合問題だったから、そちらのほうがすこし難易度が高い。

  二つ目の「大問5」は次のような問題である。テスト問題用紙がないので記憶で書いているから、そのままではないが、必要な条件は漏れていない。問題には図がついているが、このエディターでは描けないので読者は自分で作図してほしい。

  大問5: 正三角形ABCがある。辺ACを2対1に分割する点をPとせよ。辺ABに平行に点Pから線を引き、辺BCとの交点をRとせよ。辺AB上にQをとる。Rを通り辺ACと平行な線と辺ABとの交点をQとせよ。∠BPR=∠BPQであるとき、次の問いに答えよ。

 (1) ∠PBR=m度とするとき、∠AQPをmを使った式で表せ。
 (2) Rを通り辺ACと平行な線と辺ABとの交点をQとするとき、△PQRは△ABCの何倍か。

  (1)は∠Aが60度だから、△AQPの注目すれば、∠APQが出れば残りの∠AQPが出せる。∠BPR=∠BPQという条件がついているから、こちらから攻めろというのが、出題者の意図。もちろん、∠RPQのほうから攻める手もあるが、出題者の意図にそって∠QPAのほうから攻めるのが本筋。
  この問題はできたと思ってた、泥臭いやり方でやれる、単に文字式の計算力を問う問題である。特別なひらめきは必要ない。金曜日に別の生徒がやはり大問5が解けなかったというので、黒板でやってみた。もっとスマートな方法があるかもしれないので、思いついたら報告してと伝えた。全部を提示する必要はない、指導の要点は生徒が自らやる余地を残しておくこと。
(11/15 午後七時追記: ハンドルネーム @tさんが投稿欄へ二種類の解法を書きこんでくれましたので、答と解説はそちらを参照してください。)

 さて、(2)だが、この問題は簡単である。AC//QRだから、P点を点Cに移しても面積は変わらないから、等積変形の応用問題とみることができる。辺QRを底辺と考えれば高さは△ABCの1/3であることは見ただけでわかる。底辺は2/3で高さが1/3だから、面積は掛け算で2/9と暗算できる。これが一番スマートな解き方だろう。
  わたしは問題文を読み終わって10秒たらずで解けたので、問題文を読み直して、提示された条件をもう一度じっくり吟味してみるように勧めた。制限時間は10分間。相似な三角形が三つあることに気が付いていないので、ヒントをあげたらできた。平行四辺形に目が行ったようだ。それと∠BPR=∠BPQにも目がいってしまった。この条件は(1)の問題に必要なだけで、(2)には関係がない。一か所に目の焦点があってしまうとそれをリセットするのはなかなかむずかしい、そこにとらわれていたら解けないから、そういうときに先入見をリセットする能力を培うにはふだんの問題演習で試して慣れたらいい。十分に留意して指導していたつもりだが、足りなかった。集中するのは簡単だが、それを解除するのはとっても難しい。意識的にトレーニングするしかない。わたしがそういうことをコントロールできるようになったのは20代になってからだった。でも、適切な指導があれば中学生でもある程度マスターできる。

  等積変形の応用問題と捉えたこの解き方のポイント(わたしは「問題のヘソ」と名付けている)は、斜めの辺QR底辺とし、その底辺に対する高さに注目することにある。底辺PRと辺ABは平行だから、頂点PをCに移動しても面積は変わらない。高さは△BCAの1/3だ。
 底辺QRに対してそれに対応する△ABCの底辺はACだから頂点の位置関係がさかさまになってしまう。頭の中で図形を反転させる操作ができないとむずかしい。女生徒はこういうイメージ操作がなかなかできない。この生徒は図形イメージを脳内で動かすトレーニングはしてきたし、できるようにはなっていたが、パニックに陥ったことで培った技能が使えなかったようだ。不安の心がわくと脳が突然に「金縛り」状態へ移行する。「この問題はむずかしい問題だ、とてもできない」という心の状態が生じたら、もう解けない。
  しかし、等積変形の応用問題だと気が付かなくても別の方法がある。△ABCから△RPCと△BQRの面積を引き算する方法だ。残りは平行四辺形になるが△APQはその半分。△PRCは辺の比が1/3だから面積比は1/9、△BQRは辺の比が2/3だから面積比は4/9、この輪を1から引くと4/9、それが平行四辺形の面積、求める三角形はその半分だから2/9ということ。こちらも単純だから暗算で30秒あれば十分だ。デカルトの『方法序説』には科学の方法の四つの規則が挙げられている。その中に、「必要なだけの小部分に分割する」という項が出てくる。この場合は元の正三角形ABCをその中にある正三角形二つと、平行四辺形の三つに分割すればいい。複雑な問題は必要なだけの小部分に分割することで、単純な問題に還元できる。これも繰り返しトレーニングを積んできた。それが発揮できなかったのはあることがプレッシャーとなったからだろう。半年後にはそういうプレッシャーが常時かかるので、今回試す必要があった。その結果、学力テスト総合Cでメンタル面に課題のあることがはっきりした300点満点で学年2位との差がいつも50点開いているし、五科目全部が学年トップのことも何度もあったが、メンタル面に懸念があったので確認したかった。そういうときに機会が向こうのほうから訪れた。

 なぜこちらの方法が見えなかったのか?それは△ABCと△BQRと△RPCが相似であることに気が付かなかったからだ。一つの問題に3通りくらいは解法があることはふだんの勉強で何度も解説しているからわかっていたはず。だから糸口が見つからない問題なんてめったにないのだ。社会人になったら仕事では糸口の見つからないものがいくらでもある。それを見つけるのはある種のセンスだ。"the 6th sense"
  これからも良問に出喰わしたら、問題集にある解法とそこに載っている別解のほかにスマートな解法を時間をかけて何度も研究してみることだ。
 そういう作業を繰り返すことで十分勉強したから必ず解けるはず、というところへ気持ちの切り替えができたらすばらしい。お化けは出てこなくなる。

<不安がお化けを生む>
  なぜこういう見落としミスが続けて起きたのか?心に不安があったからだと思う。「シリウスと学力テストは問題傾向が違う」と言った。ふだんからそう感じていたようで言い出しにくかったのだろう。遠慮は無用なのだよ。学力テストで問題傾向が違っているからできない問題があり、そのせいで数学満点が取れないと思い込んでいたようだ。(それでも学力テストでは一度だけ数学満点を取ったかな、もちろん難易度の低い定期テストでは何度も100点をとっている。)
  こうした勘違いの思い込みは怖い。心の不安は、その不安が種となり、芽を出し、現実となる、それが心の作用の怖いところ。

  使っているシリウスの標準問題集は都立高校(進学校=毎年10人前後の東大合格のレベル)受験でも十分対応できる難易度だから、これを消化して北海道の学力テスト問題でできない問題はない。それでも同じ問題集を3ラウンドやらなければ「わかる」から「できる」状態にならない。標準問題は考えなくてもできるところまで練習しておけば、新傾向の問題に遭遇した時に考える時間的余裕がもてる。そういう「糊代(のりしろ)」を確保しておくことが受験には重要なのだ。2ラウンド目はマークを付けた1/10から1/20くらいの問題をやればいだけ、3ランド目は1/30くらいの問題にしかマークがついていないから、初回の1/30の時間で消化できる。初回に1年かかった問題集なら、2ランド目は1か月でやれる、3ラウンド目は2週間だが、それをやっていなかったということ。なぜやれなかったかは理由がある。この生徒固有の問題が潜んでいるので、あとでちょっとだけ触れるつもりだ。
 不安があるから「お化け」を見てしまい、パニックになる。じつは簡単な問題がトレーニング不足から解けないだけ。出題傾向が違うせいではない。今回の2次関数の問題も図形の問題もありきたりで、標準的な難易度の問題に過ぎないことはいままでの解説で明らか。納得いくように繰り返しテスト問題の具体例で説明してやればいい。

 ところで、この生徒の場合、不安が起きるとすぐに体が反応し体調に現れる。昨日来たときは、寒気がして抜けない様子、免疫が下がって風邪をひいたのだろうか、ストレスに敏感な質(たち)だ、神経が繊細なのは長所と考えよう。長所を維持しながら、ストレスに強くなれたらいい。

<心のコントロールはどうやればいい?>
  心を心でコントロールはできない。体と呼吸を整えたら、心は自然に平常心へ回帰するもの。もっているスキルがそのまま自由自在に使える。呼吸を数えながら歩くもよし、短い木刀を毎日100回振るもよし。歩きながらやるなら、吸気しながら3歩あるき、息を吐きながら5歩あゆむ。それに慣れたら、歩数を増やしていく。5歩あるきながら吸い、10歩あるきながら吐く、息は流れるようよどみなくする。とくに吐く息に注意し、全部吐き切る、そうすれば吸気は自然に起きるから、新鮮な外気が肺を満たす感覚を味わう。呼吸に意識を置くことで雑念が消え、平常心になる。慣れると、教室で数回ゆっくり深呼吸するだけで平常心を取り戻せるようになる。心は呼吸でコントロールする
  「家にある短い木刀を毎日100回無心に振れば精神が強くなる」と伝えたが、笑って相手にしない。「そんなことありえないよ、先生」と生徒。言ってもわからない時があるから時期が訪れるまで待つだけ。受け入れる準備ができたらもう一度話してみたい。
 頑固なところがあるのはいいことだ、あはは。

<不安の種を探る>
 不安が兆す原因はわたしの診るところではもう一つある。この生徒は1年先行学習をしている、つまり、中3で高校1年の数1・Aや高校英語教科書を使って勉強している。数学はセンター試験レベルだし、英語は高校教科書は使っているが、単なる材料で大学受験を超えた精読をしている最中だ。
(中3のシリウス英語問題集をやり終わって、9月から始めたが、予定通り3か月で1年生の教科書を終わりそうだ。2年と3年の教科書はそれぞれ4か月かける。11か月で高校教科書を終わった後は、ジャパンタイムズ記事を教材に取り上げる。ついでといってはなんだが、大学院入試レベルが到達目標である。あ~あ、わたしが中学生になってニムオロ塾に通いたい。)
  そういうわけで、学力テスト範囲は1年前に終了しているから、テスト2週間前から問題集に印をつけてある問題だけをもう一度やっている。3回やれといっているが時間が不足してやれていない。テストの前だけテスト範囲のみをやる。どうしてこういうことになるのか理由がある。土日は基本的に勉強時間が取れないからだ。平日の毎日3時間勉強するとして、土日を8時間ずつやれば、週に31時間である。土日ができなければ半分の15時間しかできない。これでは先行学習して印をつけた分の復習が十分にやれない。印がついているのは1/10から1/20程度だ。学年トップをとりたければ他の科目もやらなければならないから、平日の勉強はそちらに割かれる。時間に無理があるのだが、土日に勉強時間が取れないのは家庭の方針だから、それはそれでいい、失うものがあるが得るものもある。しかし、そうした生活習慣を変えない限りこの生徒の不安の種は尽きない。変わるときが来れば、自然に変わるものだから、無理はしない。そこいらあたりはebisuはとってもルース(緩い)なのだ。型にはめられるのが嫌いだから、生徒を型にはめるのもいや。

<心の不安を消すには?>
  中学生になってから最初のテスト2回は500点満点の五科目合計点で2位との差が1点、2点だった。あのころに比べたらこの生徒はずいぶんと学力を伸ばした。弱点だった国語や社会も学年一位のことが多くなっている。3年生になってからは300点満点で学年2位との差が50点に拡大している。これらは100%本人の努力のたまもの、立派な実績である。
  そういう過程を経ていまがあるのだが、ステージが上がって次の問題が見えてきたことも事実である。テスト範囲の相似の章は自力で予習しながらやったが、何とか理解できただけ。複合問題になると相似は難問がつくりやすいから、センスが働かなければ糸口が見つけられずまったくお手上げになることがあることがわかった。理解した後、標準問題を軽々と解けるようになるには、トレーニングが必要だが、その時間が十分にはとれない。だから、心の奥底に不安が芽生えてしまう。時間が足りないことは本人が一番よく分かっているから、お化けはそこから出てくる。
  心の弱さは誰にでもあるから、大学受験に合わせてその欠点をカバーするつもりで教えている。高校2年中ころまでに、センターレベルの数1Aと数ⅡB、そして数Ⅲを終わっておき、2年生の秋ころから印をつけた問題を3ラウンドやると同時に、難関大学向けの問題集を3ラウンドやり切ったら盤石の自信が生まれる。そこに焦点を合わせて指導をしていた。だから、「中学時代は学年1位にこだわるな」と言いつづけてきたが、よい意味で頑固者だから先生の言うことは聞かぬ。自分の我を押し通すが、思春期をまっとうに通過しているだけだからそれでいい。心の成長にはこういう過程が必要だ。この時期に親の言うことも先生の言うことにも素直に従って育ったのでは、弱い心のまま大人になる。真っ当に育っている。
 よく東大理Ⅲに子どもを3人とも入れましたという母親がテレビに出ているが、分刻みでのスケジュール作成・管理でがんじがらめにする育て方はわたしには阿呆にしか見えない。社会に出てから大丈夫か?長年やっていたことは習慣となり性格の一部になってしまっている。社会人になってから仕事のスケジューリングや管理をできるのか、やったことがないことはなかなかできないもの。そして習慣化したものや性格の一部になってしまったものを取り除くのは容易なことではない。

  昨日は中3シリウス問題集をもってきた。2週間後に定期テストがあるから万全の準備をしておきたいと主張するから、納得がいくまで徹底的にやったらいい、それまで高校数学は中止でいいと伝えた。大学受験に焦点を合わせて欠点を克服する戦略が崩れるリスクはあるがここは辛抱だ、臨機応変に手を考えたらいいだけ。ふんわり受け止めてやるのみ。さて、いままでの勉強のスタイルでは限界がはっきりした。生活習慣も含めてどうやって乗り越えるか、ここから先は本人の問題、成長が楽しみだ。

<それぞれの悩み:学年トップでも学力に関する悩みはある>
  学年トップが勉強に悩みなんかあるはずがないと思っている人が多いだろう、そうではないのだ、悩みのない人間はいない。学力に優れていてもそれはそれで悩みがあり、ときに深い。他の学校の学年トップもそれぞれの悩みを抱え、自分と闘いながら日々勉強しているのだろう。
  学校の授業は低学力層に焦点が当たっているから、学力上位層はスポイルされている。したがって、独力で勉強するしかないから、他の学校のトップレベルがどの程度の点数を取り、どういうことで悩み、どのような学習の仕方をしているのかを知ることでさらなる学力アップへの道を切り拓くことができれば幸いである。
  ブログを書きながら、そういう人たちが大学を卒業して十数年都会で能力を磨き根室に戻って来れるようになったらいいなと、夢見ている。


<2年生の数学の問題がむずかしかった>
  中2の生徒が数学の問題がむずかしかったと言っていた。テストはまだ返却されていないので見ていないが、学年トップが60点(百点満点)だという。この生徒はB中学校。 英語が苦手で点数がとれなくなって1年生の12月に入塾した生徒M君だが、すっかり弱点を克服した、いやそれどころか得意科目に変えた。英語は学年トップのことがある。部活が忙しいので勉強時間が確保できないのが悩み。
  本を読む時間的余裕もない。本は時間の余裕のある時に読むべきものなのか、本を読む時間を様々なことよりも優先させて時間を作るべきものなのかは、個々人の生活スタイルや価値観に依存している。
 ニムオロ塾では月に2回(90分×2)日本語音読トレーニングしているが、最近ずいぶん上手になった手ごたえがあったM君は結果を出した。そして課題も具体的な形をとって現れた。他の人たちへの参考になるだろうから、その課題については稿を改めて書くつもりだ。M君は学力テストの国語の点数が60点台から初めて80点台へアップしている。日本語読解力が強化されたことによるので、他の科目へもきっとよい影響が出る。国語も数学も社会も理科も英語も教科書を予習するときに必要な力は日本語読解力である。
   日本語読解力=読みの正確度×読みの深さ×読む速度
  日本語音読トレーニングは、読みの正確さをチェックしながら読む速度をアップするトレーニングである。ときどき解説を入れて、読みに深さの違いを体感させている。

<急成長中の3年生の生徒>
  C中学校の中3数学は、7月半ばから来ている生徒がどうやら数学だけ学年トップだったようだ。四月学力テストと比較すると数学と英語はそれぞれ10点以上アップしている。ここまではわたしの予想した通りの展開。ここから先のステージは自分で切り開かなければならないから本人次第、塾先生にやれるところはほとんどない(笑)。苦手科目の理社から逃げているが、そろそろ問題集1冊選んでやらなければ、五科目合計点の伸びが頭打ちになる。さて、苦手科目から逃げる怠惰な自分とどう向き合って成長するか楽しみだ。K君、期待に応えてもらいたい。

  ニムオロ塾では生徒それぞれの問題点や課題そしてチャレンジの具体的なやり方については、授業の合間に対話している。もちろん進捗状況もチェックする。


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コメント 5

@t

大問5の(1)を2通りの方法で解きました
解法①
∠BPR=∠BPQ=x°とする。
AB//PRより
∠ABC=∠PRC=60°である。
AC//QRより
∠ACB=∠QRB=60°である。
三角形QPRにおいて∠QPR=∠BPR+∠BPQ=2x°
∠QRP=180-∠QRB-∠PRC=60°より三角形の内角の和が180°より
∠RQP=180-2x-60=120-2x°
である。
三角形PBCにおいて、∠CPB=∠CPR+∠BPR=(60+x)°
である。したがって三角形の内角の和が180°より
60+(60+x)+m=180 より
x=60-m
したがって∠RQP=2m°である。
AC//QRより∠BQR=∠BAC=60°である。
よって∠AQP=180-60-2m=120-2m°である。

解法②
∠BPR=∠BPQ=x°とする。
AB//PRより
∠CAB=∠CPR=60°である。
三角形PBCにおいて、∠CPB=∠CPR+∠BPR=(60+x)°
である。したがって三角形の内角の和が180°より
60+(60+x)+m=180 より
x=60-m
である。三角形QBPにおいて∠QBP=∠QPB=60-mであるので
三角形の外角の性質から
∠AQP=2∠QBPより
∠AQP=2(60-m)°
である。

三角形QBPはQB=QPの二等辺三角形ですね。

by @t (2017-11-15 16:38) 

ebisu

@tさん

二種類の解法の解説ありがとうございます。

私は泥臭く、次の手順で計算しました。

∠BPC⇒∠BPR ⇒ ∠APR ⇒ ∠AQP


>三角形QBPはQB=QPの二等辺三角形ですね。

たしかに計算上、二等辺三角形になりますね。しかし、作図して眺めたら、そうはなっていません。

どうやら、∠BPR=∠BPQ と AC//QRは同時には成り立たないようです。

問題に無理があるように見えますが、どうですか?


by ebisu (2017-11-15 18:59) 

ペトロナス

三角形がおかしいかどうかについて
∠BPR=∠BPQ と AC//QRは同時に成り立たないですね。
この問題の設定だと、m=30°を代入すると、三角形PBCが30°、60°、90°になるのに1:2:√3にならず(1:2√2:3になります)、三角形AQPが正三角形になるという矛盾が生じます。


by ペトロナス (2017-11-15 22:08) 

ebisu

ペトロナスさん

お久しぶりでした。検討してくれたんですね、ありがとうございます。
どうやら無理筋の出題のようです。
by ebisu (2017-11-15 22:58) 

ebisu

ペトロナスさん

記憶で書いたので、問題文を生徒に確かめました。
そうしたら、AC//QRは(2)の問題の条件でして、(1)の問題にはこの条件がなかったそうです。お騒がせしました。本欄の問題を訂正しておきます。
by ebisu (2017-11-16 22:26) 

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