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#3634 性能日本一:スーパコンピュータをベンチャー企業が開発 Nov.3, 2017 [4. 人工知能]

<更新情報>
11/4 午後9時20分 <余談>追記
11/5 午前9時 <余談-1>へデータ消滅の危機に関する追記


 驚いた、スーパコンピュータといえば日本では理化学研究所が開発した「京」が最高性能、広い空間にずらーっとコンピュータ本体が並び、地球環境シミュレータなど大量のデータを計算処理するのに使われている。

 今回小さなベンチャー企業が開発したのは、業務用コピー機ほどの大きさのもの。スーパコンピュータの分野では中国が世界一を五年間独占し続けており、1秒間に90ペタ(peta:10^15でテラの上の単位)の計算速度。今回開発された小さなスパコンは14ペタ/秒の計算速度で理化学研究所の「京」を超える。これを百台つないで並列処理できるようにすればどれほどの性能のスパコンができるだろう。十年後に処理速度はエクサ(exa:10^18)単位になりそうだ。開発者は49歳、元東大医局の医師斎藤元章氏。

 パソコンのプロセッサには2-8個のコアが組み込まれているが、専用に開発されたプロセッサーは2000個以上のコアが組み込まれているという。いったいどうなっているの?一つのプロセッサにこれだけコアを詰め込んだら、発熱量が半端ではないが、冷却システムも新開発だ。
 その冷却方式がびっくり仰天の発想。コンピュータの筐体に冷却用液体「フッ化炭素」をじゃぶじゃぶ入れて冷やす。プロセッサは冷媒の中で冷やされながら動いている。ボードが水の中に沈んで冷やされているようなもの。冷却効率が30倍だという。フッ化炭素は電気を通さない液体、ポリタンクから筐体へ注入している写真が載っている。十年前にこんな写真が掲載されたら、気が違ったと思われただろう。

 量子コンピュータがすでに市販されているが、今度開発されたスパコンは従来のものに比べて百倍はコンパクトにみえる。
 人工知能はディープラーニング方式で大量のデータを読み込み、計算してその性能を上げているが、それを支える超小型で強力なスパコンが世に出たということ、それも日本の小さなベンチャー企業から。
 数年後には、上場企業や大学や研究機関がそれぞれスパコンを導入して、研究開発や業務処理、経営情報システムに利用するようになるだろう。スパコンが大企業へ爆発的に普及していく。世の中を大きく変える技術が誕生した。あとはソフトの性能次第。このスパコンの登場でどういう利用の新分野が開拓されるのか楽しみだ。

  このベンチャー企業は東証へ上場の準備をしたらいい。小型スパコンは開発段階から製造段階へ移るから、生産設備が必要で、資本を増強する必要がある。いまペプチドリームが東証1部上場のベンチャー企業として注目を集めているが、この企業もペプチドリームに並ぶ超優良企業へ成長するだろう。カギは経営管理ができる優良なパートナーが見つかるかどうかだ。「世のため人のため」「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」の経営を実践できる心根のまっすぐな人材が見つかることを祈っている。、

 創造性という点では、大型の1000人規模の国家プロジェクトよりもベンチャー企業のほうがはるかに優れている。人間の智慧の可能性を見せつけてくれた。


<余談-1:電磁パルス攻撃への備え>
  北朝鮮が電磁パルス攻撃(大気圏内での水爆爆発による電磁パルス発生)をすれば、電子機器がほぼ壊滅状態になることが知られている。パソコンが止まるだけではない、スマホも死んでしまう、車も電子機器で制御されているので死んでしまう。家電も電子回路が組み込まれてないものはないからすべて死んでしまう。
  電磁パルスを遮蔽できる施設内に、こういう小型のスパコンを保管して、重要なアプリやデータをバックアップして備えておく必要があるが、そういうことを議論していないのはどういうわけだろう。データやアプリケーションは光媒体にストアしておかなければ消滅するが、日々更新されるデータをそういう媒体で全部保管するのは不可能だろう。いまや株式の保有データは株券ではなく電子データだから、データの消滅は空恐ろしいことになる。上場企業株の所有者が不明の事態が起きる。個人資産や企業資産の消滅の危機が近い将来起きるかもしれない。
 米国への攻撃は大気圏で水爆を爆発させるという選択肢が有力だろうが、同盟国で米軍基地がいくつもある日本へは、中距離ミサイルに水爆を搭載すればいいだけ( 日本の原子力発電所への攻撃は何も中距離ミサイルだけではない)。ヒロシマ型の二十倍もあるような水爆がいくつも日本へ打ち込まれたらどれだけの被害が出るか具体的に検討して、国民へアナウンスすべきだ。憲法を米国から押し付けられたものだと主張するなら、同じ論理で米国の傘の下でいじいじしている日本の防衛政策も見直すべきではないのか?自分の傘をもつのが当然ということにならないか。明日トランプ大統領が日本を訪れる。
  攻撃があってからでは遅い。

  「備えあれば患いなし」


<余談-2:危惧>
 こういう高性能のスパコンが大量に市販されたら、北朝鮮や国際テロ組織へ渡ることを覚悟しておかなければならない。防げないだろう。


*速くて小さい! 夢のコンピューター
https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2017_1027.html


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コメント 6

tsuguo-kodera

 テレビで見るより、記事と写真の方が良く分かりました。ありがとうございます。
 冷却方法もユニークですが、コア2000個を1つの回路かICに乗せたのは凄いですね。
 2000個ができたと言うことは、きっと1年で4000個ができ、2年で10,000個近くになるでしょう。
 その並列処理の方式が凄いです。多分、コア間の通信は光でしょうね。ハード以上に通信方式が問題になっていると思います。
 実行処理速度はアプリケーション次第でしょう。通信機構をアプリによって柔軟に構造変化させるのかも。人の頭脳を柔軟にしたような方式かも。
 一番の課題は知識獲得になると思います。多分、グーグルの将棋ソフトの改善版のように、自己学習できるソフトを搭載する必要があるでしょう。アプリの特性を自己学習できるシステムです。
 人はもう手におえない領域のように思えます。でも私も新しい楽しみができました。
by tsuguo-kodera (2017-11-04 18:47) 

ebisu

koderaさん

そうですね、数年後にプロセッサにはコアが四千個、8千個、1万6千個、3万2千個載ることになるでしょうから、日本がスパコンの世界では今後十年間は世界トップ。

ところで、プロセッサ内部のコア間通信が光で行えるんですか?光へ変換しなければならないから、プロセッサ内部にコンバータのようなものが必要になりませんか?できたらすごい!
プロセッサを百個ボードに並べた時の通信方法は従来のやり方(プリント基板)でやるのでしょうか。わたしにはわからないことだらけ。

一つのプロセッサに搭載されるコアの数が3万2千個になれば何か新しい方式が必要になるのでしょう。

プロセッサ間の並列処理と同時に小さなアプリを数百も同時に走らせるために、資源管理が必要になりそうですが、「通信機構をアプリによって柔軟に構造変化させるのかも」、これは楽しそうなアイデアですね。

ディープラーニングではなくて、自己学習システムになれば、もう人間には理解できません。仰る通り「人はもう手に負えない領域」へコンピュータが進化するということ、便利さとともに人類の生存へのリスクも大きくなります。
コンピュータが人間の頭脳の領域を超えて知性をもちそれが神に近づくのは怖さがあります。

未来の世界に住む人間のために、いま私たちに何ができるでしょう。
そういうことも、貴ブログ「創造性の開発」で扱っていただければありがたい。これは小寺さんの専門領域ですから。
by ebisu (2017-11-04 21:01) 

よしぼう

フッ化炭素は気化すると温室効果ガスになるので、国際社会でさらなる温室効果ガス減少が求められた時にPEZYが新たな冷却方法を見出せるか、大きな分岐点になるかも。


by よしぼう (2017-11-12 00:09) 

ebisu

よしぼうさん

面白い情報ありがとうございます。
フッ化炭素が温室効果ガスであるとの指摘ですが、例えばメタンガスに比べるとどうでしょう。
気になって検索してみたら、次のような情報が出てきました。
「ExaScalerが使っている冷媒は蒸発量が少なく、また、フッ化炭素は蒸発してもオゾン層を破壊するという問題もないとのことであり環境にもやさしい。」

不勉強でわたしには判断がつきません、これは間違いでしょうか?お手数ですが解説していただけるとありがたい。
URLを書いておきます。

*浸漬液冷はHPC/スパコンの未来を救うのか? - ExaScalerが保守性に優れた完全開放型の液浸冷却システムを開発
http://news.mynavi.jp/articles/2014/10/22/exascaler/001.html
by ebisu (2017-11-12 10:26) 

Ponta

経済産業省が管轄する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成金約4億円を不正に受給した容疑でZY Computingの齊藤元章社長ら2人が逮捕されました。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/120502792/?rt=nocnt

放送予定だったNHKの番組もお蔵入りでしょう。
by Ponta (2017-12-05 18:05) 

ebisu

Pontaさん

こういうベンチャー企業は、技術系の人が社長の場合、管理系にしっかりした人を置かないと、ブレーキのない車が暴走するようなことになりがちです。
ペプチドリームはベンチャー企業ですが、東大の先生は副社長だったかな、社長は事業の提案者、一度会社をつぶしていますから、管理系にもしっかりした人を置いて、会社としての体裁をがっちり作り上げたようです。
社長の窪田さんは前職がSRL、直接一緒に仕事したことはありませんが、存じ上げています。一部上場企業で急成長、高収益企業です。

今回のスパコン開発会社、とっても残念ですね。でも商品がいいので、補助金を全額返金して、やり直せばいい。信用は深く傷つきましたが、このままつぶれてほしくない企業です。

by ebisu (2017-12-05 22:09) 

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