#3603 根室=釧路間高規格幹線道路は必要だろうか? Sep. 2, 2017 [87.根室の話題]
根室と釧路をつなぐ国道を複線化するという。国道のほかにすでに太平洋岸沿いに道路(142号線と123号線)がある。だから「高規格幹線道路=国道」を敷設するということなのか?
*高規格幹線道路の整備計画:釧路市役所ホームページ
https://www.city.kushiro.lg.jp/common/000093592.pdf
国道44号線を走っていて、渋滞の経験のある人はいるだろうか?わたしは見たことがない。10台ほどつながることはあるが、そういう時ですら時速50-60㎞で流れている。
<交通量:人口減少の視点から>
交通量を考えてみよう。根室の人口は昭和40年代の初めころに4.9万人だった。今日届いた「広報根室9月号」によれば、8月1日の人口は26,591人で昨年同月の27,143人に比べて552人の減少である。昨年1年間で611人人口が減少している。人口減少は加速しているが、少なめに見積もり毎年550人減少するとしたら、13年後の2030年にはいまより7150人減って、19,441人となる。わずか13年後に根室市の人口は2万人を割る。社会保障人口問題研究所の地域別人口推計では2040年に1.8万人となっていたはずだから、それを8年ほど前倒しすることになる。それほど根室の人口減少が加速している。方向違いの移住促進という施策に予算をつけて実施し、肝心の地元企業の経営改善に目が向かない、アホの極み。
交通量は人口の点からは3割程度減少を想定しておくべきだろう。
<交通量:資源減少の視点から>
では、水産業の物流量は増えるだろうか?サンマは中国船や台湾船、韓国船が太平洋公海上で連続操業して獲りまくっているから、資源量の急減は避けられない。ロシア海域でのサケ流し網量は禁漁になった。根室と釧路の間の物流量は資源量から見ても増える見込みはない。5年前に比べても現在すでに3割ほども減っているのではないか?
...方向を変えて、
<地元3割負担なら高規格道路がほしいという自治体はあるのか?>
高規格道路は建設にも維持にもお金がかかる。人口が急減していき、物流量も減少していくのだから、現在の道路で十分ではないか。
釧路を根室をつなぐ交通インフラは鉄道の花咲線と国道44号線、太平洋沿岸をつなぐ142号線と123号線があるが、新たに高規格道路を作る必要が本当にあるのだろうか?
本当に必要なら、地元が3割負担するから、すぐに着工してくれと国土交通省に言えばいい。3割負担をしても必要だという沿線自治体はないだろう、必要ないからだ。タダだからなんでもやってくれというのは、ホイド(欲深な者)だ。
<子や孫たちに大きな負担を残すな>
道路建設もその維持もタダではない。冬の吹雪の時に、複線化された国道の両方の除雪にかかるお金を考えてほしい。国道だから国の負担だが、すでに1100兆円もの国債残高を抱えて破綻寸前の財政状況下にある。
沿線の土木建設業者のためにどうしてもやりたいなら、既存の国道4号線を高規格道路にして、速度制限を80㎞にすればいい。そうすれば国道の維持管理費は半分にできる。
根室の子どもたちの未来に、そして日本列島に住む子どもたちに、当代のわたしたちは大きな負担を残してはならぬ。
「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」
高規格道路をつくって国道を複線化して、懐具合がよくなるのは土木建設業者だけ、それも建設時の一時的なもの。道路は建設期間よりも保守の時間のほうがはるかに長いのである。だから未来の沿線住民や政府の負担を大きくする。日本全体の人口縮小が始まってしまったから、インフラは現在のものを整備して使い、新たな幹線網の敷設はやるべきではない。ニーズがない。
...どうすればいいのか
<未来に具体的なビジョンをもとう>
人口減少と資源量減少は避けられないから、それを前提に考えるべきだ。移住促進なんかやっても焼け石に水、お金の無駄。何年間も予算措置をして移住促進策をやっては見たが、実績がほとんどない。
地元企業の経営改善無くして、高校を卒業して都会へ行った若者たちの半数も戻るはずもない。働いている人たちの給与や労働環境の整備を都会の企業並みにするには、地元企業の経営改善が不可欠。上場企業並みの経営管理を導入すればいい。上場審査は、企業が当たり前のことを当たり前にやっているか審査するだけ。そんなにハードルの高いものではない。決算を従業員へ公開するのは今や経営の常識。そうしなければ予算制度すら導入できない。オープン経営に舵を切り、従業員に夢を語ってともに夢の実現に邁進すればいい。
(人口が急激に縮小し続ける中で生き残る、あるいは業績を伸ばしていくためには、他よりも秀でた経営能力が要求される。)
高規格道路をつくり国道を複線化するよりも、鉄路の花咲線存続を選択すべきではないのか?
<出でよ!困難な仕事を担う者>
根室の未来を総合的に考える余裕をもちたい。
釧路・根室管内共通の課題を調整できる者が必要だ。そういう切実な人材ニーズがあるということ。
高規格幹線道路には地域のニーズがないから、これを取りやめ、その分の予算を鉄道花咲線の線路維持に使ってもらいたい、ついては国土交通省と交渉がやれるくらいの人材が沿線地帯の2市役所と3町役場の幹部職員や市長、町長、道議会議員、国会議員にはいないのか?
いるだろうよ。故郷の未来のために何人か声を上げる者が出てもらいたい。
70% 20%
*高規格幹線道路の整備計画:釧路市役所ホームページ
https://www.city.kushiro.lg.jp/common/000093592.pdf
国道44号線を走っていて、渋滞の経験のある人はいるだろうか?わたしは見たことがない。10台ほどつながることはあるが、そういう時ですら時速50-60㎞で流れている。
<交通量:人口減少の視点から>
交通量を考えてみよう。根室の人口は昭和40年代の初めころに4.9万人だった。今日届いた「広報根室9月号」によれば、8月1日の人口は26,591人で昨年同月の27,143人に比べて552人の減少である。昨年1年間で611人人口が減少している。人口減少は加速しているが、少なめに見積もり毎年550人減少するとしたら、13年後の2030年にはいまより7150人減って、19,441人となる。わずか13年後に根室市の人口は2万人を割る。社会保障人口問題研究所の地域別人口推計では2040年に1.8万人となっていたはずだから、それを8年ほど前倒しすることになる。それほど根室の人口減少が加速している。方向違いの移住促進という施策に予算をつけて実施し、肝心の地元企業の経営改善に目が向かない、アホの極み。
交通量は人口の点からは3割程度減少を想定しておくべきだろう。
<交通量:資源減少の視点から>
では、水産業の物流量は増えるだろうか?サンマは中国船や台湾船、韓国船が太平洋公海上で連続操業して獲りまくっているから、資源量の急減は避けられない。ロシア海域でのサケ流し網量は禁漁になった。根室と釧路の間の物流量は資源量から見ても増える見込みはない。5年前に比べても現在すでに3割ほども減っているのではないか?
...方向を変えて、
<地元3割負担なら高規格道路がほしいという自治体はあるのか?>
高規格道路は建設にも維持にもお金がかかる。人口が急減していき、物流量も減少していくのだから、現在の道路で十分ではないか。
釧路を根室をつなぐ交通インフラは鉄道の花咲線と国道44号線、太平洋沿岸をつなぐ142号線と123号線があるが、新たに高規格道路を作る必要が本当にあるのだろうか?
本当に必要なら、地元が3割負担するから、すぐに着工してくれと国土交通省に言えばいい。3割負担をしても必要だという沿線自治体はないだろう、必要ないからだ。タダだからなんでもやってくれというのは、ホイド(欲深な者)だ。
<子や孫たちに大きな負担を残すな>
道路建設もその維持もタダではない。冬の吹雪の時に、複線化された国道の両方の除雪にかかるお金を考えてほしい。国道だから国の負担だが、すでに1100兆円もの国債残高を抱えて破綻寸前の財政状況下にある。
沿線の土木建設業者のためにどうしてもやりたいなら、既存の国道4号線を高規格道路にして、速度制限を80㎞にすればいい。そうすれば国道の維持管理費は半分にできる。
根室の子どもたちの未来に、そして日本列島に住む子どもたちに、当代のわたしたちは大きな負担を残してはならぬ。
「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」
高規格道路をつくって国道を複線化して、懐具合がよくなるのは土木建設業者だけ、それも建設時の一時的なもの。道路は建設期間よりも保守の時間のほうがはるかに長いのである。だから未来の沿線住民や政府の負担を大きくする。日本全体の人口縮小が始まってしまったから、インフラは現在のものを整備して使い、新たな幹線網の敷設はやるべきではない。ニーズがない。
...どうすればいいのか
<未来に具体的なビジョンをもとう>
人口減少と資源量減少は避けられないから、それを前提に考えるべきだ。移住促進なんかやっても焼け石に水、お金の無駄。何年間も予算措置をして移住促進策をやっては見たが、実績がほとんどない。
地元企業の経営改善無くして、高校を卒業して都会へ行った若者たちの半数も戻るはずもない。働いている人たちの給与や労働環境の整備を都会の企業並みにするには、地元企業の経営改善が不可欠。上場企業並みの経営管理を導入すればいい。上場審査は、企業が当たり前のことを当たり前にやっているか審査するだけ。そんなにハードルの高いものではない。決算を従業員へ公開するのは今や経営の常識。そうしなければ予算制度すら導入できない。オープン経営に舵を切り、従業員に夢を語ってともに夢の実現に邁進すればいい。
(人口が急激に縮小し続ける中で生き残る、あるいは業績を伸ばしていくためには、他よりも秀でた経営能力が要求される。)
高規格道路をつくり国道を複線化するよりも、鉄路の花咲線存続を選択すべきではないのか?
<出でよ!困難な仕事を担う者>
根室の未来を総合的に考える余裕をもちたい。
釧路・根室管内共通の課題を調整できる者が必要だ。そういう切実な人材ニーズがあるということ。
高規格幹線道路には地域のニーズがないから、これを取りやめ、その分の予算を鉄道花咲線の線路維持に使ってもらいたい、ついては国土交通省と交渉がやれるくらいの人材が沿線地帯の2市役所と3町役場の幹部職員や市長、町長、道議会議員、国会議員にはいないのか?
いるだろうよ。故郷の未来のために何人か声を上げる者が出てもらいたい。
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2017-09-02 19:42
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