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#3580 年に一度お祭りの時に飲む特別なお茶 Aug. 14, 2017 [88.金刀比羅神社のお祭り]

<更新情報> 
8月15日夜11時55分 400年に一度の大津波に備える

金刀比羅神社のお祭りのときに、「北の勝」ではパイプを引いて蛇口をつけて酒造りに使っている湧水をふるまう。10日にそこから300ccほどいただいてきた。
  その水でお茶を入れて飲む、これが実においしいのだ。年に一度しか飲めないからなおさらだ。今年も貴重なお水を沸かしてお茶を入れていただいた。

  お茶の葉は毎年、東京高幡不動駅前の金子園から新茶をとっている。以前は板橋区志村坂下駅前の君野園というお茶屋さんに新茶の予約注文をしていた。新茶は味わいが違う、味の劣化が少ないように冷蔵庫に入れて保管して使っている。最近はおつきあいからコープサッポロの新茶も注文して飲むが、水道の水は使わずに2Lサイズのペットボトルの天然水を使う。水道の水を使うとおいしくないから。
  お茶も珈琲も水がよいと素材の持つうまみを存分に引き出してくれる。

  根室には「北の勝」のほかに昔「色媛」という銘柄の酒があった。わたしが小学生のころはまだあった。カネマンと呼んでいたような気がする。兼古酒造だったかな、あった場所はヒシサン。成央小学校のあたりから湧水を引いて仕込み水として使っていた。一坪ほどもある木桶に滾々(こんこん)と水が流れていた。水源から1km以上の距離を一般道を乗り越えて水が引けたのだから、政治力も大きかったに違いない。今では不可能である。
  交差点の角地に水栓がもうけられていて、近所に鍵(金属のハンドル)が配れており、湧水を利用できた。天秤棒にバケツを二つぶら下げてバランスを取りながら家まで運んだ。天秤棒がしなるので慣れないとバケツの水が2割がたこぼれてしまうからコツがいる。お風呂や洗濯に使う水は家の裏にある井戸水だった。水道が家に引かれてからも近所のおばあさんはバケツに1/4ほどカネマンの水を汲んできて、鉄瓶で湯を沸かし、お茶を楽しんでいた。水道が整備されたのは根室町から根室市なった昭和32年ころ。カルキ臭いのと鉄管の臭いが混ざって慣れるのにしばらくかかった。大きな甕で水道水を受けてカルキ臭さを抜いて使っていた。良い水は匂いや味の感覚を鋭敏にする。
  「北の勝」の水源についても書いておこう。碓井さんのところは酒蔵のある一角の敷地内に水源がある。酒蔵に隣接する常盤公園はもともと碓井さんの所有地で、仕込み水の水源地と一帯。あるとき常盤公園に市庁舎を移転しようとした。木を伐採して市庁舎を立てたら水が枯れるかもしれない。公園で利用するという約束で寄付をしたのだから、用途変更は約束違反、寄付の経緯を説明して移転をやめてもらったという。年数がたつと、経緯を知っている人間が市役所のほうにもいなくなる。こういう約束は書面にしておかないと危うい。それにしても、酒蔵の隣地の林を伐採して大きな建物を建てたら、仕込み水に影響することぐらいわかりそうなもの。

  カネマンの水源だったのは成央小学校のあたりだから、井戸を掘って蛇口をつけてくれたら、大地震が来て水道が止まっても市民は水の確保ができる、そして普段から地元のおいしい水でお茶や珈琲が飲める。「北の勝」の碓井酒造の水と並んで根室産のおいしい「ふるさとの水」だ。
  地層調査の結果、根室半島は20-30mの津波が5500年間に15回来ているのをご存じだろうか?前回大津波があってから約400年間沈黙が続いている。どういうわけか根室半島はこの50年間毎年1cmほど沈んでいる。ebisuが高校生の時から50年たっているから、もともと洪水が多かった緑町も汐見町も50㎝地盤が沈下しているから、海側から高潮被害がでるようになった。爆弾低気圧で1.5mほどの高潮被害がでたのは、数年前のことだが、地盤沈下の影響が大きい。いずれ根室半島は大きな地震とともに跳ね上がることになる。
  大災害に備えなければならない。借金を増やしてはならぬ、借金はゼロにして、災害時にお金が使えるように蓄えねばならない。

  住んでいる人たちが安心て住めて心の底からいい町だと思えれば、移住してくる人も増えるのではないか?一つ一ついいところをつくっていけばいい。
  オープンマインドが大切、閉鎖性を打破しよう。

  最近、地元経済界はロシアとの経済交流について会議を開いたそうだが、非公開。こういうことも一つずつ変えて行けば町の未来が明るくなる。利害が対立する北方領土運動諸団体くらいは入れるべきだ。

  「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」


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tsuguo-kodera

 その通りです。何で地元経済界は三顧の礼でエビス先生を階にのメンバーに迎えないのかが私は不思議です。すぐやらなければお呼びがかかってしまうかも。(笑)
 理由は単なに地元責任者がアホ、会議の主宰者がアホ。むしろクローズドが儲かる輩がお近くにいるのでしょうね。何れにしろ情けない。
 エビス先生の経済論を実証する良い機会です。何でもやればエビスなら成功間違え無し。年間2千万円あればよい新規事業などできるはず。お手伝いしたい。事業企画ならお任せあれ。でもエビスだけです。ロシア側にも根室のアホ側にもメリット大のはず。
 ひょっとして根室は没落すべきと誰かビッグブラザーが考えているのかも。
 根室の海産物を利用すれば簡単なのに不思議です。液晶や携帯電話より簡単に儲かります。
by tsuguo-kodera (2017-08-16 09:05) 

先生

通りすがりで一言だけコメントを残させて下さい。
最近の調査で根室の酒造で使われている水はХоккайдоの水とは異質であることが分かったそうです。このことから考えられることは日本酒以外の酒造にも適しているかもしれないということです。それはそれで新たな産業の可能性が高まりますね。
ただし欠点は量が少ないこと。大量生産ができません。メーカーの販売姿勢がタイトでシビアな姿勢を見せるのはこの事を職人もしくは経営の感覚としてすでに把握しているからかもしれません。
このように道内でも特異な香味を示す北の勝の魅力はどうやら水にあったと思われます。

余談ですが北海道の良質とされている醸造所は西北西方面から東南東へ伸びる横一線のベルト状態になっています。逆にそこから外れている地域の酒は…どうでしょう?
この調査は年前まで積極的になされていましたが現在では行政の都合で廃止されてしまいました。せっかく研究予算がわが田んぼに引かれていたのにもったいない話です。

さて色媛は北の誉系だったはずですから男酒の北の勝とは対象的な女酒でした。塩辛く脂の乗ったサンマよりも野菜を混ぜて風味よく煮付けた滋味深い地物の魚によく合ったことでしょう。これからも地酒を愛しつつ海に山に産物の恵みに感謝しようと思います。
by 先生 (2021-07-24 20:18) 

ebisu

色媛が甘口のお酒であったことをよくご存じですね。わたしは小学生低学年の頃かもっと前だったか、飲んだ記憶があります。
北の勝は男酒、昨日は道産の酒造好適米「きたしずく100%」でつくった冷用酒を飲んでましたが、「北の勝」独特の味がはっきりしてました。この独特の味が水のせいであることは間違いありませんね。
すると色媛は水質が違うということになりそうです。似ても似つかぬ味でした。だから、当時の根室町民は北の勝を好む人と色媛を好む人に分かれていましたね。

ところで、「北海道の良質とされている醸造所は西北西方面から東南東へ伸びる横一線のベルト状態になっています」というのは旭川と根室を直線で結んだライン上ということですか?

北の勝が大量生産しないのは水の量が少ないという理由ではなさそうです。湧出する水の量から考えて2倍は生産が可能かと思います。
碓氷さんの現在のご当主は、創業150年の家業の継続を考えており、利益増大を経営の目標とはしていないように見えます。
「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」
地元に軸足を置いた経営のようです。

国後島にあった碓氷さんのレンガ造りの蟹罐詰製造工場は敗戦で失いました。昭和50年代に倒産した根室最大の水産加工業者であった日本合同罐詰は昭和30年代半ばまでは蟹罐詰が主力商品でした。世界中に輸出してました。富良野工場新設、野菜や果物分野の事業へ経営拡大して失敗した背景には、根室の向上の経営不振が遠因になっています。その負債の後始末で現当主はたいへんご苦労があったと聞いています。
だから、無理な経営拡大は現当主の碓氷美奈子さんはおやりにならない。
北の勝は根室の地酒でいいというのが経営の根幹にあるようです。だから、東京のデパートから引き合いがあっても直接取引は絶対にしません。「地元の酒問屋から購入してください」と言うのみです。実際に何度か断っています。

でも、結構冒険はしていますよ。幻の酒となっている「搾りたて」や純米酒は当初は売れなかったんだそうです。
数年かかって「搾りたて」がブランド化しています。

一番北の勝らしいのは、この冷用酒や「大海」です。一番価格の安い「大海」はなぜか地元でとれる魚にとってもよく合います。地元でとれるお酒と地元で獲れる魚とのマリアージュで、うまさが10倍になります。

ところで、北海道をロシア語で標記したのは何か意味を含んでいるように見えるのですが、よろしければ、続きをご投稿ください。水の話が面白そうです。
by ebisu (2021-07-24 21:24) 

先生

返信ありがとうございます。
老いぼれが身の程を知らずに知識や経験を開けさせるほど空々しく恥ずかしいことはないので質問にのみ応えることで勘弁してください。

・ベルト地帯の話は狭義でいうとおっしゃる通り(増毛)旭川から根室です。
広義では上記を含みつつ,積丹から小樽ー札幌ー栗山ー十勝?ー釧路!?ー根室です。
北海道の酒造りは,縦ではなく横のベルト状ということです。

・次に北海道ではなくХоккайдоと表記したのは,ベルトの中でも根室の水だけ特異なのです。
分かれ目はおよそ東経145.5度。言い換えれば根室の水だけはベルトに属していない,もしくはベルトの中でも特別と考えても良いかもしれません。あの飲み口の良い逸品は水が為せる技であろうと思います。
そこで日本酒の製造に限らないと申しました。すでにウイスキー製造に着手した近隣地域がありますね。

ただし決定的な欠点は採水の量。近江商人のこだわりと言えば格好が良いですが,そのような矜持よりももっと大きな原因「本当は作れない」という実態が我々の見解です。
>2倍
質を維持しながらそれほど生産できるなら素晴らしい。ただし将来もその水質と水量を維持できるでしょうか。
2倍作れる根拠と自信,なにより夢がお有りのようですが,あまりにも見解が違いすぎますのでこれ以上の論述は不毛です。

地元の会員によると,メーカーの本音は販路を都市部へシフトさせること,と聞いております。
その経営手法が根室の商工関係者から反感を買った時期があるとも聞いておりますので,このメーカーが示す「地元密着」を額面通りには受け入れられません。
ただ売上を維持できないなら利益を確保したくなるのが商道の常。悪い事とはまったく思いません。ここの蔵から出る酒は紛うこと無く日本一です。

・似ても似つかぬ味だった北の勝といろ媛ですが,Хоккайдоの水という点では同根です。
水の差異よりも製法の違いが大きかったと見ています。もちろん資本が異なる他社の商品に対して意識的に味を違えた可能性も大きいでしょう。
酒造については門外漢ですが,身内がいろ媛の杜氏だったので日本酒のテイスティングDNAは備えているつもりです。
今の北の勝は糖と酸を除いてくれたのは歓迎ですが媛の色情に負けたか?随分と甘くなった。
日本酒度が+1とあっては,かつての闘牛も大衆向けの種牛になったか。
by 先生 (2021-07-31 15:21) 

ebisu

外側から見た客観的なご意見、ありがとうございます。
ネットで検索してみたら、北海道は縦じま模様に地質がわかれていました。6本の縞模様で構成されています。その一番東側が「根室帯」ですが、根室半島だけは水質が違うとおっしゃるのは、地質が特異だということでしょうね。
色媛と北の勝の仕込み水が、水質としては同じかもしれないというご意見は、これら二つのメーカーのお酒の味があまりにも違っていたので、想像できませんでした。

日本列島の地質と構造
https://www.gsj.jp/geology/geology-japan/geology-japan/index.html

水の量の問題はおっしゃる通りでしょうね。数年間は2倍にできても、直ぐに枯渇することになるでしょう。山から伏流水があるわけではなく、碓氷さんの酒蔵のすぐ上の常磐公園の高さの平地はそんなに広くありませんから、いまの生産量に抑えざるを得ないのかもしれません。55年前に比べると、道路は細い道までアスファルトになったし、空き地で原野になっていた場所も住宅がびっしり立っているので、帯水層への雨水の浸透量は減っていて当然ですね。
色媛の水源は成央小学校のあたりですから、水量は色媛の方がずっと多かったようですね。現に、緑町3丁目の交差点の角に水道栓がありました。あの通りを挟んで両方の家が、飲み水に利用していました。酒蔵の敷地内には大きな木製の受水槽があって、いつも水が溢れていましたよ。
だから、成央小学校のあたりに井戸を掘れば、現在の北の勝の2倍以上の仕込み水が確保できますね。水質がまるっきり別だと思い込んでいたので、そんなことは考えもしませんでしたが、水質が同じだと仮定したら、北の勝は生産量を2倍にできます。生産量を2倍にしたら、現在の販路は考え直さなければなりませんね。

問屋を通しているので、都市部に販路を移したいというのは、酒蔵の意向ではなくて問屋さんの方の都合ではないでしょうか。
根室の人口は最盛期の半分以下になりました。お酒を飲む水産関係の若い人口は1/5以下でしょうね。だから根室市内では捌けません。否応なしに消費は根室以外の地域へ移っていっているのでしょう。時代の流れですね。
日本酒度は+1ですか、ずいぶん甘口ですね。あまりそんな感じはしないで飲んでいました。東京暮らしが35年ですが、日本酒度+4~+5のお酒が口にあっていました。
「搾りたて」は当初は糖類添加をしていた時期がありましたが、やめましたね。ちょっと甘いけど、すっきりした飲み口になって喜んでいました。有名になったので地元でもなかなか買うことができません。残念やらうれしいやら複雑な心持です。(笑)

根室の水が、地質学的な分類の「根室帯」に属するほかの地域とはまた異なっているのいうのはまったく知りませんでした。教えていただいてありがとうございます。

根室の上水道が整備されたのが昭和31年ころ。それまでは、飲料水に色媛の水を使っていたことが思い出されます。そしてお仲人さんである北構保男先生の奥様の実家がカネマン色媛であったことを先生ご自身からお聞きしたことがありました。
北の勝の現在の番頭さんは高校時代の同級生で、特に仲がいいので、お酒や水の話には彼と同様に興味があります。
お陰様で、知らないことがいくつかわかりました。御礼申し上げます。
by ebisu (2021-07-31 18:42) 

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