#3539 授業進捗管理状況(英語) May 11, 2017 [71.データに基づく教育論議]
五月連休明けの時点で進度に問題を生じている学校がある。市街化地域の3校のうち、遅れを生じているⅠ校の英語授業を例に取り上げる。もちろん、ちゃんと管理がなされている学校も1校確認できている。学校によって授業進捗管理がしっかりなされているところとそうでないところがあるということ。もちろん生徒の学力へ影響がある。
まず、最もシビアに授業進捗管理をしなければならない3年生をとりあげたい。3年生は1月末までに教科書を終わらなければ、2月からはじまる私立高校受験に間に合わないし、道立高校受験も二月1か月間の復習期間が必要である。
まず、最もシビアに授業進捗管理をしなければならない3年生をとりあげたい。3年生は1月末までに教科書を終わらなければ、2月からはじまる私立高校受験に間に合わないし、道立高校受験も二月1か月間の復習期間が必要である。
一月末終了を前提に考え、夏休みと冬休みを考慮に入れると、実質的には八か月で教科書を終了しなければならない。教科書は8章あり、「power-up」×7と「英語のしくみ」×4があり、最後に「Extensive Reading」が12ページある。
章に換算すると5章分あるから、全部で13章を8か月でやらなければならない。月平均1.6章消化しなければならないから、第2章の①を終わっていればOKである。
五月連休終了時点で第1章を終了していない中学校があるが、この学校は1月末時点で教科書を終えることができないだろう。月に1章の消化速度では教科書全部を終わることができない。長分読解力を養成する「Extensive Reader」はやれない。最近はこの章を授業でやらない学校が増えた。10年前はほとんどの学校がやっていたのだが・・・
こうして、英語長文問題に弱い根室っ子が量産されている。
二年生の教科書は12章あり、「power-up」×9と「英語のしくみ」×5があり、最後に「Extensive Reading」が4ページある。章に換算すると4.5章分あるから、全部で16.5章である。二月末で終わると仮定すると、「16.5章÷9か月=1.8章/月」、平均1.8章分を一月に消化しなければならない。二年生で昨日までまだ第1章を終わっていない学校があった。始動1か月ですでに1章の遅れである。いうべき言葉さえ見つからぬ。
いまからならまだ救える、挽回できる。このまま夏休みを迎えたら取り返しがつかない。
章に換算すると5章分あるから、全部で13章を8か月でやらなければならない。月平均1.6章消化しなければならないから、第2章の①を終わっていればOKである。
五月連休終了時点で第1章を終了していない中学校があるが、この学校は1月末時点で教科書を終えることができないだろう。月に1章の消化速度では教科書全部を終わることができない。長分読解力を養成する「Extensive Reader」はやれない。最近はこの章を授業でやらない学校が増えた。10年前はほとんどの学校がやっていたのだが・・・
こうして、英語長文問題に弱い根室っ子が量産されている。
二年生の教科書は12章あり、「power-up」×9と「英語のしくみ」×5があり、最後に「Extensive Reading」が4ページある。章に換算すると4.5章分あるから、全部で16.5章である。二月末で終わると仮定すると、「16.5章÷9か月=1.8章/月」、平均1.8章分を一月に消化しなければならない。二年生で昨日までまだ第1章を終わっていない学校があった。始動1か月ですでに1章の遅れである。いうべき言葉さえ見つからぬ。
いまからならまだ救える、挽回できる。このまま夏休みを迎えたら取り返しがつかない。
道教委は授業の進捗管理の徹底を各中学校に通達でも指示している。担当の先生が授業進捗管理にルーズでも、教頭や校長職がチェックすれば済むが、授業に口出しを嫌う風土がある。迷惑するのはちゃんと勉強したい生徒たち。
根室市教委や市議会文教厚生常任委員会メンバーは、根室の子供たちの学力に関心があるのだろうか?調べたらすぐにわかること。
<余談>
地域の皆さんが教育に関心が低いというのは、町の未来に大きな影響がある。
具体的に説明しよう。
C中学校3年生の4月の学力テストで10点以下(60点満点)の生徒が23人/59人 いる。約4割の生徒が10点以下である。こういう低学力の生徒たちは都会で働くことができるだろうか?この階層の生徒たちのほとんどが高校卒業時点で小6の算数の計算問題で50点以下の得点しか取れないだろう。
いまや非正規労働が40%あり、その年収は100-150万円である。非正規雇用では自立して生活するのは困難だ。だから、専門学校や大学を卒業しても仕送りを続けている親が増えている。そうせざるを得ないからだ。女の子なら手っ取り早く収入を増やせるのは風俗産業である。
自分の子供や孫、友人の子供たちが学力が低いために非正規雇用や風俗産業で働かざるを得ない状況に追い込まれるということを想像してもらいたい。根室で育てばみんな根室っ子、他人事とは思わないでいただきたい。
非正規雇用はいつまでやってもキャリアが積めないし、年収も増えないから、食べていけなくなり、親元に戻り寄生せざるを得なくなる。根室に戻ってきても自立して生活ができる正規雇用職はほとんどない。多くが非正規雇用か非正規雇用並みの給与の正規雇用職に就くしかない。非正規雇用では独力で生活するのもむずかしいから、結婚をあきらめるか、結婚してもなかなか生活を維持できない。経済的理由から離婚も増える。
(この15年ほどで根室の小・中学生の数は4割減、総人口は6000人減、おおよそ2割減だから、15歳以下の層が激減したことがわかる。日本に学制が敷かれて二年後に設立された花咲小学校の今年の新入生は17人だ。団塊世代のころは1学年360人のマンモス校だった。)
四月学力テスト(数学)の得点階層別データを書いておく。
51-60点 1人
41-50点 1人
31-40点 3人
21-30点 14人
11-20点 17人
0-10点 23人
合計 59人
この学校の数学の平均点は16.0で、昨年の学力テスト総合ABCが3回連続して16点だった。昨年の釧路の14中学校で数学の平均点の最低は18点だったかな。
高校数学がこなせるのは59人中41点以上の二人のみ。成績上位層の枯渇がこんなにはっきり数字に表れている。
数学の平均点が低いだけではない、この学校の三年生の五科目合計平均点が112.6点である。
B中学校の数学の平均点は18.3点、五科目合計平均点は108.7点。10点以下は21.8%(12人/55人)、41点以上は1人のみ、この14年間でみるとB中は160点を超えたこともあった。根室市内の中学生の学力低下に気が付いている先生たち、市議会議員、教育行政関係者が何人いるのだろう?
教育行政や学校管理職は、過去10年間の学力テスト・データを見て教育を語れ。
<余談-2>
上述の得点階層別のデータで、10点以下の生徒は放課後個別補習をするしか救う手がない。道教委は放課後補習に退職教員を充当しているようだが、本筋から外れている。失礼ながら、集団指導でたくさんの生徒を落ちこぼして放置してきたベテラン教員の何人に、10点以下の生徒たちを救う指導技量があるのだろう?
教科担当の先生がやるしかない。それには過度な部活指導が邪魔だ。Ⅰ学年60人以下の規模の学校では部活指導負担が大きすぎる。こんなに学力が低いのだから、部活は週に4回までに制限すべきだ。そうすれば1日は放課後補習に充当できる。成績不振の生徒の多くが生活習慣にも問題を抱えているから、簡単ではない。それに個別補習は生徒の観察がベースだから集団指導とはかなり趣が違う。そしてとっても手間がかかる。
部活制限の問題が関わるので、PTAも協力しないと現状は変えられない。
同じ学区内の小学校にも大きな問題があるから、そこにもメスを入れる必要がある。学力向上を目的にした小中連携が必要だ。
小学校の算数や国語は教科担任制にしたほうがよさそうだ。そうすることで、担任の先生の空き時間も作れる。郡部校を市街化地域の学校に統合すれば簡単に余剰人員がつくれるのは全道のほとんどの地域に共通しているだろう。
根室市教委や市議会文教厚生常任委員会メンバーは、根室の子供たちの学力に関心があるのだろうか?調べたらすぐにわかること。
<余談>
地域の皆さんが教育に関心が低いというのは、町の未来に大きな影響がある。
具体的に説明しよう。
C中学校3年生の4月の学力テストで10点以下(60点満点)の生徒が23人/59人 いる。約4割の生徒が10点以下である。こういう低学力の生徒たちは都会で働くことができるだろうか?この階層の生徒たちのほとんどが高校卒業時点で小6の算数の計算問題で50点以下の得点しか取れないだろう。
いまや非正規労働が40%あり、その年収は100-150万円である。非正規雇用では自立して生活するのは困難だ。だから、専門学校や大学を卒業しても仕送りを続けている親が増えている。そうせざるを得ないからだ。女の子なら手っ取り早く収入を増やせるのは風俗産業である。
自分の子供や孫、友人の子供たちが学力が低いために非正規雇用や風俗産業で働かざるを得ない状況に追い込まれるということを想像してもらいたい。根室で育てばみんな根室っ子、他人事とは思わないでいただきたい。
非正規雇用はいつまでやってもキャリアが積めないし、年収も増えないから、食べていけなくなり、親元に戻り寄生せざるを得なくなる。根室に戻ってきても自立して生活ができる正規雇用職はほとんどない。多くが非正規雇用か非正規雇用並みの給与の正規雇用職に就くしかない。非正規雇用では独力で生活するのもむずかしいから、結婚をあきらめるか、結婚してもなかなか生活を維持できない。経済的理由から離婚も増える。
(この15年ほどで根室の小・中学生の数は4割減、総人口は6000人減、おおよそ2割減だから、15歳以下の層が激減したことがわかる。日本に学制が敷かれて二年後に設立された花咲小学校の今年の新入生は17人だ。団塊世代のころは1学年360人のマンモス校だった。)
四月学力テスト(数学)の得点階層別データを書いておく。
51-60点 1人
41-50点 1人
31-40点 3人
21-30点 14人
11-20点 17人
0-10点 23人
合計 59人
この学校の数学の平均点は16.0で、昨年の学力テスト総合ABCが3回連続して16点だった。昨年の釧路の14中学校で数学の平均点の最低は18点だったかな。
高校数学がこなせるのは59人中41点以上の二人のみ。成績上位層の枯渇がこんなにはっきり数字に表れている。
数学の平均点が低いだけではない、この学校の三年生の五科目合計平均点が112.6点である。
B中学校の数学の平均点は18.3点、五科目合計平均点は108.7点。10点以下は21.8%(12人/55人)、41点以上は1人のみ、この14年間でみるとB中は160点を超えたこともあった。根室市内の中学生の学力低下に気が付いている先生たち、市議会議員、教育行政関係者が何人いるのだろう?
教育行政や学校管理職は、過去10年間の学力テスト・データを見て教育を語れ。
<余談-2>
上述の得点階層別のデータで、10点以下の生徒は放課後個別補習をするしか救う手がない。道教委は放課後補習に退職教員を充当しているようだが、本筋から外れている。失礼ながら、集団指導でたくさんの生徒を落ちこぼして放置してきたベテラン教員の何人に、10点以下の生徒たちを救う指導技量があるのだろう?
教科担当の先生がやるしかない。それには過度な部活指導が邪魔だ。Ⅰ学年60人以下の規模の学校では部活指導負担が大きすぎる。こんなに学力が低いのだから、部活は週に4回までに制限すべきだ。そうすれば1日は放課後補習に充当できる。成績不振の生徒の多くが生活習慣にも問題を抱えているから、簡単ではない。それに個別補習は生徒の観察がベースだから集団指導とはかなり趣が違う。そしてとっても手間がかかる。
部活制限の問題が関わるので、PTAも協力しないと現状は変えられない。
同じ学区内の小学校にも大きな問題があるから、そこにもメスを入れる必要がある。学力向上を目的にした小中連携が必要だ。
小学校の算数や国語は教科担任制にしたほうがよさそうだ。そうすることで、担任の先生の空き時間も作れる。郡部校を市街化地域の学校に統合すれば簡単に余剰人員がつくれるのは全道のほとんどの地域に共通しているだろう。
2017-05-11 09:01
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コメント(2)
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こちらは、進度進捗管理については改まりましたが、定期試験の出題レベルのあまりの低さにはため息が止まりません。この部分、オフィシャル・ルートを通じて道教委に「直接」伝え続けるのみですね…。
どの教科も定期試験を簡単にして平均点ありきの出題をしていますが、英語もまた悲惨です。児童英検レベルの定期試験。こんなことでは、政府が言うところの英語力養成など夢のまた夢です…。
by ZAPPER (2017-05-11 23:26)
ZAPPRRさん
釧路は授業の進捗管理に問題のある学校は保護者が道教委へ直接メールして改善を図るほど、意識が高くなっています。
根室の保護者は違います。
道教委の手を借りなくても、校長や教頭がチェックすればいいだけ。授業進捗管理という問題は簡単に解消できるはず。しっかりしてもらいたい。
もちろん、根室市教委や根室市議会文教厚生常任委員会も。調べたら簡単にわかります。やろうとしないから事態の改善がなかなか進まず、進んでも異動があればすぐに後退してしまう。
大人の責任です。どこも機能しないから、こういう状態が放置されたままになる。
釧路の保護者は道教委へメールして、事態の改善を図っています。
わたしは言い続けるだけ。
私塾のわたしにできることは、退屈な授業にあきれている成績上位生と学校の先生たちの説明がさっぱり理解できない生徒たちの両方を、わずかの人数ですが個別指導で救います。自分の役割を仕事を通じて果たすのみ。
先生たちの異動があると、教育現場はあっというまに元の木阿弥になります。そういう意味では、根室市内の市街化地域の3中学校に限定された問題ではなくて、根室管内で仕事をしている小・中学校の先生たちの問題です。仕事と責任に関する意識の問題でもあります。
根室管内を見ても玉石混交、授業の進捗管理が学校ぐるみでちゃんとなされているところもあります。そうでないところも。
根室の教育の現実は賽の河原の石積みに似ています。積んでも積んでも鬼が来て崩してしまう。
それでも長い目で見たら徐々によくなっています。一緒に石を積んでくれる先生たちが少しずつ増えています。いつの日かブログに書く必要がなくなる日が来ることを祈ります。
by ebisu (2017-05-13 12:48)